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浮上線  作者: よむ
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地平線

初投稿になります。自分の中で出来上がった世界を共有したくて書き始めました。少しずつ更新していきます。よろしくお願いいたします。

空の音はずっと覚えている。

扉の音、人の声、布の音。

耳の中に残るそれは、何か懐かしかった。

ーーーーーー


少年は目を開けた。

いつもの天井。あたたかい布団。木の匂い。

隣を見ると大きな体をした老人が、乾燥した果実を

壺にいれている。


「ハウ、起きたか、おはよう」


「おはよう、ヨナじい」


ヨナじいは僕をずっと育ててくれている人だ。

ボサボサの茶髪、顔を覆うくらいの濃い赤髭、

足は片方が機械になっている。

近くの集落の人からは無愛想って言われてるけれど

話せば面倒見のいいおじいさんだ。


「乾燥果実、あきちゃうなぁ」


そう愚痴を吐くとヨナじいは口角を少し上げる。


「贅沢言うな、これでも高いんだ」

「早く顔を洗いな、今日は回収の日だ。

 集落の方まで行くぞ」


「うん、わかった」


回収。これは僕たちの生活で必要なことだ。


世界はかなり前に滅んだらしい。

僕たちは「ガラクタ」を集めて生活の足しにしている。ヨナじいは「遺物」て言うけれど。


出かける準備をする。乾燥果実もしっかり持った。

「準備できたか、いくぞ」


ーーーーーー


集落は僕たちの家から谷を挟んだ反対側にある。

玄関の扉を開けると、外から草と水の混じったような爽やかな匂いがした。


道沿いに落ちてる錆びた鉄板。ボロボロの家。

風になびく服。ヨナじいの背中について行く。

丘に見える風車は風にのって楽しそうにまわる。

あそこに見えるのはそーらーぱねるて言ったっけ。


谷の向こうに見える集落を眺めながら、

下り坂の道を降りていく。


「今日は天気がいいからな、『世界樹』も見える」


そういってヨナじいの示す方を見ると、遠くの山々の間に巨大なそれはあった。


『世界樹』

いつからあるのか、何のためにあるのかはわからない巨大な建造物。見た目が木のようだからか、そう呼ばれている。

世界樹の麓には人が集まってできた大きな街があるらしい。そして世界中にいくつかある…くらいしか知らない。


遠くから見ても巨大なそれは、風が吹くたびに低い重低音を遠くまで響かせながら、空を突き破っていた。

その先は雲で見えない。なぜか、何か大きなものが空を飛んでいるような気がした。


「おい!じじい!!」


そんな思考を止めるような甲高い声が響く。


「またガラクタ拾い?一緒に行っていいよね!」


道の外れ、機械か何かの残骸が転がっているところから、ゴーグルをつけた女性が現れた。

背中と腰には溢れるほどの機械と器具をつけている。


「ガラクタじゃない、遺物だ」


「なんでもいいじゃん、今日はハウも一緒なんだね」


彼女はレア。僕と同い年くらいで、集落のはずれに家がある。ヨナじいとよく回収に行くらしく、ガラクタが大好きで、誰よりも知識がある。

その知識を何に使うかは知らないけれど。


「世界樹も綺麗に見えるし、回収日和だもんね。

 私もたくさん売りに行くからさ、行こうよ」


彼女の明るさは朝からお腹がもたれる。

オレンジの短髪をなびかせながら、なぜか彼女が先頭になって集落まで向かった。


なぜか、世界樹の先、地平線よりずっと上の空が

気になっていた。



次話 接続






読んでいただき、ありがとうございます。

ハウとレア、ヨナじいを見守ってあげてください。

レアはそばかすがある元気な子です。

なんでも没頭できるそんな子で、これからの物語を引っ張ってほしい!ですね。

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