プロローグ 死亡確定のお嬢様
重い衝撃音。
鷹嗣の右足が血を噴き、崩れ落ちる。
鮮血が畳を染めた。
悲鳴。
家族が動こうとする。
黒い筒がそれを許さない。
竹広がゆっくり近づく。
冷たい瞳で弟を見下ろす。
「……まだ分からないのか」
鷹嗣が血を吐きながら睨む。
「なぜ……直子は俺じゃなくて、お前を……!」
竹広が薄く笑う。
「お前は彼女をただの所有物だと思ってた」
鷹嗣の目が震える。
「俺が……最初からそばにいたのに……!」
竹広が黒い筒を押しつける。
「もう遅い。直子は俺のものだ」
引き金に指がかかる。
その瞬間。
「やっほー♪」
軽い声。
庭の闇から。
全員が凍りつく。
竹広が振り返る。
「誰だ!」
影が動いた。
黒の道着。
白い髪。
目隠し。
男がのんびり歩み寄る。
黒い筒が一斉に上がる。
「撃て!」
轟音。
何かが空中で止まる。
金属が床に落ちる音だけが響く。
竹広の顔が歪む。
男が首を傾げる。
「えー、もう撃つの? つまんない」
ニヤリ。
指を二本、軽く振る。
シュッ。
シュッ。
特殊部隊員の喉が裂ける。
血しぶき。
二人が崩れ落ちる。
綾奈は口を押さえた。
視界が揺れる。
男がゆっくりこちらを見た。
目隠し越しでも笑っている。
「お嬢様、初めまして」
青白い文字が浮かぶ。
【藤原綾奈 Lv.1】
【固有スキル:なし】
【隠しパラメータ:運命値 0 (死亡確定)】
男が舌打ちした。
「マジで0か。最高じゃん」
綾奈の心臓が止まりそうになる。
男が近づいてくる。
「さて、どうやって遊ぼうかな」
(……死ぬの?)
(こんなところで、こんな簡単に……?)
(助けて……誰か……)
初めまして、もしくはお久しぶりです。
改訂版として再スタートしました。
世界観もスキルも大幅変更していますので、1話から読み直していただけると嬉しいです。
毎日19時更新予定です。
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よろしくお願いします!




