プロローグ~酒場にて
長い年代記のはじまりです。
ゆっくりと光に代わり、闇が世界を染めていく。
闇の訪れが仕事の終わりを告げる。
街を守る衛士達の交代の時間だ。
仕事の疲れを酒場で癒やす、いつもの時間の始まりだ。
衛士達は、おのおの好きなものを頼む。
女中が次々とエールのジョッキ、揚げたジャガイモ、焼いた鶏もも肉を運んでくる。
そして、たわいのない会話が始まる。
「なぁ、白剣騎士団の中で誰に憧れる?」衛士のひとりがいう。
「それはやはり神にまで登ったジュリス公だろう。この国の主神でもあらせられるからな。」
「いやいや、憧れたとて、ジュリス公は別格。目指すなら、青の槍騎士だろう。」
おのおの、自分の押しの勇者、英雄を語りながら、ジョッキを傾ける。
「ほうほう、面白い話をしておるな。」
突然、衛士達は声をかけられた。
そこにはローブを着た老人が立っていた。その手にはエールのジョッキがあった。
「仲間に入れて貰って良いかの?」
承諾も得ず、椅子のひとつに座った。
「じいさんは誰がお気に入りなんだい?」
「そうじゃのう…破天荒だというならタルカスじゃろう。
ただの、あいつは野営のたびによだれを垂らして熟睡しておったな。」
「おいおいじいさん、もう300年も前の人物だぞ。」
衛士は老人のほら話を笑った。
「まぁまぁ、酒の肴に良いじゃろ。
タルカスがどういう男であったか。その生き様を。
皆が知る神になった男はどんな男であったかを知りたいじゃろ?」
神がとても近い世界として設定されています。




