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『廃太子、隅宮にて生きる』

 璃宋の都に生まれながら、皇統を継ぐはずの皇太子は、わずか十歳で廃された。

 名を允成。

 政争の渦に巻き込まれ、後宮の片隅――「隅宮」と呼ばれる小さな離れへと追いやられた。


 そこに待っていたのは、雨をしのぐだけの粗末な屋根と、使われぬ井戸。

 供応は絶たれ、食卓は空白のまま。

 だが皇統の“保険”として、生かすためだけに特例が与えられていた。

 狩りをし、魚を獲り、焚火を起こすこと。


 允成を支えるのは、ひとりの少女と、ひとりの宦官だった。

 没落した名家の娘・明玉。

 そして、鼠のように痩せた護衛宦官・石鼠。


 廃された皇子は、二人と共に笑い、涙し、ときに腹を満たしながら生き延びていく。

 焚火の赤、野草の苦み、梅の酸味――。

 それらすべてが、のちに皇帝となる允成にとって、「一番楽しかった日々」として刻まれることになる。

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