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とりあえず落ち着いて

「お、おおおおお兄様が家出⁈」


リリアは手紙をみて驚愕する。


「い、いえ落ち着くのよリリア・ストリア」


リリアは「ふぅ」と息を吐く


「あのお兄様が私達姉妹を見限って出ていくなんてあるはずがありませんわ」


そう言いながら手紙を再度確認する。



「親愛なる俺の妹達へ、

もう僕は嫌になったので、小屋から出て行きます。


仕送りの額は信じられないくらい。

そんな風に思われているなんてお兄ちゃんちょっと悲しいです。


しばらく探さないでください。


兄、アムス・ストリアより」




「…………」




「やっぱり家出としか考えられませんわぁあ!!」


「だってこの、もう僕は嫌になった、って絶対私達の事ですわよねぇ⁈」(※違います)


「それに次の文の仕送りの額も信じられない、って絶対私達の仕送り代が少な過ぎたという意味に違いありません!!」(※違います)


「そんな風に思われてるなんて悲しい、はおそらく私達の仕送りが少な過ぎて雑に扱われていると思ってしまったのですね⁈」(※マジで違います)


「しばらく探さないで、とはおそらく旅か何かに出ているからと言う意味でしょう!!」(※それは合ってる)



「これもう、他の4人にも知らせるしかありませんわね!!」


そう言いながらリリアは魔法陣を展開する。


「天に連なる精霊達よ、リリア・ストリアの名の元において、我が家族と会話の儀を発動したまえ」


リリアがそう唱えた瞬間、魔法陣が光を放ち、空まで光が突き抜ける。


「これであの4人に繋がるはず」


すると光から声が聞こえ出す。


「ちょっと!いきなり会話の儀を開始しないでよ!やめてって言ってんでしょ!!」


耳がキィンとする様な声。


「どうやらリリアがやったようだね、珍しく」


冷静で受け入れる声。


「おやおや、どうしたのリリアちゃん?」


温かい様に包み込む声。


「うぇー、めんどくさいよぉ」


気だるそうな声。


「皆さんいらっしゃいますわね」


リリアはそんな個性豊かな声の主達に呼びかける。


「皆さんを会話の儀に巻き込んだの、とある大事件が発生したからです」


できるだけ冷静にリリアは要件を告げる。


「たくっ、どうせしょうもねぇ事だろ?」


「同感だ、どうせいつもみたいに美味しいスイーツが半額だったとかそんなのだろう」


「まあまあ、みんなきいてみようよ」


「うぇー、めんどくさいよぉ」



4人の内2人はどうやらまだ大事な知らせだと信じていないそうだ。


しかし…


「今回はお兄様が関わる事です」


「!!」

「!!」

「!!」

「!!」

そうリリアが口にした瞬間、一瞬にして場は凍りついた。


「は?おにぃに何かあったのか?言え」


「同意、アムスに何かあったのですか?」


「それだと話は変わるわね」


「にいちゃになんかあったの?」


全員の声が一段低くなる。


「では結論から申し上げます。」


全員に一気に緊張が走る。


「お兄様が家出しました」







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