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リリア・ストリア



アムスが小屋を出て一週間後




私の名前はリリア・ストリア、アムスお兄様の妹


突然だけど私には好きな人がいる、それは…


お・に・い・さ・ま・♡、よ


私とお兄様との出会いはそう、雪の降った日。


私は親に捨てられた。寒くて痛くてお腹も減って…もう死んじゃうかと思った。


だけど、そんな時に助けてくれたのがお兄様だった。


あの日、手を差し伸ばしてくださったあの日からずっと私はお兄様一筋で愛してきた。正直他の男は全員、同じ顔に見える。


そして今日は久しぶりに休みが取れたので直接仕送りを渡しに来ましたの。


喜んでくれますでしょうか…


〜妄想〜


「お兄様!お久しぶりでございます。」


「おお!小鳥達がどうりでさえずっていたと思ったら、リリアだったのか。」


「もう…///お兄様ったら褒めるのがお上手なんですからぁ///」


「上手も何も、事実を言っているだけさ。リリアさえ良ければ、今日は帰らず二人で…」


〜妄想終了〜


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!もう!お兄様のえっちぃ///」


リリアはつい木を殴ってしまう。


すると木がメキメキと音を立て、折れる。


「あら、つい興奮しちゃって…」


リリアは折れた木を持ち上げ刺し直す。


「ふぅ、完璧ですわ。」


そんな事をしているうちにリリアは小屋に着く


「やっと着きましたわ、ざっと10年ぶりですわね」


緊張で飛び出そうになる心臓を抑えながらリリアは深呼吸をする。


「ふぅ…大丈夫ですわ。」


リリアはそう自分に言い聞かせながら勢いよく扉を開ける。


「お兄様!ただいま帰り………」


しかし、リリアの目に入ったのはもぬけの殻となった小屋であった。


「お兄様…?」


きょろきょろ見渡しアムスを確認しようとするがいない。


「いったいどこに…あれ?」


リリアは机に置かれている手紙を見る。


「おれはお兄様の字?」


リリアは読み上げる。


「えっと… 親愛なる俺の妹達へ、

もう僕は嫌になったので、小屋から出て行きます。


仕送りの額は信じられないくらい。

そんな風に思われているなんてお兄ちゃんちょっと悲しいです。


しばらく探さないでください。


兄、アムス・ストリアより……」


リリアは口を押さえぷるぷるしだす。


「……んですって…」



「なんですってぇぇぇ!!」


小さな小屋に大きな叫び声が響いた。


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