利きコーヒー
僕はコーヒーをよく飲む。始めは眠気覚しのつもりで飲んでいたのだが、色々な話を聞いている内に、コーヒーには眠気覚しの効果があるとかないとか、よく分からなくなってきて、別にどっちでもいいかというつもりで今でも飲んでいる。
コーヒーの何が良いのか? それは落ち着くのである。ほっと一息するのである。美味しいかそうでないかもわかる気がする。
それで思い出したのだが、あるバーでマスターと利きコーヒーをしたことがあった。それはマクドナルドのコーヒーが余り美味しくないと、僕が言ったことが発端だった。
マスターはそうかと言って、それじゃあ缶コーヒーを適当に三つ買ってきて、僕に分からないようにグラスに注いだ後で、それぞれのメーカーを当てられるか? と言ってきたのだ。僕は酔っているせいもあってか、その挑戦に乗っかったのだ。結果は全部外れだった……
全部外れては弁解もしようがないし、少し落ち込んだ。
でも本当は何かネタが欲しかっただけなので、当たっても外れてもどっちでも良かった。しかし全部外れるとは……少し自信があったのになぁ……
そんなことがあっても、まだ僕はコーヒーの美味しいかそうでないかを見極められると思っている。根拠は無い。つまりただの思い込みなのだろう。いや、既に結果は出ているのでそれはもう思い込みではなく、頑なに認めたくないだけなのだろう。
負けと言われても負けを認めないことと似ている。自分でもタチが悪いと思う……
そんなことはさて置き、コーヒーは日々の生活に欠かせないくらいに思う。
コーヒーの味の違いが分からなくても、僕はコーヒーを好きなのだ。