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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第一百三十七節:兼修两道!

周囲(しゅうい)(もの)たちの(つよ)進言(しんげん)に、馬尊(ばそん)顔色(かおいろ)鉄青(てっせい)()え、断固(だんこ)として拒絶(きょぜつ)した。「(いな)()馬家(ばか)()げる卑怯者(ひきょうもの)はおらぬ。(たたか)()にする勇士(ゆうし)のみである。(われ)馬家(ばか)旗幟(きし)(ひと)つ。()()せば、全軍(ぜんぐん)士気(しき)深刻(しんこく)打撃(だげき)(あた)える。(われ)()かぬ。(いま)(やぶ)れてはおらぬ。()()には天馬群(てんばぐん)(のこ)っている!」


そう()うと、(かれ)心念(しんねん)()()て、天馬(てんば)たちを一斉(いっせい)()()がらせた。()(さま)は、(あま)(のぼ)白雲(はくうん)(ごと)くであった。


神駒(しんく)とも()ぶべき天馬(てんば)たちは、各々(おのおの)(ゆき)(ごと)毛並(けな)みを()ち、(かぜ)(ひるがえ)(たてがみ)純白(じゅんぱく)羽翼(うよく)存分(ぞんぶん)(ひろ)げている。


()れらの天馬(てんば)は、馬家一族(ばかいちぞく)(ほこ)りそのものである。


天馬群(てんばぐん)雄姿(ゆうし)()にした馬家族人(ばかぞくじん)たちの(むね)豪情(ごうじょう)()()こり、動揺(どうよう)していた心情(しんじょう)(すみ)やかに(しず)まっていった。


()(とお)り、我々(われわれ)には天馬(てんば)が……あっ!?」


馬英傑(ばえいけつ)言葉(ことば)(なか)ばで途切(とぎ)れ、震愕(しんがく)(さけ)びに()わった。


()れば、方源(ほうげん)流星(りゅうせい)(ごと)飛来(ひらい)し、一片(いっぺん)回避(かいひ)意思(いし)もなく、天馬群(てんばぐん)激突(げきとつ)したのである。


四转戦力(してんせんりょく)匹敵(ひってき)する天馬(てんば)たちが、次々(つぎつぎ)に血煙(ちけむり)(はな)()した。


馬群(ばぐん)恐怖(きょうふ)絶望(ぜつぼう)(いなな)きを()げ、純白(じゅんぱく)()(にじ)られ、羽根(はね)無惨(むざん)馬屍(ばし)(とも)空中(くうちゅう)()り、無力(むりょく)(ただよ)った。


縦横無尽(じゅうおうむじん)(はば)(もの)なし!


方源(ほうげん)理不尽(りふじん)なまでに天馬群(てんばぐん)貫通(かんつう)し、馬尊(ばそん)真上(まうえ)到達(とうたつ)した。


馬尊(ばそん)呆然(ぼうぜん)とし、周囲(しゅうい)蛊師(こし)たちは(くち)()けたまま方源(ほうげん)見上(みあ)げ、心底(しんそこ)から()()がる衝撃(しょうげき)無力感(むりょくかん)、そして恐怖(きょうふ)()られていた。


方源(ほうげん)鬼神(きしん)(ごと)姿(すがた)は、(ふか)彼等(かれら)(こころ)(きざ)()まれ、以後(いご)()えることのない記憶(きおく)となったのである!


(いな)()れは(いま)(やぶ)れてはおらぬ!」


馬尊(ばそん)()(わす)れて(さけ)び、殺招(さっしょう)発動(はつどう)せんとしたが、馬英傑(ばえいけつ)(さえぎ)られた。


叔父上(しゅくふうえ)()れは(わたし)にやらせてください。()殺招(さっしょう)一度(いちど)発動(はつどう)すれば、貴方(あなた)境界(きょうかい)下落(げらく)してしまいます。馬家(ばか)(わたし)()くとも()いですが、叔父上(しゅくふうえ)()しでは駄目(だめ)なのです!」


馬英傑(ばえいけつ)(さけ)びながら、その眼差(まなざ)しには決死(けっし)覚悟(かくご)(にじ)んでいた。


英傑(えいけつ)……!」


馬尊(ばそん)雄躯(ゆうく)(ふる)えた。眼前(がんぜん)の、(もっと)(いと)しき弟子(でし)決意(けつい)(いた)(ほど)(かん)()っていた。


馬尊(ばそん)とて、(みずか)らの(おい)である英傑(えいけつ)犠牲(ぎせい)()いる(わけ)にはいかなかった。


しかし馬英傑(ばえいけつ)()う通り、馬家(ばか)英傑(えいけつ)()くとも(まわ)るが、馬群(ばぐん)指揮(しき)には馬尊(ばそん)自身(じしん)不可欠(ふかけつ)であった。(いま)鷹群(ようぐん)崩壊(ほうかい)し、鼠群(そぐん)()てにできない。もし()れで馬群(ばぐん)までも(うしな)えば、馬家(ばか)敗北(はいぼく)確実(かくじつ)である!


()より、(わたし)(かなら)ずしも()(わけ)ではございません。叔父上(おじうえ)(はや)く!」


言葉(ことば)(のこ)すと、馬英傑(ばえいけつ)(こころ)(しず)め、(くる)ったように真元(しんげん)()()て、数匹(すうひき)蛊虫(こちゅう)へと(そそ)()んだ。


殺招(さっしょう)――竜馬精神(りゅうめいせいしん)


()れは大雪山(だいせつざん)魔道蛊仙(まどうこせん)雪松子(せっしょうし)(とく)彼等(かれら)(ため)準備(じゅんび)した殺招(さっしょう)であった。


ヒヒーン、ヒヒーン……


周囲(しゅうい)駿馬(しゅんめ)たちが次々(つぎつぎ)に前脚(まえあし)()げ、凄絶(せいぜつ)にして狂気(きょうき)じみた(いなな)きを()げた。


()(からだ)からは大量(たいりょう)血汗(けっかん)(ほとばし)()た。()もなく、彼等(かれら)一頭(いっとう)、また一頭(いっとう)(たお)れ、(いき)()()めた。


(しか)()瞬間(しゅんかん)七色(なないろ)(かがや)(にじ)(ごと)馬魂(ばこん)が、()れぞれの(しかばね)から()()がってきた。


変異(へんい)した馬魂(ばこん)か……」


方源(ほうげん)瞳孔(どうこう)(かす)かに収縮(しゅうしゅく)した。


通常(つうじょう)魂魄(こんぱく)は、普通(ふつう)人間(にんげん)肉眼(にくがん)では到底(とうてい)観測(かんそく)できぬものだ。


()馬魂(ばこん)たちは、(あたま)珊瑚(さんご)(ごと)龍角(りゅうかく)()やし、体型(たいけい)生前(せいぜん)大差(たいさ)なく大小(だいしょう)様々(さまざま)であった。(さら)七色(なないろ)(かがや)きを(はな)ち、(めくら)でなければ(だれ)にでも視認(しにん)できるほど鮮烈(せんれつ)である。


龍馬(りゅうめ)浮遊(ふゆう)し、疾風(しっぷう)(ごと)(はや)さで方源(ほうげん)(おそ)()かった。


方源(ほうげん)素早(すばや)後方(こうほう)()び、距離(きょり)()りながら()()なく(ため)(うち)()()した。


()馬魂(ばこん)(きわ)めて手強(てごわ)く、魂体(こんたい)である(ため)通常(つうじょう)物理攻撃(ぶつりこうげき)通用(つうよう)しない。同時(どうじ)に、()自爆(じばく)すれば、各々(おのおの)が以前(いぜん)鰭狼(ひれおおかみ)魂爆(こんばく)同程度(どうていど)威力(いりょく)(ゆう)する。


方源(ほうげん)殺招(さっしょう)強力(きょうりょく)ではあるが、魂道(こんどう)(わざ)では()い。三体(さんたい)馬魂(ばこん)同時(どうじ)自爆(じばく)すれば、(かれ)とても()()れまい。


(なん)()っても、(かれ)(たましい)(いま)千人魂(せんにんだましい)()ぎないのだから。


(ただ)し、何故(なぜ)()れが正面(しょうめん)から(たたか)わねばならぬ?」


方源(ほうげん)嗤笑(ししょう)一声(いっせい)空中(くうちゅう)から飄々(ひょうひょう)と地面(じめん)()()った。


(かれ)単純(たんじゅん)力道蛊師(りきどうこし)では()く、奴道(ぬどう)手管(てくだ)(そな)えている。次の瞬間(しゅんかん)狼煙(のろし)が滾々(こんこん)と()()がり、周囲(しゅうい)狼群(ろうぐん)治療(ちりょう)狼嚎(ろうこう)(ひび)(わた)り、狼群(ろうぐん)戦力(せんりょく)数倍(すうばい)()()がった。


()えた(さめ)(ごと)狼群(ろうぐん)は、馬英傑(ばえいけつ)馬尊(ばそん)()けて殺到(さっとう)した。


卑劣千万(ひれつせんばん)!!」


馬英傑(ばえいけつ)瞬時(しゅんじ)にして、方源(ほうげん)陰険(いんけん)恥知(はじし)らずな本性(ほんしょう)痛感(つうかん)したのである!


(かれ)殺招(さっしょう)龍馬精神(りゅうばせいしん)」を発動(はつどう)する(ため)に、周囲(しゅうい)大半(たいはん)馬群(ばぐん)犠牲(ぎせい)にし、変異(へんい)した馬魂(ばこん)形成(けいせい)した。


(しか)方源(ほうげん)馬魂(ばこん)正面衝突(しょうめんしょうとつ)せず、直接(ちょくせつ)狼群(ろうぐん)死地(しち)()()けた。


狼群(ろうぐん)(いのち)()けて馬魂(ばこん)(ちから)消耗(しょうもう)させた。変異馬魂(へんいばこん)狼群(ろうぐん)猛攻(もうこう)()える(ため)、次々(つぎつぎ)に(かがや)きを(うしな)い、(ある)いは消散(しょうさん)し、(ある)いは自爆(じばく)した。


膨大(ぼうだい)狼群(ろうぐん)犠牲(ぎせい)()()えに、馬魂(ばこん)(かず)急減(きゅうげん)した。


方源(ほうげん)奴道(ぬどう)真髄(しんずい)極限(きょくげん)まで発揮(はっき)したのである!


奴道蛊師(ぬどうこし)とは、(かなめ)するに(こま)犠牲(ぎせい)にして(てき)貴重(きちょう)戦力(せんりょく)消耗(しょうもう)させねばならない。(たと)えば空窓(くうそう)(ない)真元(しんげん)()れさせたり、此度(こたび)(ごと)馬魂(ばこん)相討(あいう)ちにさせたりするのである。


馬英傑(ばえいけつ)方源(ほうげん)(たい)して()(すべ)もなかった!


変異馬魂(へんいばこん)強力(きょうりょく)ではあったが、短時間(たんじかん)大量(たいりょう)狼群(ろうぐん)(ほふ)()くした(あと)では、最早(もはや)方源(ほうげん)脅威(きょうい)(およ)ぼす(ちから)(のこ)っていない。


叔父上(おじうえ)(はや)くお()げください!貴方(あなた)馬家(ばか)希望(きぼう)です。(いそ)いで!」


馬英傑(ばえいけつ)(こえ)()(しぼ)って(さけ)び、(ふたた)馬尊(ばそん)退却(たいきゃく)(うなが)した。


馬尊(ばそん)(ほお)(なみだ)(つた)()ち、心中(しんちゅう)(くる)しみ、(うら)み、(いか)り、彷徨(さまよ)いで充満(じゅうまん)していた。


(つい)に、(かれ)(はがね)()()(くだ)かんばかりに(くや)しさを()()め、理性(りせい)(うなが)されるまま、一団(いちだん)馬群(ばぐん)(ひき)いて馬英傑(ばえいけつ)(もと)(はな)れ、馬家軍(ばかぐん)本隊(ほんたい)()かって退却(たいきゃく)開始(かいし)した。


「ふむ?」


方源(ほうげん)即座(そくざ)馬尊(ばそん)動向(どうこう)察知(さっち)した。


馬尊(ばそん)奴道大師(ぬどうたいし)であり、その価値(かち)馬英傑(ばえいけつ)百倍(ひゃくばい)重要(じゅうよう)である!


方源(ほうげん)瞬時(しゅんじ)双翼(そうよく)()るわせ、(てん)()(ごと)()()がり、馬英傑(ばえいけつ)()()いて馬尊(ばそん)追撃(ついげき)(うつ)った。


狼王(ろうおう)()かすな!」


馬英傑(ばえいけつ)焦燥(しょうそう)(さけ)びを()げ、(あわ)てて馬魂(ばこん)()()空中(くうちゅう)(おど)()がらせ、方源(ほうげん)()()(はば)まんとした。


方源(ほうげん)(あざけ)るように冷笑(れいしょう)し、空中(くうちゅう)精妙(せいみょう)なる()()がいて、すべての馬魂(ばこん)難無(なんな)(かわ)()った。


(かれ)飛行大師(ひこうたいし)である。一方(いっぽう)()変異馬魂(へんいばこん)は、所詮(しょせん)馬英傑(ばえいけつ)(あやつ)傀儡(くぐつ)()ぎない。


殺神(さつじん)()した方源(ほうげん)追撃(ついげき)して()るのを()にした馬尊(ばそん)側近(そっきん)蛊師護衛(こしごえい)たちは、(きも)()やし(たん)をつぶさんばかりに()(おそ)れた。


()()く、馬尊(ばそん)()殺招(さっしょう)龍馬精神(りゅうばせいしん)」を発動(はつどう)せざるを()なかった!


(かれ)指揮(しき)(もと)変異馬魂(へんいばこん)防衛線(ぼうえいせん)形成(けいせい)し、(たが)いに連携(れんけい)して、馬英傑(ばえいけつ)(とき)よりも(はる)かに脅威的(きょういてき)布陣(ふじん)()せた。


(たと)方源(ほうげん)飛行大師(ひこうたいし)としての造詣(ぞうけい)()ると(いえど)も、()れを突破(とっぱ)するのは容易(ようい)ではない。


ゴオオオオ──!


()(とき)一声(いっせい)龍吼(りゅうほう)(とどろ)いた。


巨大(きょだい)(かげ)方源(ほうげん)(おお)った。


三ツ爪金角(みつづめきんかく)巨龍(きょりゅう)が、(ふたた)方源(ほうげん)背後(はいご)殺到(さっとう)した!


成龍(せいりゅう)方源(ほうげん)一撃(いちげき)(やぶ)れ、七転八倒(しちてんばっとう)(たい)地面(じめん)(たた)きつけられた。(かろ)うじて(あな)から()()がった(あと)数多(あまた)攻撃(こうげき)(あった)成龍(せいりゅう)渾身(こんしん)(ちから)()るってこれらの阻害(そがい)()(はら)うと、怒濤(どとう)(ごと)復讐心(ふくしゅうしん)()られ、疾風(しっぷう)(ごと)(はし)(きた)った。


()くもまあ(みずか)()()ようとはな。」


方源(ほうげん)冷笑(れいしょう)し、堅固不壊(けんごふえい)(かがや)きを(はな)龍爪(りゅうそう)(みずか)らを(とら)えんとするのを(なが)め、微動(びどう)だにしなかった。


背後(はいご)鷹翼(ようよく)一振(ひとふ)り。(かれ)龍爪(りゅうそう)寸前(すんぜん)()わしたのである。


精妙無比(せいみょうむひ)飛行術(ひこうじゅつ)()り、巨龍(きょりゅう)手玉(てだま)()って翻弄(ほんろう)した。


()(びょう)だ、空中(くうちゅう)では狼王(ろうおう)(てき)ではない!」


成龍(せいりゅう)危険(きけん)察知(さっち)した(とき)には、(すで)手遅(ておく)れであった。


方源(ほうげん)(すき)()いて龍首(りゅうしゅ)位置(いち)()(うつ)り、体側(たいそく)二本(にほん)黄銅巨腕(おうどうきょわん)戦槍利剣(せんそうりけん)(ごと)()るい、巨龍(きょりゅう)両眼(りょうがん)容赦(ようしゃ)なく(つらぬ)いた。


次の瞬間(しゅんかん)龍瞳(りゅうどう)粉砕(ふんさい)し、血潮(ちしお)四方(しほう)(ほとば)しった。


巨龍(きょりゅう)瞬時(しゅんじ)狂乱(きょうらん)し、激烈(げきれつ)(いた)みに(せい)まじい咆哮(ほうこう)(はっ)した。


方源(ほうげん)嗤笑(ししょう)一声(いっせい)全身(ぜんしん)真紅(しんく)血潮(ちしお)()び、両腕(りょううで)眼窩(がんか)(ふか)()()し、脳髄(のうずい)(えぐ)()った。(のこ)二本(にほん)(うで)は、鉄槌(てっつい)(ごと)(もう)()()ろす。


ドン、ドン、ドン!


轟音(ごうおん)(ひび)(たび)に、方源(ほうげん)龍頭(りゅうとう)戦鼓(せんこ)見立(みた)て、()()なく(たた)(つづ)けた。


巨龍(きょりゅう)空中(くうちゅう)から地面(じめん)墜落(ついらく)(くる)ったように(あば)(くる)金色(きんいろ)大蛇(だいじゃ)(ごと)く、体躯(たいく)()()げて麻痺(まひ)したように痙攣(けいれん)する。(どろ)(いし)()()がり、(ひと)(けもの)龍尾(りゅうび)()()ばされる。


方源(ほうげん)打撃(だげき)(またた)くも()むことなく、()(じゅう)から三十回(さんじゅっかい)(つづ)き、(つい)巨龍(きょりゅう)頭部(とうぶ)を粉々(こなごな)に()(くだ)いた。


(しら)(にご)った脳漿(のうしょう)(あか)血潮(ちしお)が、(かれ)全身(ぜんしん)(ほとばし)った。


(ふか)(いき)()()むと、濃密(のうみつ)血生臭(ちなまぐさ)気配(けはい)が、(かえ)って(かれ)痛烈(つうれつ)爽快感(そうかいかん)をもたらした。(とく)足下(あしもと)(よこ)たわる巨龍(きょりゅう)死骸(しがい)は、(かれ)征服(せいふく)物静(ものしず)かに(あか)(つづ)けている。


(おとこ)というものは、どの世界(せかい)()きようと、やはり征服(せいふく)する(ため)存在(そんざい)しているのだ。(てき)征服(せいふく)し、(おのれ)征服(せいふく)する(ため)に……」


方源(ほうげん)(こころ)(うち)でそう感慨(かんがい)した。


(すで)(いき)()()められているが、変異(へんい)した龍躯(りゅうく)(いま)(のこ)(つづ)けており、成龍(せいりゅう)変化道(へんかどう)()ける造詣(ぞうけい)(ふか)さが(うかが)えるのであった。


頭蓋骨(ずがいこつ)(たし)かに(かた)かったが、衝動的(しょうどうてき)な愚か(おろかもの)()ぎないな」


方源(ほうげん)は淡々(たんたん)と(ひょう)し、(ふたた)視線(しせん)馬尊(ばそん)()けた。


「あ、あの方は成龍(せいりゅう)までも()ったのですか!?」


()れが狼王(ろうおう)なのか?奴道大師(ぬどうたいし)ではなかったのですか!?」


方源(ほうげん)(りゅう)(しかばね)()みつける()光景(こうけい)は、(おお)くの(もの)愕然(がくぜん)とさせた。


大多数(だいたすう)の者は(みずか)らの()(うたが)わずにはいられなかった。


如何(いか)して狼王(ろうおう)は、奴道大師(ぬどうたいし)から、一転(いってん)して戦場(せんじょう)縦横無尽(じゅうおうむじん)()(めぐ)る、(かく)凶悍(きょうかん)猛士(もうし)へと()わり()たのか?


()(あいだ)にも、狼群(ろうぐん)(うな)(ごえ)()げつつ右往左往(うおうさおう)突撃(とつげき)()(かえ)し、方源(ほうげん)卓越(たくえつ)した馭獣術(ぎゅうじゅつ)()えを()せつけた。


馬尊(ばそん)顔面(がんめん)蒼白(そうはく)となり、真元(しんげん)(じょ)々(じょ)に枯渇(こかつ)し、必死(ひっし)殺招(さっしょう)龍馬精神(りゅうめいせいしん)」を維持(いじ)していた。


変異馬魂(へんいばこん)軍陣(ぐんじん)()み、厳重(げんじゅう)防衛線(ぼうえいせん)形成(けいせい)する。狼群(ろうぐん)は次々(つぎつぎ)に突進(とっしん)しては散華(さんげ)していった。


(かく)(ごと)犠牲(ぎせい)(たい)し、方源(ほうげん)微動(びどう)だにせず、心中(しんちゅう)冷笑(れいしょう)した。「さあ、奴力双修(ぬりきそうしゅう)真髄(しんずい)(あじ)わわせてやろう。」


心念(しんねん)(うご)くや、狼群(ろうぐん)攻勢(こうせい)(またた)くに変貌(へんぼう)し、数多(あまた)尖錐(せんすい)(ごと)集中突破(しゅうちゅうとっぱ)開始(かいし)変異馬魂(へんいばこん)陣形(じんけい)(あらが)(がた)撹乱(かくらん)されていった。


防衛線(ぼうえいせん)手薄(てうす)になるのを()て、方源(ほうげん)(みずか)突撃(とつげき)開始(かいし)した。


馬尊(ばそん)(こころ)を引き()め、(あわ)てて変異馬魂(へんいばこん)操作(そうさ)迎撃(げいげき)()かわせた。()れにより、防衛線(ぼうえいせん)混乱(こんらん)(きた)した。


方源(ほうげん)哄笑(こうしょう)一声(いっせい)進路(しんろ)()えると同時(どうじ)に、狼群(ろうぐん)をけしかけ、約三百歩(やくさんびゃっぽ)まで接近(せっきん)させた。


馬尊(ばそん)右往左往(うおうさおう)防戦(ぼうせん)で、(またた)く間に()()れなくなった。


方源(ほうげん)突進(とっしん)(ふせ)げば狼群(ろうぐん)(ふせ)()れず、狼群(ろうぐん)(ふせ)げば方源(ほうげん)への対応(たいおう)(おろそ)かになる。


数度(すうど)攻防(こうぼう)(のち)方源(ほうげん)(すき)()いて猛然(もうぜん)馬尊(ばそん)目前(もくぜん)(やく)()だ。一撃目(いちげきめ)()防御(ぼうぎょ)()(やぶ)り、二撃目(にげきめ)重傷(じゅうしょう)()わせ逃亡能力(とうのうのうりょく)(うば)い、三撃目(さんげきめ)()(ひろ)名高(なだか)しい奴道大師(ぬどうたいし)掌底(しょうてい)(たお)した。


馬尊(ばそん)斃死(へいし)


馬群(ばぐん)崩壊(ほうかい)し、馬家軍(ばかぐん)士気(しき)最底辺(さいていへん)()いきった!


(たと)()()()たとしても、とても(しん)じられない!」


馬王(ばおう)が、(おな)奴道大師(ぬどうたいし)である狼王(ろうおう)に、斬首戦術(ざんしゅせんじゅつ)()たれるとは!」


狼王(ろうおう)(じつ)(ふか)潜伏(せんぷく)していた。奴力双修(ぬりきそうしゅう)だったとは!もとより斬首戦術(ざんしゅせんじゅつ)など(おそ)れるに()らず、(かく)(ごと)奴道大師(ぬどうたいし)に、どう対処(たいしょ)すれば()いというのか!?」












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