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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第一百二十七節:大战(中)

瞬時(しゅんじ)高揚(こうよう)朱宰(しゅさい)墨獅狂(ぼくしきょう)歐陽碧桑(おうようへきそう)戦局(せんきょく)さえも、濁流(だくりゅう)(ごと)人流(じんりゅう)()(みだ)された。


両軍(りょうぐん)完全(かんぜん)(から)()い、喊殺(かんさつ)(こえ)怒号(どごう)(てん)()いて()(ひび)いた。


水瀑蛊(すいばくこ)


混戦(こんせん)最中(さいちゅう)水魔(すいま)浩激流(こうげきりゅう)双掌(そうしょう)()()し、(たん)えきれない(あお)激流(げきりゅう)(ほとば)しらせ、眼前(がんぜん)蛊師(こし)敵味方(てきみかた)(かま)わず(あら)(なが)した。


大龍巻風蛊(だいりゅうかんふうこ)


巨大(きょだい)深緑色(しんりょくしょく)竜巻(たつまき)十数丈(じゅうすうじょう)(そび)()ち、戦場(せんじょう)席巻(せっけん)する。()(いた)(ところ)(ひと)であれ(けもの)であれ、(ことごと)(うず)()きに()()まれて高空(こうくう)(ほう)()げられた。


竜巻風(たつまきかぜ)()ると、常飆(つねひょう)姿(すがた)(あらわ)れた。


(かれ)半空(はんくう)浮遊(ふゆう)し、青袍(せいほう)(まと)った精悍(せいかん)気迫(きはく)(ほとば)しっている。


(かれ)浩激流(こうげきりゅう)距離(きょり)(とお)くなく、自然(しぜん)()()きで、二人(ふたり)四转强者(してんきょうじゃ)視線(しせん)(げき)しく衝突(しょうとつ)した。


次の瞬間(しゅんかん)二人(ふたり)一言(ひとこと)無駄口(むだぐち)()らさず、直接(ちょくせつ)()()わした。


……


一道(いちどう)金色(こんじき)稲妻(いなずま)戦場(せんじょう)()()け、沿道(えんどう)黑家蛊師(こくかこし)瞬時(しゅんじ)(いのち)()とした。


金光(こんこう)()り、一人(ひとり)英武(えいぶ)(おとこ)()る。(おおかみ)(ごと)背中(せなか)(はち)(ごと)細腰(ほそごし)()れは(まさ)裴燕飛(はいえんひ)()(ひと)であっ た!


常山陰(つねさんいん)今日(きょう)(たたか)いで貴様(きさま)(くび)()ね、旧怨(きゅうえん)(むく)いてくれるわ!……ん?」


裴燕飛(はいえんひ)戦意(せんい)(ほのお)(ごと)()(さか)っていたが、突然(とつぜん)()()らし、(きゅう)防御蛊虫(ぼうぎょこちゅう)展開(てんかい)した。


(かれ)背後(はいご)から、(にわ)かに暗影(あんえい)爆発(ばくはつ)した。


暗影(あんえい)深淵(しんえん)(ごと)(ふか)く、幾重(いくえ)もの剣影(けんえい)()って()背中(せなか)()りつけ、裴燕飛(はいえんひ)をよろめかせた。


貴様(きさま)か、影剣客(えいけんかく)!」


裴燕飛(はいえんひ)態勢(たいせい)(ととの)え、襲撃者(しゅうげきしゃ)である蛊師(こし)凝視(ぎょうし)した。()眼差(まなざ)しは重々(じゅうじゅう)しかった。


(くろ)覆面(ふくめん)()けた邊絲軒(へんしけん)(かろ)(わら)(こえ)()らした。「裴燕飛様(はいえんひさま)、ご機嫌麗(きげんうるわ)しゅう。」


言葉(ことば)丁重(ていちょう)であっても、()動作(どうさ)(けっ)して容赦(ようしゃ)しない。漆黒(しっこく)剣影(けんえい)(ふたた)屏風(びょうぶ)(ごと)展開(てんかい)し、回転車(かいてんしゃ)(ごと)裴燕飛(はいえんひ)(つつ)()もうとした。


()らば()貴様(きさま)始末(しまつ)する!」


裴燕飛(はいえんひ)哄笑(こうしょう)一声(いっせい)(たけ)(いさ)んで()()かった。


……


「我々(われわれ)の(たたか)いは、(いま)()わってはおらぬ。御二方(おふたほう)何処(いずこ)(おもむ)かれるお()もりか?」


歐陽碧桑(おうようへきそう)墨獅狂(ぼくしきょう)(ふたた)魔道双煞(まどうそうさつ)面前(めんぜん)(あらわ)れた。


高揚(こうよう)朱宰(しゅさい)心中(しんちゅう)悲鳴(ひめい)()げたが、()()覚悟(かくご)()め、歐陽碧桑(おうようへきそう)らと戦闘(せんとう)再開(さいかい)した。


蛊師強者(こしきょうじゃ)たちが一対一(いったいいち)死闘(しとう)()(ひろ)げ、固定(こてい)された戦圏(せんけん)形成(けいせい)されるに(したが)い、本来(ほんらい)混亂(こんらん)(きわ)めていた戦場(せんじょう)は、漸次(ぜんじ)()様相(ようそう)鮮明(せんめい)にしてきた。


数十(すうじゅう)大戦圏(だいせんけん)には、四転(してん)五転(ごてん)強者(きょうじゃ)たちが()()つ。大戦圏(だいせんけん)外縁(がいえん)には、三転(さんてん)(きゅう)戦力(せんりょく)主持(しゅじ)する小戦圏(しょうせんけん)形成(けいせい)されている。


小戦圏(しょうせんけん)外側(そとがわ)では、低階級(ていかいきゅう)蛊師(こし)たちが隊伍(たいご)()み、(たが)いに連携(れんけい)しながら交戦(こうせん)する。


総大将(そうだいしょう)である黒楼蘭(こくろうらん)劉文武(りゅうぶんぶ)両者(りょうしゃ)王帳(おうちょう)()して戦局(せんきょく)統括(とうかつ)し、時折(ときおり)命令(めいれい)(くだ)して手中(しゅちゅう)精兵(せいへい)戦場(せんじょう)各所(かくしょ)派遣(はけん)する。局面(きょくめん)安定(あんてい)させるためか、あるいは積極的(せっきょくてき)攻勢(こうせい)のためか。


広大(こうだい)戦場(せんじょう)には、()もなく濃厚(のうこう)血生臭(ちなまぐさ)気配(けはい)(ただよ)(はじ)めた。蛊師(こし)たちは次々(つぎつぎ)に(たお)れていく——(こお)りついて氷柱(つらら)()(もの)()()げて(すみ)()わる者、粉微塵(こなみじん)(くだ)ける者、(どく)(もだ)(くる)しむ者。


元来(がんらい)清新(せいしん)だった草地(くさち)は、(いま)()ける(もの)(むさぼ)()()(もの)()り、一分(いっぷ)一秒(いちびょう)ごとに生気(せいき)あふれる(いのち)()()んでいく。


戦況(せんきょう)激烈(げきれつ)(きわ)め、(またた)()もなく、黒楼蘭(こくろうらん)劉文武(りゅうぶんぶ)両者(りょうしゃ)(ひたい)には、(つめ)たい(あせ)(にじ)(はじ)めた。


膨大(ぼうだい)死傷者(ししょうしゃ)(かず)心底(しんそこ)(さむ)からしめ、凄惨(せいさん)(きわ)める戦場(せんじょう)光景(こうけい)は、()(おお)うばかりであった。


戦局(せんきょく)維持(いじ)すべく、両将(りょうしょう)()もなく、切札(きりふだ)として温存(おんそん)してきた精鋭部隊(せいえいぶたい)までも投入(とうにゅう)せざるを()なかった。(のこ)るは本族(ほんぞく)黒旗精兵(こっきせいへい)白毫精兵(はくごうせいへい)のみを戦場(せんじょう)要所(ようしょ)(はい)するのみとなる。


(とき)経過(けいか)(とも)に、死傷者(ししょうしゃ)(かず)減少(げんしょう)(はじ)めた。開戦初(かいせんしょ)激闘(げきとう)により蛊師(こし)たちの真元(しんげん)激減(げきげん)し、(みな)意識的(いしきてき)真元(しんげん)温存(おんそん)(はか)るようになったため、戦闘(せんとう)の激烈さ(げきれつさ)は(おお)きく減退(げんたい)したのである。


戦況(せんきょう)膠着状態(こうちゃくじょうたい)(おちい)った。


両軍(りょうぐん)(あた)かも二体(にたい)巨人(きょじん)(ちから)(くら)()(ごと)く、互角(ごかく)様相(ようそう)(てい)してい る。(かす)かな優位性(ゆういせい)()()げた一方(いっぽう)が、局地(きょくち)勝利(しょうり)から全戦線(ぜんせんせん)優勢(ゆうせい)へと転換(てんかん)できるかが焦点(しょうてん)となった。


高級戦力(こうきゅうせんりょく)当面(とうめん)()ちこたえられる。狼王(ろうおう)貴様(きさま)(いま)五转潜魂獣衣蛊(ごてんせんこんじゅういこ)()にし、(さら)には異獣狼群(いじゅうろうぐん)(ゆう)する。(つぎ)貴様(きさま)出番(でばん)だ。」


黒楼蘭(こくろうらん)蛊虫伝音(こちゅうでんおん)使(つか)い、方源(ほうげん)(つた)えた。


開戦当初(かいせんとうしょ)より、方源(ほうげん)(すで)王帳(おうちょう)にはおらず、戦場(せんじょう)何処(いずこ)かに(ひそ)んでいた。()詳細(しょうさい)位置(いち)は、黒楼蘭(こくろうらん)とて()(よし)もない。


方源(ほうげん)黒楼蘭(こくろうらん)伝音(でんおん)()()ったが、返信(へんしん)(おこな)わなかった。()わりに、(じか)ちに狼群(ろうぐん)指揮(しき)し、両翼(りょうよく)散開(さんかい)させ(はじ)めた。


劉家(りゅうか)蛊師(こし)たちは無意識(むいしき)追撃(ついげき)陣形(じんけい)展開(てんかい)した。かくして、本来(ほんらい)密集(みっしゅう)していた陣容(じんよう)無防備(むぼうび)(さら)されることとなった。


遠吠(とおぼ)え!


八百頭(はっぴゃくとう)(あま)異獣狼群(いじゅうろうぐん)——白眼狼(はくがんろう)血森狼(けつしんろう)狂狼(きょうろう)魚翅狼(ぎょしろう)(ふく)む——が、(するど)()(ごと)猛然(もうぜん)(おど)()た。狼群(ろうぐん)劉家(りゅうか)本営(ほんえい)たる王帳(おうちょう)目指(めざ)し、一直線(いっちょくせん)突進(とっしん)する。


方源(ほうげん)一手(いって)()()すや、(すなわ)致命(ちめい)一撃(いちげき)()る。苛烈(かれつ)(きわ)まりなく、(てき)(かなら)(すく)わねばならぬ急所(きゅうしょ)()く!


()たして異獣狼群(いじゅうろうぐん)支援(しえん)があったか……」


劉文武(りゅうぶんぶ)狼群(ろうぐん)突撃(とつげき)自軍(じぐん)陣形(じんけい)大混乱(だいこんらん)(おとしい)れ、多数(たすう)蛊師(こし)(おおかみ)(きば)(たお)れる光景(こうけい)()に、(ふか)(まゆ)をひそめた。


黒家(こくけ)蛊仙(こせん)異獣狼(いじゅうろう)支援(しえん)している(しょう)(ほう)は、容易(ようい)(さぐ)()せるもので、秘密(ひみつ)という(ほど)のものではない。


劉文武(りゅうぶんぶ)(どう)ずる(ところ)なく、(かれ)背後(はいご)には同様(どうよう)劉家(りゅうか)蛊仙(こせん)(ひか)え、劉家(りゅうか)支援(しえん)()けている。()異獣狼群(いじゅうろうぐん)出現(しゅつげん)予測(よそく)していた(かれ)には、当然(とうぜん)対抗(たいこう)()()ても準備(じゅんび)していたのである。


貝草川(ばいそうせん)其方(そち)出番(でばん)である。」


劉文武(りゅうぶんぶ)(そば)(ひか)える蛊師(こし)指図(さしず)した。


貝草川(ばいそうせん)無表情(むひょうじょう)のまま座席(ざせき)から()()がり、(ふか)(まゆ)をひそめて()った。「此方(こなた)()つのは半刻(はんこく)猶予(ゆうよ)のみ。」


劉文武(りゅうぶんぶ)(かろ)(うなず)いた。「(かま)わぬ、()(まま)()って(まい)れ。」


貝草川(ばいそうせん)王帳(おうちょう)()ると、(くう)(きょう)真元(しんげん)()()なく消費(しょうひ)し、最近(さいきん)()にした蛊虫(こちゅう)(もよお)(はじ)めた。


一股(いちこ)草木(そうもく)(すが)しい気配(けはい)が、(かれ)()より発散(はっさん)し、方円百里(ほうえんひゃくり)(ひろ)がった。


その気配(けはい)(とど)範囲(はんい)では、青草(あおくさ)(くる)ったように成長(せいちょう)し、数度(すうど)呼吸(こきゅう)をする()に、(ひと)背丈(せたけ)をも()えるほどに()()がった。幅広(はばひろ)草葉(くさば)(たが)いに(から)()い、次々(つぎつぎ)と二転(にてん)草兵傀儡(そうへいかいぐ)結成(けっせい)していく。


(またた)()に、草兵傀儡(そうへいかいぐ)(かず)(せん)()えて爆発的(ばくはつてき)増加(ぞうか)した。貝草川(ばいそうせん)蛊虫(こちゅう)(もよお)すと、翡翠(ひすい)(いろ)光雨(こうう)瞬時(しゅんじ)()(そそ)いだ。草兵傀儡(そうへいかいぐ)(みどり)(あめ)吸収(きゅうしゅう)し、その一部(いちぶ)三転(さんてん)藤甲草兵(とうこうそうへい)へと変貌(へんぼう)した。一方(いっぽう)で、大量(たいりょう)二転草兵(にてんそうへい)(なお)生成(せいせい)され(つづ)けている。


貝草川(ばいそうせん)(ふたた)蛊虫(こちゅう)(もよお)し、一股(いっこ)橙色(だいだいいろ)暖風(だんぷう)草原(そうげん)渦巻(うずま)いた。橙風(とうふう)()()みを()けて、一部(いちぶ)三転(さんてん)藤甲草兵(とうこうそうへい)(さら)四転(してん)草剣精兵(そうけんせいへい)へと昇格(しょうかく)した!


元来(がんらい)手薄(てうす)だった中軍陣地(ちゅうぐんじんち)は、瞬時(しゅんじ)密集(みっしゅう)する草兵軍団(そうへいぐんだん)()()くされ、一躍(いちやく)して戦場(せんじょう)(もっと)堅固(けんご)要衝(ようしょう)()った。


異獣狼群(いじゅうろうぐん)突進(とっしん)()れに(はば)まれ、(いきお)いを()がれた。


方源(ほうげん)(まゆ)(ひそ)め、全神経(ぜんしんけい)集中(しゅうちゅう)して指揮(しき)()った。(かれ)血森狼(けつしんろう)()()(ひそ)め、五转潜魂獣衣蛊(ごてんせんこんじゅういこ)(まと)っている。()(さま)は、青灰色(あおはいいろ)狼皮(ろうひ)マントを羽織(はお)っている(ごと)きであった。


潜魂獣衣蛊(せんこんじゅういこ)(たし)かに(すぐ)れており、方源(ほうげん)魂魄波動(こんぱくはどう)完璧(かんぺき)(かく)し、(かれ)全力(ぜんりょく)()せるようにしていた。


(しか)()(とき)方源(ほうげん)奴道大師(ぬどうたいし)対峙(たいじ)しているかのような(かん)じを(おぼ)えた。


貝草川(ばいそうせん)草兵軍団(そうへいぐんだん)(あやつ)(かたわ)ら、(なみだ)滂沱(ぼうだ)(なが)していた。


(かれ)(いま)一体(いったい)二魂(にこん)宿(やど)していた。狼王常山陰(ろうおうじょうざんいん)()()(ため)貝家(ばいけ)家老(かろう)貝草縄(ばいそうじょう)(みずか)らの魂魄(こんぱく)(かれ)()せて犠牲(ぎせい)となったのである。劉文武(りゅうぶんぶ)要請(ようせい)して()蛊虫(こちゅう)により、貝草川(ばいそうせん)貝草縄(ばいそうじょう)魂魄(こんぱく)から(ちから)()()り、短時間(たんじかん)ではあるが奴道大師(ぬどうたいし)匹敵(ひってき)する技量(ぎりょう)()にしたのだ。


元来(がんらい)貝草川(ばいそうせん)四转奴道蛊師(してんぬどうこし)として、貝家(ばいけ)族長(ぞくちょう)であると同時(どうじ)一族(いちぞく)資源(しげん)(ゆう)し、魂魄(こんぱく)素養(そよう)(けっ)して(よわ)くなかった。此度(こたび)貝草縄(ばいそうじょう)魂魄(こんぱく)()たことで、(おに)金棒(かなぼう)()り、奴道戦力(ぬどうせんりょく)爆発的(ばくはつてき)増大(ぞうだい)したのである。


しかし、この(わざ)には多大(ただい)後遺症(こういしょう)があ る。他者(たしゃ)魂魄(こんぱく)利用(りよう)するため、貝草川(ばいそうせん)自身(じしん)魂魄(こんぱく)混濁(こんだく)し、記憶(きおく)錯誤(さくご)(まね)く。この後遺症(こういしょう)(いや)すには、膨大(ぼうだい)精力(せいりょく)物資(ぶっし)(とう)じ、特定(とくてい)魂道蛊虫(こんどうこちゅう)養生(ようじょう)(かさ)ね、漸次(ぜんじ)回復(かいふく)()たねばならない。


だが此際(このさい)黒家軍(こくかぐん)()()ち、雪辱(せつじょく)()たすためには、貝草川(ばいそうせん)はもはや後遺症(こういしょう)など(かえり)みる余裕(よゆう)はなかった。


黒家(こくけ)高層戦力差(こうそうせんりょくさ)(おぎな)うため高揚(こうよう)朱宰(しゅさい)両名(りょうめい)(まね)いたように、劉家(りゅうか)もまた低層戦力(ていそうせんりょく)()()めるため()(さく)(えら)び、貝草川(ばいそうせん)戦力(せんりょく)一時的(いちじてき)奴道大師級(ぬどうたいしきゅう)強化(きょうか)し、方源(ほうげん)()(きた)りを阻止(そし)せんと(はか)ったのである。


瞬時(しゅんじ)方源(ほうげん)異獣狼群(いじゅうろうぐん)は、相手(あいて)草兵軍団(そうへいぐんだん)(かろ)うじて()()められた。


(ふせ)()ったか?ははは!黒楼蘭(こくろうらん)今日(きょう)()ちは()(ぐん)のものだ!」


劉文武(りゅうぶんぶ)()光景(こうけい)()に、胸中(きょうちゅう)(うれ)いが瞬時(しゅんじ)()れ、戦場(せんじょう)全体(ぜんたい)(ひび)(わた)(わら)(ごえ)()げた。


()まわしい……!」


黒楼蘭(こくろうらん)両拳(りょうこぶし)(かた)(にぎ)り、()()(しば)った。状況(じょうきょう)(かれ)にとって(きわ)めて不利(ふり)だ。高揚(こうよう)朱宰(しゅさい)最早(もはや)風前(ふうぜん)(ともしび)、そして期待(きたい)()せていた異獣狼群(いじゅうろうぐん)中軍(ちゅうぐん)(あし)()られ、泥濘(でいねい)()まった(ごと)状態(じょうたい)だ!


()()く、(かれ)黒旗軍(こっきぐん)出動(しゅつどう)(めい)じた。


兄弟(きょうだい)よ、(つい)に我々(われわれ)黒旗(こっき)出番(でばん)だ!」


黒旗大統領(こっきだいとうりょう)()命令(めいれい)()け、即座(そくざ)興奮(こうふん)(さけ)びを()げた。


黒旗軍(こっきぐん)流石(さす)がに黒家(こくけ)長年(ながねん)()巨費(きょひ)(とう)じて育成(いくせい)した切札(きりふだ)である。出動(しゅつどう)するや(いな)や、(くろ)尖刀(せんとう)(ごと)戦場(せんじょう)突入(とつにゅう)し、豆腐(とうふ)()るが(ごと)軽妙(けいみょう)さで敵陣(てきじん)蹂躙(じゅうりん)した。


黒旗軍(こっきぐん)将兵(しょうへい)全員(ぜんいん)戦念蛊(せんねんこ)加護(かご)()け、一騎当千(いっきとうせん)悍勇(かんゆう)発揮(はっき)し、死生観(しせいかん)など微塵(みじん)(かえり)みない。元来(がんらい)100%の戦闘力(せんとうりょく)が、120%まで爆発的(ばくはつてき)上昇(じょうしょう)したのである!


(つい)()()れなくなったか?」


劉文武(りゅうぶんぶ)双眸(そうぼう)(するど)(ひかり)(はし)り、黒旗軍(こっきぐん)動向(どうこう)()物狂(ものぐる)いで凝視(ぎょうし)した。


右翼戦線(うよくせんせん)()(えが)黒旗軍(こっきぐん)本軍(ほんぐん)(おそ)(きた)軌道(きどう)(みと)めた(とき)(かれ)即座(そくざ)黒楼蘭(こくろうらん)真意(しんい)看破(かんぱ)した。


成程(なるほど)貴様(きさま)()(ひと)(ばち)かで、優位(ゆうい)集中(しゅうちゅう)させ、草兵軍団(そうへいぐんだん)突破(とっぱ)せんと(たくら)んでいるのだな。ふん、貝草川(ばいそうせん)常山陰(つねさんいん)(ふせ)ぐのにも(すで)苦戦(くせん)している。()此上(このうえ)黒旗軍(こっきぐん)挟撃(きょうげき)()けなば、(かなら)崩壊(ほうかい)せん。()(とき)こそ、黒家(こくけ)(しょう)ながら優位(ゆうい)(にぎ)り、(かなめ)である異獣狼群(いじゅうろうぐん)解放(かいほう)されるという(わけ)だ。」


()れを思案(しあん)()えると、劉文武(りゅうぶんぶ)傲然(ごうぜん)(わら)った。「黒家(こくけ)黒旗軍(こっきぐん)()り、()()北原(ほくげん)(とどろ)く。(しか)れども()劉家(りゅうか)にも白毫軍(はくごうぐん)()り、()(ほま)れは遠近(えんきん)()こえる。黒旗(こっき)白毫(はくごう)(あらそ)いは、(すで)数百年(すうひゃくねん)(わた)る。今日(きょう)こそ、(ふたた)決着(けっちゃく)()けん。」


(かれ)命令(めいれい)一下(いっか)最早(もはや)出撃準備(しゅつげきじゅんび)(ととの)えていた白毫軍(はくごうぐん)は、(ただ)ちに三大殺招(さんだいさっしょう)(ひと)つを発動(はつどう)した。


白毫軍(はくごうぐん)将兵(しょうへい)全員(ぜんいん)が、(まぶ)いばかりの(しろ)(ひかり)(はな)(はじ)めた。


白光(はっこう)は一カ(いっかしょ)集結(しゅうけつ)し、巨大(きょだい)光柱(こうちゅう)()って(てん)()く。光柱(こうちゅう)(あま)逆上(さかのぼ)り、(またた)()(そら)から()(そそ)いだ。()(ひかり)黒旗軍(こっきぐん)進路(しんろ)(さえぎ)り、黒旗軍(こっきぐん)(さん)大将(たいしょう)()見覚(みおぼ)えある殺招(さっしょう)(みと)るや、()ぐに全軍(ぜんぐん)警戒(けいかい)(めい)じた。


光柱(こうちゅう)()ると、(きび)しき陣容(じんよう)(ととの)えた白毫軍(はくごうぐん)(あらわ)れた。


白毫軍(はくごうぐん)(おも)歩兵(ほへい)から()り、黒旗軍(こっきぐん)全員(ぜんいん)軍馬(ぐんば)騎乗(きじょう)する。(しか)機動性(きどうせい)(かぎ)って()えば、(むし)白毫軍(はくごうぐん)優位(ゆうい)()つ。()理由(りゆう)は、(まさ)()殺招(さっしょう)()るところが(おお)きいのである!











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