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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第一百零八節:七星灯

双頭犀(そうとうさい)背中(せなか)()ち、影劍客(えいけんかく)飛電(ひでん)両強者(りょうきょうしゃ)警戒(けいかい)しながら周囲(しゅうい)見渡(みわた)した。


戦場(せんじょう)混乱(こんらん)(きわ)みで、元々(もともと)十数(じゅうすう)あった四转蛊師(してんこし)戦团(せんだん)(うち)(すで)三組(みくみ)勝敗(しょうはい)(けっ)していた。その(うち)黒家(こくけ)二勝(にしょう)東方部族(とうほうぶぞく)一勝(いっしょう)(おさ)めている。


数多(あまた)精兵(せいへい)(いま)(たが)いに(から)()っており、(さき)東方余亮(とうほうよりょう)采配(さいはい)(こう)(そう)し、()(てん)において黒家(こくけ)がやや劣勢(れっせい)()たされていた。


狼群(おおかみむれ)鰐群(わにむれ)蟹群(かにむれ)蝠群(こうもりむれ)膠着状態(こうちゃくじょうたい)(つづ)く。


方源(ほうげん)姿(すがた)微塵(みじん)()()たらず、いずこに(ひそ)むやも()れない。


辺絲軒(へんしけん)東破空(とうはくう)搜索(そうさく)甲斐(かい)()く、焦燥(しょうそう)(いろ)一層(いっそう)()くした。


東方余亮(とうほうよりょう)素早(すばや)()失敗(しっぱい)()()み、朗々(ろうろう)とした()みを()かべて()った。「()れで(すこ)面白(おもしろ)くなって()た。(しか)()(てん)(すで)予測(よそく)()みだ。狼王(ろうおう)狼群(おおかみむれ)指揮(しき)(つづ)ける(かぎ)り、()魂魄(こんぱく)波動(はどう)(かく)せず、(おそ)かれ(はや)かれ位置(いち)露見(ろけん)する。黒楼蘭(こくろうらん)よ、貴様(きさま)敗北(はいぼく)()(しば)先延(さきの)ばしに()っただけだ。」


「ははははは。」


黒楼蘭(こくろうらん)(あめ)(あお)大笑(おおわら)いし、()笑声(しょうせい)(あざけ)りの()()ちていた。「東方(とうほう)小童(しょうどう)め、本気(ほんき)()れが貴様(きさま)()さえ()まれたとでも(おも)っているのか?」


そう()うと、(かれ)全身(ぜんしん)皮膚(ひふ)(よる)(ごと)漆黒(しっこく)へと変貌(へんぼう)し、毛穴(けあな)(ひと)(ひと)つから滔々(とうとう)と黒煙(こくえん)()()がり(はじ)めた。


黒煙(こくえん)が滾々(こんこん)と()()がり、(またた)()(かれ)全身(ぜんしん)(つつ)()んだ。


ほんの(みじか)時間(じかん)で、黒楼蘭(こくろうらん)人型(ひとがた)黒煙(こくえん)()わった。(けむり)(ほそ)くたなびき、(そと)からは一対(いっつい)(あか)()まった嗜血(しけつ)(ひとみ)しか()えなかった。


東方余亮(とうほうよりょう)心中(しんちゅう)に、(つよ)不穏(ふおん)予感(よかん)()()こった。


撤退(てったい)(ねん)が、即座(そくざ)(かれ)脳裏(のうり)(かす)めた。


しかし、雲渦(うず)(たし)かに暗渦(あんか)克制(こくせい)し、黒楼蘭(こくろうらん)()さえ()んではいる。(しか)るに、(べつ)見方(みかた)をすれば、暗渦(あんか)雲渦(うず)牽制(けんせい)しているとも()えなくはない。


次の瞬間(しゅんかん)黒楼蘭(こくろうらん)変身(へんしん)した黒煙(こくえん)は、(なん)と全て(すべ)て暗渦(あんか)(なか)(とう)()まれたのである。


「しまった!」


東方余亮(とうほうよりょう)即座(そくざ)全身(ぜんしん)()逆立(さかだ)つような衝撃(しょうげき)(おぼ)えた。


しかし(とき)(すで)(おそ)し。小山(こやま)(ごと)(おお)きさの黒色巨球(こくしょくきょきゅう)は、雲渦(うず)にゆっくりと()()まれつつあったが、()(とき)暗渦(あんか)(ふたた)収縮(しゅうしゅく)(はじ)めた。


雲渦(うず)()変化(へんか)対応(たいおう)()れず、(あわ)てて同調(どうちょう)して(ちぢ)まろうとした。


(しか)し次の瞬間(しゅんかん)暗渦(あんか)劇的(げきてき)膨張(ぼうちょう)開始(かいし)した。


(ちが)う、膨張(ぼうちょう)()うより――爆発(ばくはつ)だ!」


東方余亮(とうほうよりょう)(おも)わず(いろ)(うしな)った。


(なん)物音(ものおと)(ともな)わない、()れは無音(むおん)大爆発(だいばくはつ)であった。


雲渦(うず)三呼吸(さんこきゅう)ほど()っただけで、暗渦(あんか)()(やぶ)られた。暗黒(あんこく)巨球(きょきゅう)膨張(ぼうちょう)(つづ)け、太古(たいこ)巨怪(きょかい)(ごと)大口(おおぐち)()けて、(ひと)(けもの)区別(くべつ)なく()()んでいった。


方圆十里(ほうえんじゅうり)戦場(せんじょう)全体(ぜんたい)(おお)()くした半球形(はんきゅうがた)暗黒光球(あんこくこうきゅう)は、その(とき)突如(とつじょ)として消滅(しょうめつ)した。


通常(つうじょう)爆発(ばくはつ)(しょう)じる衝撃波(しょうげきは)爆風(ばくふう)存在(そんざい)せず、()不気味(ぶきみ)絶大(ぜつだい)爆発(ばくはつ)腐食性(ふしょくせい)偉力(いりょく)(ゆう)し、全て(すべ)てを消融(しょうゆう)する陰毒(いんどく)()びていた。


暗渦(あんか)消散(しょうさん)した(のち)方圆十里(ほうえんじゅうり)戦場(せんじょう)完全(かんぜん)更地(さらち)()わり、半空中(はんくうちゅう)()かぶ黒楼蘭(こくろうらん)ただ一人(ひとり)と、深淵(しんえん)(そこ)()東方余亮(とうほうよりょう)のみが(のこ)された。


其余(そのほか)(もの)どもは、暗渦(あんか)自爆(じばく)によって(ことごと)虚無(きょむ)へと侵食(しんしょく)され()くしたのである!


黒楼蘭(こくろうらん)足下(あしもと)東方余亮(とうほうよりょう)()して見下(みお)ろした。(かれ)(いき)()らせ、極度(きょくど)疲労(ひろう)(さいな)まれ、全身(ぜんしん)黒紅色(こくべにいろ)血液(けつえき)にまみれていた。


しかし()口元(くちもと)には、狂氣(きょうき)的な()みが(ゆが)んで()かんでいた。


「はははは!東方余亮(とうほうよりょう)其方(そち)暗渦(あんか)克制(こくせい)する雲渦(うず)という殺招(さっしょう)(おも)()いたならば、()れも(もと)殺招(さっしょう)改良(かいりょう)してみせよう!如何(いか)だったか、()れが其方(そち)(ため)精心(せいしん)()めて準備(じゅんび)した饗宴(きょうえん)(あじ)は?()れこそ()れが(なが)らく(かく)()っていた手段(しゅだん)ぞ、肉親(にくしん)にすら()かさなかったものだ。」


黒楼蘭(こくろうらん)(たか)らかに(わら)い、()笑声(しょうせい)戰場(せんじょう)全体(ぜんたい)(ひび)(わた)った。


瞬時(しゅんじ)(かれ)気魄(きはく)周囲(しゅうい)圧倒(あっとう)し、戦闘中(せんとうちゅう)蛊師(こし)たちさえも(おも)わず視線(しせん)()けた。


黒楼蘭(こくろうらん)優位(ゆうい)()姿(すがた)()にした黒家(こくけ)蛊師(こし)たちは士気(しき)高揚(こうよう)した。一方(いっぽう)東方部族(とうほうぶぞく)蛊師(こし)たちは(おも)なる圧力(あつりょく)(かん)(はじ)めた。


(しょう)(へい)魂胆(こんたん)なり。黒楼蘭(こくろうらん)東方余亮(とうほうよりょう)勝負(しょうぶ)(たん)なる個人(こじん)生死(せいし)()え、広大(こうだい)戦場(せんじょう)全体(ぜんたい)趨勢(すうせい)左右(さゆう)する重要(じゅうよう)(かぎ)であった。


「ごほごほっ……」


黒楼蘭(こくろうらん)豪放(ごうほう)(わら)(ごえ)唐突(とうとつ)途切(とぎ)れ、幾口(いくくち)もの黒血(こっけつ)(ほとばし)()した。


()殺招(さっしょう)(たし)かに絶大(ぜつだい)威力(いりょく)発揮(はっき)するが、(てき)(せん)(とう)すれど(みずか)らも八百(はっぴゃく)(そん)なう。自虐(じぎゃく)招数(しょうすう)(たぐい)であり、結果(けっか)如何(いかん)(かか)わらず、一旦(いったん)発動(はつどう)すれば暗渦殺招(あんかさっしょう)構成(こうせい)する蛊虫(こちゅう)大半(たいはん)滅亡(めつぼう)する。


蛊虫(こちゅう)隕滅(いんめつ)すれば、蛊師(こし)当然(とうぜん)反噬(はんせい)()ける。


(しか)るに、(すで)十分(じゅうぶん)(もと)()れている。


黒楼蘭(こくろうらん)一挙(いっきょ)窮地(きゅうち)(だっ)し、(ぎゃく)東方余亮(とうほうよりょう)圧倒(あっとう)したばかりか、三心合魂(さんしんごうこん)状態(じょうたい)にあった魏鑫(ぎきん)姜婉姗(きょうえんさん)鄂玄銘(がくげんめい)三人(さんにん)をも誅殺(ちゅうさつ)した。


()三人(さんにん)()ぬや、混成獣群(こんせいじゅうぐん)(とう)(いつ)指揮(しき)(うし)ない、(はげ)しい内ゲキが発生(はっせい)した。(まさ)方源(ほうげん)(さき)()った通り(どおり)、()めずして(おの)ずから(つい)えたのである。


方々(ほうぼう)を()(めぐ)無差別(むさべつ)(あば)(まわ)混成獣群(こんせいじゅうぐん)は、戦場(せんじょう)一層(いっそう)混迷(こんめい)(おと)()れた。


東方余亮(とうほうよりょう)(けわ)しい表情(ひょうじょう)()かべ、徐々(じょじょ)に空中(くうちゅう)浮上(ふじょう)した。


黒楼蘭(こくろうらん)秘匿工作(ひとくこうさく)完璧(かんぺき)であった。(かれ)には一片(いっぺん)関連証拠(かんれんしょうこ)もなく、()(ほど)までに破壊力(はかいりょく)(すさ)まじい改良殺招(かいりょうさっしょう)は、(まった)予想外(よそうがい)だった。


(じつ)()えば、(かれ)は元々(もともと)鄂玄銘(がくげんめい)魏鑫(ぎきん)姜婉姗(きょうえんさん)三人(さんにん)(たい)し、(ひそ)かに逃亡手段(とうぼうしゅだん)準備(じゅんび)していた。()三人(さんにん)現在地(げんざいち)から戦場(せんじょう)大後方(だいこうほう)直接(ちょくせつ)転送(てんそう)できるように仕組(しく)んでいたのである。


(しか)黒楼蘭(こくろうらん)(あき)らかに殺招(さっしょう)暗渦(あんか)改良(かいりょう)する(さい)宇道蛊虫(うちゅうこちゅう)追加(ついか)していた。暗渦(あんか)爆発(ばくはつ)した(とき)周囲(しゅうい)空間(くうかん)は全て(すべ)て(じょう)され、東方余亮(とうほうよりょう)手段(しゅだん)無効(むこう)()されてしまったのである。


東方余亮(とうほうよりょう)(いま)でこそ降参(こうさん)すれば、まだ間に(まにあ)う。降伏(こうふく)さえすれば、既往(きおう)()わず、前嫌(ぜんけん)(はか)らず、(なんじ)第一軍師(だいいちぐんし)任命(にんめい)しよう。」


黒楼蘭(こくろうらん)公衆(こうしゅう)面前(めんぜん)東方余亮(とうほうよりょう)帰順(きじゅん)(うなが)した。


東方余亮(とうほうよりょう)(ひや)やかに一笑(いっしょう)した。


黒楼蘭(こくろうらん)好色(こうしょく)ぶりは(ひろ)()(わた)っており、かねてより(かれ)(いもうと)である東方晴雨(とうほうせいう)美色(びしょく)(ねら)っていた。東方余亮(とうほうよりょう)(ほか)勢力(せいりょく)(くだ)るとしても、黒楼蘭(こくろうらん)帰依(きえ)するなど到底(とうてい)ありえなかった。


黒楼蘭(こくろうらん)其方(そち)楽観的(らっかんてき)()ぎる。仮令(たとえ)(いま)優位(ゆうい)()っていようと、勝利(しょうり)までは(いま)(とお)い。()い、存分(ぞんぶん)勝負(しょうぶ)()(ひろ)げよう。七星灯(しちせいとう)!」


東方余亮(とうほうよりょう)(かろ)(かっ)するや、()(そば)(たちま)七盏(ななさ)灯火(とうか)浮遊(ふゆう)(はじ)めた。


此等(これら)七团(ななだん)灯火(とうか)(いろ)とりどりに(かがや)き、(かれ)身体(からだ)()()きながら()()なく旋回(せんかい)し、(あで)やかな光跡(こうせき)(えが)いては()えた。


()れは東方余亮(とうほうよりょう)看板殺招(かんばんさっしょう)であり、七盏(ななさ)灯火(とうか)は各々(おのおの)(こと)なる効能(こうのう)(ゆう)する。()加護(かご)(もと)東方余亮(とうほうよりょう)星念蛊(せいねんこ)催動(さいどう)した。


ざわざわざわ……


無数(むすう)(ねん)(ほとばし)()で、星芒(せいぼう)(きら)めく。仮令(たとえ)白昼(はくちゅう)といえども、此等(これら)星念(せいねん)鋭鋒(えいほう)(おお)(かく)すことは出来(でき)なかった。


無数(むすう)星念(せいねん)(あま)()(のぼ)り、ほんの数息(すうそく)のうちに、東方余亮(とうほうよりょう)(すく)なくとも数万(すうまん)星念(せいねん)(しょう)じさせた。


半空(ちゅうくう)では、星芒(せいぼう)(ひと)つに(つら)なり、広大(こうだい)星雲(せいうん)(うみ)形成(けいせい)、その雄大(ゆうだい)景観(けいかん)(じつ)壮観(そうかん)そのものだった。


黒楼蘭(こくろうらん)()一撃(いちげき)()けよ!」東方余亮(とうほうよりょう)が朗々(ろうろう)と(かつ)するや、()(そば)にあった星念(せいねん)数多(あまた)黒楼蘭(こくろうらん)目指(めざ)して電光(でんこう)(ごと)(はな)たれた。


膨大(ぼうだい)規模(きぼ)旋風(せんぷう)(ごと)咆哮(ほうこう)(しょう)じ、その気勢(きせい)(きわ)めて衝撃的(しょうげきてき)であった。


「ふん!」黒楼蘭(こくろうらん)(ひとみ)奥底(おくそこ)に、一瞬(いっしゅん)ばかり(おそ)れの(いろ)(はし)った。


智道蛊師(ちどうこし)とて、(けっ)して無手勝流(むてかつりゅう)(やから)では()い。如何(いか)なる蛊師(こし)流派(りゅうは)も、存在(そんざい)する以上(いじょう)(かなら)ずや攻伐(こうばつ)手段(しゅだん)(ゆう)するのである。


攻撃手段(こうげきしゅだん)()たない流派(りゅうは)は、淘汰(とうた)されて歴史(れきし)長河(ちょうが)()()運命(うんめい)にある。


幾年(いくねん)(まえ)黒楼蘭(こくろうらん)東方余亮(とうほうよりょう)交手(こうしゅ)したことがある。当時(とうじ)(わず)数千規模(すうせんきぼ)星念(せいねん)だったが、黒楼蘭(こくろうらん)に散々(さんざん)な()()わせたものだ。


星念(せいねん)驚異的(きょういてき)速度(そくど)(てき)脳裏(のうり)直撃(ちょくげき)する。一風(いっぷう)()わった攻撃方法(こうげきほうほう)で、防御(ぼうぎょ)(きわ)めて困難(こんなん)である。


()(ほど)星念(せいねん)とは、東方余亮(とうほうよりょう)本気(ほんき)命懸(いのちが)けだと()える。()(よう)無制限(むせいげん)星念生成(せいねんせいせい)は、最早(もはや)魂魄(こんぱく)身体(しんたい)への損傷(そんしょう)では()まない。此度(こたび)大戦(たいせん)結果(けっか)如何(いかん)(かか)わらず、東方余亮(とうほうよりょう)(すく)なくとも二年(にねん)(ぶん)寿命(じゅみょう)(うしな)うだろう。()(いま)状態(じょうたい)万全(ばんぜん)とは()えぬ。一旦(いったん)鋒先(きっさき)()けた(ほう)()さそうだ。」


黒楼蘭(こくろうらん)()規模(きぼ)星念(せいねん)()にし、瞬時(しゅんじ)退却(たいきゃく)意思(いし)(かた)めた。


「すっ」という(おと)(とも)に、(かれ)現位置(げんいち)から()え、(ふたた)(あらわ)れた(とき)には(すで)千歩(せんぽ)(さき)にいた。


(しか)星念(せいねん)速度(そくど)驚異的(きょういてき)で、電光(でんこう)(ごと)(はや)く、黒楼蘭(こくろうらん)(たい)執拗(しつよう)追撃(ついげき)展開(てんかい)した。


黒楼蘭(こくろうらん)()ややかに(ふん)(はな)()らし、治療蛊(ちりょうこ)使(つか)いながら、()()なく()(ひるがえ)して回避(かいひ)()(かえ)した。


星念(せいねん)集結(しゅうけつ)して巨大(きょだい)星雲(せいうん)()わると、戦場(せんじょう)縦横無尽(じゅうおうむじん)()(めぐ)黒楼蘭(こくろうらん)追跡(ついせき)(つづ)けた。()(とお)(みち)には、(ひと)()(たお)れる大混乱(だいこんらん)()()こった。


意志薄弱(いしはくじゃく)蛊師(こし)たちは、膨張(ぼうちょう)する星念(せいねん)直撃(ちょくげき)()けて、瞬時(しゅんじ)白痴(はくち)()した。


大半(たいはん)蛊師(こし)は、星念(せいねん)脳裏(のうり)灌注(かんちゅう)されるや、(ただ)ちに眩暈(めまい)がして()()れなくなり、()()(もの)(すく)なくなかった。


(ただ)数多(あまた)いる蛊師(こし)(なか)でも指折(ゆびお)りの強者(きょうしゃ)たちだけが、鋼鉄(こうてつ)(ごと)意志(いし)電光石火(でんこうせっか)機転(きてん)で、(そと)から(せま)星念(せいねん)を次々(つぎつぎ)に撃退(げきたい)してみせた。(しか)()(ため)此等(これら)強者(きょうしゃ)たちは星念(せいねん)防御(ぼうぎょ)()()られた結果(けっか)本来(ほんらい)(はげ)しく(たたか)っていた戦闘(せんとう)次第(しだい)緩慢(かんまん)となっていった。


四转蛊師(してんこし)戦場(せんじょう)縦横無尽(じゅうおうむじん)()(めぐ)(こと)出来(でき)るが、五转蛊師(ごてんこし)(ひと)たび本気(ほんき)()せば、戦局(せんきょく)全体(ぜんたい)左右(さゆう)する(ちから)(ゆう)するのである。


東方余亮(とうほうよりょう)全力(ぜんりょく)出手(しゅしゅ)すると、黒楼蘭(こくろうらん)圧倒的(あっとうてき)劣勢(れっせい)()たされた。膨大(ぼうだい)星念(せいねん)星雲(せいうん)()わり、戦場(せんじょう)主宰(しゅさい)する第一(だいいち)(ちから)となった!


星念(せいねん)消耗(しょうもう)(はげ)しいが、東方余亮(とうほうよりょう)星念生成速度(せいねんせいせいそくど)驚異的(きょういてき)である。


時間(じかん)経過(けいか)(とも)に、星雲(せいうん)規模(きぼ)微塵(みじん)(おとろ)える(きざ)しを()せず、(かえ)って微増(びぞう)(しめ)した。


戦場(せんじょう)全体(ぜんたい)のほぼ全員(ぜんいん)注意(ちゅうい)()星雲(せいうん)集中(しゅうちゅう)した。星雲(せいうん)(せま)()ると、大多数(だいたすう)蛊師(こし)蜘蛛(くも)()()らす(ごと)四方(しほう)()(まど)い、衝撃(しょうげき)痴呆(ちほう)()すことを(おそ)れた。


(しか)れども東方余亮(とうほうよりょう)(かお)には一片(いっぺん)歓喜(かんき)(いろ)()く、(かえ)って一抹(いちまつ)憂色(ゆうしょく)(くも)りなしていた。


黒楼蘭(こくろうらん)移動蛊(いどうこ)(きわ)めて(すぐ)れており、星念(せいねん)とて()いつくことができない。東方余亮(とうほうよりょう)(つう)(ほど)理解(りかい)していた——黒家軍(こくけぐん)において最重要(さいじゅうよう)人物(じんぶつ)黒楼蘭(こくろうらん)常山陰(じょうさんいん)二人(ふたり)であるということを。


(いま)黒楼蘭(こくろうらん)脱兎(だっと)(ごと)()()わり、常山陰(じょうさんいん)暗処(あんしょ)(ひそ)み、意図的(いとてき)魂魄(こんぱく)気配(けはい)()さえ()んで、狼群(おおかみむれ)操作(そうさ)本来(ほんらい)(ちから)十分(じゅうぶん)(いち)使(つか)っていない。混迷(こんめい)する戦場(せんじょう)から(かれ)()つけ()(のぞ)みは、(きわ)めて(かす)かなものだ。


()らば、貴様(きさま)らが(ほこ)精兵(せいへい)殲滅(せんめつ)してくれよう。()(とき)奴等(やつら)がまだ()(しの)んでいられるか見物(けんぶつ)だ!」


東方余亮(とうほうよりょう)(ひとみ)(つめ)たい(ひかり)(はし)り、空中(くうちゅう)星念(せいねん)(くも)急転回(きゅうてんかい)し、精兵部隊(せいへいぶたい)目指(めざ)して急降下(きゅうこうか)した。


此等(これら)精兵(せいへい)は、(すく)なくとも二转(にてん)修為(しゅうい)(ゆう)する。其中(そのなか)には三转蛊師(さんてんこし)頭目(とうもく)として()じっている。


其人數(にんずう)(おお)いが、東方余亮(とうほうよりょう)一騎打(いっきう)ちには(かな)わない。星念(せいねん)(くも)集中攻撃(しゅうちゅうこうげき)()び、黒家(こくけ)藍蝶精兵(らんちょうせいへい)(たちま)土崩瓦解(どほうがかい)し、数多(あまた)死傷者(ししょうしゃ)()した。


()(ぞく)精兵(せいへい)よ!」


()光景(こうけい)()にした葉家(ようけ)族長(ぞくちょう)は、(むね)()かれる(おも)いで(さけ)(ごえ)()げた。


(いま)(あらわ)れぬのか?」


東方余亮(とうほうよりょう)(かす)かに(まゆ)を上げると、(ふたた)星念(せいねん)(くも)()()て、戦犬精兵(せんけんせいへい)襲撃(しゅうげき)仕掛(しか)けた。


戦犬精兵(せんけんせいへい)(またた)く間に七転八倒(しちてんばっとう)し、周囲(しゅうい)精兵(せいへい)たちは()好機(こうき)(のが)さず包囲攻撃(ほういこうげき)開始(かいし)電光石火(でんこうせっか)のうちに()精兵部隊(せいへいぶたい)殲滅(せんめつ)した。


()戦犬精兵(せんけんせいへい)よ!」


汪家(おうけ)族長(ぞくちょう)全身(ぜんしん)(ふる)わせながら痛恨(つうこん)(こえ)()げた。()(よう)精兵(せいへい)育成(いくせい)する(ため)に、汪家(おうけ)はどれ(ほど)資源(しげん)(つい)やし、当代(とうだい)(もの)どもがどれ(ほど)精力(せいりょく)()いだか()れない。(しか)るに()貴重(きちょう)戦力(せんりょく)が、一朝(いっちょう)にして灰燼(かいじん)()したのである。


「ふむ、(いま)救援(きゅうえん)()()ないのか?」


東方余亮(とうほうよりょう)(ふか)(まゆ)をひそめた。二個(にこ)精兵部隊(せいへいぶたい)壊滅(かいめつ)させたことで、(かれ)星念(せいねん)大幅(おおはば)消耗(しょうもう)している。()()なく(あたら)しい星念(せいねん)生成(せいせい)(つづ)けていなければ、星念(せいねん)(くも)はとっくに枯渇(こかつ)していただろう。


七星灯殺招(しちせいとうさっしょう)加護(かご)()けているとはいえ、此刻(こくさ)東方余亮(とうほうよりょう)(つよ)虚脱感(きょだつかん)(おそ)われている。(もと)より漆黒(しっこく)だった(かれ)黒髪(こくはつ)には、(いま)幾筋(いくすじ)もの白髪(しらが)()じり(はじ)めていた。


()れ、()れ、()(よう)殺招(さっしょう)何時(いつ)まで()つか、此方(こち)()(はな)せぬわ。」


何処(いずこ)かに(ひそ)方源(ほうげん)は、狼顧蛊(ろうここ)(つう)じて戦況(せんきょう)(なが)めながら、冷笑(れいしょう)()かべて()(ささや)いた。


(かれ)()って、()(もの)(おお)ければ(おお)(ほど)戦後(せんご)()られる魂魄(こんぱく)()える。


所詮(しょせん)最終的(さいしゅうてき)勝利(しょうり)し、王庭(おうてい)()ることを(ゆる)されればそれで()いのだ。


東方余亮(とうほうよりょう)精兵(せいへい)(ほふ)ることで方源(ほうげん)出撃(しゅつげき)させようと(たくら)んでいても、万万(ばんばん)(いち)成功(せいこう)する(はず)()い。()思惑(おもわく)は、(いたず)らに()わるであろう。




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