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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第一百零五節:大战

唐家(とうけ)め!当年(とうねん)屈辱(くつじょく)今日(きょう)こそ倍返(ばいがえ)ししてくれるわ!!」


汪疆(おうきょう)顔面(がんめん)(ゆが)めて(ひく)(うな)ると、全身(ぜんしん)(またた)くうちに一回(いっかい)膨張(ぼうちょう)し、黒熊(くま)(ごと)凶暴(きょうぼう)(いきお)いで唐方(とうほう)(おそ)いかかった。


()猛烈(もうれつ)来襲(らいしゅう)()て、唐方(とうほう)驚愕(きょうがく)(いか)りに()られ、死闘(しとう)する決意(けつい)(かた)めた。


丹火蛊(たんかこ)


右掌(ゆいて)()()すと、橙赤色(とうせきしょく)(ほのお)汪疆(おうきょう)目掛(めが)けて飛翔(ひしょう)した。


(ほのお)空中(くうちゅう)光弧(こうこ)(えが)き、汪疆(おうきょう)顔面(がんめん)(せま)る。(いま)命中(めいちゅう)せざる(まえ)より、(かれ)灼熱(しゃくねつ)気配(けはい)(かん)()った。


(しか)汪疆(おうきょう)獰笑(どうしょう)一声(いっせい)(かす)かなも回避(かいひ)する様子(ようす)()く、(むし)大口(おおぐち)()(はな)った。


がぶり!


(かれ)(くち)(おお)きく()け、丹火(たんか)一気(いっき)()()んでしまった。


()れは──四転(してん)吞火蛊(どんかこ)だ!」唐方(とうほう)表情(ひょうじょう)(つよ)()るいだ。


吞火蛊(どんかこ)元来(がんらい)攻撃(こうげき)(よう)()ではなく、貯蔵(ちょぞう)(よう)()である。(しか)蛊師(こし)()の使い(つかいかた)は、(つね)一心(いっしん)(そん)する(ところ)貯蔵用(ちょぞうよう)()戦闘(せんとう)使(つか)えぬと(だれ)()めた?


唐家(とうけ)蛊虫(こちゅう)火道(かどう)主軸(しゅじく)とする。汪疆(おうきょう)(おお)きな代償(だいしょう)(はら)って()四转吞火蛊(してんどんかこ)()()れたのは、十年(とおとせ)(まえ)から唐家(とうけ)(たい)する布石(ふせき)であった。


汪疆(おうきょう)、我々(われわれ)も加勢(かせい)する。」


()(とき)(さら)二人(ふたり)蛊師(こし)()()け、(いず)れも三转(さんてん)実力(じつりょく)(ゆう)していた。


唐方(とうほう)唐家(とうけ)家老(かろう)二人(ふたり)顔色(かおいろ)(またた)くうちに()わった。元々(もともと)吞火蛊(どんかこ)彼等(かれら)(かん)(こく)するものであるのに、(いま)相手(あいて)(さん)(たい)()数的優位(すうてきゆうい)()っている。


三少(さんしょう)(いそ)いで退(しりぞ)け!此奴等(こいつら)(わたくし)()()める!」


唐家(とうけ)家老(かろう)危急(ききゅう)情況(じょうきょう)看取(かんど)するや、(すす)んで()(てい)し、唐方(とうほう)撤退(てったい)機会(きかい)(つくろ)おうとした。


唐方(とうほう)道楽息子(どうらくむすこ)ではなく、()()(しば)り、(きびす)(かえ)して退(しりぞ)いた。「家老(かろう)()(こた)えてくれ。()ぐに援軍(えんぐん)()れて(もど)る!」


()え!」


汪疆(おうきょう)三人(さんにん)唐方(とうほう)無事撤退(ぶじてったい)看過(かんか)する(わけ)にはいかなかった。(しか)(のこ)された唐家(とうけ)家老(かろう)防御蛊師(ぼうぎょこし)であって、三转(さんてん)珍稀蛊(ちんきこ)緩步(かんぽ)」を(ゆう)していることを見落(みお)としていた。


()()()(ごと)く、蛊師(こし)速度(そくど)減速(げんそく)させ、一定時間(いっていじかん)持続(じぞく)する効果(こうか)がある。汪疆(おうきょう)三人(さんにん)()れに(あし)()られ、唐方(とうほう)(あき)らめるしかなく、満腔(まんこう)(いか)りを(むね)に、唐家(とうけ)家老(かろう)()けて全力(ぜんりょく)(おそ)()かった。


唐家(とうけ)家老(かろう)両拳(りょうけん)をもって四手(ししゅ)(てき)せず。緩步蛊(かんぽこ)(ゆう)するも(ふせ)()れなかった。最初(さいしょ)汪疆(おうきょう)一撃(いちげき)を受け(うけ)、(つづ)いて風刃(ふうじん)()たれて(うで)()り、最後(さいご)には雪球(せっきゅう)一撃(いちげき)氷塊(ひょうかい)()し、其処(そこ)(いのち)()とした。


家老(かろう)!」


唐方(とうほう)虎目(こもく)(なみだ)()かべ、援軍(えんぐん)(ひき)いて()()けた(とき)には、最早(もはや)()家老(かろう)遺体(いたい)収容(しゅうよう)することしかできなかった。


復讐(ふくしゅう)業火(ごうか)()胸中(きょうちゅう)()()がったが、当座(とうざ)仇敵(きゅうてき)(さが)()すことも(かな)わなかった。


戦場(せんじょう)一片(いっぺん)混迷(こんめい)(おち)いっていた。無数(むすう)狼群(おおかみむれ)(たけ)()い、()れに(くわ)えて狐群(きつねむれ)戦蟹(せんかい)蝙蝠(こうもり)などが()(みだ)れていた。(きん)(もく)(すい)()()(ふう)(らい)(こう)(やみ)――様々(さまざま)な属性(ぞくせい)攻撃(こうげき)天空(てんくう)()()き、()大地(だいち)()(そそ)いだ。土煙(つちけむり)()()がらせるもの、灼熱(しゃくねつ)(ほのお)()()がらせるもの、氷霜(ひょうそう)蔓延(まんえん)させるもの、雷光(らいこう)(まぶ)しさを(はな)つもの……


蛊師(こし)たちは(さけ)び、()え、進撃(しんげき)する(もの)後退(こうたい)する(もの)救援(きゅうえん)()かう(もの)死守(ししゅ)(けっ)する(もの)()()じる。


数十万(すうじゅうまん)将兵(しょうへい)による大乱戦(だいらんせん)は、方円数千里(ほうえんすうせんり)範囲(はんい)充満(じゅうまん)していた。


ざあああっ……!


突然(とつぜん)碧藍(へきらん)(しょく)磅礴(ぼうはく)たる大波(おおなみ)が、(あま)()(いきお)いで悪蛟(あっこう)(ごと)(あら)われ、轟音(ごうおん)(とも)()()けた。


無数(むすう)狼群(おおかみむれ)蛊師(こし)たちが巨浪(きょろう)()()まれ、()()まれてしまった。


戦場(せんじょう)瞬時(しゅんじ)蹂躙(じゅうりん)され、湿(しめ)った青草(あおくさ)(はら)には(いく)つもの水溜(みずたま)りができあがっている。一人(ひとり)蛊師(こし)哄笑(こうしょう)()げ、傲然(ごうぜん)場中(ばちゅう)(おう)()ちはだかっていた。


水魔(すいま)浩激流(こうげきりゅう)だ!」唐方(とうほう)(ひとみ)()らし、()人物(じんぶつ)()(きわ)めた。


退()け!此奴(こいつ)四转上階(してんじょうかい)強者(きょうしゃ)で、悪名高(あくみょうたか)老魔頭(ろうまとう)だ。」


生存(せいぞん)していた三转蛊師(さんてんこし)たちは、即座(そくざ)()(かな)った撤退(てったい)(えら)んだ。


水魔(すいま)傲岸(ごうがん)視線(しせん)(めぐ)らせると、最も人数(ひとず)(おお)唐方(とうほう)一行(いっこう)(そそ)がれた。


此等(これら)三転蛊師(さんてんこし)は、水魔(すいま)()には(うご)戦功(せんこう)(うつ)り、戦後(せんご)(ゆた)かな褒賞(ほうしょう)意味(いみ)していた。


水魔(すいま)は猩々(しょうじょう)と(あか)(した)()ばし、(かわ)いた(くちびる)(ねぶ)ると、顔中(かおじゅう)殺伐(さつばつ)気配(けはい)(ただよ)わせた。


()れに遭遇(そうぐう)するとは、不運(ふうん)(あき)らめよ!」水魔(すいま)高笑(たかわら)いし、双掌(そうしょう)猛然(もうぜん)()()した。四転(してん)水瀑蛊(すいばくこ)


(ごう)


瞬時(しゅんじ)(てん)()くばかりの激流(げきりゅう)(ほとばし)()比類(ひるい)なき衝撃力(しょうげきりょく)(とも)って唐方(とうほう)らに(おそ)いかかった。


(かく)(ごと)磅礴(ぼうはく)たる攻勢(こうせい)()にし、唐方(とうほう)孤軍(こぐん)奮闘(ふんとう)(ごと)く、津波(つなみ)直面(ちょくめん)する()(りつ)()(えん)(かん)(おそ)われた。


三少(さんしょう)(わたし)らが()()める、(いそ)いで退(しりぞ)け!」


()(したが)数名(すうめい)家老(かろう)たちは()()(しば)り、唐方(とうほう)(うし)ろに(まも)()てた。


彼等(かれら)合力(ごうりょく)して(つい)水瀑(すいばく)(ふせ)()めた。


(はや)()け!!!」


家老(かろう)たちの(あせ)(こえ)に、唐方(とうほう)無念(むねん)さと(くや)しさで(むね)(あつ)くなった。


(みな)()(こた)えてくれ。父上(ちちうえ)()れて(たす)けに(もど)る!」


(かれ)(くや)しさを()みしめながらも、()()撤退(てったい)(えら)んだ。


がはははは!


水魔(すいま)哄笑(こうしょう)(はな)ち、唐家(とうけ)数名(すうめい)家老(かろう)激戦(げきせん)()(ひろ)げた。その攻勢(こうせい)(はげ)しく、水勢(すいせい)磅礴(ぼうはく)として、圧倒的(あっとうてき)(いきお)いで(おそ)()かる。唐家(とうけ)家老(かろう)たちは人数(にんずう)優位(ゆうい)()ってはいたものの、劣勢(れっせい)()たされ、防戦(ぼうせん)(きわ)めて困難(こんなん)であった。


(すう)(かい)(あい)()たぬ(うち)に、(はや)くも家老(かろう)(ひと)りが水魔(すいま)()()かり(いのち)()とした。


十数(じゅうすう)(かい)(あい)()ぎる(ころ)には、最早(もはや)(ひと)人の家老(かろう)(のこ)すのみとなっていた。


水魔(すいま)獰笑(どうしょう)()かべ、()めを()さんとしたその(とき)()(じょ)として(れっ)々(れつ)たる殺気(さっき)(おそ)(きた)った。


豊富(ほうふ)戦闘経験(せんとうけいけん)(つちか)った危険(きけん)察知(さっち)能力(のうりょく)が、浩激流(こうげきりゅう)本能的(ほんのうてき)回避行動(かいひこうどう)()らせた。(かれ)()()きもせず、即座(そくざ)()(しゃ)後退(こうたい)し、目前(もくぜん)戦功(せんこう)()()()()()った。


ひゅっ!


(かす)かな風切(かざき)(おと)(とも)に、四枚刃(よんまいば)風刃(ふうじん)空気(くうき)(つん)ざき、(いま)しも退(しりぞ)いた(かれ)肩先(かたさき)をかすめて()()った。


風刃(ふうじん)回転(かいてん)(つづ)け、一撃(いちげき)(はず)れると、戦場(せんじょう)(なが)弧線(こせん)(えが)いた。その軌跡(きせき)沿()って(ひと)であれ(けもの)であれ、一切合切(いっさいがっさい)が切り()かれ、血潮(ちしお)()()がり、断肢(だんし)散乱(さんらん)した。


淡緑色(あわみどりいろ)風刃(ふうじん)空中(くうちゅう)にゆったりとした()(えが)くと、(もと)(あるじ)()(もと)へと(もど)っていった。


貴様(きさま)か?風魔(ふうま)譚武楓(たんぶふう)め!」


水魔(すいま)(かお)からは狂笑(きょうしょう)(じょ)々(じょ)に()え、()には一筋(ひとすじ)(きん)(ちょう)(はし)った。


譚武楓(たんぶふう)(かれ)(なら)び「風水双魔(ふうすいそうま)」と(しょう)され、(おな)じく四転(してん)高階(こうかい)修為(しゅうい)(ゆう)していた。


かつて水魔(すいま)北原(ほくげん)東部(とうぶ)縦横(じゅうおう)し、風魔(ふうま)北原(ほくげん)西部(せいぶ)猛威(もうい)()るい、(たが)いに呼応(こおう)していた。(しか)後年(こうねん)東方余亮(とうほうよりょう)(こう)みな計略(けいりゃく)をもって三度(さんど)風魔(ふうま)()らえては(はな)ち、(つい)(かれ)屈服(くっぷく)させた。こうして譚武楓(たんぶふう)東方余亮(とうほうよりょう)従者(じゅうしゃ)となり、東方家(とうほうけ)帰依(きえ)する()となったのである。


水魔(すいま)よ、()哄笑(こうしょう)(あま)りに耳障(みみざわ)りだ。公子(こうし)(めい)により、此処(ここ)貴様(きさま)(ほうむ)る。」


風魔(ふうま)譚武楓(たんぶふう)薄青(うすあお)()(まと)い、空中(くうちゅう)(ただよ)っていた。()には(たった)(いま)(もど)って()風刃(ふうじん)(ろう)している。


移動中(いどうちゅう)消耗(しょうもう)三枚(さんまい)()っていた風刃(ふうじん)は、風魔(ふうま)(あら)たに真元(しんげん)(そそ)()んだことで、徐々(じょじょ)に修復(しゅうふく)し、(もと)四枚刃(よんまいば)威勢(いせい)を取り(とりもど)しつつあった。


一般(いっぱん)に、一旦(いったん)(はな)たれた風刃(ふうじん)回収(かいしゅう)不能(ふのう)とされる。(しか)るに風魔(ふうま)風刃(ふうじん)(ろう)する(さま)は、さながら玩具(おもちゃ)把玩(はがん)するが(ごと)く、(なら)()(もの)凌駕(りょうが)する(かぜ)(あやつ)りの(じゅつ)()えを()せつけていた。


「ふん、()れまでの歳月(さいげつ)主君(しゅくん)()(しつ)けられたようだな。天狗(てんぐ)になり()てたな。」


水魔(すいま)獰笑(どうしょう)一声(いっせい)(わし)(ごと)(するど)眼光(がんこう)風魔(ふうま)()すくめた。


風魔(ふうま)顔色(かおいろ)瞬時(しゅんじ)(くも)った。(てのひら)一振(ひとふ)りするや、四枚刃(よんまいば)風刃(ふうじん)(もう)(しゃ)した。同時(どうじ)に、()()()(ごと)水魔(すいま)目掛(めが)けて直進(ちょくしん)する。


()い!」


水魔(すいま)微動(びどう)だにせず、足下(あしもと)巨浪(きょろう)()()こす。(なみ)()みしめながら空中(くうちゅう)(おど)()がり、風魔(ふうま)激突(げきとつ)して()った。


(ごう)


(はげ)しい爆発(ばくはつ)(おん)(とも)に、狂風(きょうふう)(うな)り、大波(おおなみ)(てん)()く。四転強者(してんきょうしゃ)同士(どうし)死闘(しとう)(まく)()って()とされた。


周囲(しゅうい)蛊師(こし)たちは(あわ)てて後退(こうたい)し、距離(きょり)()ると、()もなく風水双魔(ふうすいそうま)(ため)だけの特設戦場(とくせつせんじょう)(もう)けられた。


両者(りょうしゃ)だけではなかった。縦横捭闔(じゅうおうはいこう)すること(しば)し、四转蛊師(してんこし)強者(きょうしゃ)たちは次々(つぎつぎ)と好敵手(こうてきしゅ)()()していった。


混迷(こんめい)する戦場(せんじょう)には、十数(じゅうすう)もの戦圏(せんけん)が次々(つぎつぎ)と形作(かたちづく)られていった。戦圏(せんけん)固定(こてい)されておらず、交戦(こうせん)する両者(りょうしゃ)(とも)(ゆる)やかに漂移(ひょうい)していく。


高級戦力(こうきゅうせんりょく)配置(はいち)(さだ)まるにつれ、戦場全体(せんじょうぜんたい)構図(こうず)次第(しだい)鮮明(せんめい)になってきた。


最上位(さいじょうい)では四转强者(してんきょうしゃ)たちが一対一(いったいいち)死闘(しとう)()(ひろ)げ、大戦圏(だいせんけん)形成(けいせい)する。()を取り()くように中規模(ちゅうきぼ)戦圏(せんけん)(ひろ)がり、三转蛊師(さんてんこし)たちが生死(せいし)()けて(あらそ)う。(さら)外縁(がいえん)()では、二转(にてん)一转(いってん)蛊師(こし)たちが部隊(ぶたい)()み、連携行動(れんけいこうどう)展開(てんかい)していた。


方源(ほうげん)()機会(きかい)(じょう)じて、狼群(おおかみむれ)を着々(ちゃくちゃく)と(まと)()げ、戦線(せんせん)再編(さいへん)(すす)めていた。


両軍(りょうぐん)対峙(たいじ)膠着状態(こうちゃくじょうたい)(おちい)った。


往々(おうおう)にして()(よう)状況(じょうきょう)では、()均衡(きんこう)(やぶ)り、主動権(しゅどうけん)(にぎ)った一方(いっぽう)優位(ゆうい)()()げる。十分(じゅうぶん)優位(ゆうい)蓄積(ちくせき)されれば、()れは勝勢(しょうせい)へと転化(てんか)していく。


黒楼蘭(こくろうらん)東方余亮(とうほうよりょう)も、()(てん)()理解(りかい)していた。


彼等(かれら)視線(しせん)手中(しゅちゅう)精兵(せいへい)へと()けた。


此等(これら)精鋭部隊(せいえいぶたい)は、三百(さんびゃく)から四百人(よんひゃくにん)(ある)いは五百(ごひゃく)から六百人(ろっぴゃくにん)規模(きぼ)編成(へんせい)され、統一(とういつ)された蛊虫装備(こちゅうそうび)厳格(げんかく)画一訓練(かくいつくんれん)()け、瞬時(しゅんじ)強大(きょうだい)戦力(せんりょく)爆発(ばくはつ)させ()る。戦場(せんじょう)縦横(じゅうおう)する利刃(りじん)であり、双方(そうほう)総帥(そうすい)(にぎ)最終兵器(さいしゅうへいき)なのである。


各家族(かくかぞく)(かなら)ずしも精兵(せいへい)編成(へんせい)できる(わけ)ではない。


黒楼蘭(こくろうらん)陣営(じんえい)には五支(ごし)精兵(せいへい)が、東方余亮(とうほうよりょう)手元(てもと)には六支(ろくし)精兵(せいへい)存在(そんざい)していた。


東方余亮(とうほうよりょう)()百花精兵(ひゃっかせいへい)出動(しゅつどう)させた。


()れは花家(はなけ)精兵(せいへい)であり、攻撃(こうげき)防御(ぼうぎょ)には(よわ)いが、治療(ちりょう)得意(とくい)とする。


()精兵(せいへい)(うご)()すや、(ただ)ちに大勢(おおぜい)負傷者(ふしょうしゃ)治療(ちりょう)し、戦局(せんきょく)安定(あんてい)させ、東方一族(とうほういちぞく)基層(きそう)蛊師(こし)たちに巨大(きょだい)支援(しえん)をもたらした。


(たか)王帳(おうちょう)(すわ)黒楼蘭(こくろうらん)()情景(じょうけい)()(ひや)やかに(ふん)(はな)()らし、藍蝶精兵(らんちょうせいへい)出撃(しゅつげき)(めい)じ、百花精兵団(ひゃっかせいへいだん)襲撃(しゅうげき)殲滅(せんめつ)せよと下命(かめい)した。


藍蝶精兵(らんちょうせいへい)五百人(ごひゃくにん)規模(きぼ)四転蛊師(してんこし)たちの戦圏(せんけん)(うま)()けると、(あつ)戦線(せんせん)容易(ようい)()(やぶ)り、百花精兵(ひゃっかせいへい)目指(めざ)して殺到(さっとう)した。


(いま)まさに仕留(しと)めようとしたその(とき)(ひがし)(みなみ)西(にし)三方向(さんほうこう)から三股(みまた)精兵(せいへい)(あら)われ、藍蝶精兵(らんちょうせいへい)(たい)包囲網(ほういもう)形成(けいせい)した。


元来(もとより)東方余亮(とうほうよりょう)は、百花精兵(ひゃっかせいへい)(おとり)仕組(しく)まれた()(わな)仕掛(しか)けてあったのである。


黒楼蘭(こくろうらん)とて藍蝶精兵(らんちょうせいへい)全滅(ぜんめつ)看過(かんか)する(わけ)にはいかず、()ぐさま(のこ)りの精兵部隊(せいへいぶたい)救援(きゅうえん)派遣(はけん)した。


双方(そうほう)精鋭部隊(せいえいぶたい)(またた)くうちに(から)()い、内外幾重(ないがいいくえ)もの包囲網(ほういもう)形成(けいせい)戦況(せんきょう)(ふたた)膠着状態(こうちゃくじょうたい)(おちい)った。


族長殿(ぞくちょうどの)拙者(せっしゃ)軍勢(ぐんぜい)(ひき)出撃(しゅつげき)させてください!彼等(かれら)をさんざんに()(やぶ)りましょう!」


東方射(とうほうしゃ)()りを(おさ)えきれず、(こえ)()()げて出陣(しゅつじん)懇願(こんがん)した。


東方余亮(とうほうよりょう)(ゆる)やかに(くび)()り、(ゆる)しは()さなかった。東方射(とうほうしゃ)東方一族(とうほういちぞく)羽箭精兵(うせんせいへい)総帥(そうすい)として、四转高階(してんこうかい)修為(しゅうい)(ゆう)する。


しかし黒家(こくけ)黒旗精兵(こっきせいへい)(うご)()さない(かぎ)り、()羽箭精兵(うせんせいへい)戦局(せんきょく)(しず)める抑止力(よくしりょく)として温存(おんそん)せねばならない。


東方余亮(とうほうよりょう)緩緩(のうのう)戦場(せんじょう)見渡(みわた)し、全局(ぜんきょく)掌握(しょうあく)すると、東方射(とうほうしゃ)(なだ)めるように()った。「射家老(しゃかろう)(やや)(やす)んぜよ。(いま)(いま)貴公(きこう)出番(でばん)では()い。眼前(がんぜん)局面(きょくめん)は、(はや)くより()戦略的予測(せんりゃくてきよそく)範疇(はんちゅう)にある。」


そう()うと、(かれ)(あわ)(わら)いを()かべ、()きを()えて三人(さんにん)奴道蛊師(どどうこし)()げた。「三君(さんくん)其方(そち)らの力量(りきりょう)(しめ)(とき)である。」


此等(これら)三人(さんにん)こそ、鄂玄銘(がくげんめい)魏鑫(ぎきん)姜婉姗(きょうえんさん)であった。













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