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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第七十六節:贝草川

遠方(えんぽう)暗影(あんえい)片隅(かたすみ)で、十人(じゅうにん)(ちか)くの(もの)戦場(せんじょう)(なが)めていた。(まさ)貝家(かいけ)から()()びてきた高官(こうかん)たちである。


鄭家(ていけ)はもう()わりだ。」


()光景(こうけい)()にし、貝家(かいけ)族長(ぞくちょう)貝草川(かいそうせん)(ひと)つの嘆息(たんそく)()らした。


(おも)いもよらなかった、常山陰(じょうさんいん)手元(てもと)に、まさか第三(だいさん)万狼王(ばんろうおう)がいるとは!」


一人(ひとり)家老(かろう)驚嘆(きょうたん)し、(みな)(こころ)(こえ)代弁(だいべん)した。


彼ら(かれら)は(だれ)一人(ひとり)として、方源(ほうげん)実力(じつりょく)(かく)していたとは予想(よそう)していなかった。貝家(かいけ)への攻撃戦(こうげきせん)において、()万狼王(ばんろうおう)最後(さいご)まで温存(おんそん)され、登場(とうじょう)しなかったのである。


三頭(さんとう)万狼王(ばんろうおう)(よう)すれば、鄭家(ていけ)(ごと)中規模家族(ちゅうきぼかぞく)は、電矛軍団(でんむぐんだん)()ろうとも、突破(とっぱ)されるのは当然(とうぜん)である。」


(ただ)常山陰(じょうさんいん)(じつ)陰険(いんけん)だ。(かく)(ごと)きまで忍耐(にんたい)(つづ)けるとは。(かく)(ごと)心性(しんせい)は、(おそ)()りも(はなは)だしい!」


「ふふ、それがどうした?鄭家(ていけ)族長(ぞくちょう)最期(さいご)一撃(いちげき)夜狼万獣王(やろうばんじゅうおう)仕留(しと)めた。(いま)常山陰(じょうさんいん)手元(てもと)には万狼王(ばんろうおう)二頭(にとう)しか(のこ)っていない。」


残存(ざんそん)する貝家(かいけ)家老(かろう)たちは、感嘆(かんたん)する(もの)もいれば、冷笑(れいしょう)する(もの)もいた。


一頭(いっとう)万獣王(ばんじゅうおう)捕獲(ほかく)することは、(けっ)して容易(ようい)なことではない。方源(ほうげん)損失(そんしつ)は、彼ら(かれら)から()れば、甚大(じんだい)なものだ。


しかし実際(じっさい)には、方源(ほうげん)福地(ふくち)(よう)し、宝黄天(ほうこうてん)(かよ)じており、万狼王(ばんろうおう)補充(ほじゅう)するのは一瞬(いっしゅん)(おも)いで()むことだった。


常山陰(じょうさんいん)(じつ)狂気的(きょうきてき)冷酷(れいこく)だ。本来(ほんらい)なら夜狼万獣王(やろうばんじゅうおう)一時的(いちじてき)戦場(せんじょう)から離脱(りだつ)させることもできたはずなのに、あのような無理(むり)指揮(しき)万獣王(ばんじゅうおう)戦死(せんし)()いやった。」


一人(ひとり)家老(かろう)がそう()いながら、(こころ)(なか)では(つめ)たい戦慄(せんりつ)(つづ)いていた。


貝家(かいけ)族長(ぞくちょう)細目(ほそめ)になり、当時(とうじ)戦況(せんきょう)がまざまざと(よみがえ)った:「あれほど強硬(きょうこう)攻勢(こうせい)でなければ、こんなどう戦局(せんきょく)(はや)めに()めることはできなかっただろう。葛家(かつけ)(ちい)さな(ちから)(おお)きな(てき)()めるのは、持久戦(じきゅうせん)()えられない。常山陰(じょうさんいん)()判断(はんだん)(きわ)めて賢明(けんめい)だ。」


残念(ざんねん)なことに、鄭家(ていけ)族長(ぞくちょう)()んでしまった。()(もの)四転高階(してんこうかい)実力(じつりょく)で、強敵(きょうてき)だった。もし生き()びられれば……」


貝家(かいけ)族長(ぞくちょう)はまた嘆息(たんそく)した。


これも鄭家(ていけ)族長(ぞくちょう)(たたか)いに執着(しゅうちゃく)()ぎ、十二分(じゅうにぶん)(ちから)()して(はげ)しく(たたか)ったためである。長期戦(ちょうきせん)(あと)真元(しんげん)消耗(しょうもう)甚大(じんだい)になり、()げようとした(とき)には(すで)夜狼万獣王(やろうばんじゅうおう)包囲(ほうい)され、最終的(さいしゅうてき)には脱出(だっしゅう)失敗(しっぱい)した。そして鄭家(ていけ)電矛軍団(でんむぐんだん)は、(ほとん)全滅(ぜんめつ)し、()だ二、(にさん)(ちい)さな残党(ざんとう)(のこ)すのみである。


この(ふた)つの出来事(できごと)は、鄭家(ていけ)全族(ぜんぞく)士気(しき)にとって致命的(ちめいてき)打撃(だげき)となった。


族長(ぞくちょう)犠牲(ぎせい)軍団(ぐんだん)壊滅(かいめつ)により、鄭家(ていけ)抵抗(ていこう)(ちから)(うし)い、瞬時(しゅんじ)にして完全(かんぜん)崩壊(ほうかい)様相(ようそう)(てい)した。


葛家(かつけ)(もの)たちは陣営(じんえい)突入(とつにゅう)し、恣意(しい)的な殺戮(さつりく)開始(かいし)した。鄭家(ていけ)戦意(せんい)完全(かんぜん)喪失(そうしつ)し、(のこ)った(もの)必死(ひっし)()(まど)い、慟哭(どうこく)(こえ)哀願(あいがん)(こえ)()()なく(ひび)いた。


(とき)には、一人(ひとり)一転蛊師(いってんこし)が二、三人(にさんにん)二転蛊師(にてんこし)執拗(しつよう)追撃(ついげき)するという状況(じょうきょう)さえ()られた。


これらの二転蛊師(にてんこし)たちも、(たたか)意思(いし)がなかったわけではない。ただ、真元(しんげん)狼群(ろうぐん)との消耗戦(しょうもうせん)深刻(しんこく)枯渇(こかつ)してしまっていたのである……


真元(しんげん)()きれば、蛊師(こし)戦力(せんりょく)谷底(こくてい)まで暴落(ぼうらく)する。


鄭家(ていけ)陣営(じんえい)惨状(さんじょう)()にし、貝家(かいけ)(もの)たちは(みな)沈黙(ちんもく)(おちい)った。


彼ら(かれら)は(おも)わず以前(いぜん)(みずか)らの陣営(じんえい)陥落(かんらく)した情景(じょうけい)連想(れんそう)し、一人一人(ひとりひとり)()()(しば)り、(こぶし)(かた)(にぎ)りしめた。心中(しんちゅう)には(いか)りが渦巻(うずま)一方(いっぽう)で、一抹(いちまつ)蒼涼感(そうりょうかん)にも()ちていた。


乱世(らんせい)()る!


北原(ほくげん)では十年(じゅうねん)一度(いちど)風雪天災(ふうせつてんさい)が、(かなら)群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)大動揺(だいどうよう)()()こす。


()(とき)には、動揺(どうよう)北原全体(ほくげんぜんたい)()()み、今日(こんにち)情景(じょうけい)など、()(なか)(ひと)つの序幕(じょまく)()ぎないのだ。


(ひと)(くさ)(ごと)(いや)しく、流離転徙(りゅうりてんし)する。中小規模(ちゅうしょうきぼ)部族(ぶぞく)は、ほとんど浮萍(ふひょう)(ごと)く、戦争(せんそう)渦中(かちゅう)()()まれ、一つ一つが(おの)()(おも)うままにできず、(すこ)しでも油断(ゆだん)すれば粉々(こなごな)に粉砕(ふんさい)される。


たとえ大規模家族(だいきぼかぞく)でも、薄氷(はくひょう)()むが(ごと)く、細心(さいしん)注意(ちゅうい)しなければならない。ただ(ちょう)大規模家族(だいきぼかぞく)のみ、祖先(そせん)蛊仙(こせん)()し、(みずか)福地(ふくち)(よう)するものは、不倒(ふとう)万代基業(ばんだいきぎょう)(きず)くことができる。


族長(ぞくちょう)殿(どの)、我々(われわれ)の真元(しんげん)(すで)回復(かいふく)しました。本来(ほんらい)鄭家(ていけ)支援(しえん)するつもりでしたが、(いま)鄭家(ていけ)(すで)敗北(はいぼく)しました。不如(いかが)でしょうか、反転(はんてん)して急襲(きゅうしゅう)仕掛(しか)け、()(ぞく)(もの)救出(きゅうしゅつ)しましょう!」


()(とき)、ある家老(かろう)提案(ていあん)した。


(しか)り。常山陰(じょうさんいん)野望(やぼう)(おお)きすぎる。()(ぞく)陣営(じんえい)突破(とっぱ)し、(つづ)いて鄭家(ていけ)攻撃(こうげき)した。()(くる)った(いきお)いで()れば、おそらく(つぎ)裴家(はいけ)(ねら)うだろう。我々(われわれ)は(まさ)()機会(きかい)利用(りよう)して、反撃(はんげき)開始(かいし)すべきだ。」


葛家(かつけ)(のこ)している(もの)は、人数(にんずう)こそ我々(われわれ)より(はる)かに(おお)いが、(みな)一転(いってん)二転(にてん)蛊師(こし)ばかりで、三転(さんてん)家老(かろう)一人(ひとり)しかいない。」


家老(かろう)たちは(おも)わず(こころ)(うご)き、次々(つぎつぎ)と族長(ぞくちょう)()つめた。


人数(にんずう)(すく)ないが、(すく)なくとも全員(ぜんいん)三転(さんてん)修為(しゅうい)()ち、族長(ぞくちょう)四転(してん)(きょう)(かい)にある。実力(じつりょく)(つよ)ければ、(かなら)衝撃(しょうげき)(あた)えられる。本族(ほんぞく)救出(きゅうしゅつ)する可能性(かのうせい)(きわ)めて(たか)い。


しかし、()(わか)貝家(かいけ)族長(ぞくちょう)(くび)()り、断固(だんこ)として否決(ひきつ)した:「駄目(だめ)だ!葛家(かつけ)留守部隊(るすぶたい)(たし)かに(すく)ないので、我々(われわれ)が陣営(じんえい)奪回(だっかい)できるかもしれない。だが、それでどうなる?我々(われわれ)は人数(にんずう)(すく)()ぎる。此度(こたび)(たたか)いは(かなら)情報(じょうほう)()れる。常山陰(じょうさんいん)()(しらせ)()て、(もど)()って()れば、我々(われわれ)は(まも)()れるか?(ぞく)(もの)たちを無事(ぶじ)()がすことができるか?」


一同(いちどう)家老(かろう)たちは(みな)(こえ)(うしな)った。


貝草川(かいそうせん)()(とお)りだった。


彼ら(かれら)は最初(さいしょ)防衛戦(ぼうえいせん)で、万全(ばんぜん)状態(じょうたい)でありながら狼群(ろうぐん)攻撃(こうげき)(やぶ)れた。まして現在(げんざい)では尚更(なおさら)である。


俘虏(ほりょ)にさせておけ。安心(あんしん)しろ、()よ、葛家(かつけ)戦闘終了後(せんとうしゅうりょうご)族人(ぞくじん)規制(きせい)し、俘虏(ほりょ)殺戮(さつりく)していない。奴等(やつら)実力増強(じつりょくぞうきょう)(はか)っているのだ。ふん、(おお)きな野望(やぼう)だ!」


貝草川(かいそうせん)()ややかに(はな)(わら)い、(つづ)けて()った:「我々(われわれ)の族人(ぞくじん)は、(しば)彼等(かれら)(あず)けておく。短期的(たんきてき)には、(かえ)って奴等(やつら)食糧(しょくりょう)消費(しょうひ)させ、より(おお)くの人手(ひとで)()き、より(おお)くの精力(せいりょく)分散(ぶんさん)させることになる。」


一人(ひとり)家老(かろう)突然(とつぜん)()(するど)(ひかり)宿(やど)らせた:「ならば、いっそ直接(ちょくせつ)奴等(やつら)本拠地(ほんきょち)攻撃(こうげき)するのはどうだ?葛家(かつけ)(いま)中規模部族(ちゅうきぼぶぞく)()ぎず、現在(げんざい)ほぼ全戦力(ぜんせんりょく)動員(どういん)している。本営(ほんえい)防御(ぼうぎょ)(かなら)手薄(てうす)になっている。我々(われわれ)が一暴(ひとあ)れして食糧(しょくりょう)()(はら)い、奴等(やつら)負担(ふたん)(おも)くしてやろう。攻め()とされる(あじ)(おも)()らせてやる!」


「良い(かんが)えだ!」


「その(とお)りだ、これこそ解決策(かいけつさく)だ!」


(かなら)葛家(かつけ)家屋敷(いえやしき)(やぶ)られ家族(かぞく)()くす(くる)しみを(あじ)わわせてやる!!」


家老(かろう)たちは興奮(こうふん)して(さけ)()った。


(おろ)(もの)め!」


貝家(かいけ)族長(ぞくちょう)冷水(れいすい)()びせるように(かつ)し、(つめ)たい()刃物(はもの)(ごと)家老(かろう)たちの顔面(がんめん)()すように(はし)った。「お前達(まえたち)(みな)(ぶた)(あたま)か?奴等(やつら)食糧(しょくりょう)()()くせば、(そん)をするのは我々(われわれ)の族人(ぞくじん)だ。奴等(やつら)消耗(しょうもう)()らすために降伏兵(こうふくへい)(ころ)さないとでも(おも)うのか?我々(われわれ)だと気付(きづ)けば、俘虜(ふりょ)(ころ)して(いきどお)りを()らすかもしれないぞ?」


貝草川(かいそうせん)一口(ひとくち)濁気(だっき)()()し、双眼(そうがん)には知恵(ちえ)(ひかり)()らめいていた。(かれ)(ひく)(おも)(こえ)()った:「(まこと)復讐(ふくしゅう)とは、(けっ)して一時的(いちじてき)快感(かいかん)ではない。葛家(かつけ)陣営(じんえい)攻撃(こうげき)するのは、()るに()らない小競(こぜ)()いで、奴等(やつら)根幹(こんかん)()るがすことなどできはしない。常山陰(じょうさんいん)()()り、葛家(かつけ)主力(しゅりょく)殲滅(せんめつ)してこそ、我々(われわれ)は形勢(けいせい)逆転(ぎゃくてん)できるのだ!我々(われわれ)が()にしている(ちから)は、()部分(ぶぶん)使(つか)わねばならない。」


()一席(いっせき)は、諸家老(しょかろう)たちの()()ませた。


「やはり族長(ぞくちょう)(さま)英明(えいめい)でいらっしゃる!」


族長(ぞくちょう)(さま)がおられれば、()(ぞく)には希望(きぼう)があります。」


私達(わたしたち)(みな)族長(ぞくちょう)(さま)のご指示(しじ)(したが)います!」


家老(かろう)たちが族長(ぞくちょう)()()には、敬愛(けいあい)(ねん)()()がっていた。


貝家(かいけ)族長(ぞくちょう)貝草川(かいそうせん)もまた人傑(じんけつ)であった!


(わか)()(かれ)兄弟(きょうだい)から排斥(はいせき)され、最も期待(きたい)されていない後継者候補(こうけいしゃこうほ)だった。


さらにめったに()()さず、実力(じつりょく)偽装(ぎそう)し、(ひく)修行(しゅぎょう)レベルしか()せなかったため、晩餐会(ばんさんかい)集会(しゅうかい)では兄弟(きょうだい)たちから嘲笑(ちょうしょう)批判(ひはん)()びせられることもしばしばだった。


貝草川(かいそうせん)忍耐(にんたい)得意(とくい)とし、感情(かんじょう)(あらわ)()さず、兄弟(きょうだい)たちが内部(ないぶ)(あらそ)うのを()して()て、自分(じぶん)は黙々(もくもく)と実力(じつりょく)(たくわ)えていた。


貝家(かいけ)老族長(ろうぞくちょう)危篤(きとく)(おちい)った(とき)(かれ)はついに機会(きかい)()ちわびた。


()(とき)貝家(かいけ)老族長(ろうぞくちょう)蛊虫(こちゅう)反噬(はんせい)により、一匹(いっぴき)()必要(ひつよう)とし、(きず)(いや)必要(ひつよう)があった。


しかし家族(かぞく)調査(ちょうさ)した結果(けっか)最寄(もよ)りの()()一頭(いっとう)霊犀万獣王(れいさいばんじゅうおう)(からだ)寄生(きせい)していることが発見(はっけん)された。


霊犀獣群(れいさいじゅうぐん)規模(きぼ)八万頭(はちまんとう)()り、家族(かぞく)(うえ)(した)には方法(ほうほう)がなく、悲観的(ひかんてき)絶望的(ぜつぼうてき)(とき)貝草川(かいそうせん)(ひと)()獣群(じゅうぐん)棲息地(せいそくち)(ひそ)んだ。


多日(たじつ)観察(かんさつ)()て、(かれ)時折(ときおり)()霊犀万獣王(れいさいばんじゅうおう)大部隊(だいぶたい)から(はな)れ、一処(いっしょ)污泥沼(でいしょう)(ころ)(まわ)って(あそ)ぶことを発見(はっけん)した。


(あそ)(つか)れると、ぐっすりと(ねむ)()む。


泥沼(どろぬま)糞坑(ふんこう)(ごと)悪臭(あくしゅう)(はな)ち、無数(むすう)蛆虫(うじむし)()いていた。貝草川(かいそうせん)泥中(どろなか)七日七晩(なのかなばん)潜伏(せんぷく)し、微動(びどう)だにしなかった。


努力(どりょく)(ひと)裏切(うらぎ)らない。ついに(かれ)霊犀万獣王(れいさいばんじゅうおう)此処(ここ)(あそ)びに()るのを()()けた。しかし霊犀万獣王(れいさいばんじゅうおう)体躯(たいく)巨大(きょだい)で、(ころ)()(さい)泥沼(どろぬま)(なか)貝草川(かいそうせん)(すね)()みつけ、その()腿骨(たいこつ)粉砕(ふんさい)した。


貝草川(かいそうせん)は黙々(もくもく)と()(しの)び、(じつ)一語(いちご)(はっ)しなかった!


万獣王(ばんじゅうおう)(あそ)(つか)れてぐっすりと(ねむ)りに()いた(あと)(かれ)(はじ)めて(しず)かに()()し、霊犀万獣王(れいさいばんじゅうおう)(からだ)から()野生蛊(やせいこ)(ぬす)()った。


貝草川(かいそうせん)野生蛊(やせいこ)()にし、九死(きゅうし)一生(いっしょう)()危険(きけん)(おか)して()()(はな)れ、(うま)()めず、片足(かたあし)だけで()()ねるようにして(ぞく)(もど)り、老族長(ろうぞくちょう)(すく)()かした。


一族全体(いちぞくぜんたい)震撼(しんかん)した!


貝草川(かいそうせん)()(おこな)いは、孝行(こうこう)(てん)(つう)じ、勇気(ゆうき)比類(ひるい)なく、(こま)やかな智謀(ちぼう)()(そな)え、一族(いちぞく)(うえ)(した)をして刮目(かつもく)せしめた。


(かれ)兄弟(きょうだい)たちも、(かれ)(あら)わにした三転巅峰(さんてんてんぽう)修為(しゅうい)に、極度(きょくど)驚愕(きょうがく)(おぼ)えた。


老族長(ろうぞくちょう)(いのち)(すく)われた(あと)(はげ)しく感動(かんどう)して(なみだ)(なが)し、()った:「老生(ろうせい)生涯(しょうがい)(なみだ)(なが)した回数(かいすう)(かぞ)えるほどしかない。今日(こんにち)(なみだ)したのは、老生(ろうせい)(かろ)うじて()(なが)らえたからではない。(かく)(ごと)()()り、(おや)として()孝行(こうこう)感動(かんどう)し、族長(ぞくちょう)として本族(ほんぞく)未来(みらい)(よろこ)ぶが(ゆえ)である!」


その()で、貝草川(かいそうせん)代理少族長(だいりしょうぞくちょう)任命(にんめい)された。


貝草川(かいそうせん)()地位(ちい)()ると、もはや才能(さいのう)(かく)すことなく、一方(いっぽう)家族(かぞく)事務(じむ)整然(せいぜん)処理(しょり)し、各方(かくほう)認可(にんか)(あらそ)って()()け、他方(たほう)兄弟姉妹(きょうだいしまい)抑圧(よくあつ)して地位(ちい)(かた)め、他の競争者(きょうそうしゃ)一切(いっさい)(すき)(あた)えなかった。


最終的(さいしゅうてき)に、(かれ)見事(みごと)家族(かぞく)族長(ぞくちょう)となり、精神(せいしん)(ふる)()てて政治(せいじ)(はげ)み、貝家(かいけ)(ひき)いて次第(しだい)壮大(そうだい)させ、幾度(いくど)もの難関(なんかん)()()え、今日(こんにち)まで(あゆ)(きた)った。


貝草川(かいそうせん)三十歳代前半(さんじゅうさいだいぜんぱん)()ぎないが、(かれ)貝家(かいけ)(うえ)(した)にわたり、深厚(しんこう)威信(いしん)()ち、衆家老(しゅかろう)一人(ひとり)として信服(しんぷく)しない(もの)はない!


太上家老(たいじょうかろう)(さま)族長(ぞくちょう)(さま)諸家老(しょかろう)(さま)鄭家(ていけ)陣営(じんえい)完全(かんぜん)制圧(せいあつ)し、戦利品(せんりひん)豊富(ほうふ)でございます!」


戦場(せんじょう)掃除(そうじ)担当(たんとう)する家老(かろう)が、興奮(こうふん)しながら報告(ほうこく)した。


予備的(よびてき)推計(すいけい)では、此度(こたび)(たたか)いで()元石(げんせき)(すく)なくとも800万塊(まんかい)以上(いじょう)蛊虫(こちゅう)数千(すうせん)(のぼ)り、その(なか)では三転蛊(さんてんこ)だけで(ひゃく)()りありました。まだ解明(かいめい)中の蛊屋密室(こおくひつしつ)もございます。」


()のような戦果(せんか)()き、葛家(かつけ)(うえ)(した)には喜悦(きえつ)(いろ)()()がらぬ(もの)はいなかった。


鄭家(ていけ)攻略(こうりゃく)したことで、彼ら(かれら)の収穫(しゅうかく)貝家(かいけ)上回(うわまわ)るものとなった。


鄭家(ていけ)中規模部族(ちゅうきぼぶぞく)(なか)でも、特に底力(そこぢから)(あつ)部類(ぶるい)(ぞく)する。戦争(せんそう)による損失(そんしつ)はあったものの、保持(ほじ)された資源(しげん)依然(いぜん)として膨大(ぼうだい)である。


太上家老(たいじょうかろう)(さま)族長(ぞくちょう)(さま)(つぎ)如何(いか)(いた)しましょうか?」


報告(ほうこく)()えた家老(かろう)が、(つづ)けて質問(しつもん)した。


葛家(かつけ)(もの)たちは一斉(いっせい)方源(ほうげん)()つめた。


方源(ほうげん)無表情(むひょうじょう)()った:「攻撃(こうげき)(つづ)ける。目標(もくひょう)裴家(はいけ)だ。」










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