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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第五十七節:换蛊

少年郎(しょうねんろう)、どうぞお(ちゃ)を。これは最高級(さいこうきゅう)雲煙茶(うんえんちゃ)ですよ。さあ、一口(ひとくち)どうぞ」


琅琊地霊(ろうやちれい)雲床(うんしょう)(そば)(すわ)り、(みずか)方源(ほうげん)にお(ちゃ)()れた。


方源(ほうげん)地霊(ちれい)以前(いぜん)(すわ)っていた場所(ばしょ)(すわ)り、眼前(がんぜん)のこのお茶目(ちゃめ)地霊(ちれい)無言(むごん)()つめていた。


さきほど方源(ほうげん)地霊(ちれい)とさらに(すこ)(はな)した(あと)事情(じじょう)()()めた――どうやらこの地霊(ちれい)秘方(ひほう)収集(しゅうしゅう)するのが(だい)()きで、精巧(せいこう)秘方(ひほう)()るとあらゆる手段(しゅだん)()()れようとするらしい。


もし(ほか)(もの)なら、地霊(ちれい)はとっくに(おど)しや強請(ゆす)りをしているところだ。しかし方源(ほうげん)という魔尊(まそん)後継者(こうけいしゃ)に対しては、(おど)しが(つう)じず、(やわ)らかい言葉(ことば)(たの)むしかないのだ。


立派(りっぱ)少年郎(しょうねんろう)よ、お(ちゃ)(あじ)はどうですか?お(たの)しみですか?この一杯(いっぱい)のお(ちゃ)(めん)じて、あの人皮蛊(じんぴこ)秘方(ひほう)交換(こうかん)してくれませんか」


琅琊地霊(ろうやちれい)は、へつらうような笑顔(えがお)()かべ、方源(ほうげん)()かってウインクした。


方源(ほうげん)沈黙(ちんもく)して(ちゃ)(すす)っていた。


元々(もともと)(こころ)(なか)にあった、仙風道骨(せんぷうどうこつ)神秘(しんぴ)(てき)強力(きょうりょく)琅琊地霊(ろうやちれい)のイメージは、急速(きゅうそく)崩壊(ほうかい)しつつあった。


少年郎(しょうねんろう)、どうかご親切(しんせつ)に、(わたし)のような年老(としよ)いた(もの)(あわ)れんでください!(わたし)一人(ひとり)でここで生活(せいかつ)して、どれほど(くる)しく、どれほど(さび)しく、どれほど(かっ)していることか。毎日(まいにち)、これらの秘方(ひほう)()退屈(たいくつ)をしのぐしかないのです。あなたはそんな残酷(ざんこく)にも、(わたし)のような(あわ)れな(ろう)(じん)(ねが)いを(こば)むことがおできになりますか?」


地霊(ちれい)(しろ)(ひげ)(しろ)(かみ)(しろ)(まゆ)(ろう)爺爺(おやじ)といった風貌(ふうぼう)で、じっと方源(ほうげん)()つめていた。


「ねえ、少し(すこし)自覚(じかく)()ったらどうだ。お(まえ)地霊(ちれい)だ、人間(にんげん)じゃないんだぞ。」


方源(ほうげん)目尻(めじり)をピクピクさせながら()った。


少年郎(しょうねんろう)、あんたの()う通り(どおり)にしますから!その秘方(ひほう)さえくれれば、あんたに(なん)されてもいいんです!」


老爺爺(ろうおやじ)方源(ほうげん)()けてウインクした。


方源(ほうげん)はこいつを()()ばしたい衝動(しょうどう)必死(ひっし)(おさ)え、大声(おおごえ)()えた。「ダメだ。交換(こうかん)はしない」


琅琊地霊(ろうやちれい)全身(ぜんしん)一瞬(いっしゅん)硬直(こうちょく)したかと(おも)うと、大声(おおごえ)()()し、地面(じめん)(ころ)(まわ)った。「いやだ、(わたし)()しい!秘方(ひほう)()しいんだあ!少年(しょうねん)、あんたは(ひど)すぎる、残忍(ざんにん)すぎる、同情心(どうじょうしん)がなさすぎる!交換(こうかん)しないだなんて。交換(こうかん)したって()にやしないだろう!交換(こうかん)してくれよお」


「まったく、まったく百聞(ひゃくぶん)一見(いっけん)()かずとはこのことか……」


方源(ほうげん)(ひたい)冷汗(ひやあせ)()かべ、心中(しんちゅう)仮構(かこう)していた琅琊地霊(ろうやちれい)神秘(しんぴ)強悍(きょうかん)なイメージは、もはや粉々(こなごな)に(くだ)()り、さらに()かに()みつけられて(ちり)同然(どうぜん)になっていた。


しかし、これは(ぎゃく)琅琊地霊(ろうやちれい)赤子之心(せきしのこころ)(あらわ)しているとも()える。


地霊(ちれい)老爺爺(ろうおやじ)地面(じめん)何回(なんかい)(ころ)(まわ)り、(なが)(あいだ)()(さけ)んだが、相変(あいか)わらず方源(ほうげん)態度(たいど)軟化(なんか)させる気配(けはい)()せない。


仕方(しかた)なく(かれ)()()がったが、(かお)(じゅう)(なみだ)鼻水(はなみず)(まみ)れ、(しろ)(かみ)(ひげ)(まゆ)もべたべたに()れていた。


少年郎(しょうねんろう)、あんたの良心(りょうしん)(おお)きく(くさ)っているんだよ。本当(ほんとう)残酷(ざんこく)だ、さすがは魔尊(まそん)後継者(こうけいしゃ)だけのことはあるねえ……」老爺爺(ろうおやじ)(うら)めしそうに方源(ほうげん)()つめ、まるで方源(ほうげん)(もてあそ)ばれて()てられた怨婦(えんぷ)のようだった。


方源(ほうげん)はついにそんな眼差(まなざ)しに()えきれず、(ふる)()がり、ため(いき)をついて()った。「もういい、もういい。人皮蛊(じんぴこ)秘方(ひほう)(ゆず)ってやる。ただし、時期(じき)(じゅく)してからだ。」


少年郎(しょうねんろう)、あんたは本当(ほんとう)にいい(ひと)だ!では、いつ時期(じき)(じゅく)するのですか?」


地霊(ちれい)()()がるほど(うれ)しそうに()いた。


「ふふふ、五百年後(ごひゃくねんご)だ。」


地霊(ちれい)老爺爺(ろうおやじ)は、つんと()っていた(まゆ)(またた)()()()がった。「そんなに(なが)くかかるのですか……」


「ふん、これが(おれ)最大限(さいだいげん)譲歩(じょうほ)だ。どうした、交換(こうかん)したくないのか?」


交換(こうかん)します!どうしてしないことがありましょう。五百年(ごひゃくねん)なら、(わたし)()てます。少年郎(しょうねんろう)、ずっと()っていますよ。これが私たちの一生(いっしょう)約束(やくそく)です」


老爺爺(ろうおやじ)(ふか)愛情(あいじょう)()めて()った。


方源(ほうげん)(かお)()(おお)い、(ふか)嘆息(たんそく)した。「ところで、(わたし)にはもう一つ秘方(ひほう)がある。通天蛊(つうてんこ)交換(こうかん)したい。」


方源(ほうげん)自分(じぶん)()用事(ようじ)があると()きつけるや、琅琊地霊(ろうやちれい)即座(そくざ)表情(ひょうじょう)一変(いっぺん)させ、背筋(せすじ)()ばし、(あご)(すこ)()()げて、いかにも尊大(そんだい)そうな(かお)()った。「ほう、通天蛊(つうてんこ)交換(こうかん)したいだと……」


その(こえ)はゆったりと()()いて、さらに(つづ)けた。「本当(ほんとう)のことを()うとね、少年よ、(わたし)のとこには膨大(ぼうだい)(りょう)秘方(ひほう)があるんだ。(きみ)()秘方(ひほう)が、もしここに(すで)にあるものなら、交換(こうかん)はできませんよ」


方源(ほうげん)自信(じしん)()ちた(わら)いを()かべた。「()いぼれ、もう時代遅(じだいおく)れだよ。(かみ)(ふで)()ってこい。まず(ひと)()いてやる」


ちょうど半分(はんぶん)()いたところで、方源(ほうげん)(ふで)()めた。


()け、(はや)()け!まだあるだろう?」地霊(ちれい)(そば)()ち、もじもじしながら(みみ)をかき(あたま)をかき、()(かがや)かせていた。(かれ)はすでに、これが(まった)(あたら)しい、(いま)()たことのない秘方(ひほう)であると確信(かくしん)していた。


「これは五转(ごてん)秘方(ひほう)だ。お(まえ)通天蛊(つうてんこ)は?」


「ここにあります、ここに」


地霊(ちれい)はさっと()(ひと)ふりし、通天蛊(つうてんこ)一匹(いっぴき)書斎(しょさい)(つくえ)(うえ)移動(いどう)させた。


方源(ほうげん)はその秘方(ひほう)を書き()えると、通天蛊(つうてんこ)煉化(れんか)して空窾(くうこう)(おさ)めた。


(そば)では、地霊(ちれい)(うれ)しそうにその秘方(ひほう)(なが)めている。


この秘方(ひほう)()かれた蛊虫(こちゅう)は、五百年後(ごひゃくねんご)大時代(だいじだい)に、蛊師(こし)たちによって開発(かいはつ)された(あたら)しい()であった。五域(ごいき)()(みだ)れて(たたか)い、烽火(ほうか)世界(せかい)(じゅう)()(ひろ)がったあの時代(じだい)、様々(さまざま)な新種(しんしゅ)()が次々(つぎつぎ)と(あら)われた。


このような乱世(らんせ)時代(じだい)には、しばしば九转(きゅうてん)蛊仙(こせん)(あら)われるものなのである。


方源(ほうげん)前世(ぜんせ)記憶(きおく)()っており、多く(おおく)を(わす)れてしまったとはいえ、脳裏(のうり)には膨大(ぼうだい)(りょう)秘方(ひほう)(のこ)されていた。


これらの秘方(ひほう)は、大袈裟(おおげさ)()えば、まさに一時代(いちじだい)先取(せんしゅ)していると()える!地霊(ちれい)未見(みけん)であるのも当然(とうぜん)である。


「ここに神念蛊(しんねんこ)はあるか?」


通天蛊(つうてんこ)(おさ)めた(あと)方源(ほうげん)はさらに(たず)ねた。


「ありますとも」


交換(こうかん)するか?」


「まさかまた蛊虫(こちゅう)秘方(ひほう)()っているというのか?」


地霊(ちれい)老爺爺(ろうおう)(おどろ)きと(よろこ)びでいっぱいだった。


方源(ほうげん)微笑(ほほえ)みながら(うなず)き、(かみ)(ふで)(ひろ)げ、(うつむ)いて書き(はじ)めた。


しかし今度(こんど)半分(はんぶん)まで()いたところで、地霊(ちれい)(わら)(ごえ)()げた:「少年郎(しょうねんろう)、その蛊虫(こちゅう)秘方(ひほう)(わたし)のとこにもありますよ」


「ほう?」方源(ほうげん)()にした(ふで)()め、(おどろ)いたような表情(ひょうじょう)()かべた。


(かれ)地霊(ちれい)(うそ)をついているとは(おも)わなかった。地霊(ちれい)単純(たんじゅん)で、あると()えばあり、ないと()えばないのだ。


(しん)じられないなら、これを()てください」琅琊地霊(ろうやちれい)(うつ)ろに()()ばし、一枚(いちまい)牛皮(ぎゅうひ)秘方(ひほう)移動(いどう)させて(つくえ)(うえ)()いた。


方源(ほうげん)()()って確認(かくにん)すると、(じつ)にその(とお)りであった。


「どうやら(わたし)記憶(きおく)にある蛊虫(こちゅう)は、五百年後(ごひゃくねんご)(あら)われたものではあるが、(かなら)ずしも(まった)(あたら)しい()ではないようだな」


そう(おも)うと、方源(ほうげん)はまた(わら)い、地霊(ちれい)()った。「(かま)わない。これが駄目(だめ)なら、また(つぎ)がある。」


しかし今度(こんど)は、方源(ほうげん)三分(さんぶん)(いち)しか()いていないうちに、地霊(ちれい)()(たた)いて(わら)った。「(きみ)のこの蛊虫(こちゅう)秘方(ひほう)は、(わたし)()っていないが、()たものはあるよ。どうぞ()てごらん。」そう()って、(かれ)方源(ほうげん)相似度(そうじど)九割(きゅうわり)秘方(ひほう)(わた)した。


方源(ほうげん)ははたと()づいた。「(わたし)のこの秘方(ひほう)は、おそらく蛊師(こし)(ふる)秘方(ひほう)改良(かいりょう)したものなのだろう。」


少年郎(しょうねんろう)(きみ)のこの(たね)秘方(ひほう)価値(かち)(おお)きくない。交換(こうかん)には(おう)じられないよ。」と地霊(ちれい)()った。


方源(ほうげん)(こころ)を引き()めた。


長毛老祖(ちょうもうろうそ)在世(ざいせい)(ころ)、もとより秘方(ひほう)収集(しゅうしゅう)し、研究(けんきゅう)することを(この)んでいた。(かれ)は「古往煉道第一仙(こおうれんどうだいいちせん)」と(しょう)され、(きわ)めて(なが)期間(きかん)()(つづ)けたため、無数(むすう)秘方(ひほう)(あつ)め、まさに秘方(ひほう)集大成(しゅうたいせい)とでも()うべき存在(そんざい)であった。


一方(いっぽう)方源(ほうげん)自身(じしん)新時代(しんじだい)は、(いま)(まこと)(もっと)激烈(げきれつ)段階(だんかい)(いた)っておらず、(すく)なくとも大夢仙尊(だいむせんそん)(あら)われていない。方源(ほうげん)記憶(きおく)にあるこれらの蛊虫(こちゅう)秘方(ひほう)は、琅琊福地(ろうやふくち)無数(むすう)時代(じだい)をかけて蓄積(ちくせき)してきた底力(そこぢから)(くら)べれば、浅薄(せんぱく)(うつ)るのである。


「もう(ひと)()てくれ。」方源(ほうげん)(ふたた)(うつむ)いて書き(はじ)めた。


しかしこれらの秘方(ひほう)は、琅琊福地(ろうやふくち)に元々(もともと)あるものか、さもなくば古方(こほう)(すこ)改良(かいりょう)しただけのもので、地霊(ちれい)()()まるものではなかった。


方源(ほうげん)仕方(しかた)なく(おも)った。


(かれ)記憶(きおく)(なか)には、いくつかの蛊虫(こちゅう)もあった。(かれ)はこれらが新種(しんしゅ)()であると確信(かくしん)していたが、これらの蛊虫(こちゅう)重大(じゅうだい)関係(かんけい)()ち、各々(おのおの)が膨大(ぼうだい)利益(りえき)代表(だいひょう)していた。各種(かくしゅ)蛊虫(こちゅう)戦局(せんきょく)()えることができ、一旦(いったん)琅琊福地(ろうやふくち)から流出(りゅうしゅつ)すれば、利益(りえき)流失(りゅうしつ)小事(しょうじ)であり、(かぎ)歴史的(れきしてき)進程(しんてい)推進(すいしん)することで、方源(ほうげん)にとっては弊害(へいがい)利益(りえき)をはるかに上回(うわまわ)るのである。


地霊(ちれい)、もう(ひと)つこの秘方(ひほう)()てくれ。」方源(ほうげん)(かんが)えて、星門蛊(せいもんこ)秘方(ひほう)()()した。


地霊(ちれい)(ひと)()()興味(きょうみ)()った。方源(ほうげん)()けば()くほど、(かれ)興味(きょうみ)はますます()いてきた。


「この蛊虫(こちゅう)秘方(ひほう)()たことがない。(すこ)(めずら)しい、(すこ)(めずら)しい。」老爺爺(ろうおやじ)(した)()らし、(よろこ)びを(きん)じえなかった。


これは五转蛊(ごてんこ)秘方(ひほう)で、方源(ほうげん)はこれによって見事(みごと)神念蛊(しんねんこ)交換(こうかん)することに成功(せいこう)した。


少年郎(しょうねんろう)、この星門蛊(せいもんこ)(じつ)(おもむき)がある。まさか五域(ごいき)(また)伝送(でんそう)効果(こうか)があるとは。()つの大域(たいいき)(たが)いに隔膜(かくまく)があるのに、黒天(こくてん)(ちから)(たく)みに()りるとは。この(しゅ)蛊虫(こちゅう)は、歴来(れきらい)洞地蛊(どうちこ)通天蛊(つうてんこ)だけが最も経典的(けいてんてき)常見(けんけん)されていた。お(まえ)のこの星門蛊(せいもんこ)は、まさにこの(ふた)つの()(かた)(なら)べ、秋色(しゅうしょく)()かつに()りる!この()はお(まえ)(かんが)()したものか?」と地霊(ちれい)(たず)ねた。


「もちろん!」方源(ほうげん)躊躇(ちゅうちょ)うことなく(みと)めた。この名誉(めいよ)横取(よこど)りすることに(たい)し、(かれ)一片(いっぺん)後悔(こうかい)(ねん)()っていなかった。


そして、厚かましくも自慢話(じまんばなし)(はじ)めた。「先程(さきほど)(いく)つかの秘方(ひほう)も、(わたし)開発(かいはつ)したもの、あるいは秘方(ひほう)(もと)改良(かいりょう)したものだ。」


この(おこな)いは(うたが)いもなく、(かれ)琅琊地霊(ろうやちれい)との(あいだ)関係(かんけい)(ふか)めるものとなった。


小友(しょうゆう)よ、(きみ)煉道(れんどう)天分(てんぶん)(めぐ)まれているな。()()(こす)る思いだ!」


地霊(ちれい)老爺爺(ろうおやじ)は、もはや方源(ほうげん)を「少年郎(しょうねんろう)」と()ばず、「小友(しょうゆう)」と()(なお)した。


「しかし(きみ)のこの星門蛊(せいもんこ)にも欠点(けってん)がある。(よる)星明(ほしあか)りを()()せなければ催動(さいどう)できない。それに、この()()成功率(せいこうりつ)(ひく)い。だが、もしさらに(いく)つかの補助材料(ほじょざいりょう)(くわ)えれば、成功率(せいこうりつ)三割(さんわり)向上(こうじょう)させることができる。」


(つづ)けて、地霊(ちれい)(いく)つかの材料名(ざいりょうめい)を次々(つぎつぎ)と()げた。


方源(ほうげん)(まゆ)をひそめて()いていた。これらの材料(ざいりょう)は、()いたことすらないものばかりだった。


どうやら、太古(たいこ)材料(ざいりょう)であるか、さもなくば(きわ)めてマニアックで滅多(めった)使(つか)われないもののようだ。


地霊(ちれい)はさらに(つづ)けた。「どうやらこの星門蛊(せいもんこ)は、星蛍(せいけい)との組み(くみあ)わせが最適(さいてき)のようだな。星蛍(せいけい)があれば星明(ほしあか)りが()られる。星門蛊(せいもんこ)はいつどこでも運用(うんよう)できるというわけだ。」


(なん)だと?」


方源(ほうげん)はこの言葉(ことば)()き、(むね)高鳴(たかな)り、(あわ)てて()()めた。「星蛍(せいけい)って(なん)だ?星蛍(せいけい)とは(なん)なのか?」


星蛍(せいけい)()らないのか?そうだな、この蛊群(こぐん)太古(たいこ)時代(じだい)から希少(きしょう)で、上古(じょうこ)年代(ねんだい)には(すで)絶滅(ぜつめつ)している。太古九天(たいこきゅうてん)がまだ存在(そんざい)していた(ころ)大半(たいはん)星蛍(せいけい)橙天(とうてん)生息(せいそく)していたんだ。」


地霊(ちれい)秘匿(ひとく)された事実(じじつ)()かした。


方源(ほうげん)はすぐに失望(しつぼう)した。「(すで)絶滅(ぜつめつ)しているなら、今更(いまさら)(はな)しても意味(いみ)がないだろう。」


絶滅(ぜつめつ)”というのは、あくまで凡間(ぼんかん)俗世(ぞくせい)についての(はなし)だ。(わたし)最近(さいきん)宝黄天(ほうこうてん)取引(とりひき)一団(いちだん)星蛍(せいけい)()かけた。どうやら万象星君(ばんしょうせいくん)商品(しょうひん)だったようだ。」


地霊(ちれい)記憶(きおく)辿(たど)りながら()った。


本当(ほんとう)か?」


方源(ほうげん)両目(りょうめん)突然(とつぜん)(かがや)いた。


(かれ)通天蛊(つうてんこ)神念蛊(しんねんこ)()()れようとしたのは、蛊仙(こせん)になりすまして宝黄天(ほうこうてん)取引(とりひき)(おこな)い、物資(ぶっし)調達(ちょうたつ)して仙鶴門(せんかくもん)商貿封鎖(しょうぼうふうさ)から(だっ)するためであった。


地霊(ちれい)のこの言葉(ことば)で、方源(ほうげん)星蛍(せいけい)への興味(きょうみ)急激(きゅうげき)(たか)まった。


方源(ほうげん)目玉(めだま)をくるりと(うご)かし、狡猾(こうかつ)(わら)った:「地霊(ちれい)(わたし)にはまだたくさん秘方(ひほう)がある。だが星蛍(せいけい)としか交換(こうかん)しない!」


地霊(ちれい)(くび)()った:「これは交換(こうかん)できません」「どうして?」


(わたし)星蛍蛊(せいけいこ)()っていないのです」地霊(ちれい)当然(とうぜん)のごとく(こた)えた。


方源(ほうげん)(あき)気味(ぎみ)()った。「星蛍蛊(せいけいこ)がなくたって、通天蛊(つうてんこ)使(つか)って宝黄天(ほうこうてん)()えばいいじゃないか?」


地霊(ちれい)不思議(ふしぎ)そうに方源(ほうげん)()た。「なぜ(わたし)星蛍蛊(せいけいこ)()わなければならないのですか?」


星蛍蛊(せいけいこ)()わなければ、(わたし)秘方(ひほう)とどう交換(こうかん)するつもりだ?」


地霊(ちれい)(くび)()り、(かたく)なに()()った。「あなたの秘方(ひほう)は、福地(ふくち)(なか)()存在(そんざい)する蛊虫(こちゅう)としか交換(こうかん)できません。」


方源(ほうげん)言葉(ことば)(うしな)った。地霊(ちれい)(あたま)(かた)く、この程度(ていど)柔軟(じゅうなん)(かんが)えもできない。やはり人間(にんげん)ではなく、ただの地霊(ちれい)なのだ。これっぽっちの融通(ゆうずう)()かないのだ。


結局(けっきょく)方源(ほうげん)(くち)()っぱくして説得(せっとく)しても、やはり駄目(だめ)だった。


地霊(ちれい)はとことん自説(じせつ)()げなかった。


方源(ほうげん)仕方(しかた)なく(あき)めかけたが、突然(とつぜん)また(おも)()いた。「()てよ、地霊(ちれい)。お(まえ)福地(ふくち)()にある蛊虫(こちゅう)としか交換(こうかん)しないと()ったな?」


(しか)り。」


方源(ほうげん)(かわ)いた(くちびる)湿(うるお)した。「では、(わたし)仙蛊(せんこ)秘方(ひほう)で、お(まえ)天元宝皇蓮(てんげんほうこうれん)交換(こうかん)するというのは、()()つか?」










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