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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第五十六节節:三尊说

数日後(すうじつご)


(くるま)はリンリンと(おと)()て、(うま)はヒヒンと()く。


葛家(かっか)一行(いっこう)月牙湖(げつがこ)(ほとり)到着(とうちゃく)し、(みずうみ)沿()いに(まば)らに()える馬蹄樹(ばていじゅ)(はやし)(たよ)りに、陣営(じんえい)(もう)けて駐屯(ちゅうとん)した。


ここまで()て、葛光(かつこう)をはじめとする葛家(かっか)高官(こうかん)たちは、ようやく一息(ひといき)ついた。


ここは水草(すいそう)(ゆた)かで(うるわ)しく、多量(たりょう)獣群(じゅうぐん)生息(せいそく)しているため、十分(じゅうぶん)狩猟大会(しゅりょうたいかい)(ひら)き、食糧(しょくりょう)(おぎな)った(あと)再出発(さいしゅっぱつ)することができる。


「ようやくここまでたどり着いた。」


方源(ほうげん)心中(しんちゅう)(かん)無量(むりょう)であった。


その(よる)(かれ)狼群(おおかみむれ)()いて()りに()るという口実(こうじつ)で、葛家一族(かっかいちぞく)視界(しかい)から(はな)れた。


今夜(こんや)(つき)がなく、しかし(ほし)が点々(てんてん)と(かがや)いていた。


狼群(おおかみむれ)夜風(よかぜ)(なか)()(めぐ)り、(ちゅう)(しょう)規模(きぼ)獣群(けものむれ)遭遇(そうぐう)するたび、次々(つぎつぎ)と()()んでいった。


狼群(おおかみむれ)興奮(こうふん)して遠吠(とおぼ)えをあげる。ここ数日(すうじつ)、彼らは(つね)(はん)飢餓状態(きがじょうたい)だったが、今夜(こんや)こそ満腹(まんぷく)になれるのだ。


三万頭(さんまんとう)という大群(たいぐん)(よう)しながらも、方源(ほうげん)細心(さいしん)注意(ちゅうい)(はら)って狼群(おおかみむれ)進路(しんろ)(あやつ)っていた。月牙湖(げつがこ)(ほとり)には、より強大(きょうだい)水狼(すいろう)()れ、三角犀(さんかくさい)()れ、そして千頭(せんとう)単位(たんい)異獣(いじゅう)()れ、数万(すうまん)から数十万(すうじゅうまん)にも(およ)(むし)大群(たいぐん)など、危険(きけん)(ひそ)んでいたからである。


無論(むろん)、これらの虫や獣の群れは、それぞれ縄張(なわば)りを()ち、草原(そうげん)のそれらのように流動(りゅうどう)(てき)(うご)(まわ)っているわけではなかった。


月牙湖(げつがこ)(ほとり)水草(すいそう)(ゆた)かで(うつく)しく、それらもあちこち移動(いどう)して食物(しょくもつ)(さが)必要(ひつよう)はない。


方源(ほうげん)葛家(かっか)積極的(せっきょくてき)にそれらの縄張(なわば)りを侵犯(しんぱん)しさえしなければ、それらも面倒(めんどう)を起こ(お)しに()ることはない。


前世(ぜんせ)記憶(きおく)(したが)って、方源(ほうげん)(みずうみ)のほとりに沿()って一路(いちろ)(ひがし)(すす)み、(ひと)つの石林(せきりん)来到(らいとう)した。


この石林(せきりん)非常(ひじょう)普通(ふつう)で、一本一本(いっぽんいっぽん)灰白(かいはく)紫黑(しこく)青黄(せいおう)などの色彩(しきさい)石柱(せきちゅう)が、(たが)いに間隔(かんかく)()いて、(しず)かに矗立(ちくりつ)している。


月牙湖(げつがこ)(あた)りには(おお)くの石林(せきりん)があるが、ただこの一片(いっぺん)比較的(ひかくてき)特殊(とくしゅ)である。もし(だれ)かが高空(こうくう)から俯瞰(ふかん)し、灰白色(かいはくしょく)石柱(せきちゅう)だけを()ると、石柱(せきちゅう)依稀(きけん)(ひと)つの「(とう)」の()組成(そせい)していることに()づく。


この石林(せきりん)について()えば、その来頭(らいとう)非常(ひじょう)(おお)きい。(ない)盗天魔尊(とうてんまそん)亲手(みずか)布置(ふち)したのである。


当時(とうじ)盗天魔尊(とうてんまそん)長毛老祖(ちょうもうろうそ)()煉製(れんせい)依頼(いらい)するため、長毛老祖(ちょうもうろうそ)五番勝負(ごばんしょうぶ)(もう)()んだ。魔尊(まそん)三勝(さんしょう)して()ち、長毛老祖(ちょうもうろうそ)惜敗(せきはい)し、()けに()けたことを(みと)めて、盗天魔尊(とうてんまそん)のため()()ることを承知(しょうち)した。


盗天魔尊(とうてんまそん)生涯(しょうがい)伝説(でんせつ)の「空門(くうもん)」に(はい)ることを(ねが)ってやまなかった。そこで長毛老祖(ちょうもうろうそ)仙蛊(せんこ)――「遁空蛊(とんくうこ)」――すなわち(ひと)空門(くうもん)(のが)れさせることができる仙蛊(せんこ)煉製(れんせい)依頼(いらい)したのである。


魔尊(まそん)生涯(しょうがい)をかけて研究(けんきゅう)()くした秘方(ひほう)()()した。長毛老祖(ちょうもうろうそ)はそれを()(おお)いに興奮(こうふん)し、その秘方(ひほう)非常(ひじょう)(すぐ)れており、(ただ)しいが、(すこ)しばかり改良(かいりょう)余地(よち)があると(かん)じた。


盗天魔尊(とうてんまそん)協議(きょうぎ)した(のち)魔尊(まそん)(おお)いに(よろこ)び、長毛老祖(ちょうもうろうそ)煉道(れんどう)造詣(ぞうけい)(みずか)らよりはるかに(たか)いことを(おお)いに嘆賞(たんしょう)した。


両仙(りょうせん)協力(きょうりょく)し、二十一年(にじゅういちねん)歳月(さいげつ)(つい)やして、ついに「遁空蛊(とんくうこ)」を煉成(れんせい)した。


しかしこの()煉成(れんせい)されたものの、盗天魔尊(とうてんまそん)催動(さいどう)できたが、どうしても空門(くうもん)(なか)(はい)ることができなかった。


魔尊(まそん)心灰(こころはい)れて()え、(おご)(たか)かった長毛老祖(ちょうもうろうそ)も、(おお)きな打撃(だげき)()けた。


(のち)(らい)長毛老祖(ちょうもうろうそ)巨陽仙尊(きょようせんそん)研究(けんきゅう)したが、進展(しんてん)もなかった。


遁空蛊(とんくうこ)長毛老祖(ちょうもうろうそ)一生(いっしょう)において、唯一(ゆいいつ)失敗作(しっぱいさく)となった。


(すなわ)ち、長毛老祖(ちょうもうろうそ)臨死(りんし)(まえ)も、()れを念念不忘(ねんねんふぼう)であったという。


(かれ)好友(こうゆう)一言仙(いちごんせん)は、老友(ろうゆう)()(よう)()って()くのを()るに(しの)びず、便(すなわ)五十載(ごじゅっさい)陽寿(ようじゅ)(こう)()して、()(ため)測算(そくさん)した。


(さん)(とく)には、無数(むすう)(ねん)()(みっ)つの大時代(だいじだい)()て、二男(にだん)一女(いちじょ)(さん)尊者(そんじゃ)(あら)われるという。


第一(だいいち)()幽魂魔尊(ゆうこんまそん)第二(だいに)()楽土仙尊(らくどせんそん)第三(だいさん)()大夢仙尊(だいむせんそん)である。


(しか)して遁空蛊(とんくうこ)に関する難題(なんだい)は、大夢仙尊(だいむせんそん)()(ちゅう)解決(かいけつ)されることになる。


一言仙(いちごんせん)八転智道(はってんちどう)蛊仙(こせん)であり、測算(そくさん)精通(せいつう)し、(つね)一言(ひとこと)的中(てきちゅう)したため、一言仙(いちごんせん)(ごう)された。そして推演(すいえん)によって(みちび)()されたこの予言(よげん)は、後世(こうせい)の人々(ひとびと)が(みな)()る、赫赫(かくかく)たる「三尊説(さんそんせつ)」なのである。


()たして()(なが)れは()わり、発展(はってん)(つづ)け、巨陽仙尊(きょようせんそん)(つづ)いて、(じつ)幽魂魔尊(ゆうこんまそん)(あら)われた。魔尊(まそん)死後(しご)(あら)われた九転(きゅうてん)男性(だんせい)蛊仙(こせん)は、正道(せいどう)(ぞく)し、()たして楽土仙尊(らくどせんそん)(ごう)した。


現在(げんざい)楽土仙尊(らくどせんそん)(すで)老死(ろうし)し、「三尊説(さんそんせつ)」は(おお)半分(はんぶん)的中(てきちゅう)し、(ただ)大夢仙尊(だいむせんそん)だけが(いま)出世(しゅっせ)していない。


さて、長毛老祖(ちょうもうろうそ)はこの推演結果(すいえんけっか)()いて、(よろこ)びと(かな)しみが()じり()った。


(よろこ)んだのは、遁空蛊(とんくうこ)難題(なんだい)がついに解決(かいけつ)されることであり、(かな)しんだのは、(みずか)らはその()()ることができないことであった。


長毛老祖(ちょうもうろうそ)死後(しご)地霊(ちれい)()し、ただ(ひと)つの執念(しゅうねん)だけを(いだ)いていた。それは大夢仙尊(だいむせんそん)()い、遁空蛊(とんくうこ)難題(なんだい)解決(かいけつ)してほしいというものだ。もし実現(じつげん)すれば、琅琊福地(ろうやふくち)全体(ぜんたい)彼女(かのじょ)(ゆず)ると約束(やくそく)していた。


当時(とうじ)長毛老祖(ちょうもうろうそ)盗天魔尊(とうてんまそん)のため遁空蛊(とんくうこ)煉製(れんせい)したが、結果(けっか)失敗作(しっぱいさく)となり、問題(もんだい)原因(げんいん)究明(きゅうめい)できなかった。(おお)いに()()り、盗天魔尊(とうてんまそん)にさらに(きゅう)つの蛊虫(こちゅう)煉製(れんせい)することを承知(しょうち)した。蛊虫(こちゅう)煉製(れんせい)する材料(ざいりょう)も、すべて(かれ)負担(ふたん)した。


盗天魔尊(とうてんまそん)はその()長毛老祖(ちょうもうろうそ)にさらに(ろっ)つの仙蛊(せんこ)煉製(れんせい)依頼(いらい)した。盗天魔尊(とうてんまそん)神秘(しんぴ)的に失踪(しっそう)する(まえ)に、(かれ)五域(ごいき)自身(じしん)継承(けいしょう)()き、長毛老祖(ちょうもうろうそ)約定(やくじょう)して、(のこ)三回(さんかい)煉蛊(れんこ)機会(きかい)(かれ)継承者(けいしょうしゃ)(のこ)すことにした。長毛老祖(ちょうもうろうそ)承諾(しょうだく)した(のち)双方(そうほう)合言葉(あいことば)約定(やくじょう)した。」


「それから十数年前(じゅうすうねんぜん)盗天魔尊(とうてんまそん)一処(いっしょ)継承(けいしょう)突然(とつぜん)(ひら)かれ、(おおやけ)にされた。継承(けいしょう)内容(ないよう)(ひと)つの謎題(なぞなぞ)であり、その(こた)えは琅琊福地(ろうやふくち)直指(ちょくし)していた。北原(ほくげん)ではこれにより謎解(なぞと)きのブームが()()こり、無数(むすう)の人々(ひとびと)が破解(はかい)発掘(はっくつ)(こころ)みた。流言(りゅうげん)()()ったが、成功(せいこう)した(もの)(だれ)もいなかった。」


「その()馬鴻運(ばこううん)戦場(せんじょう)敗北(はいぼく)し、月牙湖(げつがこ)へと(のが)()びることを余儀(よぎ)なくされた。湖岸(こがん)で、(かれ)以前(いぜん)から仕組(しく)まれて()()けていた伏兵(ふくへい)遭遇(そうぐう)した。(あわ)てて(みち)(えら)ばず、この石林(せきりん)()()んだ結果(けっか)、偶々(たまたま)石林(せきりん)(ない)通路(つうろ)発見(はっけん)した。この秘密(ひみつ)通路(つうろ)(つう)じて、(かれ)琅琊福地(ろうやふくち)(はい)り、地霊(ちれい)()った。合言葉(あいことば)()わせた(のち)琅琊地霊(ろうやちれい)約定(やくじょう)(したが)い、(かれ)のため(みっ)つの蛊虫(こちゅう)煉製(れんせい)した。」


馬鴻運(ばこううん)はこの(みっ)つの五転蛊(ごてんこ)()にし、(きず)()えたので、石林(せきりん)(もど)ると、(おお)いなる神威(しんい)発揮(はっき)して逆転勝利(ぎゃくてんしょうり)(おさ)め、再起(さいき)して卷土重来(けんどちょうらい)し、最終的(さいしゅうてき)第二(だいに)()として王庭(おうてい)(あるじ)(くらい)(のぼ)ったのである。」


方源(ほうげん)回想(かいそう)しながら、ゆっくりと(ある)(つづ)けた。


そして双眼(そうがん)がぱっと(かがや)き、一本(いっぽん)紫色(むらさきいろ)石柱(せきちゅう)(した)(あし)()めた。


この石柱(せきちゅう)普通(ふつう)だが、根元(ねもと)一塊(ひときれ)(いし)があり、頂端(ちょうたん)(たい)らかで(こしかけ)のようだ。


当年(とうねん)馬鴻運(ばこううん)兵敗(へいはい)した(あと)敵軍(てきぐん)()われ、すでに(きず)(おも)()(ひん)していた。


(かれ)はここに(のが)()たが、すでに進退(しんたい)(きわ)まり、(きず)(おも)()(ひん)していた。


(かれ)はこの石凳(せきとう)(すわ)り、石柱(せきちゅう)()()い、(あたま)(あお)いで(そら)(のぞ)んだ。


忽然(こつぜん)、この石柱(せきちゅう)(あたか)(かれ)愛妻(あいさい)容貌(ようぼう)のようだと(かん)じた。


(かれ)神志(しんし)はほとんど昏迷(こんめい)(ちか)く、()にまみれた()石柱(せきちゅう)()でながら、深情(ふかじょう)けを()めて()びかけた:「怜雲(れいうん)よ、怜雲(れいうん)……(わたし)本当(ほんとう)後悔(こうかい)している、(きみ)(いまし)めを()かなかったことを。(わたし)(きみ)()いたい、(きみ)面前(めんぜん)で、(きみ)()いたい:(あい)している、間違(まちが)っていた……」


この(とき)(てき)(すで)()けつけ、馬刀(ばとう)(たか)(かか)げられるのを()()たりにしていた。


しかし(つぎ)瞬間(しゅんかん)


馬鴻運(ばこううん)突然(とつぜん)()()せ、(かれ)由此(ゆうい)って琅琊福地(ろうやふくち)(はい)った。方源(ほうげん)はこの石凳(せきとう)(すわ)り、(ため)しに背中(せなか)石柱(せきちゅう)依靠(いこう)させて、それから()()げて(あお)()た。


しかし発見(はっけん)しなかった、この石柱(せきちゅう)(なに)女子(じょし)(かお)()たところがあることを。


方源(ほうげん)(わら)いを()らした。「どうやら馬鴻運(ばこううん)は、(もの)()(ひと)(おも)ったようだな。心中(しんちゅう)思慕(しぼ)(ふか)く、(なん)()ても趙怜雲(ちょうれいうん)(かさ)ねてしまうのだ。」


この趙怜雲(ちょうれいうん)もまた非凡(ひぼん)女性(じょせい)で、後年(こうねん)には智道蛊仙(ちどうこせん)として大成(たいせい)する。馬鴻運(ばこううん)()内助(ないじょ)となり、(かれ)謀略(ぼうりゃく)(たす)けた人物(じんぶつ)である。しかし現在(げんざい)では、まだただの(おさな)女児(じょじ)()ぎない。


方源(ほうげん)匕首(あいくち)を取り(とりだ)し、傷口(きずぐち)()(ひら)いて、鮮血(せんけつ)をこの紫色(むらさきいろ)石柱(せきちゅう)()りつけた。


この紫色(むらさきいろ)石柱(せきちゅう)には、かつて盗天魔尊(とうてんまそん)によって(ひそ)かに神秘(しんぴ)蛊虫(こちゅう)(ほどこ)されていた。鮮血(せんけつ)通路(つうろ)(ひら)第一(だいいち)条件(じょうけん)()ぎず、第二(だいに)条件(じょうけん)として「()しい」という二字(にじ)(くち)にすることが必要(ひつよう)なのである。


方源(ほうげん)がちょうどこの二字(にじ)(くち)にした瞬間(しゅんかん)(かれ)身体(からだ)瞬時(またた)くして()え、視界(しかい)激変(げきへん)した。


()がつくと、(かれ)(みずか)らが(ひと)つの部屋(へや)(なか)()ちいることを発見(はっけん)した。


部屋(へや)(なか)丹炉(たんろ)(かお)りを(ただよ)わせている。龍柱(りゅうちゅう)金幔(きんまん)鶴灯(かくとう)朱窓(しゅそう)


一人(ひとり)仙風道骨(せんぷうどうこつ)老者(ろうじゃ)が、雲床(うんしょう)(すわ)り、()()じて瞑想(めいそう)している。


(かれ)体形(たいけい)細長(ほそなが)い。白髪(はくはつ)(ゆき)(ごと)く、胡須(こしゅ)(むね)まで()れ、面目(めんもく)嬰児(えいじ)(ごと)紅潤(こうじゅん)で、(ひろ)衣袍(いほう)()ている。両袖(りょうそで)飄飄(ひょうひょう)()いている。


魔尊(まそん)後人(こうじん)常山陰(じょうざんいん)参上(さんじょう)いたします。」方源(ほうげん)右手(みぎて)(むね)()で、(かす)かに一礼(いちれい)した。


「お(まえ)常山陰(じょうざんいん)か?」老者(ろうじゃ)(かす)かに双眼(そうがん)()けた。


眼中(がんちゅう)には精芒(せいぼう)(ひらめ)き、四方(しほう)掃視(そうし)して方源(ほうげん)()つめ、その目光(もくこう)(あた)かも実質(じっしつ)(ごと)く、「お(まえ)のこの皮囊(ひのう)(すこ)面白(おもしろ)い。うん……人皮(じんぴ)使(つか)い、それに愧梅子(きばいし)秋声草(しゅうせいそう)。うん、それに丹火蛊(たんかこ)薬力蛊(やくりきこ)。まだ(すこ)し……」


地霊(ちれい)(ふか)(まゆ)をひそめ、()胡須(こしゅ)()でながら、神情(しんじょう)迟疑(ちぎ)していた。


(かれ)一眼(いちがん)方源(ほうげん)偽装(ぎそう)見抜(みぬ)いただけでなく、ただ観察(かんさつ)するだけで、人皮蛊(じんぴこ)秘方(ひほう)大体(だいたい)内容(ないよう)逆推(ぎゃくすい)した。


小僧(こぞう)、お(まえ)のその蛊虫(こちゅう)秘方(ひほう)交換(こうかん)するか?(おな)じレベルの蛊虫(こちゅう)交換(こうかん)するぞ。または、(おな)じレベルの蛊虫(こちゅう)秘方(ひほう)(えら)んでもいい。おっと、そうだ!合言葉(あいことば)合言葉(あいことば)だ!」と地霊(ちれい)半分(はんぶん)まで()ってから、はたと()づき、(ひたい)(たた)いて、合言葉(あいことば)のことを(おも)()した。


方源(ほうげん)(かた)をすくめて:「魔尊(まそん)当年(とうねん)約束(やくそく)した合言葉(あいことば)か?はっ、それは合言葉(あいことば)がないということだ。人皮蛊(じんぴこ)秘方(ひほう)については、(いま)はまだ交換(こうかん)できない。」


「まさか交換しないのか?なぜだ!」地霊(ちれい)激怒(げきど)し、空気中(くうきちゅう)(おも)圧力(あつりょく)()り、方源(ほうげん)身動(みうご)きもできず、全身(ぜんしん)骨格(こっかく)がきしむほど圧迫(あっぱく)された。しかし(かれ)()ややかに(わら)い、()(かい)さなかった。「交換(こうかん)しないのには、もちろん理由(りゆう)がある。しかしお(まえ)()必要(ひつよう)はない!」


地霊(ちれい)()ややかに(わら)った。「ふふ、たとえ交換(こうかん)しなくとも、お(まえ)をここに()()め、(かわ)()いでしばらく研究(けんきゅう)すれば、この人皮蛊(じんぴこ)秘方(ひほう)逆推(ぎゃくすい)できるだろう。」


「いや、お(まえ)()()せない。」方源(ほうげん)口調(くちょう)確信(かくしん)()ちていた。「(おれ)魔尊(まそん)後継者(こうけいしゃ)だ。当年(とうねん)三蛊(さんこ)約束(やくそく)()たすまでは、お(まえ)(おれ)()()しできん。」


地球的(ちきゅうてき)思考(しこう)理解(りかい)するなら、地霊(ちれい)一種(いっしゅ)の智能プログラム(ちのうプログラム)に相当(そうとう)する。


ただし、長毛老祖(ちょうもうろうそ)()したこの地霊(ちれい)は、知能(ちのう)がかなり(たか)く、他人(たにん)(おど)すことにかけては得意(とくい)である。五百年前世(ごひゃくねんぜんせい)馬鴻運(ばこううん)(かれ)(おど)され、呆然(ぼうぜん)としてしまった結果(けっか)仙蛊(せんこ)煉製(れんせい)する貴重(きちょう)機会(きかい)(うし)ない、(みっ)つの五転蛊(ごてんこ)煉成(れんせい)するに(とど)まった。事後(じご)馬鴻運(ばこううん)(ふか)後悔(こうかい)した。蛊仙(こせん)となった(のち)も、このことを(おも)()すたびに、頻繁(ひんぱん)(うで)()りながら嘆息(たんそき)したという。


「この!」地霊(ちれい)(ひげ)()き、()(いか)らせ、()(なか)には(いか)りの(ほのお)()()ているかのようで、(いか)(くる)って(ひと)(ころ)すような姿勢(しせい)()せた。


しかし方源(ほうげん)微動(びどう)だにしなかった。


地霊(ちれい)(ろう)(じゃ)(なが)(あいだ)(にら)みつけた(のち)突然(とつぜん)空気(くうき)()けた風船(ふうせん)のようになり、(すべ)ての(ちから)()()ちた。


すると(かれ)は、()きべそをかいたような(かお)雲床(うんしょう)から()り、方源(ほうげん)(まえ)(ある)()り、その袖口(そでくち)()きながら、(やさ)しい口調(くちょう)哀願(あいがん)した。「少年郎(しょうねんろう)、どうかお(ねが)いです、この秘方(ひほう)交換(こうかん)してください!」


方源(ほうげん)唖然(あぜん)とした!



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