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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第五十二節:狼王,你的援军呢?!

老族长(ろうぞくちょう)方源(ほうげん)(たい)する不満(ふまん)一層(いっそう)(つよ)め、怒鳴(どな)った:「狼王(ろうおう)約束(やくそく)していた援軍(えんぐん)はどこだ!?」


葛老兄(かっろうけい)、ご心配(しんぱい)無用(むよう)、すぐに到着(とうちゃく)します!諸君(しょくん)(われ)(とも)(たたかい)()った家老(かろう)(あだ)(とう)て!!」方源(ほうげん)大声(おおごえ)(さけ)びながら、隊列(たいれつ)から()()して前線(ぜんせん)()(すす)んだ。


(いそ)げ!常山阴(じょうざんいん)(さま)(まも)れ!」葛光(かっこう)即座(そくざ)(さけ)んだ。


狼王(ろうおう)(さま)、あなたは我々(われわれ)の勝利(しょうり)(かなめ)です。どうか我々(われわれ)の中心(ちゅうしん)退()いてください。我々(われわれ)が(まも)ります!」


()れ!この畜生(ちくしょう)どもを殲滅(せんめつ)せよ!!」


隊列(たいれつ)(もの)たちは(みな)殺気(さっき)(ひとみ)()め、もはや()への(おそ)れも(わす)れ、狂気(きょうき)じみた状態(じょうたい)(おちい)っていた。たとえ自分(じぶん)()んでも、狼群(おおかみむれ)から(にく)(ひとき)れを()千切(ちぎ)ると()わんばかりだ。


北原(ほくげん)(たみ)獰猛(どうもう)さが、ここに歴然(れきぜん)としている。


先頭(せんとう)()って(すす)葛光(かっこう)を、老族长(ろうぞくちょう)がぐいと(つか)んで()(もど)した:「わしの(うし)ろに()け!」


葛光(かっこう)は哇々(わわ)と(さけ)びながら突撃(とつげき)(つづ)け、しばらくするとまた前線(ぜんせん)()っていた。


葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)(ごう)()やし、(ふたた)(かれ)()らえて(もど)すと、()()げて(ひと)平手(ひらて)()らわした:「(うし)ろに()けと()っただろう!お(まえ)葛家(かっか)少族长(しょうぞくちょう)であることを(わす)れるな!」


「この()けつらめ…」方源(ほうげん)はこの一幕(ひとまく)()()()け、心中(しんちゅう)冷笑(れいしょう)した。隊列全体(たいれつぜんたい)のうち、老族长(ろうぞくちょう)(かれ)だけが唯二(ゆいに)正気(しょうき)(たも)(ぬし)だった。


諸君(しょくん)(さき)(すす)め!わしがこの忌々(いまいま)しい狼共(おおかみども)足止(あしど)めしてやる!」戦堂家老(せんどうかろう)咆哮(ほうこう)した。


その()急激(きゅうげき)膨張(ぼうちょう)し、巨大(きょだい)石人(いしひと)へと変貌(へんぼう)した。元来(がんらい)三転(さんてん)頂点(ちょうてん)()蛊師(こし)()ぎなかったが、(いま)四転(してん)匹敵(ひってき)する戦力(せんりょく)爆発(ばくはつ)させた!


戦堂家老(せんどうかろう)!」葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)(むね)()()ける思いだった。戦堂家老(せんどうかろう)葛家(かっか)において(かれ)()第二(だいに)高手(こうしゅ)でありながら、この()(いのち)()とすことになる。


戦堂家老様(せんどうかろうさま)はこの()使(つか)い、(すで)(いのち)(ささ)げられました……」一同(いちどう)(つよ)悲壮感(ひそうかん)(つつ)まれた。


戦堂家老(せんどうかろう)犠牲(ぎせい)無駄(むだ)にするな!(かなら)ずや勝利(しょうり)()()るのだ!」方源(ほうげん)(こえ)()()げた。


()い、畜生(ちくしょう)(ども)(ろう)()相手(あいて)になってやろう。はははは!」戦堂家老(せんどうかろう)豪快(ごうかい)(わら)いながら、独力(どくりょく)でほぼ(すべ)ての百狼王(ひゃくろうおう)千狼王(せんろうおう)一時的(いちじてき)足止(あしど)めした。


その援護(えんご)のもと、ついに一行(いっこう)万狼王(ばんろうおう)眼前(がんぜん)(せま)った。


()つ!」ここまで()ては、葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)二言(ふたこと)もなく、()()きに攻撃(こうげき)仕掛(しか)けた。


(のこ)(もの)(きびす)(せっ)して(つづ)き、次々(つぎつぎ)に強力(きょうりょく)殺招(さっしょう)炸裂(さくれつ)させた。


夜狼王(やろうおう)酸液(さんえき)()き、毒針(どくしん)放射(ほうしゃ)し、全身(ぜんしん)金芒(きんぼう)(まく)(まと)って、(きわ)めて獰猛(どうもう)(たたか)った。


「これは金罡蛊(きんこうこ)だ!これを()(かい)しなければならぬ!さもなくば(おれ)驭狼蛊(ぎょろうこ)催動(さいどう)できん……」方源(ほうげん)(さけ)んだ。


(ほう)……


狼群(おおかみむれ)咆哮(ほうこう)しながら包囲(ほうい)(ちぢ)めてきた。夜狼王(やろうおう)周囲(しゅうい)には、蛊師(こし)たちに()じって大勢(おおぜい)夜狼(やろう)護衛(ごえい)として(はべ)っている。


蛊師(こし)たちは夜狼王(やろうおう)(ねら)いながらも、これら普通(ふつう)夜狼(やろう)対処(たいしょ)しなければならない。


次第(しだい)蛊師(こし)犠牲者(ぎせいしゃ)()え、(かれ)らは(いのち)鮮血(せんけつ)をもって、悲壮(ひそう)(たたか)いの(うた)(つづ)った。


夜狼王(やろうおう)(うご)きは(きわ)めて敏速(びんそく)で、獵豹(れおぱーど)よりも(はや)い。全身(ぜんしん)()はなく、(くろ)(びか)りする皮甲(ひこう)(かす)かな(ひかり)(はな)ち、もとより(なみ)ならぬ防御力(ぼうぎょりょく)(そな)えている。


それは左右(さゆう)(はし)(まわ)り、強靭(きょうじん)鋭爪(するどいづめ)一撃(いちげき)ごとに、不幸(ふこう)蛊師(こし)一人(ひとり)肉塊(にくかい)()した。(むち)のように(なが)狼尾(おおかみお)一閃(いっせん)ごとに、周囲(しゅうい)戦場(せんじょう)掃討(そうとう)し、あたりを殲滅(せんめつ)させた。


蛊師(こし)()()なく戦死(せんし)し、夜狼王(やろうおう)(からだ)にも累々(るいるい)たる傷跡(きずあと)(きざ)まれた。しかし金罡蛊(きんこうこ)(いま)(やぶ)られていない。


包囲攻撃(ほういこうげき)(なが)(つづ)かず、後方(こうほう)から大群(たいぐん)夜狼(やろう)狼王(ろうおう)()けつけてきた。


戦堂家老(せんどうかろう)戦死(せんし)した(いま)、もはやこれらの狼王(ろうおう)(はば)(もの)はいない。


狼王(ろうおう)、お(まえ)()っていた援軍(えんぐん)はどこにある!?」葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)焦心熱慮(しょうしんねつりょ)のあまり(こえ)()()げた。


「もうすぐだ!」方源(ほうげん)(あわ)てて(こた)えると、(つづ)けて命令(めいれい)した。「葛光(かっこう)、お(まえ)一部(いちぶ)(ひき)いてこれらの狼王(ろうおう)足止(あしど)めをしろ。」


承知(しょうち)した!常叔父(じょうおじ)さま、ご安心(あんしん)ください。(わたし)(いき)のある(かぎ)り、これらの狼王(ろうおう)邪魔(じゃま)はさせません!(わたし)について()れる(もの)(あつ)まれ!」葛光(かっこう)(さけ)ぶと、きびすを(かえ)して勇敢無比(ゆうかんむひ)にも狼王(ろうおう)たちへ()(すす)んだ。


葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)(かお)()(さお)にして(いか)(くる)った。


葛老兄(かっろうけい)、ぼんやりしている場合(ばあい)ではない!(はや)夜狼王(やろうおう)金罡蛊(きんこうこ)()(くだ)け!一度(いちど)狼王(ろうおう)奴隷(どれい)にすれば、我々(われわれ)だけでなく、葛家(かっか)全体(ぜんたい)(すく)われるのだ!」方源(ほうげん)がまた(さけ)んだ。


常山阴(じょうざんいん)……もし()()(なん)かあれば、絶対(ぜったい)(ゆる)さないぞ!」老族长(ろうぞくちょう)(こころ)の中で(はげ)しく(のろ)った。


衆人環視(しゅうじんかんし)のなか、(かれ)公然(こうぜん)葛光(かっこう)()(もど)すことなどできず、それは(あき)らかな私情(しじょう)(へん)(こう)となる。やむなく(だま)って殺意(さつい)()やし、夜狼王(やろうおう)()かって(くる)ったように攻撃(こうげき)()びせた。


族長(ぞくちょう)威武(いぶ)!」家老(かろう)たちは老族长(ろうぞくちょう)爆発(ばくはつ)()て、士気(しき)(おお)いに高揚(こうよう)した。


「この(ろう)いぼれ、戦闘力(せんとうりょく)(なみ)々(なみ)ならぬな。随分(ずいぶん)(ふか)(かく)していたものだ。」方源(ほうげん)すら(おも)わず(かれ)刮目(かつもく)して()ずにはいられなかった。


高位(こうい)()(もの)(かなら)ずや人並(ひとな)(はず)れたところがある。老族长(ろうぞくちょう)がこれまで(なが)きに(わた)って葛家(かっか)(ひき)いてきたのは、聡明(そうめい)有能(ゆうのう)(けっ)して尋常(じんじょう)ではない。


狼王(ろうおう)老族长(ろうぞくちょう)(はげ)しい殴打(おうだ)()い、突然(とつぜん)大口(おおぐち)()けて無数(むすう)幽藍(ゆうらん)鬼火(ひばな)()()した。


鬼火蛊(きかこ)二転魂道(にてんこんどう)蛊虫(こちゅう)である。これが昇進(しょうしん)する道筋(みちすじ)の一つ(ひとつ)が、三転鬼炎蛊(さんてんきえんこ)だ。しかし(いま)爆発(ばくはつ)したのは、夜狼王(やろうおう)寄生(きせい)する四転鬼焱蛊(してんきえんこ)であった。


鬼火(きか)汹涌(ゆうゆう)()()こり、澎湃(ほうはい)()()せてくる。その寒気(かんき)(ほね)まで()すようで、众蛊师(しゅうこし)後退(こうたい)余儀(よぎ)なくされ、本来密接(みっせつ)だった包囲網(ほういもう)(ゆる)んでしまった。


夜狼王(やろうおう)はこれによって貴重(きちょう)息継(いきつ)ぎの機会(きかい)()(ただ)ちに撤退(てったい)準備(じゅんび)(はじ)めた。


()がすものか!」葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)怒号(どごう)すると、突然(とつぜん)(くち)を大きく(ひら)き、鬼火(きか)のすべてを(はら)()()んだ。


四転(してん)――呑火蛊(どんかこ)


この()攻撃(こうげき)()ではなく、正確(せいかく)()えば貯蔵蛊(ちょぞうこ)である。火炎(かえん)(たくわ)えるために特化(とっか)されている。


「この(ろう)いぼれ、なかなか良い()()っているな。」方源(ほうげん)内心(ないしん)(おどろ)いた。


葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)鬼火(きか)をすべて()()むと、全身(ぜんしん)(はら)(ふた)()(まわ)りも(ふく)()がり、不格好(ぶかっこう)大胖子(だいひょうし)()した。


同時(どうじ)(かれ)皮膚(ひふ)幽藍色(ゆうらんしょく)()()がり、()(はな)(くち)などからは鮮紅(せんこう)()(なが)(はじ)めた。


四転(してん)――藤爪蛊(とうそうこ)


葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)(ふたた)怒号(どごう)すると、左腕(ひだりうで)猛然(もうぜん)()ばした。


(かれ)左手(ひだりて)五倍(ごばい)膨張(ぼうちょう)し、()()(つる)へと変貌(へんぼう)した。五本(ごほん)(ゆび)強靭(きょうじん)紫藤(しどう)()わり、(へび)(むち)(ごと)夜狼王(やろうおう)(からだ)(から)みついた。紫藤(しどう)急速(きゅうそく)(ひろ)がり、夜狼王(やろうおう)縦横無尽(じゅうおうむじん)(しば)()げた。


夜狼王(やろうおう)逃亡(とうぼう)(こころ)みは粉砕(ふんさい)され、それは(くる)ったようにもがき、巨躯(きょく)から()()巨大(きょだい)怪力(かいりき)乱暴(らんぼう)藤蔓(とうまん)を引き(ひきさ)こうとした。


葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)顔色(かおいろ)一変(いっぺん)した。(かれ)力道(りきどう)(おさ)めてはいたが、どうして夜狼王(やろうおう)という(けもの)(ちから)(およ)ぶはずがあろう。


紫藤(しどう)無残(むざん)に引き千切(ひきちぎ)られ、葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)痛呼(つうこ)一声(いっせい)左手(ひだりて)原形(げんけい)(もど)り、五本(ごほん)(ゆび)はすべて千切(ちぎ)()とされていた!


狼王(ろうおう)……」老族长(ろうぞくちょう)嘶吼(しこう)した。


方源(ほうげん)(かれ)が「援軍(えんぐん)はどこだ」と()()ろうとしているのを(さっ)し、一足先(ひとあしさき)(かれ)(そば)()()り、(さけ)んだ:「葛老兄(かっろうけい)(あぶ)ない!」


ちょうどその(とき)夜狼王(やろうおう)()()(はら)われてきた。


方源(ほうげん)天青狼皮蛊(てんせいろうひこ)催動(さいどう)し、(みずか)(すす)んで()(まえ)()()き、葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)(まも)姿(すがた)(えん)じた。


パシン。


(かわ)いた(おと)(とも)に、(かれ)狼尾(ろうび)(つよ)()たれ、(とお)くへ()()ばされた。


「こ、これは……わしは()けられたのに!」老族长(ろうぞくちょう)愕然(がくぜん)とした表情(ひょうじょう)()かべた。


(いそ)いで狼王(ろうおう)(さま)救出(きゅうしゅつ)せよ!」こちらでは学堂家老(がくどうかろう)怒号(どごう)し、方源(ほうげん)()ばされた方向(ほうこう)()()した。


夜狼王(やろうおう)(おそ)()かってきた。葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)最大(さいだい)脅威(きょうい)だと(かん)じ取り、攻勢(こうせい)大半(たいはん)(かれ)集中(しゅうちゅう)させた。


ドカンドカンドカン!


老族长(ろうぞくちょう)回避(かいひ)しつつ、()()なく蛊虫(こちゅう)駆使(くし)して爆撃(ばくげき)(くわ)えた。(ひと)りの人間(にんげん)一匹(いっぴき)(けもの)との生死(せいし)()けた大戦(たいせん)()(ひろ)げられる。


龍頭鑽(りゅうとうさん)!」老族长(ろうぞくちょう)(たたか)いながら後退(こうたい)し、突然(とつぜん)咆哮(ほうこう)すると同時(どうじ)三匹(さんびき)蛊虫(こちゅう)催動(さいどう)し、(みずか)らの奥義(おうぎ)(はな)った!


四本(よんほん)(つめ)を持つ木製(もくせい)(りゅう)轟音(ごうおん)(とも)(おど)()り、その頭部(とうぶ)(するど)槍先(やりさき)へと変貌(へんぼう)(はげ)しい回転運動(かいてんうんどう)(ともな)い、夜狼王(やろうおう)胴体(どうたい)直撃(ちょくげき)した。


永年(えいねん)夜狼王(やろうおう)守護(しゅご)してきた金罡蛊(きんこうこ)(かす)かに(かがや)き、ついに防御(ぼうぎょ)(やぶ)られた。


龍頭鑽(りゅうとうさん)(いきお)いは()きることなく、深々(ふかぶか)と夜狼王(やろうおう)肉体(にくたい)()()んだ。夜狼王(やろうおう)痛烈(つうれつ)咆哮(ほうこう)(はっ)し、その音量(おんりょう)は人々(ひとびと)の鼓膜(こまく)(やぶ)らんばかりで、戦場(せんじょう)全体(ぜんたい)喧騒(けんそう)をも凌駕(りょうが)するほどだった。この深刻(しんこく)打撃(だげき)により、夜狼王(やろうおう)機動性(きどうせい)大幅(おおはば)低下(ていか)させ、鮮血(せんけつ)()()るように(なが)()した。


しかし蛊師(こし)たちが安堵(あんど)する()もなく、夜狼王(やろうおう)突然(とつぜん)双眸(そうぼう)(あか)(かがや)かせ、戦意(せんい)(ほのお)(ごと)()()がり、全て(すべて)の(いた)みを(わす)れて(くる)ったような反撃(はんげき)開始(かいし)した。


その戦闘能力(せんとうのうりょく)低下(ていか)するどころか、(ぎゃく)倍増(ばいぞう)し、(もと)水準(すいじゅん)(やく)二倍(にばい)(たっ)していた。


「こ、これは四転(してん)奮戦蛊(ふんせんこ)だ!ちくしょう!常山阴(じょうざんいん)は?常山阴(じょうざんいん)はどこだ!?」老族长(ろうぞくちょう)絶叫(ぜっきょう)した。


狼王(ろうおう)(さま)気絶(きぜつ)されました!ただいま救護(きゅうご)(ちゅう)でございます!」(とお)くでは学堂家老(がくどうかろう)らが「気絶(きぜつ)」した狼王(ろうおう)(まも)りつつ、狼群(おおかみむれ)包囲(ほうい)(なか)()往生(おうじょう)していた。


「いつ気絶(きぜつ)するかでなく、わざわざ(いま)気絶(きぜつ)するとは!」老族长(ろうぞくちょう)はこの報告(ほうこく)()き、()()しそうになりながら、(まぶた)(はげ)しく痙攣(けいれん)させ、怒涛(どとう)(ごと)咆哮(ほうこう)した。「もはや常山阴(じょうざんいん)()必要(ひつよう)はない!この万狼王(ばんろうおう)を我々(われわれ)の()()つのだ。こいつを(ころ)せば、狼群(おおかみむれ)崩壊(ほうかい)する!」


夜狼王(やろうおう)戦闘力(せんとうりょく)上昇(じょうしょう)したものの、金罡蛊(きんこうこ)による防御(ぼうぎょ)(うしな)ったため、かえって(きず)つきやすくなっていた。


戦闘(せんとう)凄惨(せいさん)(きわ)め、ほぼ時々刻々(じじこっこく)、三転(さんてん)クラスの蛊師(こし)重傷(じゅうしょう)()い、あるいは(いのち)()としていった。


ここまで激戦(げきせん)(つづ)き、蛊師(こし)たちの空窓(くうそう)(たくわ)えられた真元(しんげん)は、ほとんど枯渇(こかつ)しつつあった。勝利(しょうり)のためには、(かぎ)られた真元(しんげん)をすべて攻撃(こうげき)()()まなければならない。


(きず)(きず)応酬(おうしゅう)()(しの)(ちから)勝負(しょうぶ)だ。最後(さいご)()(つづ)けられる(もの)が、勝利者(しょうりしゃ)となる。


夜狼王(やろうおう)()気配(けはい)(かん)じ、いっそう(くる)ったように(あば)(まわ)った。


蛊師(こし)たちは()()りに(たお)れ、老族长(ろうぞくちょう)一人(ひとり)孤軍奮闘(こぐんふんとう)していた。


()()け!絶対(ぜったい)()()け!」老族长(ろうぞくちょう)右往左往(うおうさおう)しながら戦場(せんじょう)消防役(しょうぼうやく)(つと)め、間一髪(かんいっぱつ)でまた一人(ひとり)家老(かろう)(すく)()した。(かれ)()()なく(いなな)(つづ)けたため、(こえ)はかすれ()てていた。速度(そくど)次第(しだい)()ち、精神(せいしん)散漫(さんまん)になり(はじ)めていた。


さすがに(かれ)(とし)()っていた。


老族长(ろうぞくちょう)、ご注意(ちゅうい)を!」


(とお)くない場所(ばしょ)一人(ひとり)家老(かろう)(さけ)んだ。


老族长(ろうぞくちょう)咄嗟(とっさ)()(かえ)ると、夜狼王(やろうおう)空中(くうちゅう)から(おそ)いかかり、(くる)ったような殺意(さつい)()()せるのを()にした。


退(しりぞ)け!」


老族长(ろうぞくちょう)(こころ)の中でそう(おも)ったが、(からだ)はよろめき、疲労(ひろう)蓄積(ちくせき)した結果(けっか)()いた(からだ)限界(げんかい)(むか)えてしまった。


(かれ)力尽(ちからつ)きたのだ!


ドン!


次の瞬間(しゅんかん)夜狼王(やろうおう)(おそ)いかかり、老族长(ろうぞくちょう)地面(じめん)(つよ)(たた)きつけた。


老族长(ろうぞくちょう)!!」


人々(ひとびと)は(さけ)び、こぞって(われ)()れて()()った。


葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)真元(しんげん)(くる)ったように防御蛊(ぼうぎょこ)(そそ)()み、(あつ)木製(もくせい)(たて)(かま)えた。


ドンドンドン!


夜狼王(やろうおう)両前脚(りょうまえあし)(はげ)しく(たた)きつけ、木盾(もくじゅん)数回(すうかい)呼吸(こきゅう)()ちこたえた(あと)完全(かんぜん)崩壊(ほうかい)した。巨大(きょだい)(おおかみ)(つめ)(じか)葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)(からだ)()()えた。


老族长(ろうぞくちょう)古銅皮(ことうひ)精鉄骨(せいてつこつ)といった蛊虫(こちゅう)使(つか)っていたが、夜狼王(やろうおう)暴虐(ぼうぎゃく)打撃(だけき)には()えきれなかった。


老族长(ろうぞくちょう)!」


一同(いちどう)驚叫(きょうきょう)し、こぞって狂攻(きょうこう)(くわ)え、夜狼王(やろうおう)注意(ちゅうい)()こうと(こころ)みた。


しかし夜狼王(やろうおう)()には葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)しか(うつ)っておらず、狂攻(きょうこう)(もの)ともせず、老族长(ろうぞくちょう)(ころ)して憤慨(ふんがい)()らそうとしていた。







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