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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第五十一節:英雄の呼び

葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)躊躇(ちゅうちょ)していた。(かれ)(けっ)して貪生(たんせい)怕死(はし)していたわけではない。この年齢(ねんれい)になり、修行(しゅぎょう)停滞(ていたい)しているため、生死(せいし)に対しては達観(たっかん)していた。


(かれ)逡巡(しゅんじゅん)していたのは、この方法(ほうほう)()()れるかどうかという(てん)だった。


(いま)葛家(かっか)大勢(たいせい)(うしな)ったが、滅亡(めつぼう)意味(いみ)するわけではない。


凡人(ぼんじん)全滅(ぜんめつ)しても、最悪(さいあく)(うば)(かえ)せばよい。蛊師(こし)()には、凡人(ぼんじん)(たん)なる数字(すうじ)()ぎない。蛊師(こし)さえ(のこ)り、家老(かろう)たちが健在(けんざい)であれば、家族(かぞく)骨組(ほねぐ)みは(たも)たれる。


ただ、(いま)撤退(てったい)して(ほか)(もの)放棄(ほうき)し、葛家(かっか)高層(こうそう)だけが(のこ)った場合(ばあい)当分(とうぶん)(あいだ)蛮家(ばんけ)()(すが)らざるを()ないだろう。


しかも蛮家(ばんけ)以前(いぜん)から葛家(かっか)併合(へいごう)する野心(やしん)()っており、この夜狼群(やろうぐん)到来(とうらい)は、おそらく(かれ)らの陰謀(いんぼう)一環(いっかん)であろう!


しかし、方源(ほうげん)のこの方法(ほうほう)()()れるならば、そのリスクは(じつ)(たか)すぎる。一度(いちど)失敗(しっぱい)すれば、葛家(かっか)高層(こうそう)全滅(ぜんめつ)し、どれほど(おお)くの凡人(ぼんじん)(のこ)ろうと、(よそ)(もの)併呑(へいどん)される羊飼(ひつじか)いのない羊群(ようぐん)同然(どうぜん)である。


父上(ちちうえ)(しょ)伯叔(はくしゅく)各位(かくい)常叔父(じょうおじ)()うことが(ただ)しいと(わたし)(おも)います。このようにするしか、部族(ぶぞく)全体(ぜんたい)(すく)(みち)はないのです!」葛光(かっこう)(くち)(ひら)いた。躊躇(ちゅうちょ)する人々(ひとびと)を()て、(かれ)(こころ)()えきった。


(かれ)(わか)く、熱血(ねっけつ)がある。危機的状況(ききてきじょうきょう)において、人々(ひとびと)の本性(ほんしょう)()にし、葛家(かっか)にこれほど脆弱(ぜいじゃく)一面(いちめん)があるとは(いま)まで()づかなかった。


方源(ほうげん)心中(しんちゅう)()ややかに(わら)った。


狼群(おおかみむれ)()()んで()ると()った(とき)(かれ)最初(さいしょ)(おどろ)き、(つづ)いて(よろこ)びが()()がった。


もしこの(いきお)いに()って万獣王(ばんじゅうおう)征圧(せいあつ)できれば、(かれ)実力(じつりょく)現状(げんじょう)基盤(きばん)から(さら)倍増(ばいぞう)するのだ!


これは絶世(ぜっせい)好機(こうき)であり、(かれ)当然(とうぜん)それを(つか)()りたいと(おも)った。しかし、このような状況(じょうきょう)()万狼王(ばんろうおう)奴役(どえき)するには、葛家(かっか)(もの)たちの助力(じょりょく)不可欠(ふかけつ)だった。


(じん)()くことには(たし)かにリスクがあるが、方源(ほうげん)にとっては危機(きき)というほどではなかった。


(かれ)四転蛊師(してんこし)であり、同時(どうじ)三転鷹翼蛊(さんてんようよくこ)()っている。情勢(じょうせい)不利(ふり)になれば、()んで()()ればよいのだ。


葛家(かっか)をこのまま敗落(はいらく)(まか)せるのは(じつ)()しい。既然(すで)利用(りよう)するなら、最大限(さいだいげん)利用(りよう)()くすべきだ。


諸君(しょくん)!」


方源(ほうげん)(ひく)(かつ)し、人々(ひとびと)の視線(しせん)一斉(いっせい)(あつ)めた。


(かれ)(した)春雷(しゅんらい)宿(やど)し、()えるように()った:「(なに)猶予(ゆうよ)している? (なに)躊躇(ちゅうちょ)している? 葛家(かっか)男児(だんじ)はこれほど貪生(たんせい)怕死(はし)なのか?!」


(そと)(こえ)()け!** 葛家(かっか)族員(ぞくいん)悲鳴(ひめい)()げている。 この(にく)むべき夜狼(やろう)どもが、我々(われわれ)の父母(ふぼ)を、(とも)を、(つま)を、(むすめ)(ほふ)っているのだ! もし今夜(こんや)葛家(かっか)(ほろ)べば、お(まえ)たちは(みな)喪家(そうけ)(いぬ)となる。」


「我々(われわれ)の肉親(にくしん)眼前(がんぜん)()んでいくのを、()()して()ていられるか?(わたし)にはできない! たとえ()常山阴(じょうざんいん)一介(いっかい)(よそ)(もの)()ぎぬとも、お(まえ)たちと()ごしたこの日々(ひび)で、(あたた)かさを(かん)じ、葛家(かっか)血脈(けつみゃく)()められた()(あい)(おぼ)えた。 (とも)のため、()正義(せいぎ)のために、(われ)(すす)()て、(みな)のために一縷(いちる)生機(せいき)()()る!」


葛家(かっか)男児(だんじ)よ、お(まえ)たちの戦刀(せんとう)はまだ手元(てもと)にあるか?お(まえ)たちの先祖(せんぞ)(れい)が、お(まえ)たちを見守(みまも)っている。まさかお(まえ)たちの()(なが)れるのは懦弱(だじゃく)臆病(おくびょう)だけなのか?」


方源(ほうげん)凛然(りんぜん)たる正気(しょうき)(みなぎ)らせ、怒涛(どとう)(ごと)(つら)なる叱咤(しった)は、その(いきお)驚天動地(きょうてんどうち)(かん)があった。


(かれ)(こえ)非常(ひじょう)(おお)きく、王帳(おうちょう)(そと)にいる蛊師(こし)たちまでもが()()せられた。家老(かろう)たちは(みな)驚異(きょうい)眼差(まなざ)しで(かれ)凝視(ぎょうし)した。


英雄(えいゆう)とは(なん)か?


狂瀾(きょうらん)既倒(きとう)挽回(ばんかい)するのは、(たん)英雄(えいゆう)(ちから)()ぎない。


しかし、毎度(まいど)決定的(けっていてき)瞬間(しゅんかん)に、困難(こんなん)局面(きょくめん)()(いた)った(とき)敢然(かんぜん)()(てい)して、難題(なんだい)に立ち(たちむ)かい、(ほか)(もの)自信(じしん)勇気(ゆうき)をもたらす。これこそが(まこと)英雄(えいゆう)風格(ふうかく)なのである!


葛光(かっこう)方源(ほうげん)怒号(どごう)()きながら、全身(ぜんしん)(かす)かに(ふる)えていた。


この瞬間(しゅんかん)方源(ほうげん)姿(すがた)は、まさに(そび)()つように(たか)く、(かれ)(こころ)(ふか)(きざ)まれた。


(かれ)両眼(りょうがん)(かがや)き、目尻(めじり)(あか)らめ、(むね)鼓動(こどう)高鳴(たかな)るのを(かん)じた。(あつ)()胸腔(きょうくう)沸騰(ふっとう)しているようだった。


サッと(おと)()て、葛光(かっこう)馬刀蛊(ばとうこ)催動(さいどう)し、右腕(みぎうで)(ちから)()めて(にぎ)りしめ、手中(しゅちゅう)馬刀(ばとう)(たか)(かか)げた。


(つづ)いて、この(わか)葛家(かっか)少族长(しょうぞくちょう)(こえ)()()げて()えた:


(いな)葛家(かっか)勇武(ゆうぶ)はまだ()えていない。葛家(かっか)馬刀(ばとう)はまだここにある!先祖(せんぞ)(あま)にましまし、我々(われわれ)この子孫(しそん)見守(みまも)(たま)う!狼王(ろうおう)よ、(ほか)(もの)()(おそ)れようとも、この葛光(かっこう)(いのち)()けて(きみ)(とも)死地(しち)(おもむ)さん!」


この言葉(ことば)は、場内(じょうない)数名(すうめい)短気(たんき)家老(かろう)たちを刺激(しげき)し、恥辱(ちじょく)(いか)りで咆哮(ほうこう)させた。


()ぬのが(せき)(やま)だ、(とり)(たまご)ほど(おそ)れるものか!」


「くそったれの夜狼(やろう)め、てめえをぶっ(ころ)してやる!」


狼王(ろうおう)よ、少族长(しょうぞくちょう)突撃隊(とつげきたい)にわし葛德(かっとく)(くわ)えてくれ!」


こらら数名(すうめい)賛同(さんどう)しただけでなく、軽蔑(けいべつ)侮蔑(ぶべつ)眼差(まなざ)しで周囲(しゅうい)見渡(みわた)した。


さらに(おお)くの(もの)殺意(さつい)()やし(はじ)めた。北原(ほくげん)(たみ)元来(がんらい)獰猛(どうもう)気性(きしょう)である。


()つ!我々(われわれ)の()をもって葛家(かっか)男児(だんじ)勇武(ゆうぶ)証明(しょうめい)せよ!」


死戦(しせん)死戦(しせん)!」


(おれ)(くわ)われ、参戦(さんせん)する!」


狂熱的(きょうねつてき)気風(きふう)が、徐々(じょじょ)に王帳(おうちょう)(ない)充満(じゅうまん)していった。


たとえこの行動(こうどう)参加(さんか)したくない家老(かろう)たちも、自分(じぶん)(くわ)えると宣言(せんげん)せざるを()なかった。(かれ)らは「貪生(たんせい)怕死(はし)」の評判(ひょうばん)()てられたくなかった。尚武(しょうぶ)気風(きふう)(つよ)北原(ほくげん)では、一度(いちど)そんな評判(ひょうばん)()てば、唾棄(だき)(まと)となるからだ。


情勢(じょうせい)変化(へんか)(はや)さに、ずっと躊躇(ちゅうちょ)していた老族长(ろうぞくちょう)(うつ)()かれたようだった。


(かれ)(とし)()り、慎重(しんちょう)で、()(ごと)(この)まなかった。


内心(ないしん)では、撤退(てったい)意向(いこう)次第(しだい)(かた)まりつつあった。高級(こうきゅう)蛊師(こし)さえ(のこ)っていれば、葛家(かっか)には再起(さいき)基盤(きばん)(たも)たれると考えていた。


しかし(じん)()くことのリスクは大き(おお)すぎた。暗夜(あんや)(ひろ)がりの(なか)、いったい何頭(なんとう)夜狼(やろう)(ひそ)んでいるか()からない。それ以上(いじょう)に、蛮家(ばんけ)暗算(あんさん)があるかもしれない。常山阴(じょうざんいん)万狼王(ばんろうおう)(かなら)ずしも()さえ()めるとは(かぎ)らない。(たと)(みな)突破(とっぱ)したとしても、万狼王(ばんろうおう)正面衝突(しょうめんしょうとつ)()け、遊撃(ゆうげき)しながら距離(きょり)()るかもしれないではないか。


方源(ほうげん)計画(けいかく)(あな)(おお)すぎて、どう考えても無謀(むぼう)だ。


「しまった」葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)周囲(しゅうい)家老(かろう)たちの()()()()て、もはや躊躇(ちゅうちょ)している場合(ばあい)ではなく、(たたか)うしかないと(さと)った。


死戦(しせん)死戦(しせん)!」


葛家(かっか)のため、明日(あす)のため!」


生死存亡(せいしそんぼう)(とき)、我々(われわれ)の熱血豪勇(ねっけつごうゆう)()せつけるのだ!」


王帳(おうちょう)内外(ないがい)喧騒(けんそう)(つつ)まれ、士気(しき)急騰(きゅうとう)し、軍心(ぐんしん)(もち)いるに()状態(じょうたい)となった。


方源(ほうげん)はわずか数句(すうく)言葉(ことば)で、局面(きょくめん)(みずか)らの(のぞ)方向(ほうこう)(みちび)いたのである。


衆志(しゅうし)(じょう)()す。葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)はやむなく(なが)れに(したが)い、方源(ほうげん)(たい)して(ふか)一礼(いちれい)した:


狼王(ろうおう)よ、(きみ)こそ(まこと)英雄気概(えいゆうきがい)()(ぬし)だ!今夜(こんや)葛家(かっか)未来(みらい)は、(きみ)()(ゆだ)ねる。我々(われわれ)は(みな)(きみ)狼群(おおかみむれ)(したが)い、突撃(とつげき)して万狼王(ばんろうおう)()つであろう。」


一同(いちどう)轟然(ごうぜん)として命令(めいれい)()()れた。


方源(ほうげん)()(ひから)せた。葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)言外(げんがい)()は、狼群(おおかみむれ)犠牲(ぎせい)にして、葛家(かっか)蛊師(こし)保全(ほぜん)せよということだ。


しかし、多少(たしょう)犠牲(ぎせい)問題(もんだい)ない。万狼王(ばんろうおう)さえ()()れば、どちらにしろ(もう)けものだ!


諸君(しょくん)(われ)(とも)突撃(とつげき)せよ!」


方源(ほうげん)怒号(どごう)一声(いっせい)(すべ)ての蛊師(こし)(ひき)いて王帳(おうちょう)から()()した。


何頭(かとう)かの百狼王(ひゃくろうおう)千狼王(せんろうおう)(あつ)まってきた。


常老弟(じょうろうてい)、どうしてこんなに(すく)ないのだ?お(まえ)万狼王(ばんろうおう)はどこだ?狼群(おおかみむれ)大軍(たいぐん)は?」老族长(ろうぞくちょう)詰問(きつもん)し、心中(しんちゅう)(つよ)()()んだ。


方源(ほうげん)(はら)(そこ)冷笑(れいしょう)した。なぜ()()狼王(ろうおう)犠牲(ぎせい)にして、葛家(かっか)犠牲(ぎせい)()らさねばならないのか?


万物(ばんぶつ)(みな)この(てん)()(もと)()きており、衆生(しゅじょう)はすべて平等(びょうどう)である。元来(がんらい)()まれながらに高貴(こうき)(もの)もいなければ、(いや)しい(もの)もいない。


(おおかみ)(ひと)本質(ほんしつ)はともに生命(せいめい)であり、立場(たちば)(はな)れて()れば、両者(りょうしゃ)対等(たいとう)である。


なぜ(ひと)のために、(おおかみ)(いのち)犠牲(ぎせい)にしなければならないのか?まさか(ひと)()まれながらにして(おおかみ)より高貴(こうき)だというのか?


(ちが)う。


いかなる高貴(こうき)(いや)しさも、すべて階級(かいきゅう)である。そして階級(かいきゅう)はすべて(ちから)()から派生(はせい)するものだ。


地球(ちきゅう)であれこの世界(せかい)であれ、最大(さいだい)法則(ほうそく)優勝劣敗(ゆうしょうれっぱい)であり、大魚(たいぎょ)小魚(しょうぎょ)()い、小魚(しょうぎょ)小蝦(こえび)()うことである。


いわゆる高貴(こうき)さにはすべて、(ちから)(つよ)さという基礎(きそ)がある。この基礎(きそ)がなければ、いかに純粋(じゅんすい)高雅(こうが)貴婦人(きふじん)も、万人(ばんにん)のものになる娼婦(しょうふ)()ぎない!


方源(ほうげん)以前(いぜん)葛家(かっか)同行(どうこう)必要(ひつよう)としたのは、(かれ)狼群(おおかみむれ)(すく)なく、単独(たんどく)移動(いどう)するにはリスクが(おお)きく、困難(こんなん)(おお)かったからだ。


しかし(いま)(かれ)万狼群(ばんろうぐん)(ゆう)している。葛家(かっか)利用価値(りようかち)(おお)いに()った。


狼群(おおかみむれ)自分(じぶん)命令(めいれい)(したが)い、()かすも(ころ)すも自由(じゆう)である。しかし葛家(かっか)の人々(ひとびと)にそれができるだろうか?


「よそ(もの)のために、自分の側近(そっきん)犠牲(ぎせい)にしろと?(わたし)があなた(かた)のように、()()(あたま)がおかしくなった馬鹿(ばか)だと(おも)っているのか?」


心中(しんちゅう)ではこのように軽蔑(けいべつ)しながらも、方源(ほうげん)(かお)には自信(じしん)()ちた(おだ)やかな()みを()かべ、葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)()かって()った:


葛老兄(かっろうけい)、ご心配(しんぱい)なく。(いま)状況(じょうきょう)混乱(こんらん)しており、牧場(ぼくじょう)突破(とっぱ)され、狼群(おおかみむれ)分断(ぶんだん)されています。すでに亀甲万狼王(きっこうばんろうおう)統合(とうごう)(めい)じてあります。()もなく、我々(われわれ)には支援(しえん)別働隊(べつどうたい)(くわ)わるでしょう。」


葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)方源(ほうげん)(ふか)()つめ、(くち)(ひら)こうとした。


しかし方源(ほうげん)はもはや機会(きかい)(あた)えず、大声(おおごえ)()えた:


諸君(しょくん)葛家(かっか)生死存亡(せいしそんぼう)はこの瞬間(しゅんかん)()かっている!(われ)について突撃(とつげき)せよ!」


そう()うと、両脚(りょうきゃく)(つよ)(はさ)み、(また)がる駝狼(だろう)()()て、先頭(せんとう)()って()(すす)んだ。


()れ!」


「こ(こ)の(おおかみ)どもを(ころ)()くせ!」


葛家(かっか)のため、明日(あす)のため!」


人々(ひとびと)は(くる)ったように()(つづ)け、少族长(しょうぞくちょう)葛光(かっこう)方源(ほうげん)のすぐ(うし)ろに(つづ)いた。


葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)(いか)りで息子(むすこ)(つか)(もど)し、耳元(みみもと)怒鳴(どな)りつけた:「(わす)れるな、お(まえ)葛家(かっか)少族长(しょうぞくちょう)だ!」


そして父子(ふし)二人(ふたり)は、群衆(ぐんしゅう)()されながら、夜狼群(やろうぐん)()かって突撃(とつげき)開始(かいし)した。


二人(ふたり)四転蛊師(してんこし)十七人(じゅうしちにん)三転蛊師(さんてんこし)、そ(そ)して数名(すうめい)二転精鋭(にてんせいえい)が、(ひと)つの強力(きょうりょく)(ちから)集結(しゅうけつ)した。それはあたかも一振(ひっと)りの(はがね)(かたな)が、直接(ちょくせつ)戦場(せんじょう)()()さるかのようであった。


(かれ)らは気勢(きせい)(はげ)しく、道中(どうちゅう)(はば)(おおかみ)もなく、(またた)()陣営(じんえい)()(やぶ)り、夜狼万獣王(やろうばんじゅうおう)目指(めざ)して直進(ちょくしん)した。


陣営(じんえい)()途端(とたん)一行(いっこう)圧力(あつりょく)激増(げきぞう)するのを(かん)じた。特に外側(そとがわ)蛊師(こし)たちは、視界(しかい)夜狼(やろう)()()くされるほどだった。


風刃(ふうじん)水龍(すいりゅう)拳石(けんせき)金錐(きんすい)……ありとあらゆる攻勢(こうせい)が、(やす)っぽい花火(はなび)のように猛烈(もうれつ)炸裂(さくれつ)した。狼群(おおかみむれ)不意(ふい)()かれて無数(むすう)犠牲(ぎせい)()し、一行(いっこう)血路(けつろ)(ひら)いた。


嗷呜(おうう)


万狼王(ばんろうおう)一声(いっせい)呼嘯(こしょう)(とも)に、十二頭(じゅうにとう)千狼王(せんろうおう)数十頭(すうじゅっとう)百狼王(ひゃくろうおう)集結(しゅうけつ)し、四方八方(しほうはっぽう)から方源(ほうげん)らに(おそ)(きた)った。


万狼王(ばんろうおう)方源(ほうげん)思惑(おもわく)見抜(みぬ)き、(するど)対抗(たいこう)して、精鋭(せいえい)をもって精鋭(せいえい)(せい)そうとした。


方源(ほうげん)()らぬ()隊列(たいれつ)最内圍(さいないい)退(しりぞ)き、熱狂的(ねっきょうてき)(さけ)んだ:「突撃(とつげき)せよ!(はや)めろ!(いま)すぐ()(すす)まなければ、我々(われわれ)は全員(ぜんいん)()わりだ!万狼王(ばんろうおう)奴隷(どれい)にすれば、逆転勝利(ぎゃくてんしょうり)できる!」


片刻(はんかく)()たずして、百狼王(ひゃくろうおう)千狼王(せんろうおう)戦闘(せんとう)参加(さんか)した。


隊列(たいれつ)前進速度(ぜんしんそくど)は、また一段(いちだん)低下(ていか)した。数多(あまた)二転精鋭(にてんせいえい)犠牲(ぎせい)となった。


「しまった…真元(しんげん)()りない…自爆蛊(じばくこ)発動(はつどう)するしかない…家族(かぞく)のために!」


一人(ひとり)家老(かろう)突然(とつぜん)(さけ)びながら隊列(たいれつ)から()()し、(おおかみ)(くち)()(とう)じた。


狼王(ろうおう)血走(ちばし)った大口(おおぐち)()け、一瞬(いっしゅん)にして(かれ)()()めた。


その家老(かろう)嗤笑(ししょう)一声(いっせい)轟音(ごうおん)(とも)自爆(じばく)し、千狼王(せんろうおう)即死(そくし)させた!


これは突撃(とつげき)開始(かいし)以来(いらい)葛家(かっか)(はじ)めての家老(かろう)戦死(せんし)であった。


老族长(ろうぞくちょう)はこの光景(こうけい)()にし、(むね)()()まるようだった。


これらの家老(かろう)(みな)葛家(かっか)根基(こんき)であり、中核(ちゅうかく)(ささ)える(はしら)であった。(かれ)らの()()ることは、老族长(ろうぞくちょう)にとって、葛家(かっか)王帳(おうちょう)が徐々(じょじょ)に(くず)()ちるのを()るのに(ひと)しかった。


ps:王帳と王幕はと同じだ











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