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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第四十七節:激战(上)

「早くあちらを見て!北原(ほくげん)大英雄(だいえいゆう)常山阴(じょうざんいん)だ!」


常山阴(じょうざんいん)(うご)()した!()たして非凡(ひぼん)だ!」


葛家(かつか)陣地(じんち)(なか)一斉(いっせい)歓声(かんせい)()がった。無料(むりょう)電子書籍(でんししょせき)ダウンロード...


遠方(えんぽう)蛮家(ばんけ)蛊師(こし)だけでなく、葛家(かつか)蛊師(こし)も、(みな)方源(ほうげん)()集中(しゅうちゅう)させた。


方源(ほうげん)がさっき(ちい)さく腕試(うでだめ)しをし、一頭(いっとう)百狼王(ひゃくろうおう)麾下(きか)(おさ)め、(またた)()数百頭(すうひゃくとう)龟背狼(きせきろう)味方(みかた)()け、この戦場(せんじょう)危険(きけん)から安全(あんぜん)()えた。


常山阴(じょうざんいん)……」(たか)(そび)える山丘(さんきゅう)(うえ)で、葛家(かつか)老族长(ろうぞくちょう)方源(ほうげん)背影(はいえい)凝視(ぎょうし)し、(こえ)(ひそ)めて(つぶや)いた。


衆人(しゅうじん)心中(しんちゅう)には、(ひと)つの疑問(ぎもん)があった——(むかし)狼王(ろうおう)、かつて北原(ほくげん)()(とどろ)かせた天才(てんさい)は、(いま)どれだけの実力(じつりょく)(のこ)しているのか?


方源(ほうげん)(あつ)眼差(まなざ)しで、眼前(がんぜん)数万(すうまん)亀甲狼(きっこうろう)()つめた。


他者(たしゃ)()には、これらの狼群(おおかみむれ)(わざわ)いでしかなかった。しかし方源(ほうげん)()には、これらは(みずか)(すす)んで(とど)けられた(おく)(もの)だった。


(かれ)はちょうど、麾下(きか)狼群(おおかみむれ)(すく)ないことを(なや)んでいた。もしこれらの狼王(ろうおう)征圧(せいあつ)できれば、(かれ)実力(じつりょく)(かなら)急騰(きゅうとう)することだろう!


この(とき)碧空(へきくう)万里(ばんり)陽光(ようこう)()(そそ)ぎ、視野(しや)良好(こうりょう)で、まさに大戦(たいせん)天時(てんじ)であった。


葛家(かつか)準備(じゅんび)十分(じゅうぶん)であり、三層(さんそう)土塁(どるい)からなる防衛線(ぼうえいせん)()ち、さらに水路(すいろ)()()んで縦深(じゅうしん)確保(かくほ)していた。狼群(おおかみむれ)侵入(しんにゅう)すれば(そう)(かさ)ねて分断(ぶんだん)され、狼群(おおかみむれ)包囲(ほうい)されることはない。これが()()である。


さらに周囲(しゅうい)見回(みまわ)せば、葛家(かつか)蛊師(こし)たちが専用(せんよう)護衛(ごえい)してくれ、(わか)族長(ぞくちょう)葛光(かつこう)先頭(せんとう)()ち、方源(ほうげん)安全(あんぜん)万全(ばんぜん)保護(ほご)している。葛家(かつか)狼群(おおかみむれ)(あらが)姿(すがた)はまさに衆志(しゅうし)(じょう)()し、万民(ばんみん)一心(いっしん)である。これが(じん)()である。


「もし(わたし)単独(たんどく)行動(こうどう)している場合(ばあい)、こんな大規模(だいきぼ)獣群(けものむれ)遭遇(そうぐう)したら、(かなら)退避(たいひ)していただろう。しかし(いま)は、天時(てんじ)地利(ちり)人和(じんわ)(そろ)っている!これは絶好(ぜっこう)機会(きかい)だ。好機(こうき)はもう眼前(がんぜん)(せま)っている。(いま)こそ(つか)むべきではないか?」**


このように考えると、方源(ほうげん)は呵々(かか)と(わら)()し、戦意(せんい)勃発(ぼっぱつ)した。左右(さゆう)(もの)()かって()った:「諸君(しょくん)()がについて()い!」葛光(かつこう)らは轟然(ごうぜん)応諾(おうだく)した。


方源(ほうげん)先導(せんどう)のもと、一団(いちだん)蛊師(こし)たちが陣地(じんち)移動(いどう)(はじ)め、しばらくすると戦場(せんじょう)(べつ)場所(ばしょ)到着(とうちゃく)した。


轟音(ごうおん)


(たか)矢塔(やとう)地面(じめん)(たお)()み、木端微塵(こっぱみじん)粉砕(ふんさい)した。


この惨事(さんじ)を引き起こ(ひきおこ)した張本人(ちょうほんにん)咆哮(ほうこう)()げ、十数名(じゅうすうめい)二転蛊師(にてんこし)たちと激戦(げきせん)()(ひろ)げていた。**


それは一頭(いっとう)百狼王(ひゃくろうおう)であった。


ここまで突撃(とつげき)してきたものの、もとの狼群(おおかみむれ)全滅(ぜんめつ)し、孤軍(こぐん)奮闘(ふんとう)しているところだった。


周囲(しゅうい)蛊師(こし)たちは、(とお)くから蛊虫(こちゅう)駆使(くし)した攻撃(こうげき)仕掛(しか)け、包囲網(ほういもう)()いてその生命(いのち)を徐々(じょじょ)に(けず)()っていた。



場中(じょうちゅう)には、すでに三人(さんにん)蛊師(こし)死体(したい)(たお)れている。


この(とき)方源(ほうげん)らは駝狼(だろう)騎乗(きじょう)して現場(げんば)()けつけた。


驭狼蛊(ぎょろうこ)()け!」方源(ほうげん)()()ばして指差(ゆびさ)すと、二転(にてん)驭狼蛊(ぎょろうこ)一縷(いちる)(かる)(けむり)()し、この百狼王(ひゃくろうおう)(からだ)()ちた。


狼王(ろうおう)(つら)なる怒号(どごう)(はっ)し、奴隷(どれい)にされるのを(こば)み、(ちから)()くして反抗(はんこう)した。


方源(ほうげん)両眼(りょうがん)(するど)精芒(せいぼう)(ひらめ)き、「百人魂(ひゃくにんこん)鎮圧(ちんあつ)!」と(さけ)んだ。


狼王(ろうおう)一声(ひとこえ)嗚咽(おえつ)し、(かる)(けむり)完全(かんぜん)()ちてその体内(たいない)()()み、瞬時(しゅんじ)方源(ほうげん)私人(しじん)寵物(ちょうぶつ)となった。


百狼王(ひゃくろうおう)地面(じめん)()し、爪牙(そうが)(おさ)め、全身(ぜんしん)(きず)だらけで、(そと)()かって()()るように鮮血(せんけつ)(なが)()ていた。


治療蛊師(ちりょうこし)を。」方源(ほうげん)は淡々(たんたん)と(めい)じた。背後(はいご)からすぐに一人(ひとり)(すす)()て、蛊虫(こちゅう)()り、この百狼王(ひゃくろうおう)治療(ちりょう)()たった。


「この畜生(ちくしょう)め! (おれ)実兄(じっけい)(ころ)したのはこいつだ!」戦闘(せんとう)(くわ)わったばかりの(わか)蛊師(こし)が、なおも攻撃(こうげき)(くわ)えようとした。


葛参(かっさん)!」葛光(かつこう)怒鳴(どな)りつけ、その(もの)(にら)みつけた。


(わか)蛊師(こし)(くび)逆立(さかだ)てて、百狼王(ひゃくろうおう)(そば)まで(ある)き、(はげ)しく一蹴(いっしゅう)したが、それ以上(いじょう)()()すことはなかった。


その(あと)(かれ)(かお)(おお)い、嗚咽(おえつ)()らした。周囲(しゅうい)蛊師(こし)たちも、(みな)(むね)(いた)める思いであった。


青年蛊师(せいねんこし)几声(いくこえ)()いた(あと)、また(かお)()げて、(なみだ)をぬぐいながら()った:「()こう、(つづ)けて(おおかみ)(ころ)しに()こう!」


「よし!」


(おれ)たちはみんな葛参大哥(かっさんあにき)について()くぞ!」


この普普通通(ふふつうつう)小分队(しょうぶんたい)は、また前線(ぜんせん)戦場(せんじょう)投入(とうにゅう)された。


(つぎ)場所(ばしょ)()こう。」方源(ほうげん)(おおかみ)()って(すす)(つづ)けた。


北西(ほくせい)方向(ほうこう)に、三匹(さんびき)百狼王(ひゃくろうおう)一緒(いっしょ)土墙(どべい)突破(とっぱ)し、防衛線(ぼうえいせん)の中で肆虐(しぎゃく)している。


方源(ほうげん)現場(げんば)()けつけて()った:「(われ)狼王常山阴(ろうおうじょうざんいん)である。全て(すべて)の蛊师(こし)(われ)指揮(しき)(したが)え。」


葛光(かつこう)(そば)にいたので、(かれ)順調(じゅんちょう)指揮権(しきけん)を引き(ひきつ)いだ。


「この三頭(さんとう)百狼王(ひゃくろうおう)は、それぞれどんな蛊虫(こちゅう)()っているのか?」方源(ほうげん)一言(ひとこと)(たず)ねた。


すぐに(だれ)かが報告(ほうこく)した。


方源(ほうげん)()(ひから)せ、人々(ひとびと)を三隊(さんたい)()けた。


一隊(いったい)左側(ひだりがわ)百狼王(ひゃくろうおう)をおびき()し、第二防衛線(だいにぼうえいせん)()()れる。」方源(ほうげん)命令(めいれい)した。


(とお)すのか?」蛊師(こし)(おどろ)き、疑問(ぎもん)(あらわ)した。


方源(ほうげん)(かれ)(にら)みつけて()った:『(とお)すと()ったら、(とお)すんだ。命令(めいれい)実行(じっこう)しろ!』


「はい!」


二隊(にたい)、お(まえ)たちは右側(みぎがわ)のあの狼王(ろうおう)牽制(けんせい)し、(かなら)(かれ)防御蛊(ぼうぎょこ)()()とせ。」


承知(しょうち)しました!」


三隊(さんたい)(われ)(つづ)け。」方源(ほうげん)一声(ひとこえ)()びかけ、(みずか)前線(ぜんせん)()った。


激戦(げきせん)(すえ)(かれ)驭狼蛊(ぎょろうこ)(はな)った。


(かる)(けむり)()()がり、(いま)まさに()(そそ)がんとしたその(とき)、この狼王(ろうおう)突然(とつぜん)(くち)から火炎(かえん)()き、(かる)(けむり)()()くしてしまった。


方源(ほうげん)表情(ひょうじょう)(つめ)たくなり、二転(にてん)驭狼蛊(ぎょろうこ)(うしな)ったことで、(むね)にわずかな(いた)みを(かん)じた。


葛光(かつこう)(いか)(さけ)んだ:「なぜこいつにまだ火光蛊(ひかりこ)があるんだ!?」


少族长(しょうぞくちょう)、お(ゆる)しください。この(おおかみ)がこの()使(つか)うのは(はじ)めてです!」部下(ぶか)(あわ)てて報告(ほうこく)した。


葛光(かつこう)、お(まえ)はこの火光蛊(ひかりこ)担当(たんとう)しろ。できる(かぎ)りの方法(ほうほう)対処(たいしょ)し、(あと)(わたし)(もど)ってくるまで()ちこたえろ。」方源(ほうげん)はすぐにこの狼王(ろうおう)()()えないと()るや、命令(めいれい)(くだ)し、面倒(めんどう)(ほか)(もの)()()けた。そして自分(じぶん)目標(もくひょう)()え、(べつ)狼王(ろうおう)(ちか)づき、(ふたた)驭狼蛊(ぎょろうこ)使(つか)った。


この狼王(ろうおう)防御蛊(ぼうぎょこ)は、蛊師(こし)たちに()(くだ)かれた。


(ふたた)意外(いがい)()こらず、方源(ほうげん)はそれを見事(みごと)收复(しゅうふく)した。


()()えると、葛光(かっこう)()成果(せいか)()げており、百狼王(ひゃくろうおう)(くち)青藤(せいとう)()()(から)()られ、(ふたた)火光(ひかり)()()せなくなっていた。


(しば)りが()まい。」方源(ほうげん)(かる)賞賛(しょうさん)(こえ)()げ、また一匹(いっぴき)驭狼蛊(ぎょろうこ)催动(さいどう)した。


百狼王(ひゃくろうおう)(がん)(がん)(かる)(けむり)(みずか)らの(からだ)()ちるのを()て、(すこ)(てい)(こう)したが、(こん)(ぱく)百人魂(ひゃくにんこん)(やぶ)れ、方源(ほうげん)寵物(ちょうぶつ)()った。


この二頭(にとう)百狼王(ひゃくろうおう)(おさ)めた(あと)方源(ほうげん)()きを()えて(さつ)りく(もど)り、第三防線(だいさんぼうせん)(はな)たれたあの百狼王(ひゃくろうおう)收服(しゅうふく)した。


あっという間に、この三頭(さんとう)百狼王(ひゃくろうおう)方源(ほうげん)によって分離(ぶんり)された(あと)、一つ一つ収服(しゅうふく)され、この危機(きき)化解(かいげ)された。


(みな)(こころ)から敬服(けいふく)し、引き(ひきつづ)方源(ほうげん)(うし)ろに(したが)い、指令(しれい)()った。彼ら(かれら)は次第(しだい)に、方源(ほうげん)命令(めいれい)(したが)うだけで、(かなら)ず最も手間(てま)がかからず犠牲(ぎせい)最小(さいしょう)結果(けっか)になることに()づき(はじ)めていた。


「この常山阴(じょうざんいん)は、(たし)かに(うで)()つな。」戦場(せんじょう)(そと)で、大子(たいし)蛮轰(ばんごう)偵察蛊(ていさつこ)(とお)して、方源(ほうげん)活躍(かつやく)()ながら、顔色(かおいろ)(すで)陰鬱(いんうつ)になっていた。


(かれ)(こん)(ぱく)百人魂(ひゃくにんこん)()っているので、これらの百狼王(ひゃくろうおう)圧服(あっぷく)するのは難事(なんじ)ではない。だが、これだけでは戦局(せんきょく)()えることはできない。(かれ)驭狼術(ぎょろうじゅつ)()なければならない!」蛮豪(ばんごう)(そば)(なぐさ)めるように()った。


「うん……」


方源(ほうげん)はその()直接(ちょくせつ)(すわ)()み、両手(りょうて)(ふた)つの元石(げんせき)(にぎ)り、真元(しんげん)補充(ほじゅう)した。


驭狼蛊(ぎょろうこ)催动(さいどう)するのに消費(しょうひ)する真元(しんげん)(すく)ないが、(かぎ)魂魄(こんぱく)にある。


方源(ほうげん)(つづ)けて百狼王(ひゃくろうおう)收服(しゅうふく)し、百人魂(ひゃくにんこん)()(かえ)百狼王(ひゃくろうおう)圧倒(あっとう)した。魂魄(こんぱく)同士(どうし)衝突(しょうとつ)(あらそ)いが、方源(ほうげん)魂魄(こんぱく)(ふる)()がらせ、(こころ)煩悶(はんもん)(かん)をどんどん(つよ)くした。


このまま(ほう)っておけば、眩暈(めまい)目眩(くらくら)する症状(しょうじょう)(あら)われ、(さら)深刻(しんこく)場合(ばあい)には魂魄(こんぱく)損傷(そんしょう)し、記憶(きおく)(うしな)い、知力(ちりょく)低下(ていか)する可能性(かのうせい)もある。


方源(ほうげん)()()じて心身(しんしん)(やす)め、(こころ)()()かせ、魂魄(こんぱく)安定(あんてい)させた。


しばらく休憩(きゅうけい)すると、百人魂(ひゃくにんこん)(ふたた)安定(あんてい)し、全て(すべ)ての煩悶(はんもん)(かん)(けむ)のように()()った!


(みな)(もの)(われ)(つづ)いて出陣(しゅつじん)せよ。」


方源(ほうげん)駝狼(だろう)騎乗(きじょう)し、葛光(かっこう)らはすぐにその(あと)(したが)った。


かくして戦場(せんじょう)を転々(てんてん)とし、わずかな時間(じかん)のうちに、方源(ほうげん)はさらに三頭(さんとう)百狼王(ひゃくろうおう)と、八百頭(はっぴゃくとう)(あま)りの普通(ふつう)亀甲狼(きっこうろう)征圧(せいあつ)した。


嗷呜(おうう)


方源(ほうげん)行動(こうどう)は、ついに一頭(いっとう)千狼王(せんろうおう)逆鱗(げきりん)()れた。


配下(はいか)(おおかみ)たちが次々(つぎつぎ)と(てき)(くだ)るのを()て、千狼王(せんろうおう)怒号(どごう)(はっ)し、狼群(おおかみむれ)(ひき)いて方源(ほうげん)(おそ)いかかってきた。


一頭(いっとう)千獣王(せんじゅうおう)は、数千頭(すうせんとう)野獣(やじゅう)統御(とうぎょ)し、麾下(きか)には数頭(すうとう)百獣王(ひゃくじゅうおう)(したが)えているのだ。


その(からだ)には、三転蛊虫(さんてんこちゅう)寄生(きせい)している。狼群(おおかみむれ)(のぞ)いて(かんが)えれば、(すく)なくとも三組(さんくみ)連携(れんけい)()れた蛊師小组(こししょうぐ)必要(ひつよう)で、(はじ)めて単独(たんどく)千獣王(せんじゅうおう)共同(きょうどう)()ることができる。または、三人(さんにん)三転蛊師(さんてんこし)がいて、やっとそれと一戦(いっせん)()わすことができる。


千狼王(せんろうおう)(むれ)(ひき)いて襲撃(しゅうげき)してくるのを()て、葛光(かっこう)らは顔色(かおいろ)()えた。(かれ)らの大半(たいはん)二転精英(にてんえいせい)で、葛光(かっこう)一人(ひとり)だけが三転蛊師(さんてんこし)である。


少族长(しょうぞくちょう)(あわ)てるな!我々(われわれ)が助太刀(すけだち)()たぞ!」ちょうどその(とき)三人(さんにん)葛家(かっか)家老(かろう)()けつけてきた。


方源(ほうげん)王帳(おうちょう)の中で、葛家(かっか)高層(こうそう)約束(やくそく)(むす)んでいて、葛家(かっか)尽力(じんりょく)して協力(きょうりょく)する必要(ひつよう)があった。


「ははは、三人(さんにん)(たす)けがあれば、この(おおかみ)(とら)えられる。」方源(ほうげん)大笑(おおわら)いした。


(はげ)しい戦闘(せんとう)瞬時(しゅんじ)爆発(ばくはつ)した。


この千狼王(せんろうおう)攻勢(こうせい)狂暴(きょうぼう)で、()()き、()()き、体当(たいあ)たりを()()すうちに、(おおかみ)(ちから)虚影(きょえい)(はな)つことができた。戦場(せんじょう)縦横無尽(じゅうおうむじん)(あば)(まわ)り、理不尽(りふじん)傍若無人(ぼうじゃくぶじん)()()い、(おも)存分(ぞんぶん)暴虐(ぼうぎゃく)()くした。


しかし、方源(ほうげん)(がわ)実力(じつりょく)はさらに(あつ)かった。四人(よにん)三転蛊師(さんてんこし)一人(ひとり)四転蛊師(してんこし)、そして何人(なんにん)かの精鋭(せいえい)二転蛊師(にてんこし)がいた。


二人(ふたり)家老(かろう)軽傷(けいしょう)()うという代償(だいしょう)(はら)った(あと)方源(ほうげん)はついに好機(こうき)(とら)え、三転驭狼蛊(さんてんぎょろうこ)使(つか)った。


三転驭狼蛊(さんてんぎょろうこ)()わった(かる)(けむり)は、二転驭狼蛊(にてんぎょろうこ)よりもはるかに()く、千狼王(せんろうおう)(からだ)()ちた。


方源(ほうげん)百人魂(ひゃくにんこん)駆使(くし)して圧倒(あっとう)し、十数呼吸(じゅうすうこきゅう)にわたって膠着状態(こうちゃくじょうたい)(つづ)いた(のち)(かる)(けむり)はついに成功裡(せいこうり)降下(こうか)し、完全(かんぜん)千狼王(せんろうおう)魂魄(こんぱく)(なか)()()んだ。


これが、方源(ほうげん)がこの(たたか)いで(はじ)めて征圧(せいあつ)した千狼王(せんろうおう)であった。千狼王(せんろうおう)投降(とうこう)すると、その麾下(きか)にあった二頭(にとう)百狼王(ひゃくろうおう)、および数千頭(すうせんとう)(のぼ)普通(ふつう)亀甲狼(きっこうろう)も、それに(つづ)いて旗幟(きし)(ひるがえ)した。


かくして、これほど多数(たすう)亀甲狼(きっこうろう)一斉(いっせい)離反(りはん)し、葛家(かっか)陣営(じんえい)(のが)()んだため、この戦場(せんじょう)一瞬(いっしゅん)にして(から)っぽになった。


狼群全体(おおかみむれぜんたい)見渡(みわた)しても、千狼王(せんろうおう)はわずか十五頭(じゅうごとう)しかおらず、(いま)方源(ほうげん)によって一頭(いっとう)(うば)()られたのである。


この事態(じたい)に、万狼王(ばんろうおう)さえも異常(いじょう)(かん)()り、(くち)()けて咆哮(ほうこう)()げた。巨大(きょだい)四枚(よんまい)風刃(ふうじん)が、(はげ)しく旋回(せんかい)しながら、まさに方源(ほうげん)目指(めざ)して飛来(ひらい)してきた。


三爪水龍蛊(さんそうすいりゅうこ)!」


一人(ひとり)家老(かろう)怒号(どごう)すると、両手(りょうて)()()し、(あわ)藍色(あいいろ)水龍(すいりゅう)()()して風刃(ふうじん)激突(げきとつ)し、粉々(こなごな)に(くだ)()って(ひと)しきりの(あめ)()した。


拳石蛊(けんせきこ)!」


二人目(ふたりめ)家老(かろう)右拳(みぎこぶし)()()ぐに()()し、瞬時(しゅんじ)空中(くうちゅう)巨岩(きょがん)凝結(ぎょうけつ)させた。それは(きん)(にぎ)()めた右拳(みぎこぶし)(ごと)く、()びかかっては風刃(ふうじん)(けず)()とされた。


電網蛊(でんもうこ)!」


三人目(さんにんめ)家老(かろう)は、電光(でんこう)渦巻(うずま)大網(おおあみ)(ひと)()りし、風刃(ふうじん)(しば)(あみ)(なか)()()めた。


風刃(ふうじん)(つづ)けて弱体化(じゃくたいか)され、電網(でんもう)()ちた(あと)(はげ)しく回転(かいてん)(つづ)けた。最終的(さいしゅうてき)には電網(でんもう)()()いたものの、もはや強弩(きょうど)(すえ)であった。空中(くうちゅう)()びながら、次第(しだい)消散(しょうさん)していった。


全過程(ぜんかてい)(とお)して、方源(ほうげん)一度(いちど)()()さなかった。


葛家(かっか)蛊師(こし)たちは、(だれ)もが方源(ほうげん)(まも)ることに細心(さいしん)注意(ちゅうい)(はら)っていた。たとえ(かれ)四転蛊師(してんこし)で、修行(しゅぎょう)が彼ら(かれら)より(うえ)だとしてもである。


奴道蛊師(どどうこし)個人(こじん)安全(あんぜん)(きわ)めて重要(じゅうよう)である。出撃(しゅつげき)する(さい)には、しばしば他の(ほかの)蛊師(こし)(そば)()()って護衛(ごえい)する。


葛家(かっか)がこのようにするのは、過剰(かじょう)()(つか)いというわけではなく、蛊師界(こしかい)では常識(じょうしき)となっていることだった。












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