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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第四十六節:龟背狼群

至急(しきゅう)報告(ほうこく)前方(ぜんぽう)三千里(さんぜんり)に、大群(たいぐん)亀甲狼(きっこうろう)確認(かくにん)!その(かず)(おお)く、一万頭(いちまんとう)規模(きぼ)狼群(おおかみむれ)推測(すいそく)されます!」葛家(かっか)偵察(ていさつ)蛊師(こし)(いそ)いで()けつけ、老族长(ろうぞくちょう)(まえ)大声(おおごえ)報告(ほうこく)した。


葛家(かっか)老族长(ろうぞくちょう)表情(ひょうじょう)(きび)しくし、()(もの)()()って()った:「さらに(さぐ)れ。」**


(じつ)(すこ)(まえ)に、(かれ)はすでに偵察(ていさつ)蛊師(こし)から(おく)られた伝書蛊(でんしょこ)()()っていた。しかし戦場(せんじょう)では、伝書蛊(でんしょこ)(てき)途中(とちゅう)(うば)われるのを(ふせ)ぐため、通常(つうじょう)偵察(ていさつ)蛊師(こし)(みず)から()()して直接(ちょくせつ)伝令(でんれい)(つた)えるのだ。


亀甲狼(きっこうろう)野生(やせい)(おおかみ)(なか)(もっと)防御(ぼうぎょ)(りょく)(たか)(しゅ)だ。一万頭(いちまんとう)もの亀甲狼(きっこうろう)は、かなりの強敵(きょうてき)だ。」


(まえ)蛊師(こし)使(つか)いておびき出そうとしたが、効果(こうか)はなかった。この狼群(おおかみむれ)はまだもって我々(われわれ)に()かって襲来(しゅうらい)してきている。」


「ふん、我々(われわれ)が移住(いじゅう)(はじ)めてまだ数日(すうじつ)しか()っていないにもかかわらず、この狼群(おおかみむれ)(あらわ)れた。蛮家(ばんけ)は我々(われわれ)を見逃(みのが)すつもりはないということか…」


(さいわ)いなことに、(やつ)らの速度(そくど)(はや)くない。(じん)()時間(じかん)猶予(ゆうよ)がある。」


葛家(かっか)家老(かろう)たちは、様々(さまざま)な意見(いけん)()わし()っていた。


この戦乱(せんらん)北原(ほくげん)で、高い地位(ちい)まで(のぼ)()めた蛊師(こし)に、(おろ)(もの)(ひと)()としていない。この時点(じてん)で、(みな)状況(じょうきょう)把握(はあく)し、現実(げんじつ)(みと)めていた。


葛家(かっか)本隊(ほんたい)はとっくに(すす)みを()め、円陣(えんじん)()んでいた。大勢(おおぜい)蛊師(こし)たちが緊迫(きんぱく)した面持(おもも)ちで蛊虫(こちゅう)使(つか)い、(たか)(かべ)(きず)き、矢塔(やとう)()て、何層(なんそう)もの防衛線(ぼうえいせん)()(めぐ)らせている。


一方(いっぽう)葛家(かっか)高官(こうかん)たちは、中央(ちゅうおう)陣取(じんど)って()()()っていた。


()()よ。」葛家(かつか)老族长(ろうぞくちょう)(しず)かな(こえ)()びかけた。


父上(ちちうえ)(なに)のご(よう)でしょうか?」葛光(かつこう)即座(そくざ)(こた)えた。


常山阴(じょうざんいん)閣下(かっか)をお(まね)きしてくれ。」葛家(かつか)存亡(そんぼう)をかけたこの(たたか)いにおいて、老族长(ろうぞくちょう)戦力(せんりょく)となり()るものを(ひと)つとして見逃(みのが)すつもりはなかった。


「かしこまりました。」葛光(かつこう)(ふか)一礼(いちれい)して退()き、王族(おうぞく)天幕(てんまく)()るやいなや、方源(ほうげん)とばったり出会(であ)った。


叔父(おじ)(うえ)!」葛光(かつこう)(うれ)しそうに(こえ)をかけながら、丁寧(ていねい)挨拶(あいさつ)した。



方源(ほうげん)(かる)(うなず)き、(あし)()めずに(まえ)(すす)みながら、やや()いた口調(くちょう)()いた:「狼群(おおかみむれ)(おそ)ってくるということはもう()っている。状況(じょうきょう)はどうだ?」**


狼群(おおかみむれ)到着(とうちゃく)するまで、あと(やく)半刻(はんこく)(やく)1時間(じかん))と見積(みつ)もられています。本家(ほんか)移住(いじゅう)(はじ)めて()(らい)蛮家(ばんけ)邪魔(じゃま)(ふせ)ぐため、(ちち)軽騎兵(けいきへい)大勢(おおぜい)派遣(はけん)し、偵察範囲(ていさつはんい)六百里(ろっぴゃくり)(やく)300km)まで(ひろ)げていました!」葛光(かつこう)方源(ほうげん)歩調(ほちょう)()わせ、そばを(ある)きながら報告(ほうこく)した**。


二人(ふたり)王族(おうぞく)天幕(てんまく)()くと、それは(ちい)さな(おか)(うえ)(もう)けられていた。


この(おか)蛊虫(こちゅう)作用(さよう)(たか)くされており、葛家(かつか)高官(こうかん)たちは(おか)(うえ)から()視界(しかい)()ていた。


これは狼群(おおかみむれ)(たい)する対策(たいさく)であり、もし(たか)(わし)(からす)()れに(おそ)われる場合(ばあい)は、葛家(かつか)地中(ちちゅう)(あな)()るのだった。いずれにしても、対処法(たいしょほう)状況(じょうきょう)によって(こと)なるのである。


葛家(かつか)高官(こうかん)たちに()うと、一同(いちどう)(あわ)ただしく挨拶(あいさつ)()わし、緊迫(きんぱく)した空気(くうき)(つつ)まれていた。(やま)(あめ)()()した(まえ)のような(おも)(くる)しい雰囲気(ふんいき)(かん)じられた。


狼王(ろうおう)賢弟(けんてい)にお力添(ちからぞ)えいただけるとは、葛家(かつか)としてはこの(うえ)ない光栄(こうえい)で、(わたくし)心強(こころづよ)(おも)います。」葛家(かつか)老族长(ろうぞくちょう)感無量(かんむりょう)様子(ようす)()い、感謝(かんしゃ)(ねん)(あふ)()ていた。


「ははは、(わたくし)葛家(かつか)とは(あさ)からぬ(えん)(むす)ばれております。(おな)(みち)(たび)する仲間(なかま)として、(たが)いに(たす)()うのは当然(とうぜん)のことでございます。さて、状況(じょうきょう)はいかがでしょうか?」方源(ほうげん)(たず)ねた。


狼王(ろうおう)(さま)、こちらへ。」葛家(かつか)老族长(ろうぞくちょう)方源(ほうげん)案内(あんない)して(つくえ)(かたわ)らへ()き、(うえ)(ひろ)げられた羊皮(ようひ)地図(ちず)()しながら、周辺(しゅうへん)地形(ちけい)葛家(かつか)()った防衛線(ぼうえいせん)、そして狼群(おおかみむれ)動向(どうこう)説明(せつめい)した。


貴家(きか)手配(てはい)適切(てきせつ)で、対応(たいおう)(なに)(あやま)りはありません。」方源(ほうげん)はまずお世辞(せじ)()ってから、(ゆび)()ばして地図上(ちずじょう)(しるし)指差()した。



一同(いちどう)視線(しせん)が、その指差(ゆびさ)された(さき)にある、陣営(じんえい)(かたわ)らを(なが)れる(かわ)へと()かった。


周囲(しゅうい)にこんな()()があるのに、なぜ防衛(ぼうえい)()かさないのですか?」方源(ほうげん)提案(ていあん)した。


賢弟(けんてい)よ、(じつ)は我々(われわれ)も最初(さいしょ)(おな)じことを(かんが)えていたのだ。しかし、移動(いどう)(おそ)大集団(だいしゅうだん)川辺(かわべ)到着(とうちゃく)し、陣営(じんえい)(もう)け、防衛線(ぼうえいせん)()るまでの時間(じかん)がなかったのだ。」葛家(かつか)老族长(ろうぞくちょう)苦笑(にがわら)いを()かべた**。


一族(いちぞく)移住(いじゅう)にあたり、大多数(だいたすう)族民(ぞくみん)は『大胃馬(だいいば)』を使(つか)っている。大胃馬(だいいば)多量(たりょう)荷物(にもつ)(はこ)べるが、速度(そくど)非常(ひじょう)(おそ)い。


葛家(かつか)蛊師(こし)たちは駝狼(だろう)騎乗(きじょう)しているため、素早(すばや)川辺(かわべ)まで()くことができる。しかし大多数(だいたすう)凡人(ぼんじん)(うし)ろに()(のこ)され、狼群(おおかみむれ)(おそ)ってくれば、(ひと)たまりもなく虐殺(ぎゃくさつ)されてしまうだろう。


「いずれの部族(ぶぞく)においても、凡人(ぼんじん)がいなければ、未来(みらい)蛊師(こし)など()まれはしない。凡人(ぼんじん)はすべての部族(ぶぞく)(いしずえ)なのだ。」


しかし方源(ほうげん)(ほが)らかに(わら)(ごえ)()げた:「老兄(ろうけい)(わたし)北原(ほくげん)(もの)だ。そのくらいのことは当然(とうぜん)()っている。我々(われわれ)が川辺(かわべ)(ちか)づけなくとも、(かわ)(みず)を我々(われわれ)のもとへ()()れることはできるだろう。」**


この言葉(ことば)()いて、葛家(かつか)高官(こうかん)たちは一斉(いっせい)()(かがや)かせた。「その(とお)りだ!用水路(ようすいろ)()り、(かわ)(みず)()()れて防衛(ぼうえい)()かそう。」


亀甲狼(きっこうろう)(からだ)(おも)く、水泳(すいえい)ができない。(かわ)()ちれば、(そこ)(しず)み、()きたまま溺死(できし)してしまうだろう。」**


族長(ぞくちょう)(さま)、どうか(はや)命令(めいれい)を!」


葛家(かつか)老族长(ろうぞくちょう)(いさぎよ)決断(けつだん)した:「命令(めいれい)する。葛翠(かつすい)(だい)(いち)(たい)葛相(かつそう)(だい)(なな)(たい)葛糜(かつま)(だい)十八(じゅうはち)(たい)は、(ただ)ちに現行(げんこう)作業(さぎょう)中止(ちゅうし)し、川辺(かわべ)()かい河道(かどう)開削(かいさく)()たれ。さらに(だい)(さん)(たい)第五(だいご)(たい)第十六(だいじゅうろく)(たい)は、第一(だいいち)(たい)第七(だいなな)(たい)第十八(だいじゅうはち)(たい)未完了(みかんりょう)建造(けんぞう)任務(にんむ)()()げ。」


承知(しょうち)しました!」天幕(てんまく)(そと)待機(たいき)していた偵察(ていさつ)蛊師(こし)は、即座(そくざ)命令(めいれい)()けた。


数回(すうかい)呼吸(こきゅう)(あと)六匹(ろっぴき)伝書蛊(でんしょこ)が次々(つぎつぎ)と()()ち、遠方(えんぽう)へと()かっていった。


賢弟(けんてい)がここにいてくれたおかげで、我々(われわれ)は(まよ)いから(だっ)することができました。」老族长(ろうぞくちょう)(ふたた)方源(ほうげん)(ふか)々(ぶか)と一礼(いちれい)し、感謝(かんしゃ)(ねん)(こころ)(そこ)から()()がっているようだった**。


方源(ほうげん)のこの提案(ていあん)がなかったら、葛家(かつか)百人(ひゃくにん)()(じょう)蛊師(こし)たち、いやそれ以上(いじょう)犠牲(ぎせい)()さなければならなかっただろう。


流石(さすが)狼王(ろうおう)だ…。


一瞬(いっしゅん)として、葛家(かつか)家老(かろう)たちが方源(ほうげん)()ける()()しも、わずかに()わった。賞賛(しょうさん)敬服(けいふく)(いろ)(しず)かに(にじ)()ていた。


(きん)(ちょう)忙中(ぼうちゅう)(なか)時間(じかん)はあっという()()ぎていく。


次々(つぎつぎ)と偵察(ていさつ)蛊師(こし)本営(ほんえい)(もど)り、狼群(おおかみむれ)位置(いち)報告(ほうこく)した。(どう)()に、亀甲狼(きっこうろう)(かず)(あき)らかになった。


三万八千(さんまんはっせん)(とう)(あま)り。


狼群(おおかみむれ)陣営(じんえい)まで八百里(はっぴゃくり)(やく)400km)に(せま)った(とき)葛家(かつか)老族长(ろうぞくちょう)整然(せいぜん)偵察(ていさつ)蛊師(こし)収容(しゅうよう)(はじ)めた。


五百里(ごひゃくり)(やく)250km)になると、用水路(ようすいろ)完成(かんせい)し、河水(かすい)()()まれた。


三百里(さんびゃくり)(やく)150km)まで(ちか)づいた(とき)には、三層(さんそう)防衛線(ぼうえいせん)完成(かんせい)し、戦闘隊(せんとうたい)緊急(きんきゅう)配置(はいち)()いた。建設(けんせつ)担当(たんとう)していた支援(しえん)蛊師(こし)後方支援(こうほうしえん)蛊師(こし)たちは、続々(ぞくぞく)と後方(こうほう)退(しりぞ)き、一刻(いっこく)(おこた)らずに元石(げんせき)使(つか)って真元(しんげん)(すみ)やかに回復(かいふく)させた。もし戦線(せんせん)(あや)うくなれば、(かれ)らが(つぎ)予備戦力(よびせんりょく)となり、援軍(えんぐん)となるのだった。


狼群(おおかみむれ)百里(ひゃくり)(やく)50km)に(ちか)づくと、地平線(ちへいせん)にぼんやりと無数(むすう)狼影(おおかみかげ)(あらわ)(はじ)めた。


王族(おうぞく)天幕(てんまく)——王幕(おうまく)では、八匹(はちひき)偵察蛊(ていさつこ)駆動(くどう)され、立ち(たちあ)がる(けむり)八方(はっぽう)景色(けしき)(うつ)()していた。


亀甲狼(きっこうろう)大群(たいぐん)(おも)真北(まきた)から突進(とっしん)してきており、同時(どうじ)北東(ほくとう)南東(なんとう)からも(すく)なからずの()れが(せま)っていた。


狼群(おおかみむれ)がますます(ちか)づくにつれ、凡人(ぼんじん)でさえもその姿(すがた)肉眼(にくがん)確認(かくにん)できるようになった。


亀甲狼(きっこうろう)体格(たいかく)ががっしりとしており、体毛(たいもう)墨色(すみいろ)がかった緑色(みどりいろ)(おおかみ)()(かす)かな(あお)(ひかり)(はな)っている。背中(せなか)には(かめ)甲羅(こうら)のような(から)()えている。


この甲羅(こうら)非常(ひじょう)(おも)く、体重(たいじゅう)(やく)三分の(いち)がここに(しゅう)(ちゅう)している。防御(ぼうぎょ)という役割(やくわり)()(がい)に、らくだのコブのように栄養(えいよう)(たくわ)える機能(きのう)(そな)えているのだ。


(まん)(おおかみ)()()けるその(いきお)いで、大地(だいち)(かす)かに(ふる)(はじ)めた。


方源(ほうげん)王幕(おうまく)()草原(そうげん)見渡(みわた)すと、()てしなく(ひろ)がる(おおかみ)大群(たいぐん)大地(だいち)(おお)()くしている。視線(しせん)(てん)じて陣営(じんえい)()れば、葛家(かつか)(もの)たちは(いそ)がしくも(みだ)れず作業(さぎょう)()たっていた。北原(ほくげん)で生き()(もの)にとって、獣群(けものむれ)襲来(しゅうらい)日常茶飯事(にちじょうさはんじ)である。そのため蛊師(こし)凡人(ぼんじん)も、(つよ)精神(せいしん)(つちか)ってきたのだ。


真北(まきた)配置(はいち)された第一防衛線(だいいちぼうえいせん)が、最初(さいしょ)戦闘(せんとう)開始(かいし)した。


()て!」見張(みは)(だい)(うえ)()蛊師(こし)指揮官(しきかん)怒鳴(どな)り、()(さき)風刃(ふうじん)(はな)った。


瞬時(しゅんじ)に、周囲(しゅうい)蛊師(こし)たちも一斉(いっせい)攻撃(こうげき)開始(かいし)した。


一列(いちれつ)(なら)んだ風刃(ふうじん)(とお)くへ()び、(やいば)のように空気(くうき)()()いていった。数十頭(すうじゅうとう)亀甲狼(きっこうろう)一瞬(いっしゅん)()()ばされた。


狼群(おおかみむれ)がますます(ちか)づくにつれ、蛊師(こし)たちは風刃(ふうじん)使(つか)うのをやめ、より強力(きょうりょく)火蛊(ひこ)雷蛊(らいこ)などに()()えた。


(またた)()に、戦線(せんせん)無数(むすう)色鮮(いろあざ)やかな(ひかり)(いろど)られ、花火(はなび)一斉(いっせい)()()がるが(ごと)くだった。(ひと)怒号(どごう)(おおかみ)咆哮(ほうこう)風刃(ふうじん)空気(くうき)()()(とが)った(おと)(ひと)つに()じり()い、戰場(せんじょう)(とどろ)いた。


狼群(おおかみむれ)(あめ)のごとき攻撃(こうげき)(もの)ともせず、見事(みごと)前線(ぜんせん)へと突入(とつにゅう)した。最初(さいしょ)(かれ)らがぶつかったのは、(つち)(きず)かれた防壁(ぼうへき)だった。


防壁(ぼうへき)分厚(ぶあつ)(きず)かれ、基部(きぶ)銅鉄(どうてつ)補強(ほきょう)されていた。


無数(むすう)亀甲狼(きっこうろう)(あたま)()ちつけ()まみれになり、その()絶命(ぜつめい)した。


しかし狼群(おおかみむれ)は次々(つぎつぎ)に()()せる。同種(どうしゅ)(しかばね)()(だい)にして()()がろうとする(もの)もいれば、土壁(つちかべ)()っかいて破壊(はかい)しようとする(もの)もいた。


(つづ)いて、南東(なんとう)北東(ほくとう)防衛線(ぼうえいせん)戦闘(せんとう)状態(じょうたい)突入(とつにゅう)した。


喊声(かんせい)(てん)(ふる)わせ、死傷者(ししょうしゃ)()(はじ)めた。治療担当(ちりょうたんとう)蛊師(こし)たちが活躍(かつやく)(はじ)める**。


準備(じゅんび)十分(じゅうぶん)であったため、葛家(かつか)陣営(じんえい)全體(ぜんたい)緊密(きんみつ)かつ秩序(ちつじょ)(ただ)しく機能(きのう)(はじ)めていた。


()ろ!『万獣狼王(ばんじゅうろうおう)』だ!」(だれ)かが方角(ほうがく)指差(ゆびさ)して(さけ)んだ。


人々(ひとびと)はすぐにその(こえ)(ほう)へと()()けた。


その亀甲(きっこう)万獣狼王(ばんじゅうろうおう)は、まさに巨体(きょたい)というに相応(ふさわ)しい。普通(ふつう)亀甲狼(きっこうろう)(じゅう)(ばい)にしても、なおその(おお)きさに(およ)ばない。(うずくま)って()()なく遠吠(とおほ)えを()げ、狼群(おおかみむれ)分岐(ぶんき)させている(さま)は、まさに威圧感(いあつかん)(あふ)()ている**。


亀甲狼(きっこうろう)()れは五、(ろっ)つの隊列(たいれつ)()かれ、葛家(かつか)陣営(じんえい)(かこ)むように攻撃(こうげき)(かい)()めた。防衛線(ぼうえいせん)弱点(じゃくてん)()くためだ。


このようにして、葛家(かつか)陣営(じんえい)四方八方(しほうはっぽう)から(おおかみ)(かこ)まれ、(すべ)ての方角(ほうがく)戦闘(せんとう)(はじ)まった。


戦場(せんじょう)から(はな)れた無名(むめい)(おか)(うえ)では、蛮家(ばんけ)一団(いちだん)蛊虫(こちゅう)使(つか)って()(かく)し、偵察蛊(ていさつこ)(つう)して(とお)くからこの様子(ようす)(なが)めていた。


「ほら()ろ!戦闘(せんとう)(はじ)まりましたね!」家老(かろう)蛮豪(ばんごう)は、他人(たにん)不幸(ふこう)面白(おもしろ)がるように(わら)った。


葛家(かつか)という(やつ)ら、()()があるな。(かわ)(みず)()()んで用水路(ようすいろ)(つく)るとは、(かつ)(ろう)()め!だが、相手(あいて)三万(まん)(とう)()(じょう)亀甲狼(きっこうろう)だ。たとえ葛家(かつか)(ふせ)()れたとしても、手痛(ていた)損害(そんがい)(こうむ)るに(ちが)いない。」蛮轰(ばんごう)()ややかに(わら)いながら()った**。


(かれ)風貌(ふうぼう)族長(ぞくちょう)蛮图(ばんと)酷似(こくじ)しており、蛮家(ばんけ)長男(ちょうなん)である。現在(げんざい)(しゅう)()三転中階(さんてんちゅうかい)である。


少族长(しょうぞくちょう)のおっしゃる(とお)りでございます。葛家(かつか)(かり)最初(さいしょ)狼群(おおかみむれ)(ふせ)()れたとしても、(つぎ)には第二波(だいには)、そして第三波(だいさんは)()っていますからな。」蛮豪(ばんごう)はお世辞(せじ)()った。


蛮轰(ばんごう)長男(ちょうなん)であるが、蛮家(ばんけ)では正式(せいしき)少族长(しょうぞくちょう)として(みと)められていない。しかし蛮豪(ばんごう)はとっくに蛮轰(ばんごう)帰属(きぞく)し、(かれ)(つよ)支持者(しじしゃ)である。「少族长(しょうぞくちょう)」と()ぶのは、お世辞(せじ)であると(おな)()に、将来(しょうらい)への期待(きたい)()められているのだ。


少族长(しょうぞくちょう)?」蛮轰(ばんごう)否定(ひてい)もせず、むしろ(かる)(うなず)いて(はな)(つづ)けた:「(ちち)がこの重要(じゅうよう)任務(にんむ)(わたし)(まか)せてくれた。無事(ぶじ)()()げれば、(おお)きな功績(こうせき)となる。(いえ)(もど)れば、おそらく正式(せいしき)少族长(しょうぞくちょう)指名(しめい)されるだろう。残念(ざんねん)なことに、今回(こんかい)蛮多(ばんた)小僧(こぞう)(いっ)(しょ)()なかった。でもし()ていれば、『(ひと)()()りて(てき)()つ』という()で、あの陰険(いんけん)小僧(こぞう)片付(かたづ)けてやれたのに。」**


蛮多(ばんた)(すこ)しばかり小賢(こざか)しいところがありますが、素質(そしつ)()りず、少族长(しょうぞくちょう)(てき)ではありません。あっ!()てください!百獣王(ひゃくじゅうおう)出陣(しゅつじん)しました!」蛮豪(ばんごう)(さけ)んだ。


百獣王(ひゃくじゅうおう)(からだ)には二転蛊(にてんこ)寄生(きせい)しており、戦闘力(せんとうりょく)(きわ)めて(たか)い。(かれ)らが戦線(せんせん)(くわ)わると、葛家(かつか)前線(ぜんせん)瞬時(しゅんじ)圧力(あつりょく)増大(ぞうだい)した。死傷者(ししょうしゃ)(かず)急激(きゅうげき)()え、(なか)には二、三頭(にさんとう)百獣王(ひゃくじゅうおう)土塀(どべい)破壊(はかい)し、葛家(かつか)防衛線(ぼうえいせん)(ふか)(しょ)()んでいくのであった。


「ははは。」葛家(かつか)蛊師(こし)たちが相次(あいつ)いで戦死(せんし)するのを()て、蛮轰(ばんごう)口元(くちもと)がほころび、満足(まんぞく)げな陰笑(いんしょう)()かべた。時流(じりゅう)()めない(おろ)(もの)めが、蛮家(ばんけ)従属(じゅうぞく)しなかった(むく)いを(いま)(あじ)わっているわけだ。


「ん?」蛮轰(ばんごう)(わら)(ごえ)途切(とぎ)れた。偵察(ていさつ)()(つう)して、一頭(いっとう)百狼王(ひゃくろうおう)が『驭狼蛊(ぎょろうこ)』を()えつけられたのを()にしたからだ。


その百狼王(ひゃくろうおう)(またた)()陣営(じんえい)()え、(ひと)(こえ)遠吠(とおほ)えを()げると、周囲(しゅうい)狼群(おおかみむれ)混乱(こんらん)()()こした。


その(あと)、これらの亀甲狼(きっこうろう)狼王(ろうおう)(したが)い、葛家(かつか)陣営(じんえい)へと(はし)()んだ。そして(ひと)()蛊師(こし)足元(あしもと)(あつ)まって()く。


その蛊師(こし)()つめながら、蛮轰(ばんごう)()(ほそ)めた:「あの(おとこ)は、まさか狼王(ろうおう)常山阴(じょうざんいん)というのか?」**


「その(とお)りでございます。」蛮豪(ばんごう)(たし)かめた。


蛮轰(ばんごう)(はな)(わら)った:「(ちち)は、(かれ)最大(さいだい)変数(へんすう)だと()っていたが。では、一体(いったい)どれほどの力量(りきりょう)があるのか、この()(たし)かめてやろう!」








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