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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第十九節:我々は仙を屠る!

狐仙福地(こせんふくち)西側(にしがわ)(ひろ)がる 大草原(だいそうげん)(みどり)大地(だいち)()てしなく (つづ)き、(あたら)しく ()まれた 子狐(こぎつね)が ひらひらと ()(ちょう)(たわむ)れている。


狐仙福地(こせんふくち)では、(きつね)最強(さいきょう)捕食者(ほしょくしゃ)と して 君臨(くんりん)して いるため、生活(せいかつ)安泰(あんたい)だ。第六次地災(だいろくじちさい)甚大(じんだい)被害(ひがい)()けたが、それでも 火種(ひだね)(まも)られ、広大(こうだい)草原(そうげん)狐群(こぐん)(ゆる)やか ながらも (かく)(じつ)繁栄(はんえい)(つづ)けて いた。


突然(とつぜん)空間(くうかん)(ゆが)み、(ふた)つの (かげ)(あらわ)れ、子狐(こぎつね)(おどろ)かせて ()()せた。


その 二人(ふたり)(うち)一人(ひとり)黒衣(こくい)(おとこ)()(たか)く 堂々(どうどう)とした 風貌(ふうぼう)で、(ゆた)かな 黒髪(くろかみ)双眸(そうぼう)(すみ)のように (くら)(ふか)い。もう一人(ひとり)(いと)おしい ほど ピンクがかった (はだ)少女(しょうじょ)で、(いろ)とりどりの (ころも)(まと)い、(ひとみ)(ほし)のように (かがや)き、背中(せなか)には (ゆき)のように (しろ)い ふわふわとした (きつね)()が あり、尾先(おさき)(ほそ)()微風(そよかぜ)(かす)かに (ふる)えている。


(ほか)(だれ)でも ない。まさに 方源(ほうげん)地霊(ちれい)小狐仙(ここせん)である。


場所(ばしょ)(わる)くない。ここに しよう」方源(ほうげん)一瞥(いちべつ)し、空窶(くうそう)から 洞地蛊(どうちこ)()()した。


その ()(かたち)胡桃(くるみ)の ようで、表面(ひょうめん)木質(もくしつ)で、(かた)凸凹(でこぼこ)して おり、西瓜(すいか)ほどの (おお)きさが ある。


洞地蛊(どうちこ)(たか)五転(ごてん)も する ため、(すく)なくとも 五転巅峰(ごてんてっぽう)蛊師(こし)全力(ぜんりょく)催动(さいどう)して (はじ)めて 成功(せいこう)する。方源(ほうげん)には 当然(とうぜん) 無理(むり)なので、()地霊(ちれい)(わた)した。


小狐仙(ここせん)催動(さいどう)すると、洞地蛊(どうちこ)瞬時(しゅんじ)強烈(きょうれつ)赤芒(せきぼう)爆発(ばくはつ)させ、草地(くさち)()()さった。


霎時(しゅんじ)に、赤光(せっこう)(あま)()き、方円百里(ほうえんひゃくり)大地(だいち)(ふる)()がった。


須臾(しゅゆ)功夫(くふう)で、赤光(せっこう)乍然(さぜん)()え、大地(だいち)一条(いちじょう)裂縫(れっぷう)(ひら)いた。その (なが)さは 二十七丈(にじゅうしちじょう)(およ)んだ。


裂縫(れっぷう)両側(りょうがわ)土壤(どじょう)隆起(りゅうき)し、高空(こうくう)から 見下(みお)ろすと、(あた)(ひと)(くちびる)(ごと)()えた。


(つづ)いて、裂縫(れっぷう)両側(りょうがわ)(ゆる)やかに ()(ひら)き、二列(にれつ)緊湊(きんそう)した 方块巨石(ほうかいきょせき)(あら)われた。それは 彷彿(ほうふつ)として (ひと)()の ようであった。


歯関(しかん)」が ()(ひら)かれた (のち)(なか)には 幽黑(ゆうこく)大洞(だいどう)(あら)わに なった。


「ご主人様(しゅじんさま)、お(なか)()きました……」地裂(じれつ)(くちびる)(ひら)いたり ()じたり しながら、巨大(きょだい)(ひび)きを (はっ)し、付近(ふきん)地面(じめん)(かす)かに (ふる)わせた。


方源(ほうげん)(かる)(わら)い、元老蛊(げんろうこ)()()した。真元(しんげん)駆動(くどう)すると、慈悲深(じひぶか)顔付(かおつ)きの 雲老人(うんろうじん)(かお)から (よろこ)びの 表情(ひょうじょう)が 徐々(じょじょ)に ()(うせ)た——大量(たいりょう)元石(げんせき)()()され、地裂(じれつ)大口(おおぐち)(とう)(にゅう)された からだ。


足足(そくそく) 二十万(にじゅうまん)もの 元石(げんせき)(とう)(にゅう)して ようやく 方源(ほうげん)()め、元老蛊(げんろうこ)(ふたた)空窶(くうそう)(おさ)めた。


地裂(じれつ)大口(おおぐち)は ゆっくりと ()じ、二列(にれつ)巨石(きょせき)()(たが)いに ()()い、()()る ようにして、元石(げんせき)()(くだ)き、粉々(こなごな)に して いった。


そして 「ゴクン」という 巨大(きょだい)(おと)(ひび)いた——まるで (ひと)()(もの)大口(おおぐち)()()む ような (おと)で、地表(ひょう)も その 衝撃(しょうげき)(ふる)えた。


これら 元石(げんせき)()()んだ (あと)地裂(じれつ)大口(おおぐち)(しず)かになり、もはや (おと)()てる ことは なかった。


ここまで ()れば、洞地蛊(どうちこ)完成(かんせい)した と ()える。


この 場所(ばしょ)設置(せっち)された 以上(いじょう)、もはや 移動(いどう)することは できない。鶴風揚(かくふうよう)()子蛊(ここ)(ほう)無事(ぶじ)催動(さいどう)成功(せいこう)すれば、両者(りょうしゃ)(たが)いに (つな)がる ことができる。


洞地蛊(どうちこ)維持(いじ)には 莫大(ばくだい)費用(ひよう)が かかる。一年(いちねん)二十万個(にじゅうまんこ)もの 元石(げんせき)必要(ひつよう)と する。


さらに 使用(しよう)する (たび)ごとに、大量(たいりょう)元石(げんせき)消費(しょうひ)される。


凡人(ぼんじん)蛊師(こし)で、独自(どくじ)に これらを 維持(いじ)できる (もの)が いるだろうか?大規模(だいきぼ)门派(もんぱ)家族(かぞく)(のぞ)けば、蛊仙(こせん)のような 財力(ざいりょく)勢力(せいりょく)()存在(そんざい)で なければ、洞地蛊(どうちこ)独自(どくじ)飼育(しいく)し、駆動(くどう)する ことなど 不可能(ふかのう)だ。


地霊(ちれい)よ、今後(こんご) この 場所(ばしょ)厳重(げんじゅう)防衛(ぼうえい)する 必要(ひつよう)が ある。奴隷(どれい)と した (きつね)()れを、この 一帯(いったい)生息(せいそく)させる のだ」方源(ほうげん)眼前(がんぜん)地裂(じれつ)大口(おおぐち)見据(みす)え、指示(しじ)(くだ)した。


「かしこまりました、ご主人様(しゅじんさま)


……


「我々(われわれ)の (いえ)(まも)る ためには、(たたか)わ なければ ならない!」


「あの (のろ)わしい 仙人(せんにん)が、(ふたた)襲来(しゅうらい)しようと している。我々(われわれ)は 難題(なんだい)に 立ち(むか)わ なければ ならない。(かがや)かしい 未来(みらい)の ために、(ぞく)同胞(どうほう)よ、双拳(そうけん)(かか)げよ!」


「たとえ (ほか)二部族(にぶぞく)(いささ)かな 遺恨(いこん)が あるにしても、それは あくまで 我々(われわれ) 石人一族(せきじんいちぞく)内部(ないぶ)(ちい)さな 矛盾(むじゅん)()ぎない。今回(こんかい) 我々(われわれ) 三部族(さんぶぞく)は、それぞれ 二万(にまん)勇士(ゆうし)出動(しゅつどう)させ、連合軍(れんごうぐん)結成(けっせい)して 西(にし)進軍(しんぐん)し、仙人(せんにん)巣窟(そうくつ)(ただ)ちに ()()ろう」


「これは 偉大(いだい)(たたか)いだ。すべては (たみ)利益(りえき)の ためである」


「我々(われわれ)の (ちち)(おや)たちは、(みずか)らの ()(なが)し、(たましい)()らせて 仙人(せんにん)()(やぶ)り、(いま)平穏(へいおん)()らしを ()()ったのだ。我々(われわれ)は 先人(せんじん)足跡(あしあと)()い、(まえ)(もの)(たお)れれば (うし)ろの (もの)(つづ)き、勇敢(ゆうかん)に** (たたか)わ ねばならない!」


地霊(ちれい)(きつね)()れを 動員(どういん)し、石人部族(せきじんぶぞく)周辺(しゅうへん)に 次々(つぎつぎ)と (あらわ)(はじ)めた。石人(せきじん)指導部(しどうぶ)は この ()(じょう)じて 煽動(せんどう)し、(またた)()連合軍(れんごうぐん)編成(へんせい)した。


連合軍(れんごうぐん)威勢(いせい)よく 隊列(たいれつ)()み、福地(ふくち)西部(せいぶ)()かって 行進(こうしん)した。


道中(どうちゅう)小規模(しょうきぼ)戦闘(せんとう)が 五、六回(ご、ろっかい) (おこな)われたが、いずれも 石人軍(せきじんぐん)勝利(しょうり)()わり、狐群(こぐん)次第(しだい)敗走(はいそう)した。


「あそこを ()ろ! あれが 悪魔(あくま)巣窟(そうくつ)だ!」岩勇(がんゆう)(すす)()て、洞地蛊(どうちこ)(まえ)()った。


大地(だいち)よ、お(まえ)は 我々(われわれ)の (はは)であり、我々(われわれ) 石人一族(せきじんいちぞく)(はぐく)んで くれた。なぜ あの (にく)むべき 仙人(せんにん)(かば)うのだ?」岩勇(がんゆう)悲痛(ひつう)(こえ)(うった)えた。


その(とき)地割(じわれ)大口(おおぐち)(ひら)き、小狐仙(ここせん)()(もち)いて (こえ)()えた。


石人軍(せきじんぐん)(みみ)に したのは、(やさ)しい 女性(じょせい)(こえ)だった:「石人(せきじん)よ、()()らよ。(わたし)仙人(せんにん)(かば)っている わけでは ない。あの 仙人(せんにん)(わたし)(はら)(はい)り、心臓(しんぞう)巣食(すく)って、(わたし)(おど)庇護(ひご)(もと)めて いるのだ。(いま) (くち)(ひら)くから、どうか (かれ)()(ほろ)ぼして くれ。(わたし)はあなた(かた)祝福(しゅくふく)(さず)けよう」


石人(せきじん)たちは 驚愕(きょうがく)し、すぐに 熱狂的(ねっきょうてき)歓声(かんせい)()げた。


大地母神(だいちぼしん)(くち)(ひら)かれた!」


「我々(われわれ)は 大地母神(だいちぼしん)祝福(しゅくふく)された 勇士(ゆうし)だ!」


仙人(せんにん)とは (なん)卑劣(ひれつ)存在(そんざい)か!我々(われわれ)の (いつく)しみ (ふか)(やさ)しい 大地母神(だいちぼしん)脅迫(きょうはく)する とは。(かなら)ず こいつを 八ツ(やつざ)きに して ()せる!」


石人連合軍(せきじんれんごうぐん)士気(しき)(おお)いに (たか)まった。


地割(じわれ)大口(おおぐち)が すぐに (ひら)かれ、岩勇(がんゆう)()(さき)(すす)()(さけ)んだ:「石人(せきじん)よ、(われ)(つづ)け!」


そう ()うと、(かれ)穴口(あなぐち)()()んだ。


突撃(とつげき)だ!我々(われわれ)の 英雄(えいゆう)孤軍(こぐん)(たたか)わせる わけには いかない!」


(すす)め!我々(われわれ)に (おそ)れる ものは (なに)も ない!我々(われわれ)に 不可能(ふかのう)は ない!仙人(せんにん)()(ほろ)ぼすのだ!」


大地母神(だいちぼしん)味方(みかた)して くださる。この (たたか)い、我々(われわれ)の 必勝(ひっしょう)()まった!」


石人(せきじん)たちは 次々(つぎつぎ)と 餃子(ぎょうざ)のように、地割(じわれ)大口(おおぐち)()()んで いった。


暗闇(くらやみ)(つつ)まれた (ふか)洞窟(どうくつ)(なか)落下(らっか)し、しばらくして (かた)地面(じめん)着地(ちゃくち)した。


「ここは どこだ?(なに)()えない 真っ暗闇(まっくらやみ)じゃ ないか」


地下(ちか)より (くら)くて、まったく 視界(しかい)が きかない」「(なに)()えなければ、どうやって (たたか)う というのだ?」


石人(せきじん)たちが 困惑(こんわく)していると、突然(とつぜん) 巨大(きょだい)咳払(せきばら)いの (おと)(ひび)いた。一団(いちだん)(ひかり)(あたま)(うえ)突然(とつぜん) ()け、急流(きゅうりゅう)のような 気流(きりゅう)瞬時(しゅんじ)発生(はっせい)し、(かれ)らを (つつ)()んで 噴射(ふんしゃ)()した。


二百三十匹(にひゃくさんじゅっぴき)二百四十匹(にひゃくよんじゅっぴき)……」仙鶴門(せんかくもん)弟子(でし)洞地蛊(どうちこ)子蛊(ここ)(そば)()ち、()()される 石人(せきじん)(こま)かく (かぞ)(つづ)けていた。


地割(じわれ)大口(おおぐち)から ()()された 石人(せきじん)たちは、地面(じめん)(たた)き つけられると、即座(そくざ)仙鶴門(せんかくもん)弟子(でし)たちに 制圧(せいあつ)され、抵抗(ていこう)する ことも (うご)く ことも できなかった。


岩勇(がんゆう)数名(すうめい)石人長老(せきじんちょうろう)は、(そば)らに ()ち、(まゆ)()れ、(あたま)(ひく)く して この 光景(こうけい)()つめ、(こえ)(ひそ)めて いた。寒蝉(かんぜん)(ごと)(ふる)()がりながら。


方源(ほうげん)(もてあそ)ばれて 激怒(げきど)した 鶴風揚(かくふうよう)だったが、結局(けっきょく) 大局(たいきょく)(かえり)みて、衝動(しょうどう)()られて 洞地蛊(どうちこ)子蛊(ここ)(にぎ)(つぶ)す ことは なく、飛鶴山(ひかくざん)()()けた。


そして 石人(せきじん)については……


方源(ほうげん)は、(かれ)らの 大地母神信仰(だいちぼしんしんこう)利用(りよう)し、さらに (きつね)()れと、石人上層部(せきじんじょうそうぶ)協力(きょうりょく)()りる ことで、(なん)なく 六万(ろくまん)(わか)石人(せきじん)(だま)し、飛鶴山(ひかくざん)誘導(ゆうどう)して ()()ばしたの だった。


(ひと)万物(ばんぶつ)霊長(れいちょう)である。


この 世界(せかい)には、正統(せいとう)人祖(じんそ)血脈(けつみゃく)()人族(じんぞく)(ほか)に、「異人(いじん)」と ()ばれる 種族(しゅぞく)存在(そんざい)する。


異人(いじん)(ほか)生命(せいめい)よりは (かしこ)いが、人族(じんぞく)知恵(ちえ)には (とお)(およ)ばない。毛民(もうみん)無邪気(むじゃき)蛋人(たんじん)純真(じゅんしん)石人(せきじん)愚直(ぐちょく)である……


七、八歳(なな、はっさい)の 利口(りこう)子供(こども)でも、簡単(かんたん)(かれ)らを (だま)せる。南疆(なんきょう)でも 中洲(ちゅうしゅう)でも、こんな (はなし)が よく ある——どこそこの とある 子供(こども)が、毛民(もうみん)石人(せきじん)出会(であ)い、(まち)まで うまく (だま)()れて ()く。異人(いじん)()られた (あと)でも (なに)()づかず、(うれ)しそうに (かね)(かぞ)え ている という のだ。


この 取引(とりひき)決算(けっさん)()方源(ほうげん)手元(てもと)(のこ)った のは、わずか 百六十万(ひゃくろくじゅうまん)(あま)りの 元石(げんせき)だった。


六万(ろくまん)石人(せきじん)(わか)くて 力強(ちからづよ)いが、一匹(いっぴき)泥沼蟹(でいしょうかに)ほどの 価値(かち)も ない。方源(ほうげん)は さらに、以前(いぜん)()煉成(れんせい)使(つか)った 材料(ざいりょう)(だい)支払(しはら)わなければならず、洞地蛊(どうちこ)使用(しよう)六万五千(ろくまんごせん)もの 元石(げんせき)消耗(しょうもう)し、同時(どうじ)普通(ふつう)材料(ざいりょう)購入(こうにゅう)していた。


鶴風揚(かくふうよう)方源(ほうげん)仕返(しかえ)しする ため、価格(かかく)一割(いちわり) ()()げ、方源(ほうげん)要求(ようきゅう)した 品物(しなもの)大幅(おおはば)削減(さくげん)した。


方源(ほうげん)()に しなかった。(かれ)本当(ほんとう)(もと)めていた ものは、とっくに ()()れていた からだ。


取引(とりひき)完了(かんりょう)した (あと)岩勇(がんゆう)石人(せきじん)たちは 洞地蛊(どうちこ)(つう)じて 狐仙福地(こせんふくち)帰還(きかん)した。どう 説明(せつめい)するかは、方源(ほうげん)が もう 指示(しじ)して あった。石人部族(せきじんぶぞく)反発(はんぱつ)する ことは ない だろう。たとえ 反発(はんぱつ)しても、(ころ)して (あたら)しい ()れを 飼育(しいく)すれば よい。どうせ 蕩魂山(とうこんざん)には まだまだ 胆石(たんせき)が たっぷり ある。


方源(ほうげん)(こころ)()()けて、修行(しゅぎょう)(はげ)んだ。


しかし、(かれ)四転巅峰(してんてっぽう)到達(とうたつ)すると、九眼酒虫(きゅうがんしゅちゅう)は その 役目(やくめ)()えた。酒虫(しゅちゅう)真元(しんげん)(しつ)(たか)める ことができるが、それ で 向上(こうじょう)できる のは 一小境界(いっしょうきょうかい)まで だ。方源(ほうげん)四転巅峰(してんてっぽう)(たっ)した 時点(じてん)で、(かれ)真元(しんげん)最上質(さいじょうしつ)真金(しんきん)真元(しんげん)と なり、すでに 頂点(ちょうてん)(たっ)していた。さらに ()げようと すれば、それは 五转初阶(ごてんしょかい)淡紫(たんし)真元(しんげん)に なら なければ ならない。


方源(ほうげん)九眼酒虫(きゅうがんしゅちゅう)封印(ふういん)して 保管(ほかん)することに した。


この ()は、青茅山(せいぼうざん)(はじ)まり、(かれ)(とも)(ある)んで きた 相棒(あいぼう)だった。一転(いってん)酒虫(しゅちゅう)から、幾度(いくど)もの 合成煉成(ごうせいれんせい)()て、(いま)四転(してん)に まで 成長(せいちょう)した が、ついに その 役目(やくめ)()えたの だった。


真金真元(しんきんしんげん)だけを (もっ)空窶(くうそう)洗練(せんれん)して いく ことに なった 方源(ほうげん)修行(しゅぎょう)進度(しんど)は、一気(いっき)緩慢(かんまん)に なった。


もっとも、狐仙福地(こせんふくち)に いる ため、(そと)普通(ふつう)蛊師(こし)(くら)べれば、方源(ほうげん)修行速度(しゅぎょうそくど)依然(いぜん)として (すく)なくとも 五倍(ごばい)(はや)かった。


「このまま 修行(しゅぎょう)(つづ)ければ、七回目(ななかいめ)地災(ちさい)()(ころ)には、(すく)なくとも 五転中階(ごてんちゅうかい)境地(きょうち)(たっ)し、高階(こうかい)(ちか)づいている だろう」


方源(ほうげん)現在(げんざい) 甲等(こうとう)資質(ししつ)()ち、五転(ごてん)への 突破(とっぱ)問題(もんだい)ない。しかし 蛊師(こし)修行(しゅぎょう)は、後期(こうき)に なれば なるほど、向上(こうじょう)(よう)する 時間(じかん)(なが)くなる。


五転中階(ごてんちゅうかい)と いう 見通(みとお)しは、(かれ)()に する 紫晶舍利蛊(ししょうしゃりこ)効果(こうか)計算(けいさん)()れた (うえ)での ものだ。


現在(げんざい)(かれ)実力(じつりょく)は、五百年前(ごひゃくねんまえ)前世(ぜんせ)同時期(どうじき)(くら)べると、比較(ひかく)に ならないほど (すぐ)れている。(いま) 三十歳(さんじゅっさい)()えて いるが、すでに 四転巅峰(してんてっぽう)(いき)(たっ)している。五百年前(ごひゃくねんまえ)前世(ぜんせ)では、(おな)年頃(としごろ)に まだ 二转(にてん)境界(きょうかい)で もがいて いたの だった。


「しかし この 速度(そくど)では、やはり (おそ)すぎる。福地(ふくち)には 七回目(ななかいめ)地災(ちさい)()()けて いるし、(なに)より 春秋蝉(しゅんじゅうせみ)という 巨大(きょだい)内患(ないかん)(ひそ)んでいるのだ**!」


方源(ほうげん)計算(けいさん)してみた。最大(さいだい)三年(さんねん)() までには、福地(ふくち)(はな)れ、一連(いちれん)冒険(ぼうけん)()なければ ならない。(すく)なくとも 水到渠成蛊(すいとうきょせいこ)か、あるいは 馬到成功蛊(ばとうせいこうこ)()()れ、春秋蝉(しゅんじゅうせみ)作用(さよう)させ、より (おお)くの 活路(かつろ)(もと)めねば ならない。


「ああ!もし 可能(かのう)なら、鳳金煌(ほうきんこう)のように、狐仙福地(こせんふくち)修行(しゅぎょう)(つづ)け、蛊仙(こせん)境地(きょうち)(たっ)した (あと)(おも)存分(ぞんぶん)天地(てんち)縦横(じゅうおう)()(めぐ)り たい ものだ……」


春秋蝉(しゅんじゅうせみ)蛊師(こし)重生(ちょうせい)させる こと 自体(じたい)(たし)かだが、それには (きわ)めて (おお)くの 制限(せいげん)が ある。たとえ 重生(ちょうせい)成功(せいこう)しても、それ が 空窶(くうそう)破裂(はれつ)させる ことには (つね)警戒(けいかい)して いなければ ならない。この 重大(じゅうだい)欠点(けってん)さえ なければ、方源(ほうげん)修行(しゅぎょう)何倍(なんばい)余裕(よゆう)の ある ものに なった だろう。


「これから 三年間(さんねんかん) は、()煉成(れんせい)する 一方(いっぽう)で、胆石(たんせき)使(つか)って (ふたた)石人(せきじん)増強(ぞうきょう)し、()えず 販売(はんばい)して、様々(さまざま)な 資源(しげん)交換(こうかん)する ことになる」


しかし 方源(ほうげん)計画(けいかく)()く ても、運命(うんめい)(ろう)ぶ ところ には (およ)ばなかった。


わずか 一ヶ(いっかげつ)(あま)()重大(じゅうだい)変故(へんこ)()き、(かれ)予定(よてい)より (おお)きく 前倒(まえだお)しで 福地(ふくち)旅立(たびだ)た ざるを ()なく なった。





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