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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
422/553

第十七節 幽魂魔尊

ごぼごぼごぼ……


五人(ごにん)(ぶん)(たか)さがある 巨大(きょだい)(いし)(かなえ)(なか)で、青藍色(せいらんしょく)液体(えきたい)()()なく (あわ)()てていた。


水面(すいめん)沸騰(ふっとう)している ように ()えたが、実際(じっさい)()たい 寒気(かんき)(あふ)()ており、たとえ 石人(せきじん)()()ばしても、瞬時(しゅんじ)(こお)り ついてしまうほどだった。


方源(ほうげん)大鼎(おおかなえ)(まえ)に 立ち、一方(いっぽう)()(くば)注意深(ちゅういぶか)調整(ちょうせい)しながら、他方(たほう)元老蛊(げんろうこ)()()した。


(かれ)複数(ふくすう)動作(どうさ)同時(どうじ)(おこ)ない、元老蛊(げんろうこ)駆動(くどう)して、そこから 無数(むすう)元石(げんせき)()()させた。


ざぶん、ざぶん、ざぶん……


元石(げんせき)(かなえ)(なか)()ち、さざなみのような 水飛沫(みずしぶき)()げた。


元老蛊(げんろうこ)三転(さんてん)貯蔵用(ちょぞうよう)()で、最大(さいだい) 百万個(ひゃくまんこ)元石(げんせき)収納(しゅうのう)できる。水晶玉(すいしょうだま)のような 形状(けいじょう)で、半透明(はんとうめい)球体(きゅうたい)(なか)には、(くも)のような (かすみ)凝縮(ぎょうしゅく)して 雲老人(うんろうじん)形成(けいせい)している。(なか)貯蔵(ちょぞう)された 元石(げんせき)(おお)ければ、雲老人(うんろうじん)笑顔(えがお)()かべ、(すく)なければ ()(がお)に なる。


大量(たいりょう)元石(げんせき)投入(とうにゅう)される につれて、雲老人(うんろうじん)笑顔(えがお)は 徐々(じょじょ)に ()え、(にが)々(にが)しい 表情(ひょうじょう)()わっていった。


方源(ほうげん)今回(こんかい) ()煉成(れんせい)するのに、前後(ぜんご) 五十万個(ごじゅうまんこ)もの 元石(げんせき)消耗(しょうもう)した。


以前(いぜん)なら、とても こんな 消耗(しょうもう)には ()えられなかっただろう。しかし (いま)(かれ)資金力(しきんりょく)潤沢(じゅんたく)だ。荒獣泥沼蟹(こうじゅうでいしょうかに)売却(ばいきゃく)し、さらに (おお)くの 元石(げんせき)購入(こうにゅう)した ため、手元(てもと)には なお 六百万個(ろっぴゃくまんこ)以上の 元石(げんせき)(のこ)っている。


元石(げんせき)投入(とうにゅう)されると、大鼎(おおかなえ)(なか)巨大(きょだい)(うず)(しょう)じ、青藍色(せいらんしょく)液体(えきたい)急速(きゅうそく)回転(かいてん)させた。大鼎(おおかなえ)自体(じたい)(かす)かに (ふる)(はじ)めた。


方源(ほうげん)今回(こんかい) ()煉成(れんせい)するのに、前後(ぜんご) 五十万個(ごじゅうまんこ)もの 元石(げんせき)消耗(しょうもう)した。


以前(いぜん)なら、とても こんな 消耗(しょうもう)には ()えられなかっただろう。しかし (いま)(かれ)資金力(しきんりょく)潤沢(じゅんたく)だ。荒獣泥沼蟹(こうじゅうでいしょうかに)売却(ばいきゃく)し、さらに (おお)くの 元石(げんせき)購入(こうにゅう)した ため,手元(てもと)には なお 六百万個(ろっぴゃくまんこ)以上の 元石(げんせき)(のこ)っている。


元石(げんせき)投入(とうにゅう)されると、大鼎(おおかなえ)(なか)巨大(きょだい)(うず)(しょう)じ、青藍色(せいらんしょく)液体(えきたい)急速(きゅうそく)回転(かいてん)させた。大鼎(おおかなえ)自体(じたい)(かす)かに (ふる)(はじ)めた。


蛊煉(これん)最大(さいだい)山場(やまば)(むか)え、方源(ほうげん)(すべ)ての 精神(せいしん)集中(しゅうちゅう)させ、もはや ()()余裕(よゆう)など なかった。


(ひたい)(あせ)(たま)()かび、(かれ)は かすかな (こえ)()びかけた:「地霊(ちれい)よ」


「はい!」小狐仙(ここせん)()んだ (こえ)(こた)え、(あわ)てて 銀塊(ぎんかい)一塊(ひとかたまり) また 一塊(ひとかたまり)大鼎(おおかなえ)(とう)(にゅう)した。


銀塊(ぎんかい)(みず)()ちる と、すぐに (うず)回転速度(かいてんそくど)(ゆる)やかに なっていった。


次々(つぎつぎ)と (とう)(にゅう)される 銀塊(ぎんかい)によって、ついに 鼎内(かなえない)水面(すいめん)(しず)まり、銀色(ぎんいろ)(かた)(こおり)()した。


最後(さいご)には、(かなえ)(なか)液体(えきたい)完全(かんぜん)凍結(とうけつ)し、大量(たいりょう)銀色(ぎんいろ)冷気(れいき)蔓延(まんえん)して 大鼎(おおかなえ)(おお)い、さらには 五歩(ごほ)ほど (さき)まで (ひろ)がり、地面(じめん)銀色(ぎんいろ)()め上げた。方源(ほうげん)(ふか)(いき)()()した:「三日間(みっかかん)も かかった 蛊煉(これん)が、ついに 一段落(いちだんらく)ついた。さあ、()よ!」


銀色(ぎんいろ)氷塊(ひょうかい)(くだ)()り、無数(むすう)蛊虫(こちゅう)()()してきた。


これらの ()は すべて 三転蛊(さんてんこ)で、(かたち)(ちい)さな (さかずき)の ようであり、また ラッパ(じょう)(はな)にも ()ている。()のひらを (ひろ)げれば、十分(じゅうぶん)三匹(さんびき)()()せることが できる 大き(おおき)さだ。


それらは 全身(ぜんしん) 銀色(ぎんいろ)(かがや)き、液体(えきたい)()れる ための 貯蔵用(ちょぞうよう)()として 使(つか)われる。


小狐仙(ここせん)注意深(ちゅういぶか)(かぞ)え、顔中(かおじゅう)()みを ()かべて ()(はっ)しながら ()(まわ)った:「137(ひゃくさんじゅうなな)、146(ひゃくよんじゅうろく)、159(ひゃくごじゅうきゅう)! ご主人様(しゅじんさま)、すごいです! 一度(いちど)に 159(ひゃくごじゅうきゅうひき)もの 三転蛊(さんてんこ)煉成(れんせい)できました。これで たくさん ()れますよ! でも これらの ()(なん)という 種類(しゅるい)ですか?」


「ははは、これらは 銀盞蛊(ぎんさんこ)だ。(つぎ)煉成(れんせい)使(つか)予定(よてい)なので、()ったりは しないよ」方源(ほうげん)(かる)(わら)った。


この 銀盞蛊(ぎんさんこ)は、(じつ)方源(ほうげん)前世(ぜんせ)から 三百八十年(さんびゃくはちじゅうねん)()に、とある 蛊仙(こせん)によって (はじ)めて 研製(けんせい)された 蛊虫(こちゅう)である。これらを ()(かえ)合成煉成(ごうせいれんせい)していくことで、五転(ごてん)到達(とうたつ)した (とき)(はじ)めて 方源(ほうげん)(もと)める ()と なるのだった。


(いま) ()る わけには いかない。


「ここ 数日間(すうじつかん)多量(たりょう)胆識蛊(たんしきこ)使(つか)って、魂魄(こんぱく)常人(じょうじん)五十二倍(ごじゅうにばい)まで 強化(きょうか)した。だからこそ、さほど 疲労(ひろう)せずに、一度(いちど)に これほど (おお)くの ()煉成(れんせい)できたのだ」方源(ほうげん)今回(こんかい)煉蛊(れんこ)成果(せいか)(おお)いに 満足(まんぞく)していた。


魂魄(こんぱく)素養(そよう)(たか)まった 恩恵(おんけい)は、(いま) まさに 様々(さまざま)な (かたち)(あら)われ (はじ)めているのだった。


もし 鶴風揚(かくふうよう)が この 光景(こうけい)()に したなら、もう 二度(にど)方源(ほうげん)軽視(けいし)する ことなど できなくなるだろう。方源(ほうげん)()せた 蛊煉(これん)造詣(ぞうけい)は、もはや (かれ)を はるかに 凌駕(りょうが)している のだから。


しかし、方源(ほうげん)(あたま)は まだ 少し 眩暈(めまい)が していた。


()煉成(れんせい)する たびに、魂魄(こんぱく)には 負担(ふたん)が かかり、大量(たいりょう)精神(せいしん)消耗(しょうもう)する。ましてや 方源(ほうげん)の ような 大規模(だいきぼ)煉成(れんせい)ならば、なおさらだ。


以前(いぜん)なら、方源(ほうげん)神魂(しんこん)回復(かいふく)するには、休息(きゅうそく)し、静養(せいよう)し、睡眠(すいみん)()る しか なかった。しかし (いま)(かれ)には もっと 良い(よい) 方法(ほうほう)が ある。


地霊(ちれい)よ、この 大鼎(おおかなえ)は もう 使(つか)えなくなった。処分(しょぶん)して おいてくれ。私は (そと)()て 少し 散歩(さんぽ)してくる」


「はい、ご主人様(しゅじんさま)小狐仙(ここせん)は すぐに (いき)()らせながら (はたら)(はじ)めた。


三、四日(さん、よっか)が ()つ うちに、蕩魂山(とうこんざん)には (ふたた)大量(たいりょう)胆石(たんせき)凝結(ぎょうけつ)していた。


方源(ほうげん)何気(なにげ)なく 数個(すうこ)胆石(たんせき)()(くだ)いた。()()した 胆識蛊(たんしきこ)瞬時(しゅんじ)(かれ)魂魄(こんぱく)回復(かいふく)させ、さらには かすかに 強化(きょうか)さえ した。方源(ほうげん)(またた)く うちに 眩暈(めまい)完全(かんぜん)()え、(なん)(かんが)えるにも 電光(でんこう)のように (すばや)思考(しこう)できる ようになったのを (かん)じた。


(かれ)気持(きも)()(ほが)らかに (わら)(こえ)()げた:「さすがは 神話(しんわ)(つた)わる 胆識蛊(たんしきこ)よ!その 効能(こうのう)(じつ)絶妙(ぜつみょう)という ほかない。今日(きょう)こそ、この 魂魄(こんぱく)極限(きょくげん)まで 強化(きょうか)して やろう!」


六十八倍(ろくじゅうはちばい)! 方源(ほうげん)心身(しんしん)爽快(そうかい)で、動作(どうさ)無比(むひ)軽快(けいかい)なのを (かん)じた。


七十七倍(ななじゅうななばい)! 方源(ほうげん)思考(しこう)電光石火(でんこうせっか)(ごと)く、(ひと)つひとつの (ねん)火花(ひばな)のように (ひらめ)いた。


八十五倍(はちじゅうごばい)! 方源(ほうげん)魂魄(こんぱく)(つよ)さは、もはや 肉体(にくたい)収容限界(しゅうようげんかい)(かす)かに ()(はじ)めていた。


九十二倍(きゅうじゅうにばい)! 方源(ほうげん)(みずか)らの 魂魄(こんぱく)明確(めいかく)(かん)()ることが できた。感覚的(かんかくてき)には、魂魄(こんぱく)灰白色(かいはくしょく)で、外見(がいけん)方源(ほうげん)顔貌(がんぼう)寸分(すんぶん)(たが)わないが、ただ (きわ)めて 強靭(きょうじん)で、筋肉(きんにく)は 隆々(りゅうりゅう)と ()()がり、体格(たいかく)(くま)(とら)の ようだった。一方(いっぽう) 方源(ほうげん)肉体(にくたい)は、健康(けんこう)では あるが、(おおかみ)のような 背中(せなか)(はち)のような くびれ(ごし)という 引き(ひきし)まった 体付(からだつ)きで しかない。魂魄(こんぱく)が この 肉体(にくたい)(おさ)まっているのは、まるで ()()まれている ような (かん)じがした。


もはや 限界(げんかい)(たっ)したの だろうか?


九十三倍(きゅうじゅうさんばい)! 方源(ほうげん)が さらに 胆識蛊(たんしきこ)一体(いったい) 吸収(きゅうしゅう)すると、魂魄(こんぱく)は さらに 強化(きょうか)された。今回(こんかい) 方源(ほうげん)(かん)じた 快感(かいかん)前代未聞(ぜんだいみもん)の ものだった——この 歓喜(かんき)は、麻薬(まやく)陶酔感(とうすいかん)も、美食(びしょく)悦楽(えつらく)も、男女(だんじょ)交歓(こうかん)も すべて 百倍(ひゃくばい)凌駕(りょうが)する ほどの 絶妙(ぜつみょう)な ものだった!(はがね)(ごと)硬漢(こうかん)である 方源(ほうげん)でさえも、(おも)わず 嗚咽(おえつ)にも ()(うめ)(ごえ)()らした。


言葉(ことば)(あらわ)せない ほどの 恍惚(こうこつ)陶酔(とうすい)——(ひと)無限(むげん)悦楽(えつらく)(ひた)らせ、その (あじ)わいは ()きる ことを ()らない。


しかし 方源(ほうげん)(ひとみ)(つめ)たい (ひかり)(はし)った。(かれ)警戒心(けいかいしん)(いだ)いたの だった。


(ふたた)胆石(たんせき)()(くだ)き、魂魄(こんぱく)を さらに 強化(きょうか)する。今度(こんど)快感(かいかん)は、前回(ぜんかい)数倍(すうばい)強烈(きょうれつ)だった!


九十七倍(きゅうじゅうななばい)九十八倍(きゅうじゅうはちばい)九十九倍(きゅうじゅうきゅうばい)


(たましい)奥底(おくそこ)から ()()がる この 快感(かいかん)は、方源(ほうげん)全身(ぜんしん)(ふる)わせ、(ほね)(ずい)まで ()(わた)る ような (しび)れる ような 快楽(かいらく)は、もはや 言葉(ことば)では ()(あらわ)せない ほどの ものだった。


百倍(ひゃくばい)


(くる)おしい ほどの 陶酔感(とうすいかん)が、まるで 竜巻(たつまき)のように 方源(ほうげん)(おそ)い、(かれ)は あやうく ()(うしな)い かけた。


限界(げんかい)だ!これ以上(いじょう) 胆識蛊(たんしきこ)使(つか)っては ならない!」方源(ほうげん)()舌先(したさき)()み、(いた)みを ()りて (みずか)らの 意識(いしき)(たも)ち、陶酔(とうすい)(おぼ)れる ことなく 清醒(せいせい)(たも)った。


普通(ふつう)人間(にんげん)魂魄(こんぱく)強化(きょうか)できる 限界(げんかい)百倍(ひゃくばい)まで——(ぞく)に 「百人魂(ひゃくにんたま)」と ()ばれる 境地(きょうち)である!


これが 生死(せいし)限界点(げんかいてん)でも ある。もし これ以上(いじょう) 魂魄(こんぱく)を ほんの わずかでも 強化(きょうか)しようと すれば、魂魄(こんぱく)は 「パン」という (おと)(とも)爆散(ばくさん)する。ちょうど ()()ぎて (はら)(やぶ)れる ように。しかし 魂魄(こんぱく)爆散(ばくさん)は、(はら)(やぶ)れる ことよりも はるかに 深刻(しんこく)結果(けっか)(まね)く。魂魄(こんぱく)完全(かんぜん)消散(しょうさん)し、瞬時(しゅんじ)消滅(しょうめつ)する。肉体(にくたい)は しばらく ()たれるが、やがて 徐々(じょじょ)に 腐乱(ふらん)して 白骨(はっこつ)()してしまうのだ。


もし 方源(ほうげん)が この 陶酔感(とうすいかん)(おぼ)れて、もう 一匹(いっぴき) 胆識蛊(たんしきこ)使(つか)って しまったら、(かれ)春秋蝉(しゅんじゅうせみ)駆動(くどう)する 機会(きかい)さえ ()られず、即座(そくざ)滅亡(めつぼう)し、この 世界(せかい)から 完全(かんぜん)()()って しまうだろう。


残念(ざんねん)ながら ()手元(てもと)には 落魄谷(らくはくたに)が ない。あの (たに)には 迷惘(めいぼう)(きり)が 立ち()め、魂魄(こんぱく)(ゆる)()らせる。さらに 落魄風(らくはくふう)()(すさ)び、魂魄(こんぱく)()()る。魂魄(こんぱく)が このような 拷問(ごうもん)にも ()苦痛(くつう)()()く ことで、より 一層(いっそう) 凝縮(ぎょうしゅく)され、純粋(じゅんすい)(きた)()げられる のだが」方源(ほうげん)(こころ)(なか)残念(ざんねん)そうに 嘆息(たんそく)した。


魂魄(こんぱく)(たん)(つよ)く なる だけでは、それは (たん)なる 数量(すうりょう)(てき)優位性(ゆういせい)()ぎない。さらに 鍛錬(たんれん)(かさ)ね、凝縮(ぎょうしゅく)される ことで、(はじ)めて 質量(しつりょう)(てき)優位性(ゆういせい)()る のである。


この 世界(せかい)には、魂魄(こんぱく)修行(しゅぎょう)特化(とっか)した 蛊師(こし)たちが 数多(あまた)おり、(かれ)らは 総称(そうしょう)して 「魂道蛊師(こんどうこし)」と ()ばれる。魂道(こんどう)近古時代(きんこじだい)に その (かがや)きを (きわ)めた 流派(りゅうは)である。力道(りきどう)(いま)衰退(すいたい)する (なか)魂道(こんどう)は その 創始(そうし)以来(いらい) (おとろ)える ことなく、(いま)でも 主要(しゅよう)流派(りゅうは)一角(いっかく)()めている。


この 魂道(こんどう)創始(そうし)した 蛊師(こし)は、世界史(せかいし)(なか)でも 赫々(かっかく)たる 名声(めいせい)(とどろ)かせている。


その ()幽魂魔尊(ゆうこんまそん)


九転(きゅうてん)蛊仙(こせん)として、宇宙(うちゅう)見下(みお)ろし、蒼生(そうせい)蔑視(べっし)する まさに 天下無敵(てんかむてき)存在(そんざい)であり、整整(せいせい)一時代(いちじだい)支配(しはい)した 伝説的(でんせつてき)人物(じんぶつ)である。


同時に(どうじに)、(かれ)史上(しじょう) 最大(さいだい)殺性(さっせい)()九転蛊仙(きゅうてんこせん)でも あった。


すべての 仙尊(せんそん)魔尊(まそん)(なか)で、(かれ)(ころ)した (もの)(かず)は 最も(もっとも) (おお)かった。(かれ)暗黒(あんこく)時代(じだい)には、五大大域(ごだいたいいき)は すべて (かれ)屠殺場(とさつじょう)()し、万物(ばんぶつ)(こえ)(ひそ)めて (かれ)裁断(さいだん)()(しの)び、抵抗(ていこう)する (ちから)も なかった。


幽魂魔尊(ゆうこんまそん)は かつて こう ()った:「天下(てんか)(なか)で、(たましい)(さか)んに するには 蕩魂山(とうこんざん)最適(さいてき)(たましい)(きた)えるには 落魄谷(らくはくたに)最適(さいてき)である。この 一山一谷(いっさんいっこく)()()れれば、(かなら)ずや 魂道(こんどう)大成(たいせい)し、()縦横(じゅうおう)(わた)(ある)く ことも (なん)しくは ない」


したがって、蕩魂山(とうこんざん)落魄谷(らくはくたに)は、魂道蛊修(こんどうこしゅう)たちの (こころ)(なか)では、(なら)()二大聖地(にだいせいち)なのである。


方源(ほうげん)蕩魂山(とうこんざん)()()れた こと自体(じたい)が、すでに 奇跡的(きせきてき)幸運(こううん)であり、重生(ちょうせい)()()かした (おお)きな (とく)だった。しかし 落魄谷(らくはくたに)まで ()()れようと するのは、希望(きぼう)(きわ)めて 渺茫(びょうぼう)だ——(かれ)落魄谷(らくはくたに)が どこに あるのか、まったく ()らない のだから。


「しかし、落魄谷(らくはくたに)が なくとも、(ほか)魂道蛊虫(こんどうこちゅう)代用(だいよう)することは できる。神魂蛊(しんこんこ)龍魂蛊(りゅうこんこ)氷魂蛊(ひょうこんこ)夢魂蛊(むこんこ)月魂蛊(げっこんこ)将魂蛊(しょうこんこ)怨魂蛊(おんこんこ)詩魂蛊(しこんこ) などなど、いずれも (わたし)魂魄(こんぱく)(きた)()げ、(たましい)を さらに (つよ)く し、百人魂(ひゃくにんたま)限界(げんかい)突破(とっぱ)して 千人魂(せんにんたま)へ、さらには 万人魂(まんにんたま)へと 到達(とうたつ)させる ことができる」


これらの 蛊虫(こちゅう)は、仙鶴門(せんかくもん)から 入手(にゅうしゅ)する わけには いかない。魂魄(こんぱく)直接(ちょくせつ) 作用(さよう)する ()に、もし 仙鶴門(せんかくもん)(なに)細工(さいく)(ほどこ)していたら、あまりに 危険(きけん)すぎる。しかし、これらの ()合成煉成(ごうせいれんせい)秘方(ひほう)は、方源(ほうげん)も ほとんど ()らない。さらに 重要(じゅうよう)なのは、(かれ)が まだ ()めかねている こと——いったい どの 蛊虫(こちゅう)自分自身(じぶんじしん)最適(さいてき)なのか という ことだ。


現状(げんじょう)では、百人魂(ひゃくにんたま)十分(じゅうぶん) 当面(とうめん)局面(きょくめん)対処(たいしょ)できる。(いま)石人(せきじん)売買(ばいばい)(ちから)(そそ)ぐべきだ」方源(ほうげん)思考(しこう)一瞬(いっしゅん) (ひろ)がったが、すぐに 収束(しゅうそく)させた。


荒獣泥沼蟹(こうじゅうでいしょうかに)は すべて 売却(ばいきゃく)()みで、(つぎ)取引(とりひき)では、方源(ほうげん)胆石(たんせき)()る つもりは なかった。


胆石(たんせき)()(わた)せば、仙鶴門(せんかくもん)戦力(せんりょく)強化(きょうか)する ことになり、それは (かれ)(のぞ)む ところでは ない。


その()の 日々(ひび)、方源(ほうげん)は ひたすら ()煉成(れんせい)(はげ)み、(みずか)らの 空窶(くうそう)洗練(せんれん)した。


一ヶ(いっかげつ)()ぎ、九眼酒虫(きゅうがんしゅちゅう)助力(じょりょく)も あって、方源(ほうげん)順調(じゅんちょう)四転巅峰(してんてっぽう)昇格(しょうかく)した。


同時(どうじ)に、(かれ)百五十五匹(ひゃくごじゅうごひき)金杯蛊(きんぱいこ)煉成(れんせい)にも 成功(せいこう)している。


金杯蛊(きんぱいこ)銀盞蛊(ぎんさんこ)は、大差(たいさ)なく、いずれも 三転蛊(さんてんこ)であり、液体(えきたい)貯蔵(ちょぞう)する 用途(ようと)(おな)じだ。


(つづ)けて、(かれ)金杯蛊(きんぱいこ)銀盞蛊(ぎんさんこ)(もち)いて 合成煉成(ごうせいれんせい)(おこな)った。七日六夜(なのかむいよ)もの 歳月(さいげつ)(つい)やしたが、(うん)よく、最終的(さいしゅうてき)三匹(さんびき)四転(してん) 金杯銀盞蛊(きんぱいぎんさんこ)()ることが できた。


(かれ)一時的(いちじてき)手元(てもと)作業(さぎょう)()め、視線(しせん)石人一族(せきじんいちぞく)へと ()けた:「これだけ (なが)い 日々(ひび)が ()てば、石人部族(せきじんぶぞく)分裂(ぶんれつ)している だろう」


石人(せきじん)一生(いっしょう)大半(たいはん)を、睡眠(すいみん)(つい)やす。


一般(いっぱん)に、石人(せきじん)三百歳(さんびゃくさい)(ちか)づくと、魂魄(こんぱく)一定(いってい)水準(すいじゅん)まで 蓄積(ちくせき)され、(ひと)つの 子孫(しそん)繁殖(はんしょく)できる ようになる。その() 平均(へいきん)して 二百年(にひゃくねん)ごとに、小石人(こせきじん)繁殖(はんしょく)させる。


予想(よそう)どおり、一人(ひとり)石人(せきじん)千歳(せんさい)まで ()き、寿命(じゅみょう)(まっと)うする までに、(よっ)つの 子孫(しそん)(のこ)す ことができる。


しかし 胆石(たんせき)影響(えいきょう)で、石人部族(せきじんぶぞく)人口(じんこう)爆発的(ばくはつてき)増加(ぞうか)し、数百人(すうひゃくにん)から 三十万余(さんじゅうまんあまり)に まで (ふく)()がった。


この 急激(きゅうげき)人口増加(じんこうぞうか)は、石人(せきじん)内部(ないぶ)矛盾(むじゅん)(しょう)じさせ、それらが 急速(きゅうそく)増大(ぞうだい)し、激化(げきか)し、ついに 爆発(ばくはつ)した。


元々(もともと) 石人(せきじん)社会体制(しゃかいたいせい)は、非常(ひじょう)(ゆる)やかで、最大(さいだい)でも 十万人(じゅうまんにん)まで しか 組織(そしき)できなかった。(あん)(じょう)一連(いちれん)政変(せいへん)(あと)石人部族(せきじんぶぞく)(みっ)つの 部族(ぶぞく)分裂(ぶんれつ)し、それぞれが 約十万人(やくじゅうまんにん)ずつの 人口(じんこう)(よう)して、各々(おのおの) (ひと)つの 元泉(げんせん)中心(ちゅうしん)(あら)たに 定住(ていじゅう)した。


方源(ほうげん)(あら)たに 煉成(れんせい)した 奴隷蛊(どれいこ)()()し、地霊(ちれい)小狐仙(ここせん)(わた)した。


奴隷蛊(どれいこ)は、一転(いってん)から 五転(ごてん)まで 存在(そんざい)する。方源(ほうげん)煉成(れんせい)した ものは、いずれも 三転奴隷蛊(さんてんどれいこ)であり、石人部族(せきじんぶぞく)支配(しはい)するには 十分(じゅうぶん)威力(いりょく)()つ。


小狐仙(ここせん)奴隷蛊(どれいこ)万里(ばんり)(はな)れた 場所(ばしょ)転移(てんい)させ、直接(ちょくせつ) (かぎ)となる 石人(せきじん)たちに 作用(さよう)させた。


石人(せきじん)魂魄(こんぱく)など、方源(ほうげん)百人魂(ひゃくにんたま)(てき)では ない。やすやすと 奴隷化(どれいか)されて しまった。


(またた)()に、方源(ほうげん)岩勇(がんゆう)(ふく)三人(さんにん)石人族長(せきじんぞくちょう)と、十数人(じゅうすうにん)石人長老(せきじんちょうろう)支配下(しはいか)()いた。


こうして 石人(せきじん) 三十万(さんじゅうまん)人口(じんこう)が、すべて (かれ)支配(しはい)するところと なった。


まるで (くも)(ひるがえ)(あめ)(くつがえ)す が (ごと)き この (きょ)は、もはや 蛊仙(こせん)片鱗(へんりん)(のぞ)かせる ものだった!










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