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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第七節:君の恐怖が好きです

狐仙福地(こせんふくち)南部(なんぶ)地下(ちか)


岩勇(がんゆう)岩勇(がんゆう)(はや)()()ませ、もう(ねむ)ってはいられない。(きみ)はもう三年(さんねん)(ねむ)(つづ)けているんだぞ!」


ある(こえ)が、岩勇(がんゆう)(ふか)(ねむ)りから()()ました。


灰色(はいいろ)巨岩(きょがん)表面(ひょうめん)(こけ)(おお)われている。最初(さいしょ)(かす)かに()(はじ)め、そして次第(しだい)にその(はば)(おお)きくしていき、(ほこり)がばらばらと()ちた。楕円形(だえんけい)巨岩(きょがん)は、まるで花弁(はなびら)(ひら)くように、四本(よんほん)(あし)()け、(あたま)(つき)()した。


そして()()がり、一人(ひとり)灰色(はいいろ)岩石人間(がんせきにんげん)形作(かたちづく)られた——岩勇(がんゆう)(よみがえ)った。


「おじいさま?」岩勇(がんゆう)()()け、(みずか)らを()()ました石人(いしひと)が、(ほか)ならぬ800(はっびゃくさい)()える(かれ)祖父(そふ)であり、同時(どうじ)灰石部族(かいせきぶぞく)族長(ぞくちょう)でもあることを()()った。


「おじいさま、どうして(ぼく)を起こしたんですか? あと二、三年(に、さんねん)は(ねむ)りたかったのに」岩勇(がんゆう)はため(いき)をつき、ぐずぐずと不平(ふへい)()った。


石人(いしひと)(ねむ)るのが()きだ。(ねむ)るとき、(かれ)らは(からだ)(まる)めて楕円形(だえんけい)巨岩(きょがん)となる。往々(おうおう)にして一度(いちど)(ねむ)りに()くと、七、八年(しち、はちねん)はそのままだ。


「もう(ねむ)ってはいけない。()(まご)よ、お(まえ)はもう180(ひゃくはちじゅっさい)()えている。父親(ちちおや)(はや)くに()くなり、この祖父(そふ)もあと(なが)くはない。あと数十年(すうじゅうねん)もすれば、お(まえ)灰石部族(かいせきぶぞく)(あたら)しい族長(ぞくちょう)となるのだ」()いた灰石人(はいいしひと)岩勇(がんゆう)(あたま)()でながら、ゆっくりと()った。


石人(いしひと)寿命(じゅみょう)一般(いっぱん)(なが)く、通常(つうじょう)千年(せんねん)()きる。普通(ふつう)人間(にんげん)百歳(ひゃくさい)まで()きられないが、百八十歳(ひゃくはちじゅっさい)岩勇(がんゆう)は、まだ成人(せいじん)したばかりである。


「おじいさま、(ぼく)族長(ぞくちょう)になりたくないです。族長(ぞくちょう)になったら、自由(じゆう)(ねむ)れなくなりますから」岩勇(がんゆう)はぶつぶつ()ったが、祖父(そふ)(にら)みつけてくるのを()て、賢明(けんめい)にも(くち)()じることを(えら)んだ。


灰石部族(かいせきぶぞく)族長(ぞくちょう)(あき)れたように()った。「この小僧(こぞう)め、どうして少し(すこし)も成長(せいちょう)しないんだ?(なが)(あいだ)(ねむ)ってばかりで、無駄(むだ)にしてきたな。さっさと身繕(みづくろ)いしろ。(からだ)()えた(こけ)をきれいに()()り、()えてきた雑草(ざっそう)()いてしまえ。その(あと)供物(くもつ)()って、爺爺(おじいさま)一緒(いっしょ)地上(ちじょう)()き、仙人様(せんにんさま)にお()にかかるのだ。礼儀(れいぎ)()くことのないように!」


「ああ、もう仙人様(せんにんさま)への供物(くもつ)(ささ)げる時期(じき)ですか?でも、まだ一年(いちねん)(すこ)しあるはずだと(おも)っていたのですが」岩勇(がんゆう)(くさ)()きながら()った。


(なが)(あいだ)(ねむ)っていたので、(かれ)(わき)(した)両足(りょうあし)(あいだ)(むね)背中(せなか)には(おお)くの(くさ)()えていた。(とく)両足(りょうあし)(あいだ)()えた(くろ)くて(かた)(くさ)は、(てつ)のように(かた)く、うねりもあった。(ひと)()くたびに、岩勇(がんゆう)(いた)みを(かん)じた。「今回は(おお)きな変動(へんどう)があった。(あたら)しい仙人様(せんにんさま)()わったのだ。この仙人様(せんにんさま)がここに()()もないが、(かれ)が我々(われわれ)を召集(しょうしゅう)するという」老族長(ろうぞくちょう)心配(しんぱい)した様子(ようす)()った。


(あたら)しい男性(だんせい)仙人様(せんにんさま)ですか?(まえ)女性(じょせい)仙人様(せんにんさま)より(はなし)(つう)じやすいといいですね。もしかしたら(かれ)(はなし)ができるかもしれません。十年(じゅうねん)ごとにあれほど(おお)くの供物(くもつ)(おさ)めるのは、本当(ほんとう)大変(たいへん)ですから」


「うむ、(わたし)(ほか)部族(ぶぞく)族長(ぞくちょう)たちも、(おな)(かんが)えだ」


……


青石(あおいし)(きず)かれた(ひろ)祭壇(さいだん)(うえ)で、方源(ほうげん)黒衣(こくい)をまとい、黒髪(くろかみ)をまっすぐに()らし、主座(しゅざ)(たか)(すわ)っていた。その深淵(しんえん)のような黒眸(こくぼう)(した)見下(みお)ろしている。


(した)には数十人(すうじゅうにん)石人(いしひと)(ひざまず)いていた。その(なか)には八人(はちにん)石人部族長(いしひとぶぞくちょう)(ふく)まれ、それぞれ灰石人(はいいしひと)二人(ふたり)花崗石人(かこうせきじん)三人(さんにん)鉄石人(てつせきじん)一人(ひとり)青石人(あおいしひと)一人(ひとり)白石人(しろいしひと)一人(ひとり)だった。


そして供物(くもつ)(ささ)げられていた。


大量(たいりょう)鉱石(こうせき)——(きん)(ぎん)(どう)(てつ)豊富(ほうふ)(ふく)むもの、そしてダイヤモンドや宝石(ほうせき)、さらに()などもあった。


石人(いしひと)(からだ)には、時間(じかん)経過(けいか)とともに様々(さまざま)な金属(きんぞく)やダイヤモンド、宝石(ほうせき)()えてくるのだった。方源(ほうげん)がこれらの供物(くもつ)()(とお)すと、荡魂行宫(とうこんあんぐう)がこれほどまでに富麗(ふれい)奢華(しゃか)である理由(りゆう)瞬時(またた)きに理解(りかい)できた。


これらは地球(ちきゅう)()けば膨大(ぼうだい)(とみ)となるが、ここでは(もっと)(おお)きな用途(ようと)は、()煉成(れんせい)する(さい)一種(いっしゅ)材料(ざいりょう)でしかない。


狐仙(こせん)がこれらのもので装飾(そうしょく)していたのは、(おんな)愛美(あいび)(こころ)()ぎない。もし選択肢(せんたくし)があって元石(げんせき)交換(こうかん)できるなら、彼女(かのじょ)間違(まちが)いなくこれらの金銀宝石(きんぎんほうせき)敝履(へいり)(ごと)()てただろう。


これらの供物(くもつ)の中で、最も価値(かち)があるのはやはり蛊虫(こちゅう)であった。


しかしこれらの蛊虫(こちゅう)も、その大多数(だいたすう)一転(いってん)石皮蛊(せきひこ)二転(にてん)磐石蛊(ばんじゃくこ)()ぎない。三転(さんてん)蛊虫(こちゅう)一匹(いっぴき)だけで、石窍蛊(せききょうこ)というものだった。


方源(ほうげん)はかつて青茅山(せいぼうざん)でこれを使(つか)ったことがある。あの(とき)春秋蝉(しゅんじゅうせみ)空窍(くうこう)圧迫(あっぱく)し、緩和(かんわ)することができず、万策尽(ばんさくつ)きた(すえ)使(つか)わざるを()なかったのだ。


石人(いしひと)掘削(くっさく)得意(とくい)とし、地中(ちちゅう)(ふか)くで生活(せいかつ)している。食料(しょくりょう)(つち)であり、地中(ちちゅう)(つち)()っている(とき)地中(ちちゅう)()(さが)()すこともある。


(いま)(なん)()った?供物(くもつ)()らしたいと?」方源(ほうげん)()(ほそ)め、ゆったりと立ち(たちあ)がり、のんびりと階段(かいだん)()りて、石人部族長(いしひとぶぞくちょう)たちの面前(めんぜん)()った。


石人(いしひと)(からだ)(おお)きく、(ひざまず)いていても、(かた)方源(ほうげん)(あたま)より(すこ)(たか)かった。


(とうと)仙人様(せんにんさま)、どうかお()()れください。我々(われわれ)石人部族(いしひとぶぞく)三十年間(さんじゅうねんかん)連続(れんぞく)して、これほど(おお)くの供物(くもつ)(おさ)めてまいりました。この数年(すうねん)天変地異(てんぺんちい)相次(あいつ)ぎ、北部(ほくぶ)水害(すいがい)に、東部(とうぶ)火災(かさい)見舞(みま)われ、生活(せいかつ)日増(ひま)しに(きび)しくなっております。これらの物品(ぶっぴん)(あつ)めるのは、本当(ほんとう)日増(ひま)しに(むずか)しくなっております。仙人様(せんにんさま)どうかご慈悲深(じひぶか)く、我々(われわれ)の無力(むりょく)をお(ゆる)しくださり、供物(くもつ)(すこ)しばかりお()らしいただけませんでしょうか」最年長(さいねんちょう)石人(いしひと)老族長(ろうぞくちょう)哀願(あいがん)するように(くち)(ひら)いた。


「はい、仙人様(せんにんさま)、どうか供物(くもつ)(すこ)しお()らしください」


「ここ数年(すうねん)(わたし)たちの部族(ぶぞく)人口(じんこう)()(つづ)けております」


仙人様(せんにんさま)、どうか(わたし)たちの事情(じじょう)をお(さっ)しください。このお慈悲(じひ)永遠(えいえん)(わす)れません!」


他の石人部族長(いしひとぶぞくちょう)たちも同調(どうちょう)した。


供物(くもつ)()らす?ふふふ、(まった)問題(もんだい)ない!むしろ、これらの供物(くもつ)全部(ぜんぶ)免除(めんじょ)してあげよう」方源(ほうげん)(やさ)しく(おだ)やかに(わら)った。


石人(いしひと)たちの(かお)には一斉(いっせい)(よろこ)びの(いろ)()かんだ。


「しかし、(わたし)には(ひと)つの条件(じょうけん)がある」(つづ)けて、方源(ほうげん)(はな)しの(なが)れを()えた。「(わたし)(きみ)たちに運河(うんが)()(ひら)いてほしい。北部(ほくぶ)大水(おおみず)運河(うんが)沿()って(なが)れ、火災(かさい)(ひろ)がる東部(とうぶ)(そそ)()むように」


「な、なに?! 」


この言葉(ことば)()いて、石人(いしひと)たちは呆然(ぼうぜん)とした。


すぐに、(かれ)らは(われ)(かえ)り、口々(くちぐち)に(はげ)しく抗議(こうぎ)(はじ)めた。


(とうと)仙人様(せんにんさま)、どうかそんなことを!」


運河(うんが)開削(かいさく)は、膨大(ぼうだい)工事(こうじ)です。(わたし)たち石人(いしひと)睡眠(すいみん)必要(ひつよう)なのです。睡眠不足(すいみんぶそく)になれば、()んでしまいます!」


「それに、あの場所(ばしょ)には(あま)()がすような(ほのお)と、()てしなく(ひろ)がる大水(おおみず)があるのです。そこへ運河(うんが)()るように()われるとは、つまり(わたし)たちを()()いやるというのですか?! 」


一瞬(いっしゅん)にして、群衆(ぐんしゅう)激怒(げきど)した。大勢(おおぜい)(わか)石人(いしひと)たちは、もともと(かたわ)らに(ひざまず)いていたが、こちらの騒動(そうどう)()きつけ、衝動的(しょうどうてき)に立ち(たちあ)がり、方源(ほうげん)を虎視眈々(こしたんたん)と(にら)みつけた。


「ご主人様(しゅじんさま)方源(ほうげん)(そば)にいる地霊(ちれい)狐仙(こせん)はこの光景(こうけい)()て、(おも)わず憂慮(ゆうりょ)(いろ)()かべた。


石人(いしひと)頑固(がんこ)個性(こせい)()ち、蛮勇(ばんゆう)()()ち、尊厳(そんげん)(おも)んじ、(けっ)して一時(いちじ)(はじ)(しの)んで妥協(だきょう)することはない。衝動(しょうどう)()られると、(たと)魔尊(まそん)仙尊(せんそん)であろうと、ためらうことなく直接(ちょくせつ)()()す。どんな存在(そんざい)であろうと(かま)わない。


狐仙(こせん)がこれら石人(いしひと)たちをここまで調教(ちょうきょう)できたのは、当時(とうじ)(おお)いに苦労(くろう)し、石人(いしひと)たちに(すく)なからぬ利益(りえき)(あた)えたからである。


「ご主人様(しゅじんさま)、こちらの石人(いしひと)たちはまったく道理(どうり)をわきまえません。これだけの供物(くもつ)(おさ)めさせるのが、もう限界(げんかい)かと…」小狐仙(ここせん)(ひそ)かに伝音(でんおん)し、(あせ)って方源(ほうげん)注意(ちゅうい)(うなが)した。


限界(げんかい)だと?」方源(ほうげん)(ひや)やかに嘲笑(あざわら)い、口元(くちもと)(ゆが)めて(しろ)(するど)()(のぞ)かせ、獰猛(どうもう)()みを()かべて()った。「お(まえ)たち石人(いしひと)め、図々(ずうずう)しいにも(ほど)がある。よくも(わたし)()()()わせるな?ふん!お(まえ)たちが()場所(ばしょ)は、(わたし)のものだ。()べる(つち)は、(わたし)のものだ。部族(ぶぞく)(そば)にある元泉(げんせん)も、(わたし)のものだ。ここに()んでいる以上(いじょう)、お(まえ)たちは(わたし)奴隷(どれい)なのだ!運河(うんが)開削(かいさく)せよと()うのは、お(まえ)たちへの(たの)みでも交換条件(こうかんじょうけん)でもない。命令(めいれい)なのだ!」


この言葉(ことば)()いて、石人(いしひと)たちは一斉(いっせい)に立ち(たちあ)がり、一人残(ひとりのこ)らず(いか)りの表情(ひょうじょう)()かべた。


仙人(せんにん)め、()(ほど)()らずにも(ほど)がある!よくも我々(われわれ)石人一族(いしひといちぞく)(さげす)むことができたな!」


当初(とうしょ)、我々(われわれ)石人(いしひと)がここに移動(いどう)してきたのは、(まえ)女性(じょせい)仙人(せんにん)言葉(ことば)()じたからだ。だが、この場所(ばしょ)環境(かんきょう)はどんどん(わる)くなる一方(いっぽう)だ。(だれ)(この)んでこんな場所(ばしょ)()(のこ)りたいというのか?」


「お(まえ)運河(うんが)開削(かいさく)(めい)じるのは、つまり我々(われわれ)を()()いやれと()うのだ。我々(われわれ)石人(いしひと)(おろ)(もの)だと(おも)っているのか?」


「我々(われわれ)石人(いしひと)(てん)()()(そだ)てた存在(そんざい)だ。お(まえ)奴隷(どれい)になるつもりはない!()()くぞ、移動(いどう)する。この(くさ)った場所(ばしょ)にはもう十分(じゅうぶん)だ!」


石人部族長(いしひとぶぞくちょう)たちはこぞって怒鳴(どな)り、その()態度(たいど)一変(いっぺん)させた。


(かれ)らが()れてきた(わか)石人(いしひと)たちの従者(じゅうしゃ)たちも、続々(ぞくぞく)と()()せ、(こぶし)(にぎ)りしめ、虎視眈々(こしたんたん)と方源(ほうげん)(にら)みつけた。


()きたくなった?はははっ」方源(ほうげん)(あま)(あお)げば大笑(おおわら)い、()(なか)(もっと)面白(おもしろ)冗談(じょうだん)()いたかのようだった。やがて(わら)いを(おさ)め、(つめ)たい()石人(いしひと)たちを一瞥(いちべつ)すると、(かげ)りある口調(くちょう)()った。「ここがどんな場所(ばしょ)だと(おも)っている?好き勝手(すきかって)()たり()ったりできると?(むかし)()まりはもう無効(むこう)だ。今日(きょう)から(わたし)がここで最高(さいこう)支配者(しはいしゃ)(わたし)言葉(ことば)(てん)意思(いし)だ!(したが)うならそれでよし、(したが)わなくても(したが)わせる!」


「ああ──っ!」(おお)くの(わか)石人(いしひと)たちは、両拳(りょうこぶし)()(にぎ)りしめ、(あま)(あお)いで咆哮(ほうこう)した。


仙人(せんにん)め、貴様(きさま)は我々(われわれ)の限界(げんかい)(いど)んでいる!」


仙人(せんにん)よ、たとえ(つよ)くとも、我々(われわれ)はお(まえ)(おそ)れてはいない」


「我々(われわれ)石人(いしひと)強権(きょうけん)(けっ)して(くっ)しない!()まれながらの戦士(せんし)であり、勇敢(ゆうかん)(おそ)れるものなどない!」


「ただ(あい)だけが、我々(われわれ)に心臓(しんぞう)()()させる。ただ(やさ)しさだけが、我々(われわれ)の(こし)()らせるのだ!」


ゴオオッ!


方源(ほうげん)(てのひら)()()し、一匹(いっぴき)黄金(おうごん)(りゅう)(はな)った。


黄金(おうごん)(りゅう)咆哮(ほうこう)(とどろ)かせ、場内(じょうない)一番(いちばん)(さけ)(ごえ)(おお)きかった石人(いしひと)を粉々(こなごな)に(くだ)いた。


「あっ!(かれ)花崗石人(かこうせきじん)老族長(ろうぞくちょう)(ころ)した!」


老族長(ろうぞくちょう)()んだ!(あだ)()たなければ!!」


仙人(せんにん)とて、()一族(いちぞく)(いか)りに(ほうむ)られよ!」


花崗石(かこうせき)老族長(ろうぞくちょう)()は、導火線(どうかせん)(ごと)く、石人(いしひと)たちの(いか)りを完全(かんぜん)爆発(ばくはつ)させた。


石人(いしひと)たちは一斉(いっせい)方源(ほうげん)殺到(さっとう)した。一歩一歩(いっぽいっぽ)大地(だいち)(ふか)()()み、轟音(ごうおん)(とも)進撃(しんげき)する。数十人(すうじゅうにん)石人(いしひと)一斉(いっせい)(うご)くその(さま)は、千軍万馬(せんぐんばんば)(ごと)威勢(いせい)であった。


(かれ)らの(からだ)からは無数(むすう)光輝(こうき)が立ち(たちのぼ)った。石人(いしひと)(からだ)には蛊虫(こちゅう)寄生(きせい)している。(いま)(かれ)らの意思(いし)呼応(こおう)して、それらが一斉(いっせい)発動(はつどう)したのである。


しかしその瞬間(しゅんかん)、これらの光輝(こうき)突然(とつぜん)()()せた。


小狐仙(ここせん)()()し、すべての蛊虫(こちゅう)(ふう)じた。


方源(ほうげん)(ひや)やかに(わら)い、虐殺(ぎゃくさつ)(はじ)めた。


石人(いしひと)たちは()(おそ)れず(たたか)ったが、実力(じつりょく)方源(ほうげん)には(およ)ばず、しばらくするとすべて粉々(こなごな)に()(くだ)かれ、(みじ)めに(ころ)された。


しかし、これらの(いし)破片(はへん)は、まるで磁石(じしゃく)のように(あつ)まり、(あたら)しい(ちい)さな石人(いしひと)形作(かたちづく)った。


()せ!」


強権(きょうけん)抵抗(ていこう)し、(ちち)(あだ)()とう!」


「我々(われわれ)は天地(てんち)()まれ、天地(てんち)()ぬ。(なに)(おそ)れるものなどない!」


(ちい)さな石人(いしひと)たちは突撃(とつげき)をかけたが、方源(ほうげん)によって(ふたた)殲滅(せんめつ)された。


しかし、これらの(いし)破片(はへん)(ふたた)(あつ)まり、さらに(ちい)さな石人(いしひと)となった。


これらの石人(いしひと)(かず)はさらに(すく)なかったが、(かたち)ができるとすぐに方源(ほうげん)()けて突撃(とつげき)開始(かいし)(くち)々(ぐち)に「祖父(そふ)(あだ)()て!」「(ちち)(あだ)()て!」と(さけ)びながら進撃(しんげき)した。


これが石人(いしひと)繁殖方法(はんしょくほうほう)である。石人(いしひと)(おす)しか存在(そんざい)しない。年老(としお)いた石人(いしひと)()んだ(あと)分散(ぶんさん)した魂魄(こんぱく)(いし)凝結(ぎょうけつ)することで(あたら)しい石人(いしひと)形成(けいせい)され、年老(としお)いた石人(いしひと)一部(いちぶ)記憶(きおく)重要(じゅうよう)経験(けいけん)継承(けいしょう)する。あるいは、年老(としお)いた石人(いしひと)(なが)(ねむ)り、魂魄(こんぱく)底蕴(ていいん)がある程度(ていど)蓄積(ちくせき)されると、(みずか)一部(いちぶ)を切り(きりはな)して(ちい)さな石人(いしひと)形成(けいせい)することもできる。


方源(ほうげん)三度目(さんどめ)石人(いしひと)たちを(ころ)()えた(あと)世界(せかい)はついに静寂(せいじゃく)(つつ)まれた。


地面(じめん)には一人(ひとり)石人(いしひと)だけが(のこ)され、(ふる)()がっていた。


名前(なまえ)(なん)というのか?」方源(ほうげん)はゆっくりと(かれ)面前(めんぜん)まで(ある)()った。


「わ、わたしは…(がん)岩勇(がんゆう)(もう)します」(わか)石人(いしひと)(ふる)えながら、言葉(ことば)()まらせて(こた)えた。


「なぜお(まえ)だけ(ころ)さなかったか、わかるか?」方源(ほうげん)岩勇(がんゆう)(あたま)(くつ)()みつけた。


「は、はい…わかりません…」


「それはお(まえ)(おそ)れているからだ。そして(おれ)は、お(まえ)(おれ)(おそ)れるのが()きなのだ」方源(ほうげん)(やさ)しい口調(くちょう)でほほえみながら()った。














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