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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第三節 方源苏醒

方源(ほうげん)はゆっくりと()()けた。


眼前(がんぜん)はぼんやりとした桃色(ももいろ)(かす)んでいたが、視界(しかい)次第(しだい)鮮明(せんめい)になるにつれ、それは(うす)(しゃ)天蓋(てんがい)であることがわかった**。


微風(そよかぜ)()()け、風鈴(ふうりん)がちりんと()り、桃色(ももいろ)天蓋(てんがい)がゆらりと()れる(さま)は、まさに夢幻(むげん)のようだった**。


方源(ほうげん)はベッドから()()がった**。


このベッドは円形(えんけい)で、非常に(ひろ)く、(よん)五十人(ごじゅうにん)()ても問題(もんだい)ないほどだ**。


ベッドには(あか)基調(きちょう)(きん)縁取(ふちど)りが(ほどこ)されたシルクの布団(ふとん)()かれており、(あたた)かくて(はだ)()じんだ**。


方源(ほうげん)一巡(いちじゅん)()をやると、自分(じぶん)(ひろ)びろとした寝室(しんしつ)にいることがわかった。


ベッドの(そば)には香炉(こうろ)()かれ、香料(こうりょう)()かれていた。そのため空気(くうき)(ちゅう)には、(ひと)(こころ)()くかぐわしい(かお)りが(ただよ)っていた。


この寝室(しんしつ)(きん)(れんが)(かべ)(きず)かれ、(ぎん)(れんが)(ゆか)()かれており、ベッドの(そば)(かど)(つくえ)椅子(いす)化粧台(けしょうだい)には(おお)くの真珠(しんじゅ)瑪瑙(めのう)、ダイヤモンド、そして各色(かくしょく)宝石(ほうせき)()りばめられていた**。


金色(こんじき)(かがや)き、贅沢(ぜいたく)優雅(ゆうが)で、(せん)主人(しゅじん)である狐仙(こせん)黄金(おうごん)(いろど)られた優美(ゆうび)気品(きひん)(ただよ)っていた。


ここは狐仙(こせん)荡魂行宫(とうこんぎょうきゅう)である。


「なかなか優雅(ゆうが)世界(せかい)だ」方源(ほうげん)は淡々(たんたん)と一言(ひとこと)感想(かんそう)()べ、ベッドから()りた。


(かれ)(からだ)(おも)わずふらつき、(あたま)(なか)には(のこ)眩暈(めまい)があった。


方源(ほうげん)(べつ)(おどろ)かず、(むし)ろその理由(りゆう)(さと)っていた——三叉山(さんささん)自分(じぶん)()ぎたまで酷使(こくし)したからだ。


白凝冰(はくぎょうひょう)裏切(うらぎ)り、群雄(ぐんゆう)圧迫(あっぱく)、さらに地霊(ちれい)()()き、第二空窍蛊(だいにくうこうこ)煉製(れんせい)(こころ)み、その(あと)光瀑天河(こうばくてんが)定仙游蛊(ていせんゆうこ)煉成(れんせい)した。その(すべ)ての過程(かてい)で、危険(きけん)()けに(とも)心理的(しんりてき)重圧(じゅうあつ)()えねばならなかった。方源(ほうげん)にとっては、肉体(にくたい)精神(せいしん)も、まさに極限(きょくげん)まで()()められていたのだ**。


定仙游蛊(ていせんゆうこ)使(つか)荡魂山(とうこんざん)頂上(ちょうじょう)(あらわ)れた(とき)鳳金煌(ほうきんこう)方正(ほうせい)力尽(ちからつ)きていたように、方源(ほうげん)だって(おな)じだったのではないか?


彼ら(かれら)と(くら)べれば、方源(ほうげん)()けていた心理的(しんりてき)圧力(あつりょく)(さら)(おお)きかった。春秋蝉(しゅんじゅうせみ)はもはや二度(にど)使(つか)えず、十派(じゅっぱ)蛊仙(こせん)眼前(がんぜん)狐仙(こせん)伝承(でんしょう)(うば)()ったのは、まさに(とら)(くち)から(きば)()くが(ごと)く、()(なか)(くり)(ひろ)うような(きわ)めて危険(きけん)行為(こうい)だったのだ!


方源(ほうげん)最初(さいしょ)山頂(さんちょう)(のぼ)()くと、地霊(ちれい)(ほか)競争者(きょうそうしゃ)即座(そくざ)追放(ついほう)した。方源(ほうげん)正式(せいしき)福地(ふくち)(あるじ)となった(あと)(かれ)は直ち(ただち)に地霊(ちれい)福地全体(ふくちぜんたい)閉鎖(へいさ)(めい)じた。地霊(ちれい)にいくつかの重要事項(じゅうようじこう)指示(しじ)した(あと)環境(かんきょう)()()いたので、方源(ほうげん)()(ゆる)めると、すぐにぐっすりと(ねむ)()んでしまっ**た。


「どれくらい(ねむ)ったのだろう…」方源(ほうげん)(あたま)()りながら(おも)った。(かれ)(いま)非常(ひじょう)(つか)れており、(たましい)奥底(おくそこ)から虚脱感(きょだつかん)(つた)わってくる。


同時(どうじ)に、(かれ)(みみ)()えず耳鳴(みみな)りがし、思考(しこう)する(さい)には(あき)らかに思考(しこう)渋滞(じゅうたい)する(かん)じがした。問題(もんだい)(かんが)えるのは、普段(ふだん)よりもはるかに困難(こんなん)であった。


「まずい、これは(たましい)(きず)つけたな」方源(ほうげん)心中(しんちゅう)一沈(いっちん)自身(じしん)状態(じょうたい)()くないことに()づいた。**


その主な原因(げんいん)は、(なん)といっても仙蛊(せんこ)煉製(れんせい)にある。


仙蛊(せんこ)などそう簡単(かんたん)煉製(れんせい)できるものか?(おお)くの蛊仙(こせん)煉製(れんせい)(あやま)反噬(はんぜい)()け、(かる)くても(きず)つき、(おも)くなれば(いのち)()とす。


方源(ほうげん)凡人(ぼんじん)()仙蛊(せんこ)煉製(れんせい)成功(せいこう)したのは、主に(すぐ)れた秘法(ひほう)があったからだ——『人祖伝(じんそでん)』に由来(ゆらい)するものである。(つぎ)材料(ざいりょう)()く、(とく)神遊蛊(しんゆうこ)重点的(じゅうてんてき)使用(しよう)した。(べつ)角度(かくど)から()れば、神遊蛊(しんゆうこ)定仙游蛊(ていせんゆうこ)変換(へんかん)したということになり、これが難易度(なんいど)(おお)きく軽減(けいげん)したのである。


方源(ほうげん)五百年(ごひゃくねん)(まえ)前世(ぜんせ)のように、多数(たすう)凡蛊(ぼんこ)(もち)いて仙蛊(せんこ)春秋蝉(しゅんじゅうせみ)合煉(ごうれん)したようなケースとは(こと)なる。(ぼん)(もっ)(せん)となるのは、その難易度(なんいど)百倍(ひゃくばい)(たか)いのだ。


「それでも、()(たましい)基盤(きばん)(あさ)すぎ、結局(けっきょく)(たましい)(きず)つけてしまったよ。だが(さいわ)いなことにここは荡魂山(とうこんざん)……」そのことを(おも)うと、方源(ほうげん)表情(ひょうじょう)(おごそ)かになり、(こえ)(ひそ)めて()んだ:「地霊(ちれい)(いず)くにおわすか?」


スーッという(おと)(とも)に、地霊(ちれい)である狐仙(こせん)突然(とつぜん)(かれ)眼前(がんぜん)(あらわ)れた。


「ご主人様(しゅじんさま)、ついに()()められたのですね」狐仙(こせん)はうつむき加減(かげん)に、(ほお)(あか)らめ、自分(じぶん)足先(あしさき)()つめながら、(こえ)(やわ)らかくかすれていた。


彼女は五、六歳ほどの女児(じょじ)姿(すがた)で、ぷりぷりで可愛(かわい)らしく、(ちい)さく(あい)らしい。(いろ)とりどりの()(まと)い、背中(せなか)には()(つつ)まれた真白(まっしろ)(きつね)()左右(さゆう)()られ、不安(ふあん)心境(しんきょう)(あらわ)にしている。


「ご主人様(しゅじんさま)、お(ねむ)りになられた(あと)独断(どくだん)左腕(ひだりうで)傷口(きずぐち)治療(ちりょう)しました。本来(ほんらい)なら衣装(いしょう)をお()せしたかったのですが、行宮(あんぐう)にある衣装(いしょう)はどれもご主人様(しゅじんさま)のお(おからだ)()いませんでした」と狐仙地霊(こせんちれい)報告(ほうこく)する。


彼女の言う「衣装」とは、狐仙(こせん)衣服(いふく)のことで、どれも姿形(すがたかたち)(うつく)しい女性(じょせい)用のものばかり。方源(ほうげん)()うはずがなかった


方源(ほうげん)(まゆ)をひそめた。「衣装(いしょう)などは(こま)かいことだ。まず()くが、私はどれくらい昏睡(こんすい)していた? この(あいだ)に、強敵(きょうてき)が攻め(せよ)せてきたか?」


狐仙(こせん)はぱっちりとした大きな()をしきりに(またた)かせながら(こた)えた。「ご主人様(しゅじんさま)今回(こんかい)七日七晩(なぬかななばん)(ねむ)りでした。その(あいだ)(だれ)()めて()(もの)はありません」


「ほう?」方源の()がきらりと(ひか)った。


(かれ)には、仙鶴門(せんかくもん)鶴風揚(かくふうよう)自分(じぶん)(かば)い、他の九大派(きゅうだいは)難題(なんだい)()()ってくれるとは、どうして予想(よそう)できようか。


しかし、なぜ蛊仙(こせん)狐仙福地(こせんふくち)軽率(けいそつ)(こう)(げき)しなかったかについては、多少(たしょう)理解(りかい)していた。


狐仙福地(こせんふくち)は、三叉山(さんささん)三王福地(さんおうふくち)とは(ちが)う。


この福地(ふくち)はまだ(わか)く、地霊(ちれい)がおり、十分(じゅうぶん)仙元(せんげん)(たくわ)えがあり、さらに蕩魂山(とうこんざん)福地(ふくち)中枢(ちゅうすう)(まも)っている。


この(みっ)つの要素(ようそ)が、狐仙福地(こせんふくち)堅固(けんご)要塞(ようさい)とし、大多数(だいたすう)蛊仙(こせん)たちに()(あし)()ませるには十分(じゅうぶん)だった。


この福地(ふくち)がどれほど()()としにくいか、方源(ほうげん)()にしみてよく()かっていた!


前世(ぜんせ)五百年前(ごひゃくねんまえ)(かれ)(じゅう)人近(にんちか)くの魔道(まとう)蛊仙(こせん)(とも)にここを攻め()とそうとした。その結果(けっか)(みじ)めな勝利(しょうり)で、生き(のこ)ったのは(かれ)宋鐘(そうしょう)だけだった。


宋鐘(そうしょう)宋紫星(そうしせい)息子(むすこ)で、当時(とうじ)魔道(まとう)新星(しんせい)だったが、(いま)はまだ()まれてもいない。


「あの(とき)、私はとっくに魔道(まとう)古参(こさん)だった。宋鐘(そうしょう)小僧(こぞう)は、親父(おやじ)遺産(いさん)()ぎ、一躍(いちやく)して台頭(たいとう)し、私と数十回(すうじゅっかい)もやり()って互角(ごかく)だったため、この一戦(いっせん)()()げた」


前世(ぜんせい)()り返り、後輩(こうはい)宋鐘(そうしょう)出世(しゅっせ)()(だい)にされたことを、方源(ほうげん)(ひや)ややかに(わら)(つづ)けずにはいられなかった。


今生(こんじょう)ではすべてが()わった。機会(きかい)(うかが)って宋紫星(そうしせい)(ころ)してしまえば、ふん、宋鐘(そうしょう)よ、お(まえ)はどうやって()まれて()るつもりだ?」


宋紫星(そうしせい)一道(いちどう)血海真伝(けっかいでんつた)えを()っている。それは上古(じょうこ)荒獣(こうじゅう)戾血龍蝠(れいけつりゅうふ)である。この龍蝠(りゅうふ)()ではないが、()らえて(うば)()ることができる。


戾血龍蝠(れいけつりゅうふ)()()れれば、それは()()なく()()血蝠(けっぷく)大軍(たいぐん)()にすることを意味(いみ)する。血蝠(けっぷく)指揮(しき)するのは、へへ、五百年前世(ごひゃくねんぜんせ)の私の最も得意(とくい)手段(しゅだん)の一つだ。もちろん、これは将来(しょうらい)計画(けいかく)だ。(いま)はこの福地(ふくち)(かり)て、一刻(いっこく)(はや)修行(しゅぎょう)(はげ)み、一日(いちじつ)(はや)蛊仙(こせん)境界(きょうかい)(もど)れるよう(つと)めるのだ!」


ここまで(おも)(いた)り、方源(ほうげん)(おも)わずある重要(じゅうよう)問題(もんだい)(おも)()した。「地霊(ちれい)(つぎ)地災(ちさい)まで、あとどれくらいある?」


「ご主人様(しゅじんさま)がお()きにならなくても、お(つた)えしようと(おも)っていました。現在(げんざい)福地(ふくち)はすでに五回(ごかい)地災(ちさい)()ており、六回目(ろっかいめ)地災(ちさい)まで(のこ)一年零三个月(いちねんれんさんかげつ)となっております」狐仙(こせん)口調(くちょう)には(あせ)りと(おも)々(おも)しさが()められていた。


「なに? (のこ)一年零三个月(いちねんれんさんかげつ)しかないだと!?」方源(ほうげん)はさっそく(すわ)っていられなくなり、ベッドの(ふち)から()()がった。顔色(かおいろ)(みず)のように(くも)っていた。


万物(ばんぶつ)均衡(きんこう)(たも)ち、天道(てんどう)(いた)って公平(こうへい)である。(つよ)きがあれば(よわ)きがあり、(ふく)があれば(わざわ)いがある。福地(ふくち)には災劫(さいきょう)があり、十年(じゅうねん)ごとに一度(いちど)地災(ちさい)百年(ひゃくねん)ごとに一度(いちど)天劫(てんこう)(おとず)れる。


天劫(てんこう)はさておき、地災(ちさい)だけを取り(とりあ)げても、その(ひと)たび(はっ)すれば、その威力(いりょく)広大(こうだい)で、往々(おうおう)にして(あめ)(くず)()()ける。ひとたび福地(ふくち)()えきれなければ、それは(すなわ)滅亡(めつぼう)意味(いみ)する。


方源(ほうげん)前世(ぜんせ)では福地(ふくち)所有(しょゆう)しており、この事態(じたい)深刻(しんこく)さを(だれ)よりもよく()っていた!


福地(ふくち)にとって、地災(ちさい)(たび)ごとが非常に(きび)しい試練(しれん)となる。地災(ちさい)一度(いちど)ごとに(つよ)くなり、狐仙(こせん)第五次地災(だいごじちさい)(いのち)()とした。そして方源(ほうげん)は、さらに強大(きょうだい)第六次地災(だいろくじちさい)直面(ちょくめん)しなければならない。


地災(ちさい)まで、(のこ)一年零三个月(いちねんれんさんかげつ)しかないだと? どうして『鳳金煌伝(ほうきんこうでん)』にはそのことが()かれていなかったのだ? そうか、鳳金煌(ほうきんこう)霊縁斎(れいえんさい)弟子(でし)で、両親(りょうしん)もまた蛊仙(こせん)だ。彼女(かのじょ)両親(りょうしん)(たす)けを(かり)れば、地災(ちさい)()(しの)ぶのは(むずか)しくなかった。しかし(わたし)にとって、状況(じょうきょう)(きわ)めて(わる)い!」


第六次地災(だいろくじちさい)(おとず)れるのは()ぎる。方源(ほうげん)豊富(ほうふ)経験(けいけん)()ってはいるが、十分(じゅうぶん)準備(じゅんび)をする時間(じかん)がなかった。


その(うえ)(かれ)外部(がいぶ)強敵(きょうてき)(たい)しても警戒(けいかい)(おこた)ってはならない。


「私は衆目(しゅうもく)睽睽(けいけい)(もと)で、狐仙福地(こせんふくち)(うば)()った。十派(じゅっぱ)(うご)きを()せていないが、(そと)で虎視眈々(こしたんたん)と(ねら)っているに(ちが)いない。(すこ)()かってきたが、おそらくこの十派(じゅっぱ)蛊仙(こせん)たちが按捺(あんない)して(うご)かないのも、地災(ちさい)(せま)っているのを見越(みこ)して、この地災(ちさい)利用(りよう)しようとしているのだろう?」


地災(ちさい)(おとず)れれば、地霊(ちれい)当然(とうぜん)全力(ぜんりょく)対応(たいおう)せざるを()ず、自分(じぶん)という主人(しゅじん)まで()ねるのは(むずか)しい。方源(ほうげん)現在(げんざい)まだ四转高阶(してんこうきょう)であり、(ねら)われやすい。方源(ほうげん)()ねば、福地(ふくち)無主(むしゅ)となり、地霊(ちれい)(あたら)しい主人(しゅじん)(えら)ぶことになる。


もし地災(ちさい)によって(おお)きな漏洞(ろうどう)(しょう)じれば、外部(がいぶ)蛊師(こし)自由(じゆう)にここへ出入(でい)りできるようになる。その(とき)十派(じゅっぱ)難題(なんだい)()っかけてくれば、それは(ゆき)(しも)(くわ)えるようなもので、状況(じょうきょう)一層(いっそう)険悪(けんあく)にするだろう。


方源(ほうげん)はしばらくの(あいだ)()をきらきらと(かがや)かせていた。(たましい)(きず)つけたため、考えすぎて(ひたい)がうずくように(いた)んでくる。


(かれ)(みだ)れた思考(しこう)()め、(にご)った(いき)(ひと)()()した。そして最終的(さいしゅうてき)にこう決断(けつだん)した:まずは具体的(ぐたいてき)状況(じょうきょう)確認(かくにん)しよう。地災(ちさい)(そな)える準備(じゅんび)最大限(さいだいげん)努力(どりょく)()くす。もし失敗(しっぱい)したら、狐仙福地(こせんふくち)()て、自爆(じばく)させて正道(せいどう)資源(しげん)(ひと)つも(のこ)さず、定仙游蛊(ていせんゆうこ)を使って撤退(てったい)するしかない。


福地(ふくち)(たし)かに良いが、自分自身(じぶんじしん)安全(あんぜん)には(およ)ばない。


そう()めると、方源(ほうげん)地霊(ちれい)()()って(そと)()()れて()くよう(たの)んだ。(かれ)(いま)、この福地(ふくち)について全面的(ぜんめんてき)理解(りかい)することを(せつ)必要(ひつよう)としていた。


「はい」地霊(ちれい)はうつむきながらおとなしく返事(へんじ)をし、やや躊躇(ちゅうちょ)いながら一言(ひとこと)付け(つけくわ)えた。「ご主人様(しゅじんさま)、お洋服(ようふく)をお()しにならないのですか? 其实(じつは)素敵(すてき)(ふく)()ると、お(ひと)がとてもお洒落(しゃれ)()えるし、自分(じぶん)もなぜか(うれ)しくなるんですよ」


方源(ほうげん):「……」


蕩魂行宮(とうこんあんぐう)にある衣装(いしょう)は、方源(ほうげん)()られるものではなかった。しかし(さいわ)い、(かれ)兜率花(とそつか)(なか)予備(よび)衣服(いふく)がしまってあった。


(くろ)長袍(ちょうほう)()()えた(あと)方源(ほうげん)地霊(ちれい)()(したが)い、階段(かいだん)()ぎって山頂(さんちょう)へと()かった。


蕩魂山(とうこんざん)()()ける(かぜ)は、とても(つよ)かった。


だが地霊(ちれい)(かる)()一振(ひとふ)りすると、たちまち心地(ここち)よい微風(そよかぜ)()わった。


「ご主人様(しゅじんさま)、この福地(ふくち)()空間(くうかん))は六百万亩(ろくひゃくまんむ)あります。(ちゅう)時間(じかん))の(なが)れは外界(がいかい)五倍(ごばい)です。六百万亩(ろくひゃくまんむ)土地(とち)はすべて草原(そうげん)地形(ちけい)で、青草(あおくさ)藍度草(らんどそう)馬蹄草(ばていそう)六神草(ろくしんそう)(おも)であり、七宝花(しっぽうか)奶茶花(ないちゃか)などが()じって()えています」


地霊(ちれい)説明(せつめい)しながら、映像(えいぞう)空中(くうちゅう)(うつ)()して、方源(ほうげん)()せた。


映像(えいぞう)には、まさに典型的(てんけいてき)草原(そうげん)風景(ふうけい)(うつ)っており、(いろ)とりどりで(はな)絨毯(じゅうたん)のようであり、あたかも()(まえ)にあるかのようだった。


(あお)くて水々(みずみず)しい猛毒(もうどく)藍度草(らんどそう)(うま)(ひづめ)(かたち)をした馬蹄草(ばていそう)六枚(ろくまい)細長(ほそなが)()()ち、(たま)のように(こま)やかで光沢(こうたく)のある六神草(ろくしんそう)。そして七色(なないろ)(いろど)られた小さな七宝花(しっぽうか)、カップの形をして、ミルクティーのような花汁(かじゅ)をたたえた奶茶花(ないちゃか)


これら七種類(ななしゅるい)(おも)だが、それ以外(いがい)にも(おお)くの雑草(ざっそう)野花(のはな)()えている。


方源(ほうげん)はそれを()て、うんうんと(うなず)いた。


これらの草花(くさばな)(かる)()てはいけない。これらはすべて修行(しゅぎょう)資源(しげん)なのだ。


これら七種類(ななしゅるい)(おも)草花(くさばな)は、いずれも()煉成(れんせい)する材料(ざいりょう)となり()る。一部(いちぶ)草花(くさばな)には、()寄生(きせい)している。六百万亩(ろくひゃくまんむ)草原(そうげん)は、地球上(ちきゅうじょう)()えば香港(ホンコン)(よっ)(ぶん)面積(めんせき)合計(ごうけい)相当(そうとう)する。ここには()たしてどれだけの()がいるだろう?これらの野生(やせい)()(きわ)めて()らえやすい。方源(ほうげん)一声(ひとこえ)(れい)すれば、地霊(ちれい)はそれらを完璧(かんぺき)状態(じょうたい)拘束(こうそく)し、方源(ほうげん)()(もと)献上(けんじょう)することができるのだ!









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