表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
400/553

第二百一節:もう一度戦

仇九(きゅうきゅう)愕然(がくぜん)とし、(あわ)てて(いき)()らし精神(せいしん)集中(しゅうちゅう)させ、魂魄(こんぱく)(ふる)()てて必死(ひっし)(あらが)った。()(ひかり)(かげ)完全(かんぜん)()()むのを()()めようとする。


この()(ひかり)(かげ)は、方源(ほうげん)魂力(こんりょく)によって(ささ)えられている。しかし年若(としわか)方源(ほうげん)魂魄(こんぱく)底蕴(うちん)は、百年(ひゃくねん)()()いた老怪(ろうかい)である仇九(きゅうきゅう)には(とお)(およ)ばない。仇九(きゅうきゅう)奴隷(どれい)とすることは、(けっ)して容易(ようい)なことではない。


しかし、方源(ほうげん)がこのことを考慮(こうりょ)していないはずがない。(かれ)には独自(どくじ)方法(ほうほう)がある。


バシバシ、ドンドン。


「やめろ!よくも(おれ)(なぐ)ったな!」


(おれ)(かお)()()ばし(つづ)けるなら、本気(ほんき)(おこ)るぞ……!」


「ちくしょう、また()るのか?覚悟(かくご)しろ!」


「もうやめて、やめてくれ……」


「いや、やめて……」


方源(ほうげん)仇九(きゅうきゅう)(なぐ)()って(ころ)がり(まわ)らせた。仇九(きゅうきゅう)()使用(しよう)できないが、方源(ほうげん)力道蛊(りきどうこ)自由(じゆう)使(つか)うことができる。


力比(ちからくら)べでは、仇九(きゅうきゅう)方源(ほうげん)(てき)ではないのは(あき)らかだった。(またた)()に、仇九(きゅうきゅう)(かお)()らせ(きず)だらけになった。何度(なんど)()()ったため、(ひかり)(かげ)(すで)大半(たいはん)(かれ)(からだ)()()んでいた。


()()めろ、()()け!完全(かんぜん)()()まれたら、(おれ)奴隷(どれい)になってしまい、永遠(えいえん)()()がれなくなる!」仇九(きゅうきゅう)(からだ)(まる)めて(ひと)つに(ちぢ)こまり、方源(ほうげん)(こぶし)()りを()(しの)んだ。(つよ)危機感(ききかん)(かれ)(はだ)鳥肌(とりはだ)だらけになった。


(のこ)るは紙一重(かみひとえ)()(ひかり)(かげ)が、(かれ)(ひたい)(うえ)()()いて、(いま)()()むことができずにいる。


方源(ほうげん)(ひや)ややかに(わら)い、突然(とつぜん) ()(はな)った:「曾阿牛(そうあぎゅう)よ、(あだ)()つことを(あきら)めたのか?陳九(ちんきゅう)はお(まえ)()てて、商燕飛(しょうえんひ)と幸せに()らしているぞ」


「な、なんでそれを知っている?!」仇九(きゅうきゅう)(こころ)防壁(ぼうへき)(またた)()(くず)()ち、(ひかり)(かげ)()ち、完全(かんぜん)(かれ)(からだ)()()んだ。


仇九(きゅうきゅう)顔色(かおいろ)(またた)()()わり、方源(ほうげん)(ひざまず)いて平伏(ひれふ)した。


配下(はいか)(もの)がご主人様(しゅじんさま)にお()にかかります!」


方源(ほうげん)呵哈哈哈哈(かはははは)(たか)らかに(わら)(こえ)()げた。


成功(せいこう)だ!


この五転奴隷蛊(ごてんどれいこ)は、当然(とうぜん)ながら五転蛊師(ごてんこし)奴隷(どれい)とすることで、その価値(かち)最大限(さいだいげん)()かすことができる。


現在(げんざい)のところ、魔無天(まむてん)蕭芒(しょうぼう)(いま)到着(とうちゃく)しておらず、鉄慕白(てつぼはく)巫鬼(ふき)骷魔(こま)武闌珊(ぶらんさん)方源(ほうげん)(ころ)されている。(のこ)された選択肢(せんたくし)巫山(ふざん)(あるじ)である王逍(おうしょう)と、殺人鬼医(さつじんきい)仇九(きゅうきゅう)であった。


しかし、(たん)なる巫山(ふざん)など、生死門(せいしもん)同列(どうれつ)(ろん)じられるだろうか?生死門(せいしもん)光陰(こういん)長河(ちょうが)比肩(ひけん)する秘禁(ひきん)()なのだ!


仇九(きゅうきゅう)奴隷(どれい)とすることは、生死門(せいしもん)への手掛(てが)かりを(にぎ)ることになる。(さら)に、仇九(きゅうきゅう)南疆(なんきょう)四大医师(よんだいいし)(ひと)りとして、その影響力(えいきょうりょく)正道(せいどう)にまで(およ)んでおり、魔無天(まむてん)よりも絶対(ぜったい)価値(かち)(たか)い。


唯一(ゆいいつ)難点(なんてん)は、仇九(きゅうきゅう)奴隷(どれい)とすることが方源(ほうげん)魂魄(こんぱく)(すこ)しばかりの負担(ふたん)()い、今後(こんご)仙蛊(せんこ)煉製(れんせい)に少なからぬ影響(えいきょう)(およ)ぼすことだ。


仇九(きゅうきゅう)当年(とうねん)お前は素手医师(そしゅいし)毒誓蛊(どくせいこ)を使い、(たが)いを永遠(えいえん)大切(たいせつ)にし、(けっ)して見捨(みす)てないと(ちか)ったのではないか?」方源(ほうげん)殺人鬼医(さつじんきい)()ながら、意外(いがい)質問(しつもん)()げかけた。


(たし)かにそのような(こと)がありました。しかし主人(しゅじん)、どうしてそのことをご存知(ぞんじ)なのですか?」(かお)()らせ(きず)だらけの仇九(きゅうきゅう)は、地面(じめん)(ひざまず)いて率直(そっちょく)(みと)めると、(おどろ)きながら(たず)ねた。


「ふん、既然(きぜん)毒誓蛊(どくせいこ)使(つか)ったなら、素手医师(そしゅいし)がどうやって毒誓(どくせい)束縛(そくばく)から(のが)れたか()っているか?」方源(ほうげん)()(ほそ)めた。


毒誓蛊(どくせいこ)山盟海誓蛊(さんめいかいせいこ)代用品(だいようひん)であり、陳九(ちんきゅう)毒誓(どくせい)()能力(のうりょく)などなかった。彼女(かのじょ)商燕飛(しょうえんひ)という色男(いろおとこ)のため、非常(ひじょう)危険(きけん)(おか)して毒誓(どくせい)発動(はつどう)させ、(みずか)らを()()()んだ。宿主(しゅくしゅ)がいなくなれば、毒誓(どくせい)(ちから)自然(しぜん)()える。その()治療(ちりょう)手段(しゅだん)(もち)いて蘇生(そせい)することで、毒誓(どくせい)から(のが)れたのだ!」


仇九(きゅうきゅう)はここまで()うと、(かお)(いか)りで(ゆが)めた。(かれ)師姉(しせい)溺愛(できあい)していたのに、師姉(しせい)()るに()りない色男(いろおとこ)のために自分(じぶん)絶交(ぜっこう)し、(いのち)危険(きけん)(かえり)みず毒誓(どくせい)から(のが)れたのだ。


方源(ほうげん)はこれを()くと、仇九(きゅうきゅう)よりも(はげ)しく(いか)り、(おも)わず(あし)(もた)げて仇九(きゅうきゅう)をその()蹴倒(けたお)した。


「この役立(やくた)たずが!」


方源(ほうげん)前世(ぜんせ)仇九(きゅうきゅう)がこう()ったことを鮮明(せんめい)(おぼ)えていた:


「私たちは福地(ふくち)海辺(うみべ)毒誓(どくせい)を立て、(たが)いを(まも)り、(はな)れないと(ちか)ったのです…」


「しかし師姉(しせい)心変(こころが)わりし、私たちが当初(とうしょ)(ちか)った毒誓(どくせい)(そむ)き、私を(きず)つけて、あの悪党(あくとう)一緒(いっしょ)逃亡(とうぼう)したのです…」**


(なん)毒誓(どくせい)だ!


くそったれの毒誓蛊(どくせいこ)()まってるだろ!


この仇九(きゅうきゅう)()(かた)は、重要(じゅうよう)(てん)()けて(かる)(なが)し、所々(ところどころ)曖昧(あいまい)表現(ひょうげん)自分(じぶん)(かざ)()てていた。もし(はじ)めから毒誓蛊(どくせいこ)だと明言(めいげん)していれば、方源(ほうげん)(みずか)(かんが)(はか)った:自分(じぶん)(かなら)ずしも警戒(けいかい)(おこた)らず、商家城(しょうかしろ)にまだ毒誓蛊(どくせいこ)束縛(そくばく)から(のが)れられる(もの)がいることを()り、白凝冰(はくぎょうひょう)(たい)する警戒心(けいかいしん)(つよ)めたかもしれない。


「しかし(わたし)はとっくに気付(きづ)くべきだった。仇九(きゅうきゅう)商燕飛(しょうえんひ)容姿(ようし)について、自分(じぶん)よりほんの少しだけ()()が良いと()っていた。そんな厚かましい言葉(ことば)平然(へいぜん)()えるのだから、毒誓蛊(どくせいこ)から『()』の()(はぶ)くのも無理(むり)はない」


方源(ほうげん)(さげす)むような眼差(まなざ)しで仇九(きゅうきゅう)()た。


恋愛話(れんあいばなし)毒誓蛊(どくせいこ)(もち)いて相手(あいて)束縛(そくばく)するとは。仇九(きゅうきゅう)内心(ないしん)如何(いか)陰湿(いんしつ)自卑感(じひかん)()ちているかが(うかが)える。そんな(もの)言葉(ことば)(かざ)(きょ)()になるのも不思議(ふしぎ)ではない。


方源(ほうげん)は、白凝冰(はくぎょうひょう)如何(いか)にして毒誓(どくせい)から(のが)れたのか、以前(いぜん)から疑問(ぎもん)(おも)っていた。前世(ぜんせ)でさえ、白凝冰(はくぎょうひょう)明確(めいかく)(こた)えを()かさなかった。(いま)方源(ほうげん)(さと)った——おそらくこの素手医师(そしゅいし)()()し、白凝冰(はくぎょうひょう)毒誓(どくせい)から解放(かいほう)したのだろうと。


「よし、()ぎた(こと)(みず)(なが)そう。仇九(きゅうきゅう)信王(しんおう)伝承(でんしょう)()かい、()(ため)百戦不殆蛊(ひゃくせんふたいこ)()って()い」方源(ほうげん)感情(かんじょう)(おさ)め、指図(さしず)した。


配下(はいか)(かなら)全力(ぜんりょく)()くします!」仇九(きゅうきゅう)(うやうや)しく命令(めいれい)()()った。


仇九(きゅうきゅう)治療蛊師(ちりょうこし)であり、風天語(ふうてんご)のような煉道大師(れんどうたいし)ではない。(かれ)方源(ほうげん)第二空窍蛊(だいにくうこうこ)煉製(れんせい)補助(ほじょ)させることはできないが、百戦不殆蛊(ひゃくせんふたいこ)奪取(だっしゅ)(まか)せるのは容易(ようい)なことである。


これは福地(ふくち)衰退(すいたい)しており、間もなく()自由(じゆう)调动(ちょうどう)できるようになるからだ。仇九(きゅうきゅう)力任(ちからまか)せに()(すす)むだけで、第二空窍蛊(だいにくうこうこ)斬獲(ざんかく)できる。


ここに(いた)り、方源(ほうげん)殺戮(さつりく)一段落(いちだんらく)()げた。


(かれ)大殿(だいでん)(もど)り、()煉製(れんせい)再開(さいかい)した。


前世(ぜんせ)(くら)べると、今回(こんかい)重生(ちょうせい)では大幅(おおはば)時間(じかん)節約(せつやく)成功(せいこう)している。春秋蝉(しゅんじゅうせみ)圧力(あつりょく)もないため、はるかに余裕(よゆう)()って行動(こうどう)できている。


以前(いぜん)一日(いちにち)半时辰(はんじこん)しか()ず、(くる)ったように()煉製(れんせい)し、潜在能力(せんざいのうりょく)(しぼ)()っていた。現在(げんざい)では(すく)なくとも三时辰(さんじこん)睡眠(すいみん)()り、手順(てじゅん)()んで着実(ちゃくじつ)(すす)めている。


()()つにつれ、福地(ふくち)以前(いぜん)よりも(おとろ)えていった。しかし仙元(せんげん)消費(しょうひ)前世(ぜんせ)ほど深刻(しんこく)ではなく、方源(ほうげん)前世(ぜんせ)煉製(れんせい)経験(けいけん)()かして()(みち)(すく)なくし、(おお)くの工程(こうてい)一発(いっぱつ)成功(せいこう)させた。これは地霊(ちれい)(おお)いに感心(かんしん)させた。


三王(さんおう)伝承(でんしょう)異変(いへん)は、群雄(ぐんゆう)たちの関心(かんしん)()いた。


時間(じかん)経過(けいか)とともに、車家(しゃか)左家(さか)は総が(そうが)かりで()(どう)し、蕭芒(しょうぼう)魔無天(まむてん)相次(あいつ)いで三叉山(さんささん)(あらわ)れた。


ついに、十月二十四日(じゅうがつにじゅうよっか)(ふたた)(おとず)れた。


主人(しゅじん)配下(はいか)(さいわ)いにも使命(しめい)()たしました!」仇九(きゅうきゅう)(ひざまず)いて、両手(りょうて)一只()()(ささ)方源(ほうげん)()()した。


その()()()地味(じみ)で、(はい)(いろ)(えん)(ばん)のようだった。(ほか)(なに)でもなく、まさに百戦不殆蛊(ひゃくせんふたいこ)そのものだ。


前世(ぜんせ)では、方源(ほうげん)奴隷(どれい)とした風天語(ふうてんご)最後(さいご)まで突破(とっぱ)し、信王(しんおう)伝承(でんしょう)獲得(かくとく)しただけでなく、数百(すうひゃく)毛民(もうみん)追随者(ついずいしゃ)として()た。今生(こんせ)では、仇九(きゅうきゅう)()わったが、(かれ)煉蛊大師(れんこたいし)ではなく、力任(ちからまか)せに(かん)(やぶ)ったため、(かろ)うじて百戦不殆蛊(ひゃくせんふたいこ)取得(しゅとく)しただけで、一人(ひとり)毛民(もうみん)追随(ついずい)しなかった。


しかし、毛民(もうみん)()煉製(れんせい)得意(とくい)だが、戦闘(せんとう)得意(とくい)ではない。数百(すうひゃく)毛民(もうみん)防衛線(ぼうえいせん)など、あってもなくても同様(どうよう)で、方源(ほうげん)()()めなかった。


百戦不殆蛊(ひゃくせんふたいこ)慎重(しんちょう)(おさ)めると、方源(ほうげん)仇九(きゅうきゅう)(ふた)三言(こと)指示(しじ)(つた)えて(つか)()した。この一連(いちれん)行動(こうどう)は全て(すべて)(ひそ)かに(おこな)われ、白凝冰(はくぎょうひょう)には一切(いっさい)()らせなかった。


方源(ほうげん)青銅大殿(せいどうたいでん)(もど)ると、白凝冰(はくぎょうひょう)(すで)到着(とうちゃく)していた。


彼女(かのじょ)背後(はいご)には、(すう)十万(じゅうまん)という犬獸(けんじゅう)()れが()てしなく(ひろ)がり、()()したり、(たが)いに(たわむ)れたり、()()(まわ)ったりしていた。


方源(ほうげん)(あわ)々と(わら)って()った。「白凝冰(はくぎょうひょう)、お(まえ)()っている()を全て(すべて)地霊(ちれい)(わた)せ。」


(なん)だと?」白凝冰(はくぎょうひょう)(おどろ)いた。「この(いぬ)()れは(わたし)指揮(しき)するんじゃないのか?」


地霊(ちれい)()運用(うんよう)できる。指揮(しき)するなら、当然(とうぜん)お前より(たし)かなのだ」と方源(ほうげん)説明(せつめい)した。


地霊(ちれい)霸龟(はき)(あらわ)れ、心配(しんぱい)げな口調(くちょう)()った。「若者(わかもの)よ、(わたし)仙元(せんげん)调动(ちょうどう)して(きみ)煉蛊(れんこ)補助(ほじょ)しながら、同時(どうじ)犬群(いぬむれ)指揮(しき)して(てき)(ふせ)ぐとなると、多分(たぶん)(ちから)(およ)ばないだろう」


方源(ほうげん)呵呵(かか)(わら)い、(きわ)めて自信(じしん)()ちた表情(ひょうじょう)()った。「(かま)わん。(わたし)仕事(しごと)信用(しんよう)できんのか?(てき)(なか)にも(わたし)(こま)(ひそ)んでいる。これは犬群(いぬむれ)駆使(くし)するための十分(じゅうぶん)元石(げんせき)だ」


「そういうことか……」霸龟(はき)躊躇(ちゅうちょ)ったが、方源(ほうげん)秘密(ひみつ)身份(みぶん)(かんが)えると、結局(けっきょく)承知(しょうち)した。


「お(まえ)は、白凝冰(はくぎょうひょう)(おれ)()いて()い。()煉製(れんせい)する(あいだ)(そば)信頼(しんらい)()(もの)がいて防衛(ぼうえい)してくれる必要(ひつよう)があるからな」方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)(かた)をポンと(たた)き、(おだ)やかな笑顔(えがお)()かべた。


白凝冰(はくぎょうひょう)(ひや)やかに(ふん)い、()(おく)にかすかに()らめいたものの、(こえ)には(まった)(どう)(よう)(かん)じられなかった:「勝手(かって)にしろ。お(まえ)さえ()ななければ、()成功(せいこう)しようが失敗(しっぱい)しようが、(わたし)()ったことではない」方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)(とも)大殿(だいでん)へと(すす)んだ。


方源(ほうげん)胡坐(あぐら)をかいて(すわ)り、白凝冰(はくぎょうひょう)(そば)()ち、護衛(ごえい)(つと)めた。


方源(ほうげん)()()じたが、(なが)(あいだ)(うご)かなかった。


「まだ(なに)()っているの?時間(じかん)はあまりないわよ」白凝冰(はくぎょうひょう)(すこ)しの(あいだ)()えたが、ついに沈黙(ちんもく)(やぶ)った。


凝冰(ぎょうひょう)(あせ)るな。(いそ)いでも仕方(しかた)のないことがある」方源(ほうげん)(あわ)々と(わら)い、(かお)には一片(いっぺん)緊張(きんちょう)もなく、(くも)(あわ)(かぜ)(かろ)やかだった。


白凝冰(はくぎょうひょう)(ひや)やかに(ふん)い、(ふたた)(くち)(ひら)かなかった。彼女(かのじょ)両目(りょうめ)(ほそ)()()のようになり、心中(しんちゅう)(おも)(めぐ)らせた:「方源(ほうげん)はまた(なに)悪巧(わるだく)みをしているのか?(わたし)から指揮権(しきけん)(うば)ったのは、もしかすると(わたし)(うたが)っているのか?いや、(かれ)(わたし)殿内(でんない)配置(はいち)したのだから、依然(いぜん)として(わたし)信頼(しんらい)しているに(ちが)いない!もう(すこ)()えねば」


彼女(かのじょ)鉄若男(てつわかお)のことを(おも)()し、次第(しだい)(こころ)()()かせた:「彼女(かのじょ)(いま)犬群(いぬむれ)大陣(たいじん)(そと)足止(あしど)めに()っている。(わたし)内応(ないおう)しなければ、強引(ごういん)突破口(とっぱこう)(ひら)くより(ほか)(みち)はない。厄介(やっかい)なことに、犬群(いぬむれ)指揮(しき)(まか)せてはもらえなかった。(さいわ)い、我々(われわれ)も一手(いって)(こう)じている。鉄白棋(てつはくき)(すで)(ひそ)かに三叉山(さんささん)到着(とうちゃく)している」


(さら)(すこ)時間(じかん)()つも、方源(ほうげん)泰然(たいぜん)自若(じじゃく)として、(やす)んでばかりいて、一向(いっこう)(うご)()そうとしない。


今度(こんど)地霊(ちれい)でさえも、伝音(でんおん)方源(ほうげん)()煉製(れんせい)催促(さいそく)せずにはいられなかった。


しかし方源(ほうげん)()(かえ)延期(えんき)し、(かす)かなる(うご)きの(きざ)しも()せなかった。


地霊(ちれい)(あせ)り、(こえ)には(いか)りが()められていた。方源(ほうげん)重生(ちょうせい)(しゃ)としての身份(みぶん)(もち)いて、地霊(ちれい)()()かせようと説得(せっとく)した。


その(とき)三叉山(さんささん)山頂(さんちょう)では——


(あお)(あか)二本(にほん)光柱(こうちゅう)が、か(ぼそ)(よわ)々(よわ)としながらも、依然(いぜん)として山頂(さんちょう)(そび)()っていた。犬王(けんおう)伝承(でんしょう)(あらわ)黄色(きいろ)光柱(こうちゅう)は、もはや()(しつ)していた。


前世(ぜんせ)では(あか)光柱(こうちゅう)だけが(のこ)っていた。それは風天語(ふうてんご)信王(しんおう)伝承(でんしょう)(うば)()ったからだ。しかし今世(こんせ)では、仇九(きゅうきゅう)煉道(れんどう)大師(たいし)ではなく、信王(しんおう)伝承(でんしょう)最後(さいご)(かん)まで到達(とうたつ)する能力(のうりょく)がなかった。そのため、二本(にほん)光柱(こうちゅう)(のこ)結果(けっか)となったのだ。


犬王(けんおう)伝承(でんしょう)(だれ)()()れたのだろう!」


(のこ)りは二つ(ふたつ)の伝承(でんしょう)だけ。我々(われわれ)のような小者(こもの)には、もう機会(きかい)はなさそうだな……」


「しかし(じつ)奇妙(きみょう)だ。今回(こんかい)伝承(でんしょう)では、五転蛊師(ごてんこし)たちが一人(ひとり)(あらわ)れていない。どうしたことだ?」


「そうだな、犬王(けんおう)伝承(でんしょう)継承(けいしょう)されたのに、なぜ(ほか)(もの)()()ないのだ?」


「彼ら(かれら)は福地(ふくち)(なか)(とど)められている。この福地(ふくち)は、まもなく崩壊(ほうかい)するだろう。()もなく()(おお)きく(ひら)かれ、我々(われわれ)が自由(じゆう)()()できるようになるだろう」(ひと)つの(ひび)(わた)(こえ)(ひろ)がっていった。


蕭芒(しょうぼう)(さま)だ!」即座(そくざ)(だれ)かが歓声(かんせい)()げ、来訪者(らいほうしゃ)正体(しょうたい)(あき)らかにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ