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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第百九十八節:為山九仞功亏一篑

「ちっ!」方源(ほうげん)(のろ)いの言葉(ことば)()くと、()()って金龍(きんりゅう)(はな)った。


金龍(きんりゅう)(うな)りながら()()け、重泰犬(じゅうたいけん)(むれ)肉泥(にくでろ)(つぶ)し、()(みち)(ひら)いた。


小獣王(しょうじゅうおう)、どこへ()げる!(すみ)やかに仙蔵(せんぞう)()()せ!」翼冲(よくしょう)方源(ほうげん)面前(めんぜん)(あらわ)れ、浪濤(ろうとう)渦巻(うずま)きながら()()せた。


骨翼蛊(こつよくこ)


方源(ほうげん)(はね)(ふる)わせ、巨浪(きょろう)一撃(いちげき)()けて天空(てんくう)()()がった。


小獣王(しょうじゅうおう)、やはりここに(とど)まれ」易火(えいか)()一振(ひとふ)りすると、火鳥(かちょう)飛翔(ひしょう)しながら方源(ほうげん)(ついば)んできた。


金霞蛊(きんかこ)


方源(ほうげん)全身(ぜんしん)(きん)(ひかり)(つつ)まれ、速度(そくど)急激(きゅうげき)上昇(じょうしょう)火鳥(かちょう)()()ると、素早(すばや)後退(こうたい)した。


「ん?」()(おお)きな動静(どうせい)は、魔無天(まむてん)蕭芒(しょうぼう)注意(ちゅうい)()いた。


蕭芒(しょうぼう)巨象(きょぞう)ほどの(おお)きさの(ひかり)巨手(きょしゅ)()ばし、極速(きょくそく)方源(ほうげん)()らえようと(おそ)った。


方源(ほうげん)急旋回(きゅうせんかい)回避(かいひ)した。


しかしその(とき)突然(とつぜん) (みみ)(そば)(やさ)しい()(ごえ)()こえた。


その(こえ)は、恋人(こいびと)(ささや)くような(あま)言葉(ことば)のようでもあり、家族(かぞく)(せつ)なる()()けのようでもあった。事情(じじょう)()らない(もの)(たましい)(うば)われ、(こころ)(うば)われてしまう。


魔無天(まむてん)柔情蛊(じゅうじょうこ)!」方源(ほうげん)愕然(がくぜん)とし、素早(すばや)()()ろうとしたが、結局(けっきょく)(うご)きが一瞬(いっしゅん)()まった。背後(はいご)から(ひかり)巨手(きょしゅ)(ふたた)(せま)ってきた。


「まずい!」もはや回避(かいひ)するのは不可能(ふかのう)だと(さと)り、方源(ほうげん)()催動(さいどう)して攻撃(こうげき)防御(ぼうぎょ)代用(だいよう)した。


ドン!


轟音(ごうおん)(ひび)(わた)り、(ひかり)巨手(きょしゅ)()()りに()(くだ)かれた。しかし方源(ほうげん)(いと)()れた(たこ)のように、空中(くうちゅう)()(せん)(えが)きながら地面(じめん)へと墜落(ついらく)した。


(みみ)(そば)()()ける(かぜ)(おと)が、意識(いしき)(うしな)っていた方源(ほうげん)()まさせた。


自分(じぶん)墜落(ついらく)していることに気付(きづ)くと、(かれ)(あわ)てて(ふたた)()催動(さいどう)すると同時(どうじ)(さけ)んだ。「鉄若男(てつじゃくなん)絶世(ぜっせい)仙蛊(せんこ)()()れ、煉化(れんか)している!」魔無天(まむてん)蕭芒(しょうぼう)注意(ちゅうい)は、即座(そくざ)(ほう)()えられた。


仙蛊(せんこ)


群雄(ぐんゆう)沸騰(ふっとう)し、(またた)()()べるものがないほどの狂熱(きょうねつ)(おちい)った。鉄白棋(てつはくき)への圧力(あつりょく)暴騰(ぼうとう)した。


方源(ほうげん)(いき)をつく機会(きかい)()ると、即座(そくざ)巫鬼(ふき)移動蛊(いどうこ)催動(さいどう)した。(おお)きな陰雲(いんうん)()()がり、(かれ)はその(なか)()(ひそ)めて撤退(てったい)(つづ)けた。


しかしその(とき)――


ビュンビュンビュンビュン!


虚空(きょくう)から、突然(とつぜん)四本(よんほん)(くさり)(あらわ)れ、(へび)のように巧妙(こうみょう)に、電光(でんこう)のように迅速(じんそく)方源(ほうげん)四肢(しし)(から)()いた。


そして(くさり)(すみ)やかに(きん)(から)()き、方源(ほうげん)(しば)()げると、虚空(きょくう)へと()()んでいった!


次の瞬間(しゅんかん)方源(ほうげん)(ふたた)青銅大殿(せいどうだいでん)(なか)(あらわ)れた。


鉄家四老(てつかしろう)東西南北(とうざいなんぼく)四方位(しほうい)()め、(かれ)()(かこ)んだ。


(かれ)らは地面(じめん)(なか)(うずくま)り、右掌(ゆうしょう)()()(まえ)()ばし、左手(ひだりて)右手首(みぎてくび)(にぎ)り、一斉(いっせい)()催動(さいどう)していた。各人(かくじん)(てのひら)からは、(なが)黒鉄(こくてつ)(くさり)()びていた。


鉄家四老(てつかしろう)奥義(おうぎ)――無極搜鎖(むきょくそうさ)


……


そして()(とき)中洲(ちゅうしゅう)天梯山(てんていざん)


狐仙福地(こせんふくち)蕩魂山(とうこんざん)頂上(ちょうじょう)で。狐仙福地(こせんふくち)帰属(きぞく)()けた(きそ)いも、最終局面(さいしゅうきょくめん)(むか)えていた。


方正(ほうせい)頑張(がんば)れ、勝利(しょうり)目前(もくぜん)だ!」天鶴上人(てんかくしょうにん)(こえ)が、方正(ほうせい)(こころ)(なか)(ひび)いた。以前(いぜん)(くら)べて、(かれ)(こえ)(きわ)めて(おも)疲労(ひろう)虚弱(きょじゃく)()びていた。


「はい、あと一人(ひとり)相手(あいて)だけです……」方正(ほうせい)()()(しば)り、全身(ぜんしん)(あせ)()らしていた。(からだ)(いま)にも(たお)れそうだったが、(ひと)つの(つよ)決意(けつい)(にじ)んでいた。


()(わたし)が、()もなき小者(こもの)()()されるだと!?」蕭七星(しょうしちせい)双眼(そうがん)見開(みひら)き、方正(ほうせい)(のぼ)り、(みずか)らの(たか)さを()えて()くのを茫然(ぼうぜん)見上(みあ)げていた。


「はあ……最後(さいご)結末(けつまつ)()のようになるとは(おも)わなかった」応生機(おうしょうき)(ふか)嘆息(たんそく)すると、突然(とつぜん) ()(はな)ち、(やま)から墜落(ついらく)した。


(かれ)頂上(ちょうじょう)から(もっと)(とお)く、方正(ほうせい)姿(すがた)()勝算(しょうさん)(まった)くないことを(さと)り、(いさぎよ)直接(ちょくせつ) 降参(こうさん)したのだった。


狐仙地霊(こせんちれい)当然(とうぜん) (かれ)墜死(ついし)するのを見逃(みのが)すはずもなく、(かる)(ゆび)()らすと、応生機(おうしょうき)安全(あんぜん)外界(がいかい)転送(てんそう)した。


(のぼ)れ、(さら)(のぼ)れ。


方正(ほうせい)手足(てあし)(すで)()()け、()(したた)っていた。


頂上(ちょうじょう)(ちか)づくほど、魂魄(こんぱく)(はげ)しく(ふる)(とよ)んだ。方正(ほうせい)はもはや(ほか)のことを(かんが)えることは不可能(ふかのう)で、両眼(りょうがん)には頂上(ちょうじょう)景色(けしき)だけが(うつ)っていた。(かれ)(すべ)ての潜在力(せんざいりょく)(しぼ)()くし、極限(きょくげん)まで疲労(ひろう)していた。これは(あき)らかに肉体(にくたい)限界(げんかい)()えた発揮(はっき)だった。


「こいつ……!」鳳金煌(ほうきんこう)(おも)わず(かん)()った。


方正(ほうせい)(あき)らかに(つか)()てているのに、(なん)とも()えない()きることのない(ちから)(かれ)(ささ)えているようだった。


頂上(ちょうじょう)頂上(ちょうじょう)……」方正(ほうせい)()()(しば)り、()(ひと)つの執念(しゅうねん)だけが(こころ)()えていた。


(かれ)一歩一歩(いっぽいっぽ)(のぼ)(つづ)け、(じょ)鳳金煌(ほうきんこう)()()り、(つい)先頭(せんとう)()った!


()(とき)(かれ)頂上(ちょうじょう)まであと一丈(いちじょう)(たか)さしかなかった。


ピンクで可愛(かわい)らしい地霊(ちれい)狐仙(こせん)さえも、(がけ)(はし)()ち、下方(かほう)をじっと()つめ、(あら)たな主人(しゅじん)誕生(たんじょう)見守(みまも)っていた。


福地(ふくち)(そと)で、(つね)注目(ちゅうもく)(つづ)けてきた蛊仙(こせん)たちの(なか)には、(すで)嘆息(たんそく)(こえ)()げる(もの)もいた。


鶴風揚(かくふうよう)(いわ)うぞ。今回(こんかい)仙鶴門(せんかくもん)一歩(いっぽ)リードしたな」


「ふん、もし(わたし)六转(ろくてん)玲瓏小挪移蛊(れいろうしょうだいこ)(のこ)っていれば……」


「あるいは星梭蛊(せいさこ)定仙游蛊(ていせんゆうこ)我行蛊(がこうこ)があれば、()勝負(しょうぶ)(べつ)結果(けっか)になっていただろう」


蛊仙(こせん)たちの反応(はんのう)は様々(さまざま)で、淡々(たんたん)と祝賀(しゅくが)する(もの)もいれば、()しむ(もの)遺憾(いかん)(おも)(もの)もいた。


(うん)()かっただけです!」鶴風揚(かくふうよう)(なん)()謙遜(けんそん)したが、(こえ)(よろこ)びを(かく)せなかった。


しかしその(とき)一人(ひとり)蛊仙(こせん)冷笑(れいしょう)した:「鶴風揚(かくふうよう)残念(ざんねん)だがお(まえ)をがっかりさせるな。()狐仙(こせん)伝承(でんしょう)は、(けっ)して()霊縁斎(れいえんさい)のものだ」


言葉(ことば)()わらぬ()に、福地(ふくち)異変(いへん)突然(とつぜん) 発生(はっせい)した!


鳳金煌(ほうきんこう)(するど)(さけ)ぶと、背中(せなか)(かた)から一対(いっつい)絢爛(けんらん)たる羽翼(うよく)()()た。


()羽翼(うよく)は、(きわ)めて華麗(かれい)(あで)やかであり、様々(さまざま)な(いろ)(ひかり)()えず(なが)()わり、燦然(さんぜん)(かがや)いて()(うば)った。(かる)(ひと)()ばたきすると、鳳金煌(ほうきんこう)を悠々(ゆうゆう)と上昇(じょうしょう)させた。


(なん)!?」


()れは……」


伝説(でんせつ)仙蛊(せんこ)――夢翼(むよく)!」


夢翼(むよく)非常(ひじょう)特異(とくい)仙蛊(せんこ)で、現実(げんじつ)には存在(そんざい)せず、(ゆめ)(なか)でのみ見出(みいだ)せる。それを催動(さいどう)するのも仙元(せんげん)ではなく、蛊師(こし)(れい)(こん)である。


鳳金煌(ほうきんこう)はただの凡体(ぼんたい)であり、(いま) 無理(むり)夢翼(むよく)催動(さいどう)すれば、魂魄(こんぱく)深刻(しんこく)損傷(そんしょう)()うことになる——(かる)ければ記憶喪失(きおくそうしつ)(おも)ければ認知症(にんちしょう)(おちい)る。


しかし(ほこ)(たか)彼女(かのじょ)は、()まれ()ちてから(いま)まで、一度(いちど)失敗(しっぱい)したことがない。方正(ほうせい)自分(じぶん)眼前(がんぜん)唯一(ゆいいつ)勝者(しょうしゃ)となることなど、(けっ)して(ゆる)せるものではなかった!


「たとえ(もっと)(おも)代償(だいしょう)(はら)っても、勝利(しょうり)()なければならない!」方正(ほうせい)(おどろ)いて()つめる(なか)で、(とお)くない場所(ばしょ)にいる鳳金煌(ほうきんこう)は悠々(ゆうゆう)と()()がり、容易(ようい)(かれ)()えて、(ふたた)先頭(せんとう)()(うば)(かえ)した。


夢翼(むよく)突然(とつぜん) (おさ)められた。鳳金煌(ほうきんこう)(がけ)(はし)(つか)まり、(あら)(いき)(あえ)ぎながら、(たましい)(おく)から()()がる(つよ)眩暈(めまい)意識(いしき)(うしな)いそうだった。


限界(げんかい)(たっ)したのだ。


無理(むり)仙蛊(せんこ)催動(さいどう)した鳳金煌(ほうきんこう)がここまで出来(でき)たことは、(すで)容易(ようい)なことではなかった。


(わたし)()けるだなんて……!」方正(ほうせん)双眼(そうがん)見開(みひら)き、(たましい)()けたように呆然(ぼうぜん)とした。


()(とき)鳳金煌(ほうきんこう)頂上(ちょうじょう)(きわ)めて(ちか)く、(じつ)彼女(かのじょ)両手(りょうて)(すで)(がけ)(はし)(とど)いており、最後(さいご)一歩(いっぽ)だけが(のこ)っている!


(わたし)は……()つの!」


()瞬間(しゅんかん)鳳金煌(ほうきんこう)全力(ぜんりょく)(あたま)()げ、最後(さいご)(ひと)つの(ちから)(ほとばし)らせた。


彼女(かのじょ)両眼(りょうがん)琥珀(こはく)のように(かがや)き、(かお)()べるものがないほど(うつく)しかった。(ゆき)のように(しろ)(なが)(くび)は、福地(ふくち)桃色(ももいろ)(ひかり)(なか)(たま)のような光沢(こうたく)(はな)っていた。


彼女(かのじょ)(ひな)鳳凰(ほうおう)(はじ)めて天地(てんち)(うつく)しい(はね)(ひろ)げるかのようだった。


錦繍(きんしゅう)(かがや)き!


一瞬(いっしゅん)蛊仙(こせん)たちさえもその姿(すがた)(たましい)(うば)われた。


彼女(かのじょ)(くちびる)()()め、艱難(かんなん)(すえ)(うで)(がけ)(はし)()けた。そして(のこ)された(ちから)(ふる)()こして(おも)(からだ)()()げた。


最後(さいご)には、ほとんど(ころ)がり()がるように頂上(ちょうじょう)(たっ)した。彼女(かのじょ)成功(せいこう)した!


()(あらそ)いの唯一(ゆいいつ)勝者(しょうしゃ)狐仙福地(こせんふくち)(あら)たな主人(しゅじん)


……


南疆(なんきょう)三叉山(さんさざん)青銅大殿(せいどうだいでん)


方源(ほうげん)(くさり)(しば)()げられていた。


「ふふふ、方源(ほうげん)、また()えたな」鉄若男(てつじゃくなん)方源(ほうげん)面前(めんぜん)()ち、(こころ)から(わら)っていた。


白凝冰(はくぎょうひょう)嘆息(たんそく)した:「無駄(むだ)だ、方源(ほうげん)。お(まえ)左腕(ひだりうで)には(ひそ)かに定星蛊(ていせいこ)仕込(しこ)んである。()()位置(いち)特定(とくてい)されれば、無極搜鎖(むきょくそうさ)虚空(きょくう)(つらぬ)いてでも(とら)えられる。天涯(てんがい)()てまで()げても意味(いみ)はない。此度(こたび)勝負(しょうぶ)(すで)()した。運命(うんめい)(みと)めろ」


(なん)!?」方源(ほうげん)(うつむ)いて()ると、(たし)かに左腕(ひだりうで)一匹(ひき)()寄生(きせい)していた。


()()太古(たいこ)星屑(ほしくず)のようで、ダイヤモンドのように八角(はっかく)(かがや)き、水晶(すいしょう)のように()(とお)っている。(いま)(ほし)(ひかり)(はな)ち、方源(ほうげん)左前腕(ひだりまえうで)半透明(はんとうめい)(あお)(かす)かな(いろ)()らし()していた。


白凝冰(はくぎょうひょう)!」方源(ほうげん)(いか)りの絶叫(ぜっきょう)()げ、(くる)ったようにもがいた。(くさり)(はげ)しく()()り、ジャランジャランと(おと)()てた。


前世(ぜんせ)では、鉄家四老(てつかしろう)()奥義(おうぎ)孔日天(こうじってん)捕縛(ほばく)していた。今生(こんじょう)では、()()方源(ほうげん)使(つか)われるとは(おも)わなかった。


以前(いぜん)白凝冰(はくぎょうひょう)鉄家四老(てつかしろう)包囲(ほうい)されたとき、方源(ほうげん)直接(ちょくせつ) 救援(きゅうえん)しなかったのも、()無極搜鎖(むきょくそうさ)警戒(けいかい)していたからだ。


一旦(いったん)無極搜鎖(むきょくそうさ)位置(いち)特定(とくてい)されれば、方源(ほうげん)がどこへ()げても、虚空(きょくう)から(くさり)()びてきて(とら)えられる。しかし定星蛊(ていせいこ)がなければ、無極搜鎖(むきょくそうさ)()のない(はえ)のように(ほう)()(うしな)い、(うれ)いことはない。


()定星蛊(ていせいこ)は、鉄家四老(てつかしろう)(じか)(わたし)(わた)し、(なが)時間(じかん)()けて訓練(くんれん)させたものだ。いつお(まえ)仕込(しこ)んだか()かるか?ふふふ——お(まえ)(わたし)黄金(おうごん)真元(しんげん)(そそ)ぎ、空窪(くうくぼ)温洗(おんせん)してくれたときだ。(しん)()らぬ()にな」白凝冰(はくぎょうひょう)()には冷酷(れいこく)()みが()かんでいた。


()(ひと)つの(さく)は、まさに釜底(かんで)から(たきぎ)()(ごと)く、方源(ほうげん)反撃(はんげき)希望(きぼう)徹底的(てっていてき)()(くだ)いた!


定星蛊(ていせいこ)……()くやった、白凝冰(はくぎょうひょう)本当(ほんとう)()くやったな!」方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)(にら)()け、()()(しば)った。


鉄若男(てつじゃくなん)徐徐(じょじょ)降伏(こうふく)(すす)めた:「方源(ほうげん)、お(まえ)無極搜鎖(むきょくそうさ)()かった。(いま)(まえ)()封印(ふういん)され、真元(しんげん)さえ(ひと)つも(うご)かせない。もう希望(きぼう)はない。当然(とうぜん)、お(まえ)はまだ意念(いねん)(うご)かして()自爆(じばく)させることはできる。だが(わたし)はその選択(せんたく)(すす)めない。お(まえ)(かしこ)(もの)だ。どちらの選択(せんたく)自分(じぶん)有利(ゆうり)()かっているだろう?」


方源(ほうげん)(うつむ)き、沈黙(ちんもく)した。


先程(さきほど) (かれ)(くる)ったように()催動(さいどう)しようとしたが、無極搜鎖(むきょくそうさ)()ばかりのものではなく、宇道(うどう)禁道(きんどう)()(そな)えた奥義(おうぎ)だった。五转(ごてん)挪移蛊(だいこ)でさえ封鎖(ふうさ)され、(うご)かすことはできなかった。


「全て(すべて)は()わった、方源(ほうげん)鎮魔塔(ちんまとう)がお(まえ)最終(さいしゅう)()する場所(ばしょ)だ。これからの人生(じんせい)其処(そこ)()ごせ」白凝冰(はくぎょうひょう)嘆息(たんそく)した。眼前(がんぜん)大敵(たいてき)(つい)(とら)えられたのを()て、(かれ)心情(しんじょう)複雑(ふくざつ)で、(よろこ)びと(かな)しみが()()じっていた。


()数年(すうねん)(わたし)精彩(せいさい)をもたらしてくれて感謝(かんしゃ)する。(まさ)にお(まえ)存在(そんざい)があったからこそ、(わたし)(さび)しい人生(じんせい)(ともしび)(とも)り、無聊(ぶりょう)孤独(こどく)(しず)まなかった。これから、(わたし)(さら)精彩(せいさい)人生(じんせい)(てん)(かい)する。そしてお(まえ)光栄(こうえい)にも、()精彩(せいさい)一部(いちぶ)となるだろう」ここまで()うと、白凝冰(はくぎょうひょう)方源(ほうげん)一礼(いちれい)し、表情(ひょうじょう)誠実(せいじつ)(しん)(せま)っていた。










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