表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
396/573

第百九十七節:戦いはまだ始まったばかりです。

「この()には本当(ほんとう)数多(あまた)英傑(えいけつ)がいるのだな……」沈黙(ちんもく)(すこ)(つづ)いた(あと)方源(ほうげん)(てん)(あお)いで長嘆(ちょうたん)した。


白凝冰(はくぎょうひょう)()くやった白凝冰(はくぎょうひょう)……ふふふ、(わたし)はお(まえ)(あま)()ていた、お(まえ)()()ったのだ。お(まえ)勝利(しょうり)見事(みごと)だし、計算(けいさん)(きわ)めて精巧(せいこう)だった。(わたし)油断(ゆだん)し、仙蛊(せんこ)(こころ)(うば)われていたからお(まえ)成功(せいこう)され、それが(わたし)(あやま)ちだった!」


(およ)ばない。今回(こんかい)(わたし)(きみ)計算(けいさん)できたのも、天時(てんじ)地利(ちり)人和(じんわ)(そろ)ったからだ。立場(たちば)(ぎゃく)なら、(わたし)仙蛊(せんこ)(れん)じながら群雄(ぐんゆう)計算(けいさん)しろと言われても、(きみ)ほど上手(うま)くは出来(でき)ないだろう」白凝冰(はくぎょうひょう)真剣(しんけん)(こた)えた。「しかし(すで)(こと)()した。()てば官軍(かんぐん)()ければ賊軍(ぞくぐん)無駄(むだ)抵抗(ていこう)()めることを(すす)める」


「ふふふ」方源(ほうげん)()ややか(わら)いを数声(すうせい)()らした。「お(まえ)たちが(わたし)(ころ)さないのは、仙蛊(せんこ)()()れ、その効果(こうか)と、(わたし)脳裏(のうり)(きざ)まれた仙蛊(せんこ)秘方(ひほう)()りたいからに(ほか)ならないだろう?」


(いま)地霊(ちれい)()に、福地(ふくち)崩壊(ほうかい)目前(もくぜん)で、(いた)(ところ)(あな)()き、もはや偉力(いりょく)による圧制(あっせい)はなく、蛊師(こし)たちは自由(じゆう)()催動(さいどう)できる。


つまり、方源(ほうげん)(ねん)じるだけで、全て(すべて)の()自爆(じばく)する。白凝冰(はくぎょうひょう)鉄若男(てつじゃくなん)たちには、阻止(そし)する時間(じかん)など(まった)くない。


鉄若男(てつじゃくなん)鉄慕白(てつぼはく)たちは(わたし)()()かった。お(まえ)()仙蛊(せんこ)()って(かえ)り、()れで(つみ)(つぐな)わなければ、少主(しょうしゅ)()()がされるだろう」方源(ほうげん)(いん)(わら)った。


鉄若男(てつじゃくなん)無表情(むひょうじょう)で、(きわ)めて率直(そっちょく)(こた)えた。「(しか)り。仙蛊(せんこ)唯一(ゆいいつ)で、(きわ)めて重要(じゅうよう)だ。(わたし)()(かえ)れば驚天動地(きょうてんどうち)功績(こうせき)となり、家族(かぞく)蛊仙(こせん)栽培(さいばい)賞賜(しょうし)さえも()られる。そして仙蛊(せんこ)煉製(れんせい)する秘方(ひほう)は、(いま)ではお(まえ)一人(ひとり)だけが()っている。()しそれを献上(けんじょう)できれば、(わたし)即座(そくざ)鉄家(てつけ)少族长(しょうぞくちょう)となれる」


「いつの()(わたし)族長(ぞくちょう)()()いたら、鉄慕白様(てつぼはくさま)(なら)い、公理(こうり)正義(せいぎ)(ひろ)めます。今回(こんかい)一連(いちれん)出来事(できごと)(つう)じて、完全(かんぜん)(さと)りました——正義(せいぎ)(つらぬ)くには、(つよ)個人(こじん)(ちから)勢力(せいりょく)不可欠(ふかけつ)だと。()()れ、()(みち)のみが、鉄慕白様(てつぼはくさま)栽培(さいばい)(おん)(むく)い、(かれ)黄泉(よみ)(した)(やす)らかな(ねむ)りについてもらうことのできる方途(ほうと)なのです」


ここまで()うと、鉄若男(てつじゃくなん)方源(ほうげん)()()かって(みじ)めに()んだ鉄家(てつけ)族員(ぞくいん)たちを(おも)()し、(おも)わず両目(りょうめ)(あか)らんだ——(にく)しみと(いか)り、そして()もる(うら)みが()れる激動(げきどう)達観(たっかん)()()じっている。


彼女(かのじょ)(ふか)(いき)()()むと、方源(ほうげん)(つよ)()つめた。「お(まえ)についてだが、古月方源(こげつほうげん)(たし)かに(わたし)はお(まえ)(ころ)さない。お(まえ)()るに()らない凡躯(ぼんく)仙蛊(せんこ)煉成(れんせい)できるのだから、その煉蠱(れんこ)(さい)(まこと)刮目(かつもく)(あたい)する。投降(とうこう)さえすれば、お(まえ)鉄家(てつけ)鎮魔塔(ちんまとう)()()更生(こうせい)させる。将来(しょうらい)(まえ)(あやま)ちを()(あらた)め、(とう)()(のち)鉄家(てつけ)(つか)え、正道(せいどう)貢献(こうけん)することが、お(まえ)(つみ)(つぐな)最善(さいぜん)方法(ほうほう)だ」


鎮魔塔(ちんまとう)か……」方源(ほうげん)双眼(そうがん)(ほそ)めた。「(じつ)()心地(ごこち)の良い言葉(ことば)だな!ふふふ、仙蛊(せんこ)()しいのか?よかろう、取引(とりひき)提案(ていあん)してやる」


方源(ほうげん)取引内容(とりひきないよう)(かた)りながら、(しず)かに殿外(でんがい)気配(けはい)(みみ)()ませていた。


(かれ)時間稼(じかんかせ)ぎをしている。


眼前(がんぜん)局面(きょくめん)一見(いっけん)絶体絶命(ぜったいぜつめい)()えるが、(じつ)はまだ勝機(しょうき)(のこ)されている。


煉蠱(れんこ)影響(えいきょう)方源(ほうげん)精神(せいしん)憔悴(しょうすい)し、空窪(くうくぼ)真元(しんげん)不足(ふそく)していた。四转(してん)全力以赴蛊(ぜんりょくしっそうこ)未完成(みかんせい)で、数多(あまた)獣影(じゅうえい)煉蠱(れんこ)過程(かてい)消耗(しょうもう)していた。


強硬手段(きょうこうしゅだん)不可能(ふかのう)だ。方源(ほうげん)最良(さいりょう)状態(じょうたい)ではない。一方(いっぽう)白凝冰(はくぎょうひょう)鉄若男(てつじゃくなん)万全(ばんぜん)準備(じゅんび)(ととの)え、(さら)外部(がいぶ)には鉄家四老(てつかしろう)犬群(いぬむれ)(あやつ)鉄白棋(てつはくき)待機(たいき)している。


春秋蝉(しゅんじゅうせみ)(たし)かに逆転(ぎゃくてん)有効(ゆうこう)手段(しゅだん)だが、使用後(しようご)のリスクは(きわ)めて(おお)きく、死亡(しぼう)危険(きけん)さえある。(ばん)(いつ)場合(ばあい)でなければ、方源(ほうげん)使用(しよう)したくはなかった。


()転機(てんき)は、殿外(でんがい)群雄(ぐんゆう)たちに()かっている。(たん)犬群(いぬむれ)鉄家四老(てつかしろう)だけでは、(かれ)らを永遠(えいえん)(はば)むことはできない。一旦(いったん)(かれ)らが()()んでくれば、局面(きょくめん)一変(いっぺん)する」


運命(うんめい)とは(じつ)無常(むじょう)なものだ。つい最近(さいきん)まで、方源(ほうげん)はあらゆる手段(しゅだん)(こう)じて群雄(ぐんゆう)(はば)んでいたが、(いま)では群雄(ぐんゆう)猛然(もうぜん)()()んでくることを(せつ)(ねが)っている。


……


「忌々(いまいま)しい鉄家(てつけ)め、黒幕(くろまく)はお(まえ)たちだったのか!」


鉄家(てつけ)老族長(ろうぞくちょう)鉄慕白(てつぼはく)(みずか)出馬(しゅつば)とは、(なん)(かれ)()()けたのだ?とっくに気付(きづ)くべきだった……」


鉄家(てつけ)(ちょう)()だとしても、(ひと)()めは(ゆる)さない!仙蔵(せんぞう)全員(ぜんいん)のものだ!」


惨烈(さんれつ)戦場(せんじょう)で、群衆(ぐんしゅう)(いか)りは沸騰(ふっとう)していた。


青銅大殿(せいどうだいでん)方向(ほうこう)()つめながら、(おお)くの蛊師(こし)(いか)りで双眼(そうがん)(ほのお)のように(かがや)かせた。


(むらさき)(ひかり)(おお)いが青銅大殿(せいどうだいでん)全体(ぜんたい)(おお)い、鉄家四老(てつかしろう)四方向(よんほうこう)()かれて厳重(げんじゅう)(まも)っていた。


一方(いっぽう)鉄白棋(てつはくき)大殿(だいでん)入口(いりぐち)()ち、(たか)みから戦場(せんじょう)見下(みお)ろし、犬群(いぬむれ)指揮(しき)していた。


(かれ)()いた蛊師(こし)で、(あたま)()(しろ)(かみ)(おお)われ、(ひたい)には(せい)(ひかり)(はな)第三(だいさん)()(かがや)いていた。五转奴道蛊師(ごてんぬどうこし)である(かれ)鉄家(てつけ)家老(かろう)であり、以前(いぜん)鉄慕白(てつぼはく)有能(ゆうのう)部下(ぶか)だった。鉄慕白(てつぼはく)召喚(しょうかん)()けた(のち)(かれ)(かん)(やぶ)って()て、千里(せんり)(みち)(へだ)てた三叉山(さんさざん)まで()()けたのだった。


(いま)この(とき)鉄白棋(てつはくき)(かす)かに()みを()かべ、戦場(せんじょう)見下(みお)ろしている。


(かれ)指揮(しき)のもと、犬群(いぬむれ)以前(いぜん)数倍(すうばい)戦闘力(せんとうりょく)爆発(ばくはつ)させた。鉄白棋(てつはくき)損害(そんがい)(かえり)みず、一時(いちじ)群雄(ぐんゆう)完全(かんぜん)(はば)んだ。


()いぼれめ、本当(ほんとう)()(ごわ)いな」魔無天(まむてん)黒髪(こくはつ)(みだ)()わせ、(あら)(いき)()いた。


(かれ)面前(めんぜん)では、犬皇(けんこう)覇黄(はこう)全身(ぜんしん)()()まり、魔無天(まむてん)より一層(いっそう)(みじ)めな状態(じょうたい)だった。しかし(またた)()に、()(からだ)治療蛊(ちりょうこ)発動(はつどう)し、乳白色(にゅうはくしょく)光輝(こうき)(もと)覇黄(はこう)(きず)急速(きゅうそく)回復(かいふく)した。


魔無天(まむてん)()ちに(じょう)じて追撃(ついげき)しようとしたその(とき)大群(たいぐん)青華犬(せいかけん)側面(そくめん)から突撃(とつげき)してきた。


「またか!」魔無天(まむてん)()()(しば)り、()ずは()援軍(えんぐん)殲滅(せんめつ)せざるをえなかった。


()機会(きかい)(じょう)じて、覇黄(はこう)(いき)(ととの)え、(きず)(おお)きく回復(かいふく)し、(ふたた)び猛々(たけだけ)しくなった。


白凝冰(はくぎょうひょう)犬皇(けんこう)(はな)つと(ほか)指揮(しき)()(とど)かなくなるのとは対照的(たいしょうてき)に、鉄白棋(てつはくき)(さら)余裕(よゆう)()せていた。(かれ)戦場(せんじょう)統括(とうかつ)し、戦局(せんきょく)掌握(しょうあく)して、奴道流派(ぬどうりゅうは)(つよ)みを存分(ぞんぶん)発揮(はっき)した。


一方(いっぽう)で、蕭芒(しょうぼう)鉄白棋(てつはくき)重点的(じゅうてんてき)対策(たいさく)対象(たいしょう)とされた。


()のままだと駄目(だめ)だ!仙蔵(せんぞう)鉄家(てつけ)(うば)われてしまう!」蕭芒(しょうぼう)(くや)しさと(あせ)りで()(かえ)ったが、犬皇(けんこう)桜鳴(えいめい)(つね)(かれ)面前(めんぜん)(はば)み、大殿(だいでん)突入(とつにゅう)することを(ゆる)さなかった。


畜生(ちくしょう)、ここまで()()めたのはお(まえ)だ!!」蕭芒(しょうぼう)(いか)りの咆哮(ほうこう)()げ、天空(てんくう)へと飛翔(ひしょう)した。


天空(てんくう)には(すで)数十亩(すうじゅうムー)にも(およ)(おお)きな(あな)()いており、(あな)(そと)には外界(がいかい)(そら)(あらわ)になっていた——浮雲(ふうん)(めぐ)り、()(わた)った白昼(はくちゅう)(ひかり)()()んでいる。


蕭芒(しょうぼう)直接(ちょくせつ)(あな)(そと)()()し、両手(りょうて)(たか)(かか)げた。


四转(してん)聚光蛊(しゅうこうこ)


大量(たいりょう)陽光(ようこう)(かれ)両掌(りょうしょう)(しゅう)められた。(ひかり)球体(きゅうたい)となり、巨大(きょだい)(くら)べるものがないほどで、蕭芒(しょうぼう)(あり)茶碗(ちゃわん)(ささ)えるかのようだった。


五转(ごてん)太光蛊(たいこうこ)


太古(たいこ)栄光(えいこう)(ひかり)光球(こうきゅう)(なが)()んだ。(またた)()質的変化(しつてきへんか)()こり、光球(こうきゅう)全体(ぜんたい)太古(たいこ)光輝(こうき)()まった!


五转(ごてん)江河日下蛊(こうかじっかこ)


光球(こうきゅう)轟音(ごうおん)(とも)炸裂(さくれつ)し、滔天(とうてん)(ひかり)(かわ)()わった——一滴(いってき)一滴(てき)太陽(たいよう)破片(はへん)のようで、(きわ)めて璀璨(きらめ)(かがや)いていた。


奥義(おうぎ)——天瀑光河(てんばこうが)


(ひかり)(かわ)は滾々(こんこん)と(なが)れ、洪波(こうは)逆巻(さかま)き、大穴(おおあな)から福地(ふくち)へと(げき)しく(なが)()んだ。


(ひかり)燦然(さんぜん)(かがや)き、波涛(はとう)()(くる)った。(おか)一面(いちめん)白熱(はくねつ)()らし()し、無数(むすう)の人々(ひとびと)が強烈(きょうれつ)(ひかり)から()(まも)ろうと(まぶた)(ほそ)めた。


不味(まず)い!」鉄白棋(てつはくき)必死(ひっし)(ふせ)ごうとしたが、(ひかり)(かわ)(すで)大勢(たいせい)()しており、()気象(きしょう)磅礴(ぼうはく)としていた。部分的(ぶぶんてき)(よわ)めることしかできなかった。


雄大(ゆうだい)(ひかり)(かわ)瀑布(ばくふ)のようになり、(むらさき)(ひかり)(おお)いに(げき)しく(とどろ)いた。


(ひかり)(おお)いは(わず)片刻(はんかく)しか()たずに粉砕(ふんさい)して消散(しょうさん)し、(おお)いを(ささ)えていた鉄家四老(てつかしろう)同時(どうじ)鮮血(せんけつ)()()し、(しお)()てて疲弊(ひへい)()っていた。


(ひかり)(かわ)(ひかり)(おお)いを突破(とっぱ)し、(おお)きく(よわ)められていたが、(いきお)いは()まらず、青銅大殿(せいどうだいでん)激突(げきとつ)した。


大殿(だいでん)即座(そくざ)大穴(おおあな)()き、(ひかり)瀑布(ばくふ)(なが)()ち、方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)鉄若男(てつじゃくなん)三人(さんにん)直撃(ちょくげき)しようとした。


白凝冰(はくぎょうひょう)鉄若男(てつじゃくなん)(ひとみ)(もう)(しゅく)させ、反射的(はんしゃてき)回避(かいひ)しようとした。


(つね)から好機(こうき)(うかが)っていた方源(ほうげん)素早(すばや)反応(はんのう)し、猛然(もうぜん)真元(しんげん)駆動(くどう)した。


挪移蛊(だいこ)


(かれ)五转(ごてん)という高位(こうい)移動蛊(いどうこ)催動(さいどう)した。


()()は、殺人鬼医(さつじんきい)仇九(きゅうきゅう)()った戦利品(せんりひん)であった。


サッという(おと)(とも)に、方源(ほうげん)仙蛊(せんこ)(たずさ)えて(もと)場所(ばしょ)から()()った。


(ひかり)(かわ)(ゆか)(レンガ)(とどろ)かせて()った。(またた)()直径(ちょっけい)三丈(さんじょう)にも(およ)巨大(きょだい)(あな)形成(けいせい)された。


鉄若男(てつじゃくなん)白凝冰(はくぎょうひょう)二人(ふたり)間一髪(かんいっぱつ)回避(かいひ)し、巨大(きょだい)(あな)(ふち)()ち、(きわ)めて平静(へいせい)だった。


()たして()げたな、ふふふ。様子(ようす)からして、(かれ)挪移蛊(だいこ)使(つか)ったようだ。多分(たぶん)殺人鬼医(さつじんきい)から()()だろう」鉄若男(てつじゃくなん)冷静(れいせい)分析(ぶんせき)した。


()のまま()がすのか?」白凝冰(はくぎょうひょう)鉄若男(てつじゃくなん)()た。


定星蛊(ていせいこ)(こと)(わす)れたのか?安心(あんしん)しろ。(たと)(かれ)天涯(てんがい)()てまで()げても、鉄家四老(てつかしろう)(とら)()せる。(いま)(かれ)(そと)彷徨(さまよ)わせ、真元(しんげん)精力(せいりょく)消耗(しょうもう)させればいい。我々(われわれ)が直接(ちょくせつ)()(くだ)手間(てま)(はぶ)ける」鉄若男(てつじゃくなん)微笑(びしょう)しながら()い、言葉(ことば)の端々(はしばし)に軍師(ぐんし)のような風格(ふうかく)(にじ)んでいた。


数多(あまた)試練(しれん)()て、彼女(かのじょ)本当(ほんとう)(おお)きく成長(せいちょう)した。


ゴポッ。


強烈(きょうれつ)激痛(げきつう)(おそ)い、方源(ほうげん)大口(おおぐち)鮮血(せんけつ)()いた。目眩(めまい)がし、(つよ)吐気(はきけ)(おそ)われ、()()(たお)()みそうになった——五臓六腑(ごぞうろっぷ)()()(かえ)されたようだった。


挪移蛊(だいこ)宇道(うどう)蛊虫(こちゅう)であり、空間(くうかん)(やぶ)って蛊師(こし)身体(からだ)転送(てんそう)する。強力(きょうりょく)効果(こうか)には、同様(どうよう)強烈(きょうれつ)副作用(ふくさよう)(とも)う。


挪移蛊(だいこ)頻繁(ひんぱん)使用(しよう)する蛊師(こし)は、筋肉(きんにく)(から)()い、血液(けつえき)逆流(ぎゃくりゅう)し、(ほね)(ゆが)む。外見(がいけん)(あらわ)れると、蛊師(こし)はどんどん(みにく)くなり、(たと)(もと)(ととの)った(かお)でも、不格好(ぶかっこう)()わってしまう。


挪移蛊(だいこ)使用(しよう)するには、(とく)(ほか)()(うご)かして自身(じしん)身体(からだ)改造(かいぞう)する必要(ひつよう)がある。しかし方源(ほうげん)(いま)この(とき)、それどころではなかった。


第二空窍蛊(だいにくうこうこ)一時的(いちじてき)にお(まえ)たちに(あず)けてやる。()()りは、(かなら)百倍(ひゃくばい)にして(かえ)してくれる!」方源(ほうげん)素早(すばや)周囲(しゅうい)見渡(みわた)し、自分(じぶん)(すで)殿外(でんがい)転送(てんそう)されているが、青銅大殿(せいどうだいでん)には比較的(ひかくてき)(ちか)いことを確認(かくにん)した。


(おお)くの犬獣(けんじゅう)(かれ)(おそ)()かってきたが、(かれ)即座(そくざ)撤退(てったい)(えら)んだ。


第二空窍蛊(だいにくうこうこ)鉄若男(てつじゃくなん)(うば)われたが、制御権(せいぎょけん)依然(いぜん)として方源(ほうげん)手中(しゅちゅう)にあった。(かれ)(みずか)煉成(れんせい)した()仙蛊(せんこ)は、(いま)でも(かれ)(ひと)(ねん)じれば自爆(じばく)して破滅(はめつ)する。


(ただ)し、方源(ほうげん)(ばん)(いつ)場合(ばあい)でなければ、(けっ)して()のような(おろ)かな真似(まね)はしない。


()(たたか)いは、(はじ)まったばかりだ。白凝冰(はくぎょうひょう)鉄若男(てつじゃくなん)(おぼ)えていろ。ふふふ」方源(ほうげん)(いん)(わら)った。


第二空窍蛊(だいにくうこうこ)使用(しよう)するには、仙元(せんげん)催動(さいどう)するか、莫大(ばくだい)元石(げんせき)代替(だいたい)する必要(ひつよう)がある。


方源(ほうげん)にとって、()仙蛊(せんこ)空窍(くうきょう)(おさ)めることは(さら)不可能(ふかのう)だった。


春秋蝉(しゅんじゅうせみ)圧力(あつりょく)(すで)十分(じゅうぶん)(おお)きく、(さら)一匹(ひき)仙蛊(せんこ)(おさ)めれば、方源(ほうげん)空窍(くうきょう)破裂(はれつ)してしまうだろう。


仙蛊(せんこ)空窍(くうきょう)(おさ)めなければ、気息(きそく)()()し、群雄(ぐんゆう)察知(さっち)されてしまう。方源(ほうげん)(たと)仙蛊(せんこ)(うば)って()()せても、即座(そくざ)衆目(しゅうもく)(まと)となり、二人(ふたり)五转(ごてん)十数人(じゅうすうにん)四转(してん)無数(むすう)三转(さんてん)二转(にてん)蛊師(こし)たちの包囲攻撃(ほういこうげき)()けることになる。


鉄若男(てつじゃくなん)仙蛊(せんこ)()()れたら、間違(まちが)いなく衆人(しゅうじん)攻撃目標(こうげきもくひょう)となる。へへ、お(まえ)たちに(つる)(はまぐり)(あらそ)いを(えん)じさせ、私は高見(たかみ)見物(けんぶつ)漁夫(ぎょふ)()()るまでだ!」方源(ほうげん)撤退(てったい)決意(けつい)し、()ずは戦力(せんりょく)回復(かいふく)させ、機会(きかい)(うかが)って(ふたた)出手(しゅっしゅ)するつもりだった。


しかし(てん)(ひと)(おも)いのままにはならず、()(するど)(おお)くの蛊師(こし)方源(ほうげん)動向(どうこう)気付(きづ)き、(こえ)()げて(さけ)んだ。


何者(なにもの)だ!?」「小獣王(しょうじゅうおう)だ!青銅大殿(せいどうだいでん)から()てきたようだ!」


(いそ)げ!(かれ)()()めろ!間違(まちが)いなく仙蔵(せんぞう)(ひと)つを(うば)ったに(ちが)いない!」


(こえ)(さら)(おお)くの(もの)注意(ちゅうい)()き、方源(ほうげん)(ちか)くの蛊師(こし)即座(そくざ)矛先(ほこさき)()け、方源(ほうげん)迎撃(げいげき)した。


しかし()(さき)(おそ)()かってきたのは、小規模(しょうきぼ)重泰犬(じゅうたいけん)(むれ)だった。


方源(ほうげん)正魔(せいま)蛊師(こし)からの攻撃(こうげき)()けるだけでなく、鉄白棋(てつはくき)からも(とく)に「照顧(しょうこ)」されていたのだ。














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ