表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
386/575

第百八十七節:五转奴隶蛊

(ほか)蛊師(こし)たちが(かん)突破(とっぱ)する(さい)には、(こころ)(くだ)き、あらゆる(さく)(こう)じる——武神通(ぶしんつう)巫鬼(ふき)のような(もの)も、綿密(めんみつ)計画(けいかく)し、慎重(しんちょう)選択肢(せんたくし)(えら)ぶ。


だが白凝冰(はくぎょうひょう)()(あい)地霊(ちれい)(たす)けがあるため、彼女(かのじょ)はただ(まえ)(すす)(つづ)ければよいだけだ。


(あわ)武神通(ぶしんつう)——堂堂(どうどう)たる四转巅峰蛊師(してんてんぽうこし)が、最期(さいご)(いた)るまで、白凝冰(はくぎょうひょう)(かお)すら()られずに(たお)れた。


方源(ほうげん)出現(しゅつげん)に、白凝冰(はくぎょうひょう)(かす)かな(おどろ)きも(しめ)さなかった——地霊(ちれい)事前(じぜん)()らせていたからだ。


(じつ)は、これは二人(ふたり)共闘(きょうとう)だった。


方源(ほうげん)武神通(ぶしんつう)空窍(くうきょう)必要(ひつよう)とし、白凝冰(はくぎょうひょう)(かれ)奴道蛊(ぬどうこ)蓄積(ちくせき)された犬群(いぬむれ)必要(ひつよう)とした。


武神通(ぶしんつう)()ぬと、(かれ)犬獣(けんじゅう)部隊(ぶたい)自然(しぜん)白凝冰(はくぎょうひょう)()(わた)り、もともと膨大(ぼうだい)だった犬群(いぬむれ)は、一割増(いちわりま)しに膨張(ぼうちょう)した。


茫漠(ぼうばく)たる(いぬ)大群(たいぐん)()て、方源(ほうげん)満足(まんぞく)げに(うなず)いた:「お(まえ)犬獣軍団(けんじゅうぐんだん)は、(かたち)(ととの)ってきた。この犬王伝承(けんおうでんしょう)では、もはや圧倒的(あっとうてき)優位(ゆうい)だ——最後(さいご)(かん)まで突破(とっぱ)するのは(むずか)しくない。(おぼ)えておけ——終盤(しゅうばん)数関(すうかん)に、獅獒(しごう)大群(たいぐん)(あらわ)れる。各々(おのおの)が異獣(いじゅう)で、五岳犬(ごがくけん)凌駕(りょうが)する戦力(せんりょく)()つ。当時(とうじ)犬王(けんおう)の切り(きりふだ)部隊(ぶたい)だ。(さら)に、二頭(にとう)犬王(けんおう)がいる——尋常(じんじょう)異獣(いじゅう)()える上古(じょうこ)異種(いしゅ)で、犬王(けんおう)右腕(みぎうで)だった。一頭(いっとう)ごとが五转蛊師(ごてんこし)匹敵(ひってき)する。(かなら)(すべ)てを手懐(てなず)けよ!」


白凝冰(はくぎょうひょう)(かろ)(うなず)き、方源(ほうげん)(わか)れを()げて、(ふたた)(かん)へと()()んだ。


「さすが未来(みらい)から()(もの)だ……春秋蝉(しゅんじゅうせみ)過去(かこ)(もど)り、三王伝承(さんおうでんしょう)熟知(じゅくち)している」地霊(ちれい)(ひそ)かに伝音(でんおん)し、感嘆(かんたん)(こえ)()らした:「だが警告(けいこく)する——仙元(せんげん)(のこ)りはわずかだ。あと二人(ふたり)(ころ)すのが限界(げんかい)だ。(つぎ)(だれ)(えら)ぶ?」


方源(ほうげん)即答(そくとう)した:「章三三(しょうさんさん)だ」


獣力胎盤蛊(じゅうりょくたいばんこ)八割九分(はちわりきゅうぶ)資質(ししつ)(たっ)し、(たま)のように(なめ)らかで(ひか)っている——最初(さいしょ)粗末(そまつ)土塊(どかい)のような姿(すがた)とは(くら)べものにならない。


あと二人(ふたり)四转蛊師(してんこし)吸収(きゅうしゅう)すれば、九割(きゅうわり)到達(とうたつ)するのは確実(かくじつ)だ。


第二空窍蛊(だいに くうきょうこ)資質(ししつ)は、蛊師(こし)第一空窍(だいいち くうきょう)()えられない——方源(ほうげん)第一空窍(だいいち くうきょう)九割甲等(きゅうわりこうとう)だ。(ゆえ)第二空窍(だいに くうきょう)限界(げんかい)も、甲等九割(こうとうきゅうわり)となる。


たとえ九割九分(きゅうわりきゅうぶ)まで蓄積(ちくせき)しても、方源(ほうげん)(からだ)(うつ)せば、九割(きゅうわり)頭打(あたまう)ちだ——余剰(よじょう)九分(きゅうぶ)無駄(むだ)()える。


もちろん、将来(しょうらい)方源(ほうげん)第一空窍(だいいち くうきょう)資質(ししつ)向上(こうじょう)させれば、第二空窍(だいに くうきょう)にも(あら)たな()(しろ)()まれる。


章三三(しょうさんさん)四转高階(してんこうかい)蛊師(こし)()ぎず、易火(えいか)孔日天(こうじつてん)よりも一歩(いっぽ)(おと)る。


だが方源(ほうげん)にとって、(かれ)こそが最大(さいだい)脅威(きょうい)だった——


三叉山(さんさざん)武神通(ぶしんつう)巫鬼(ふき)()奴道(ぬどう)(にな)()だからだ。


方源(ほうげん)(こころ)の中で計算(けいさん)していた:「白凝冰(はくぎょうひょう)奴道(ぬどう)専門家(せんもんか)ではない——犬群(いぬむれ)指揮(しき)完全(かんぜん)初心者(しょしんしゃ)同然(どうぜん)だ。膨大(ぼうだい)犬獣(けんじゅう)(ひき)いれば、混乱(こんらん)()けるのが精一杯(せいいっぱい)だろう。だが(さいわ)い、我々(われわれ)は攻撃(こうげき)仕掛(しか)ける必要(ひつよう)はない——陣形(じんけい)()んで大殿(だいでん)(まも)り、(てき)来襲(らいしゅう)()てばよい」


これで、白凝冰(はくぎょうひょう)指揮能力(しきのうりょく)不足(ふそく)大幅(おおはば)(おぎな)えるのだ。


だが、陣形(じんけい)(きわ)めて硬直(こうちょく)している——奴道(ぬどう)精通(せいつう)する蛊師(こし)相手(あいて)なら、最悪(さいあく)だ。


(たと)えば武神通(ぶしんつう)巫鬼(ふき)のような(もの)は、小部隊(しょうぶたい)(ひき)い、数度(すうど)突撃(とつげき)(じん)虚実(きょじつ)(さぐ)()せる。部隊(ぶたい)何度(なんど)(うご)かせば、陣形(じんけい)混乱(こんらん)させ、防御(ぼうぎょ)(すき)()()せる。


()()最終段階(さいしゅうだんかい)では、方源(ほうげん)全神経(ぜんしんけい)集中(しゅうちゅう)せねばならず、地霊(ちれい)衰弱(すいじゃく)()っている——犬群(いぬむれ)防御(ぼうぎょ)(たよ)るしかない。(ゆえ)方源(ほうげん)は、脅威(きょうい)となる奴道蛊師(ぬどうこし)優先的(ゆうせんてき)始末(しまつ)するのだ。


()もなく、方源(ほうげん)章三三(しょうさんさん)(ほうむ)った——(きわ)めて順調(じゅんちょう)に。


巫鬼(ふき)武神通(ぶしんつう)さえも(たお)した方源(ほうげん)に、章三三(しょうさんさん)(かな)うはずがない。


しかし(かれ)()()方源(ほうげん)(おも)いがけない(おどろ)きがもたらされた——


章三三(しょうさんさん)空窍(くうきょう)から、五转(ごてん)奴隷蛊(どれいこ)()られたのだ。


奴隷蛊(どれいこ)一转到五转(いってんからごてん)まである()一旦(いったん)()()まれれば、蛊師(こし)完全支配(かんぜんしはい)する。


五转奴隷蛊(ごてんどれいこ)五转蛊師(ごてんこし)支配下(しはいか)()け、(きわ)めて(めずら)しく希少(きしょう)だ。(むかし)青茅山(せいぼうざん)古月一族(こげついちぞく)四代目族長(よんだいめぞくちょう)が、花酒行者(かしゅぎょうじゃ)(たたか)った。(やぶ)れた族長(ぞくちょう)降伏(こうふく)(もう)()、「奴隷蛊(どれいこ)()()けてでも(したが)う」と()い、油断(ゆだん)した花酒行者(かしゅぎょうじゃ)(だま)されて逆襲(ぎゃくしゅう)()い、青茅山(せいぼうざん)無念(むねん)()()げたのだった。


()のある蛊師(こし)は、やはり(あなど)れない。章三三(しょうさんさん)奴道蛊師(ぬどうこし)だから、奴隷蛊(どれいこ)()っていても不思議(ふしぎ)ではない。使(つか)わなかったのは、好機(こうき)()って五转蛊師(ごてんこし)()にしようとしたのだろう。(なに)五转奴隷蛊(ごてんどれいこ)だ——四转蛊師(してんこし)使(つか)うのは、()()わないからな」


方源(ほうげん)(すこ)(かんが)えると、章三三(しょうさんさん)思惑(おもわく)をほぼ見抜(みぬ)いた。


(いま)獣力胎盤蛊(じゅうりょくたいばんこ)()ると、資質(ししつ)九割(きゅうわり)(ちか)くに(たっ)している——あと一人(ひとり)(ころ)せば完成(かんせい)だ。


無論(むろん)仙元(せんげん)(のこ)りが()きている以上(いじょう)方源(ほうげん)(ころ)せるのも、あと一人(ひとり)だけだ。


「この奴隷蛊(どれいこ)があれば、もう一人(ひとり)(あやつ)れる……()やまれる——章三三(しょうさんさん)がこんな()()っていると()っていれば、()(さき)(かれ)(ころ)し、奴隷蛊(どれいこ)五转蛊師(ごてんこし)()()れたものを」


方源(ほうげん)(ふか)後悔(こうかい)した——もし鉄慕白(てつぼはく)支配(しはい)できれば、()錬成(れんせい)格段(かくだん)(らく)になるのに!


鉄慕白(てつぼはく)でなくとも、巫鬼(ふき)骷魔(こま)武闌珊(ぶらんさん)仇九(きゅうきゅう)ら、どれも絶好(ぜっこう)獲物(えもの)だった。


だが(いま)彼等(かれら)(みな)()んでいる——五转奴隷蛊(ごてんどれいこ)使(つか)えるのは、せいぜい四转蛊師(してんこし)だけだ。宝刀(ほうとう)雑魚(ざこ)()りに使(つか)うようなもの、(あき)らかな過剰(かじょう)品質(ひんしつ)だ。


それでも方源(ほうげん)使(つか)決断(けつだん)(くだ)した——


第二空窍蛊(だいに くうきょうこ)錬成(れんせい)命懸(いのちが)けだ。四转蛊師(してんこし)一人(ひとり)支配下(しはいか)()けば、安全(あんぜん)格段(かくだん)向上(こうじょう)する。


だが問題(もんだい)は——この福地(ふくち)(のこ)数多(あまた)四转蛊師(してんこし)(なか)で、一体誰(だれ)手懐(てなず)けるべきか?


易火(えいか)孔日天(こうじつてん)龍青天(りゅうせいてん)翼冲(よくちゅう)李飛楽(りひらく)陶子(とうし)風天語(ふうてんご)炎軍(えんぐん)李閑(りかん)狐魅児(こみじ)鉄家四老(てつかしろう)鉄若男(てつじゃくなん)ら——強豪(きょうごう)もいれば、狡猾(こうかつ)(もの)陰険(いんけん)(もの)勇猛(ゆうもう)(もの)もいる。攻撃(こうげき)()け、遁走(とんそう)(ひい)で、治療(ちりょう)得意(とくい)(とみ)(たくわ)え、人脈(じんみゃく)(ひろ)(もの)も……


選択肢(せんたくし)の一つ(ひと)つが、後々(あとあと)まで(ひび)く。


方源(ほうげん)脳裏(のうり)電光(でんこう)(はし)り、長考(ちょうこう)(すえ)決断(けつだん)(くだ)した。


(かれ)()めた。地霊(ちれい)転送(てんそう)せよ」方源(ほうげん)(こえ)(まよ)いはなかった。


半刻(はんこく)()たぬうちに、風天語(ふうてんご)方源(ほうげん)足元(あしもと)(ひざまず)き、心服(しんぷく)()()めて()った:「配下(はいか)風天語(ふうてんご)主君様(しゅくんさま)謁見(えっけん)す!」


風天語(ふうてんご)、お(まえ)三转(さんてん)(きょう)(かい)五转蛊(ごてんこ)錬成(れんせい)した——たとえ半日(はんにち)消滅(しょうめつ)したが、(いち)(とき)()(とどろ)かせた。(いま)(むかし)様変(さまが)わり、一族(いちぞく)没落(ぼつらく)し、お(まえ)はもはや(かがや)ける(わか)族長(ぞくちょう)ではない」方源(ほうげん)足下(あしもと)風天語(ふうてんご)見下(みお)ろし、淡々(たんたん)と(かた)った。


風天語(ふうてんご)(ひたい)()()け:「主君(しゅくん)(つか)えることこそ、配下(はいか)光栄(こうえい)幸運(こううん)です」


「その心持(こころも)ちで()い。これから、指示(しじ)(したが)い、ひたすら(かん)突破(とっぱ)せよ。信王伝承(しんおうでんしょう)(なか)に、『百戦不疲蛊(ひゃくせんふひこ)』がある——それを()()()れ」方源(ほうげん)(めい)じた。


承知(しょうち)しました! (いのち)がけで主君(しゅくん)御心配(ごしんぱい)()きます!」風天語(ふうてんご)即座(そくざ)(こた)えた。


奴隷蛊(どれいこ)効果(こうか)で、(かれ)方源(ほうげん)絶対的(ぜったいてき)忠実(ちゅうじつ)下僕(げぼく)となった。


方源(ほうげん)風天語(ふうてんご)信頼(しんらい)していた——


(かれ)南疆(なんきょう)随一(ずいいち)錬道(れんどう)名手(めいしゅ)であるだけでなく、方源(ほうげん)前世(ぜんせ)では、信王伝承(しんおうでんしょう)最大(さいだい)受益者(じゅえきしゃ)だった。


方源(ほうげん)記憶(きおく)では、百戦不疲蛊(ひゃくせんふひこ)()にしたのは、(ほか)ならぬこの(おとこ)だ。


(いま)方源(ほうげん)(とき)(さかのぼ)り、百戦不疲蛊(ひゃくせんふひこ)(うば)うだけでなく、その(もと)(ぬし)までも麾下(きか)(おさ)めようとしている。


(いま)風天語(ふうてんご)地霊(ちれい)指南(しなん)()信王伝承(しんおうでんしょう)突破(とっぱ)するのは問題(もんだい)ない。これで三王伝承(さんおうでんしょう)のうち(ふた)つを()()(おさ)めた」


だが、これが方源(ほうげん)(しん)目的(もくてき)ではない。


風天語(ふうてんご)(えら)んだ理由(りゆう)は、(かれ)錬道(れんどう)における天賦(てんぷ)才華(さいか)(おも)んじたからだ。


第二空窍蛊(だいに くうきょうこ)錬成(れんせい)は、方源(ほうげん)にとって(はじ)めての(こころ)みだ——錬道(れんどう)大家(たいか)(そば)にいれば、(はか)()れない(たす)けとなる。


風天語(ふうてんご)手懐(てなず)けた(いま)方源(ほうげん)最後(さいご)一人(ひとり)(だれ)にするか(かんが)(はじ)めた——


(だれ)(ころ)す?


方源(ほうげん)()(さき)(おも)()かべたのは、最強(さいきょう)易火(えいか)でも、影響力(えいきょうりょく)(だい)きな狐魅児(こみじ)陶子(とうし)でもなく——鉄若男(てつじゃくなん)だった。


鉄慕白(てつぼはく)同様(どうよう)方源(ほうげん)鉄若男(てつじゃくなん)将来性(しょうらいせい)(たか)評価(ひょうか)していた——苦難(くなん)(きた)えられた天才(てんさい)成長(せいちょう)すれば、(かなら)巨大(きょだい)脅威(きょうい)となる。易火(えいか)らよりも、はるかに(おそ)ろしい存在(そんざい)(そだ)つだろう。


だが問題(もんだい)は——現状(げんじょう)鉄若男(てつじゃくなん)方源(ほうげん)(あた)える脅威(きょうい)は、易火(えいか)孔日天(こうじつてん)らより(はる)かに(ちい)さい。


第二空窍蛊(だいに くうきょうこ)錬成(れんせい)という(てん)では、易火(えいか)()ることは、鉄若男(てつじゃくなん)(ころ)すより、(あき)らかに有益(ゆうえき)だ。


()たして——安全策(あんぜんさく)()易火(えいか)(えら)ぶべきか?それとも将来(しょうらい)見据(みす)え、鉄若男(てつじゃくなん)優先的(ゆうせんてき)(ほうむ)るべきか?


何事(なにごと)だ?」方源(ほうげん)(おどろ)いた——地霊(ちれい)(こえ)に、()(ころ)した(あわ)てが(にじ)んでいた。


四转蛊師(してんこし)が、福地(ふくち)脆弱(ぜいじゃく)箇所(かしょ)発見(はっけん)した!かつて地災(ちさい)(おそ)われた場所(ばしょ)で、(てん)()制圧(せいあつ)(もっと)(よわ)い——すでに蛊師(こし)一匹(いっぴき)()使(つか)える状態(じょうたい)だ。(いま)(かれ)五转蛊(ごてんこ)毒浸天地(どくしんてんち)』を起動(きどう)し、空間(くうかん)腐食(ふしょく)している!あと半刻(はんこく)もすれば、外界(がいかい)(つう)じる(あな)()き、福地(ふくち)欠陥(けっかん)(しょう)じる!」


方源(ほうげん)事態(じたい)重大(じゅうだい)さを瞬時(またた)くに(さと)った。


前世(ぜんせ)六转蛊仙(ろくてんこせん)として福地(ふくち)所有(しょゆう)した経験(けいけん)がある(かれ)は、これが(なに)意味(いみ)するか(いた)いほど()かっていた——


福地(ふくち)欠陥(けっかん)(しょう)じれば、外界(がいかい)(つう)じ、仙元(せんげん)消耗(しょうもう)倍増(ばいぞう)する。即座(そくざ)修復(しゅうふく)しなければ、欠陥(けっかん)拡大(かくだい)し、(あら)たな(あな)が次々(つぎつぎ)と(あらわ)れ、ついには(だい)(どう)(ふう)(まね)く。


(だい)(どう)(ふう)()けば、福地(ふくち)跡形(あとかた)もなく()()せる!


福地(ふくち)欠陥箇所(けっかんかしょ)大半(たいはん)は、(わたし)(みずか)切除(せつじょ)して()てた。しかし三箇所(さんかしょ)だけは、要衝(ようしょう)位置(いち)にあるため、()()けられなかった。まさか、この(もの)がその(ひと)つに遭遇(そうぐう)し、弱点(じゃくてん)見抜(みぬ)くとは——(うん)()すぎる」地霊(ちれい)嘆息(たんそく)した。


方源(ほうげん)眼前(がんぜん)に、(ひと)つの光景(こうけい)(うつ)()された——


画面(がめん)(なか)蛊師(こし)は、紺碧(こんぺき)長袍(ちょうほう)をまとい、(ほお)()()んだ痩躯(そうく)眼光(がんこう)陰鬱(いんうつ)だった。


(かれ)こそが、龍青天(りゅうせいてん)であった。


(いま)(かれ)唯一(ゆいいつ)五转毒蛊(ごてんどくこ)碧空(へきくう)』を起動(きどう)している。


周囲(しゅうい)大地(だいち)(そら)も、青緑(あおみどり)()まり(はじ)めた。


かつて蒼穹(そうきゅう)(あお)()めし()


碧空蛊(へきくうこ)は、龍青天(りゅうせいてん)核心(かくしん)の切り(きりふだ)だ——太古(たいこ)から存在(そんざい)する蛊虫(こちゅう)で、(いま)やほぼ絶滅(ぜつめつ)している。龍青天(りゅうせいてん)はこの()南疆(なんきょう)横行(おうこう)し、数多(あまた)(もの)毒殺(どくさつ)し、凶名(きょうめい)(とどろ)かせた。


(いま)(かれ)はこの天地(てんち)そのものを毒殺(どくさつ)しようとしている!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ