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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第百八十一節:全部死んでいた

白凝冰(はくぎょうひょう)は、方源(ほうげん)虚無(きょむ)から突然(とつぜん)(あらわ)れたのを目撃(もくげき)し、一瞬(いっしゅん)()見開(みひら)いて(こお)りついた。


(いま)や、蛊師(こし)たちは三王伝承(さんおうでんしょう)について、非常(ひじょう)(ふか)理解(りかい)()っている。方源(ほうげん)(そば)にいた白凝冰(はくぎょうひょう)知識(ちしき)は、(ほか)(もの)よりも一層(いっそう)(ふか)かった。


だが、その“(ふか)さ”(ゆえ)に、彼女(かのじょ)驚愕(きょうがく)一層(いっそう)大きかった。


方源(ほうげん)突然(とつぜん)出現(しゅつげん)——一見(いっけん)単純(たんじゅん)なこの現象(げんしょう)に、(じつ)途方(とほう)もない意味(いみ)()められていたのだ!


白凝冰(はくぎょうひょう)、我々(われわれ)の(あいだ)()わした約束(やくそく)(おぼ)えているか?(いま)貴女(きみ)に、まだ陽蛊(ようこ)必要(ひつよう)かどうか()らないがな」方源(ほうげん)(みずか)らの出現(しゅつげん)には()れず、両手(りょうて)背中(せなか)()み、深淵(しんえん)のような()白凝冰(はくぎょうひょう)(ふか)見据(みす)えた。


「ふん、とぼけるな」白凝冰(はくぎょうひょう)()ややかに(はな)()らし、(あお)(ひとみ)(ほそ)めた。


彼女(かのじょ)()かっていた——方源(ほうげん)無意味(むいみ)行動(こうどう)()るはずがない、(かなら)(した)がある:「どうやら(わたし)(たす)けが必要(ひつよう)らしいな?遠慮(えんりょ)せずに()え。ただし、(だま)しや(かく)(ごと)があれば、(けっ)して(うご)かないからな」


方源(ほうげん)高笑(たかわら)いし、微動(びどう)だにしなかった:「商家城(しょうかしょう)で、我々(われわれ)は毒誓(どくせい)を立てた——一方(いっぽう)生命(せいめい)危機(きき)(おちい)れば、他方(たほう)(かなら)(すく)わねばならない。率直(そっちょく)()おう、()もなく、(わたし)蛊師(こし)たちの包囲(ほうい)()ける。(わたし)()()(あいだ)護法(ごほう)として(まも)ってほしい」


蛊師(こし)包囲(ほうい)? はは、貴様(きさま)(ころ)したい(もの)()いて()てるほどいる、(おどろ)きはしない。だが、(なに)()()るつもりだ?」


今回(こんかい)方源(ほうげん)(きわ)めて率直(そっちょく)だった——(こと)一切(いっさい)(つつ)(かく)さず(はな)した。


(こと)重大(じゅうだい)である以上(いじょう)白凝冰(はくぎょうひょう)全面的(ぜんめんてき)協力(きょうりょく)必要(ひつよう)だ。この(けん)(かく)(とお)せるものではない——白凝冰(はくぎょうひょう)はそう簡単(かんたん)(だま)せる(おんな)ではない。


もし隠蔽(いんぺい)によって誤解(ごかい)(しょう)じ、最終的(さいしゅうてき)()錬成(れんせい)失敗(しっぱい)すれば、(はか)()れない損失(そんしつ)となるだろう。


「なに!? この蛊仙福地(こせんふくち)地霊(ちれい)がまだ存在(そんざい)するだと!? 仙蛊(せんこ)()るつもりだと!? 貴様(きさま)度胸(どきょう)()すぎる——まさに自殺行為(じさつこうい)だ! ()て、(いま)(なに)()った? 鉄慕白(てつぼはく)巫鬼(ふき)骷魔(こま)(ころ)しただと!?」


方源(ほうげん)簡潔(かんけつ)説明(せつめい)したが、その(みじか)言葉(ことば)()()まれた情報量(じょうほうりょう)は、白凝冰(はくぎょうひょう)巨大(きょだい)衝撃(しょうげき)(あた)えた。


彼女(かのじょ)はまるで伝奇小説(でんきしょうせつ)()いているような気分(きぶん)だった。


方源(ほうげん)言葉(ことば)弁明(べんめい)しようとはせず、直接(ちょくせつ)(みずか)らの戦利品(せんりひん)を取り(とりだ)した。


「こ、これらの()は!」白凝冰(はくぎょうひょう)は、方源(ほうげん)()()した()()にし、()()き、完全(かんぜん)平静(へいせい)(うしな)った。


これらの()は、(まぎ)れもない本物(ほんもの)だ——(もっと)(つよ)証拠(しょうこ)である。


本当(ほんとう)鉄慕白(てつぼはく)たちを(ころ)したのか?」白凝冰(はくぎょうひょう)方源(ほうげん)(にら)みつけ、驚愕(きょうがく)(ねん)表情(ひょうじょう)(あふ)れていた。


鉄慕白(てつぼはく)とは何者(なにもの)か?


南疆(なんきょう)(ちょう)名門(めいもん)鉄家(てつけ)(まえ)当主(とうしゅ)


(てん)(えら)んだ()——()まれながらの卓抜(たくばつ)した才能(さいのう)に、(はがね)(ごと)意志(いし)鉄血(てっけつ)精神(せいしん)()(そな)える。


生涯(しょうがい)(かがや)かしい戦績(せんせき)(きざ)み、才気(さいき)(あふ)れる蛊虫戦術(こちゅうせんじゅつ)開発(かいはつ)し、無数(むすう)(てき)(ふる)()がらせた。


(わか)()(かれ)天下(てんか)縦横(じゅうおう)し、その()南疆(なんきょう)(とどろ)いた。壮年(そうねん)()鉄家(てつけ)掌握(しょうあく)し、鉄腕(てつわん)強権(きょうけん)()るい、(だれ)もが(おそ)れを(いだ)いた。老年(ろうねん)(いた)っては、一方(いっぽう)帝王(ていおう)となり、威光(いこう)(ひろ)()(わた)り、(ふく)さぬ(もの)はなかった。


(かれ)鉄家(てつけ)栄光(えいこう)正道(せいどう)(かがや)きと(たた)えられた。閉関(へいかん)(のたま)い、退位(たいい)した(とき)魔道(まとう)正道(せいどう)()わず、数多(あまた)(もの)安堵(あんど)(いき)()いた。


(いま)(かれ)(かん)(ひら)()でたと()り、(かく)()(ふる)()がった。商燕飛(しょうえんひ)さえも、(かれ)(まえ)()てば、(ふか)(れい)()れるだろう。


武家(ぶけ)五转蛊師(ごてんこし)武闌珊(ぶらんさん)——現武家当主(げんぶけとうしゅ)従妹(いとこ)ですら、鉄慕白(てつぼはく)(まえ)では、高慢(こうまん)(あたま)()れざるを()なかった。


しかし、そのような鉄慕白(てつぼはく)が、方源(ほうげん)()(たお)れたのだ。


それだけではない!巫鬼(ふき)骷魔(こま)という二人(ふたり)五转蛊師(ごてんこし)も、方源(ほうげん)()(たお)れたのだ!


さらに()ぎたるは、彼等(かれら)()んだだけではなく、全身(ぜんしん)()までも方源(ほうげん)(うば)われたことだ!!


「この三人(さんにん)五转蛊師(ごてんこし)()は、(じつ)無念(むねん)である……」局外者(きょくがいしゃ)である白凝冰(はくぎょうひょう)でさえ、鉄慕白(てつぼはく)三人(さんにん)末路(まつろ)(むね)()まる(おも)いだった。


「さて、(とき)()ちた。これから、貴女(きみ)犬王伝承(けんおうでんしょう)転送(てんそう)する。(わたし)指示(しじ)(したが)い、(かん)突破(とっぱ)せよ。犬獣(けんじゅう)手助(てだす)けが必要(ひつよう)だ——(かず)(おお)ければ(おお)いほど良い」方源(ほうげん)口調(くちょう)(あせ)っていた。


「ふん、(わたし)(たす)けるとは一言(ひとこと)()っていない」白凝冰(はくぎょうひょう)()(あや)うく(ひか)り、()()には(したが)わぬ意志(いし)(にじ)んでいた。


方源(ほうげん)(わら)って()った:「安心(あんしん)せよ、(こと)()れば、陽蛊(ようこ)貴女(きみ)(ゆず)ろう。それ以外(いがい)にも、()いことはある。三叉山(さんさざん)(はな)れた(あと)貴女(きみ)()きたい(ところ)()くのは自由(じゆう)だ——(わか)(みち)(えら)んでも()めはしない、同行(どうこう)(のぞ)むなら(だい)歓迎(かんげい)だ。だが、貴女(きみ)承諾(しょうだく)しようとしまいと、私は()()るつもりだ」


白凝冰(はくぎょうひょう)(いき)()まらせた:「貴様(きさま)! この厚かましいごろつきめ、毒誓(どくせい)()けて(おど)すつもりか!?」


もし方源(ほうげん)()()最中(さいちゅう)襲撃(しゅうげき)()けて()ねば、毒誓(どくせい)により白凝冰(はくぎょうひょう)()ぬ——つまり、彼女(かのじょ)方源(ほうげん)(まも)らねばならないのだ。


方源(ほうげん)一息(ひといき)つき、口調(くちょう)(やわ)らげた——ほのかな(あたた)かささえ(かん)じられた:「脅迫(きょうはく)ではない、共闘(きょうとう)だ、凝冰(ぎょうひょう)(おも)()せ、青茅山(せいぼうざん)から、我々(われわれ)は危難(きなん)()()え、数多(あまた)(てき)(ほうむ)ってきた。今回(こんかい)例外(れいがい)ではない。陽蛊(ようこ)をずっと(のぞ)んでいただろう? ()にすれば、(おとこ)(からだ)(もど)れる。まさか、(おんな)身分(みぶん)未練(みれん)ができたのか?」


凝冰(ぎょうひょう)」という()()()いた白凝冰(はくぎょうひょう)は、全身(ぜんしん)鳥肌(とりはだ)()った。


そして最後(さいご)一言(ひとこと)に——(あき)らかな挑発(ちょうはつ)()りつつも、(いか)りが爆発(ばくはつ)した:「(だま)れ! 貴様(きさま)!」


「ならば、()まりだな」方源(ほうげん)高笑(たかわら)いし、大払(おおばら)いに()()るうと、白凝冰(はくぎょうひょう)犬馭蛊(いぬのこ)()()け、虚無(きょむ)()えた。


白凝冰(はくぎょうひょう)眼前(がんぜん)も、一瞬(いっしゅん)にして景色(けしき)激変(げきへん)した——地霊(ちれい)犬王伝承(けんおうでんしょう)第一関(だいいっかん)移動(いどう)させられたのだ。


一方(いっぽう)方源(ほうげん)武闌珊(ぶらんさん)眼前(がんぜん)突如(とつじょ)(あらわ)れた。


眼前(がんぜん)突然(とつぜん)(ひと)(あらわ)れ、武闌珊(ぶらんさん)(おどろ)いて()()がった。だが、彼女(かのじょ)()()せた五转蛊師(ごてんこし)——瞬時(またた)くに平静(へいせい)を取り(とりもど)した。


小獣王(しょうじゅうおう)、なんと貴様(きさま)か! どうやら自由自在(じゆうじざい)にここを出入(ではい)りできるようだな?」武闌珊(ぶらんさん)一歩(いっぽ)(うし)ろに()がり、(うつく)しい()(するど)(ひかり)(ほとばし)った。


方源(ほうげん)無表情(むひょうじょう)で、小指(こゆび)(はじ)いた——(ほね)(とげ)一閃(いっせん)(ごと)(はな)たれた。


スッ!


(かろ)やかな(おと)(とも)に、(ほね)(やり)電光(でんこう)(ごと)武闌珊(ぶらんさん)心臓(しんぞう)(つらぬ)いた。


(はな)のような美貌(びぼう)が、(とき)()まったように(こわば)る。彼女(かのじょ)(しん)(がた)様子(ようす)方源(ほうげん)()つめ、(くち)(ひら)いた:「貴様(きさま)……()を、まだ使(つか)えるのか?」


この言葉(ことば)()()えると、彼女(かのじょ)生気(せいき)完全(かんぜん)()え、(いのち)()とした。


また一人(ひとり)五转蛊師(ごてんこし)()んだ。


だが方源(ほうげん)は、彼女(かのじょ)五转蛊(ごてんこ)()にすることはできなかった。


武闌珊(ぶらんさん)()んだ瞬間(しゅんかん)彼女(かのじょ)(からだ)から神秘(しんぴ)(ひかり)炸裂(さくれつ)し、三匹(さんびき)五转蛊(ごてんこ)(つつ)()むと、虚空(くう)(くだ)いて()()った。


方源(ほうげん)もこの結果(けっか)予想(よそう)していた——武家(ぶけ)には、百発百中(ひゃっぱつひゃくちゅう)貴重(きちょう)()回収(かいしゅう)する、六转仙蛊(ろくてんせんこ)百無一失蛊(ひゃくむいっしつこ)」が存在(そんざい)することを()っていたからだ。


この福地(ふくち)は、一转到五转(いちてんからごてん)()(はたら)きを(おさ)()めるが、仙蛊(せんこ)(ちから)まで制約(せいやく)することはできない。


事実(じじつ)如何(いか)なる福地(ふくち)も、仙蛊(せんこ)(ちから)制約(せいやく)することはできないのだ。


方源(ほうげん)(のこ)りの四转蛊(してんこ)をすべて回収(かいしゅう)し、(すく)なからぬ収穫(しゅうかく)()た。(つづ)いて、獣力胎盤蛊(じゅうりょくたいばんこ)を取り(とりだ)し、武闌珊(ぶらんさん)空窍(くうきょう)()らい()くした。


これで四人目(よにんめ)五转蛊師(ごてんこし)空窍(くうきょう)吸収(きゅうしゅう)したことになる。


獣力胎盤蛊(じゅうりょくたいばんこ)滋養(じよう)吸収(きゅうしゅう)し、精巧(せいこう)陶磁器(とうじき)のように変貌(へんぼう)した——表面(ひょうめん)(なめ)らかで、手触(てざわ)りは極上(ごくじょう)(きぬ)のようだ。


方源(ほうげん)心神(しんしん)(さぐ)ると、第二空窍蛊(だいに くうきょうこ)資質(ししつ)七割五分(ななわりごぶ)(たっ)していることを確認(かくにん)した。


資質(ししつ)(たか)まるほど、向上(こうじょう)(むずか)しくなる。最初(さいしょ)鉄慕白(てつぼはく)一人(ひとり)空窍(くうきょう)吸収(きゅうしゅう)した(とき)四割(よんわり)()()がった。だがその()巫鬼(ふき)骷魔(こま)武闌珊(ぶらんさん)三人(さんにん)空窍(くうきょう)吸収(きゅうしゅう)しても、わずか三割五分(さんわりごぶ)上昇(じょうしょう)(とど)まったのだ。


無論(むろん)、これは蛊師(こし)基盤(きばん)にも(かか)わる。三叉山(さんさざん)には五转蛊師(ごてんこし)五人(ごにん)いる。だが五转巅峰(ごてんてんぽう)は、鉄慕白(てつぼはく)骷魔(こま)巫鬼(ふき)三人(さんにん)だけだ——(なか)でも鉄慕白(てつぼはく)鉄家(てつけ)膨大(ぼうだい)資源(しげん)()に、(もっと)(あつ)基盤(きばん)()つ。(ほか)武闌珊(ぶらんさん)王逍(おうしょう)五转高階(ごてんこうかい)仇九(きゅうきゅう)五转初階(ごてんしょかい)()ぎない。彼等(かれら)(ころ)しても、資質(ししつ)一割(いちわり)上昇(じょうしょう)しないだろう」


「だが心配(しんぱい)無用(むよう)だ!蛊師(こし)(くさ)るほどいる——易火(えいか)孔日天(こうじつてん)らも、(みな)()んでもらう!」


……


尸喰(しか)らい(いぬ)全身(ぜんしん)青紫(あおむらさき)で、皮膚(ひふ)(くさ)りかけ、(こし)()がり、(きば)()()ている。陰犬(いぬ)()せば、(かなら)大成功(だいせいこう)する」


(ひだり)(みち)(えら)べ——その(かん)褒美(ほうび)は、一心三用蛊(いっしんさんようこ)だ。貴女(きみ)(きわ)めて有用(ゆうよう)だ」


(つぎ)に、重泰犬王(じゅうたいけんおう)遭遇(そうぐう)する。重傷(じゅうしょう)だが、その(ぶん)(くる)おしいほど獰猛(どうもう)だ。たとえ何頭(なんとう)犬獣(けんじゅう)犠牲(ぎせい)にしようとも、生捕(いけど)りにせよ!この犬王(けんおう)前二十関(ぜんにじゅっかん)唯一(ゆいいつ)重泰犬王(じゅうたいけんおう)だ。二十二関(にじゅうにかん)では、遊散(ゆうさん)重泰犬(じゅうたいけん)大群(たいぐん)(あらわ)れる——これを()にすれば、一兵(いっぺい)(うしな)わずに編入(へんにゅう)できる!」


白凝冰(はくぎょうひょう)(かん)突破(とっぱ)する(たび)に、(みみ)(おく)(こえ)指示(しじ)()ばす。


その(こえ)(ぬし)は、()うまでもなく地霊(ちれい)である。


仙元(せんげん)(とぼ)しいため、地霊(ちれい)白凝冰(はくぎょうひょう)犬王伝承(けんおうでんしょう)(おく)()んだ(のち)彼女(かのじょ)仙元(せんげん)浪費(ろうひ)することを(きら)った。


白凝冰(はくぎょうひょう)は、一関(いっかん)また一関(いっかん)と、(みずか)らの(ちから)突破(とっぱ)せねばならない。


しかし、地霊(ちれい)福地(ふくち)への支配力(しはいりょく)最低(さいてい)()ちているにもかかわらず、三王伝承(さんおうでんしょう)仕組(しく)みには透徹(とうてつ)した()()つ——明察秋毫(めいさつしゅうごう)(ごと)し。


これらの指示(しじ)は、仙元(せんげん)(ほとん)消耗(しょうもう)しないが、白凝冰(はくぎょうひょう)にとっては(はか)()れない(たす)けとなる——暗闇(くらやみ)(みち)()らす(あか)りのようだ。


各関(かくかん)最適(さいてき)選択(せんたく)(かさ)ねる白凝冰(はくぎょうひょう)実力(じつりょく)は、(ゆき)だるま(しき)膨張(ぼうちょう)(つづ)けた。


(つぎ)(かん)では、蛊師(こし)(てき)として(あらわ)れる。だが心配(しんぱい)無用(むよう)——(かれ)大戦(たいせん)()えたばかりで、犬獣(けんじゅう)はわずかしか(のこ)っていない。(ろう)せずして始末(しまつ)できるだろう。その(とき)(わたし)(かれ)拘束(こうそく)する。(ころ)した(あと)()(うば)()れ——貴女(きみ)()戦力(せんりょく)(おお)いに増強(ぞうきょう)できる」地霊(ちれい)(ふたた)指示(しじ)した。


白凝冰(はくぎょうひょう)(かす)(うなず)き、ゆっくりと(きり)(なか)()()した。


貴様(きさま)か……」(てき)であるその(おとこ)彼女(かのじょ)()て、(おどろ)いた様子(ようす)()せた。


白凝冰(はくぎょうひょう)()一瞬(いっしゅん)見開(みひら)いた——この(おとこ)(ほか)ならぬ、伝承(でんしょう)()(ぐち)彼女(かのじょ)方源(ほうげん)難癖(なんくせ)をつけた雲家(うんけ)(わか)族長(ぞくちょう)——雲落天(うんらくてん)だった。


雲落天(うんらくてん)傲慢(ごうまん)(はな)()らした:「お(まえ)白凝冰(はくぎょうひょう)か? ()(はい)()うとは、(うん)()きたな……()(もと)犬獣(けんじゅう)は、()(はい)半分(はんぶん)もおるまい」


その言葉(ことば)半分(はんぶん)()ぬうちに、(かれ)(こえ)途切(とぎ)れた——()見開(みひら)き、(のど)から「ゴホッゴホッ」と奇妙(きみょう)(おと)()れた。まるで(にわとり)(くび)()()けたような。


白凝冰(はくぎょうひょう)()後の(きり)から、膨大(ぼうだい)な数の犬獣(けんじゅう)(あらわ)(はじ)めたのだ。


延々(えんえん)と(つづ)き、その(かず)雲落天(うんらくてん)犬群(いぬむれ)(かろ)凌駕(りょうが)していた!







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