表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
374/573

第百七十五節:群雄并现

福地(ふくち)すら(ほろ)びるとは……」鉄若男(てつじゃくなん)はこの秘話(ひわ)()き、かすかに嘆息(たんそく)した。


「この()永遠(えいえん)不滅(ふめつ)存在(そんざい)などあるものか? 天道(てんどう)(めぐ)り、万物(ばんぶつ)(きそ)()う——広大(こうだい)天地(てんち)(まえ)では、我々(われわれ)凡人(ぼんじん)海底(かいてい)一握(ひとにぎ)りの(すな)()ぎない。蛊仙(こせん)昇華(しょうか)して(はじ)めて、(ぞく)()え、基盤(きばん)()砂粒(すなつぶ)から波瀾(はらん)(あらが)える(しま)へと()わるのだ」鉄慕白(てつぼはく)(こえ)には、(ふか)感慨(かんがい)()められていた。


「では福地(ふくち)(ほろ)びようとする(とき)(なか)にいる(もの)危険(きけん)ではないのですか?」鉄若男(てつじゃくなん)(かさ)ねて(たず)ねた。


「その(とお)りだ」鉄慕白(てつぼはく)(うなず)いた。「福地(ふくち)消滅(しょうめつ)する瞬間(しゅんかん)大同風(だいどうふう)()()こる——天地(てんち)一体(いったい)()する(さい)に、福地内(ふくちない)一切(いっさい)は、天地(てんち)根源(こんげん)である元気(げんき)へと(かえ)る。この(かぜ)威力(いりょく)絶大(ぜつだい)で、あらゆる(ちり)(はら)(きよ)める。蛊仙(こせん)すら忌避(きひ)し、仙蛊(せんこ)さえ消滅(しょうめつ)させる(ちから)()つ」


「まさかそれほどの(かぜ)が……!」鉄若男(てつじゃくなん)驚愕(きょうがく)し、両眼(りょうがん)(ふか)(うれ)いを()かべた。


鉄慕白(てつぼはく)は悠々(ゆうゆう)と()()った:「心配無用(しんぱいむよう)だ。(わたくし)福地(ふくち)数度(すうど)(あし)()()れ、その衰微(すいび)(はだ)(かん)じてきた。福地(ふくち)(たし)かに(よわ)まりつつあるが、完全消滅(かんぜんしょうめつ)までにはまだ(とき)がある。その過程(かてい)で、福地内(ふくちない)天地偉力(てんちいりょく)次第(しだい)(おとろ)え、我々(われわれ)蛊師(こし)への制限(せいげん)緩和(かんわ)されていく。やがて一二匹(いちにひき)()使(つか)えるようになり、三四匹(さんよんひき)五六匹(ごろくひき)……と()え、最終段階(さいしゅうだんかい)には福地(ふくち)(あな)だらけとなり、隧道(ずいどう)形作(かたちづく)られる——我々(われわれ)は自由自在(じゆうじざい)()()できるようになるのだ」


鉄慕白(てつぼはく)(とお)くを見据(みす)え、その眼差(まなざ)しは深淵(しんえん)のように(ふか)く、未来(みらい)(すか)()るかのような知性(ちせい)()ちていた。


最終段階(さいしゅうだんかい)こそ、三王伝承(さんおうでんしょう)(しん)決戦(けっせん)となる。福地(ふくち)制限(せいげん)はほぼ消滅(しょうめつ)し、(だれ)もが全力(ぜんりょく)発揮(はっき)できる——(うば)()い、(たたか)()う。その(とき)三叉山(さんさざん)(つど)うのは、もはや三人(さんにん)五转蛊師(ごてんこし)などではない。まさに風雲(ふううん)(きゅう)()げ、龍蛇(りゅうだ)()()()がる——天下(てんか)英傑(えいけつ)一斉(いっせい)(あらわ)れるのだ」


鉄若男(てつじゃくなん)脳裏(のうり)電光(でんこう)(はし)った。


彼女(かのじょ)(つい)理解(りかい)した——鉄慕白(てつぼはく)が、なぜ魔道(まとう)二人(ふたり)決着(けっちゃく)をつけなかったのかを。


(しん)(てき)は、(かれ)らだけではなかったのだ。(はや)くから全力(ぜんりょく)()くせば、(あと)(ひか)える虎視眈々(こしたんたん)たる(もの)たちに、漁夫(ぎょふ)()(あた)えてしまう。


三王伝承(さんおうでんしょう)は、終盤(しゅうばん)(ちか)づくほど、()られる報酬(ほうしゅう)は大き(おおき)くなる。


福地(ふくち)真実(しんじつ)()(もの)たちは、すでに最終決戦(さいしゅうけっせん)()け、(しず)かに準備(じゅんび)(すす)めているのだった。


……


中洲(ちゅうしゅう)天梯山(てんていざん)


狐仙福地(こせんふくち)山腹(さんぷく)方正(ほうせい)岩肌(いわはだ)()()き、(あら)(いき)()りながら、(したた)(あせ)(ぬぐ)った。


手足(てあし)(なまり)のように(おも)く、(しび)れと(いた)みが神経(しんけい)()(めぐ)る。この(たか)さまで独力(どくりょく)(のぼ)()ることは、(かれ)魂魄(こんぱく)(ひそ)(ちから)を、文字通(もじどお)(しぼ)()くす作業(さぎょう)だった。


山風(やまかぜ)()()ける。強烈(きょうれつ)眩暈(めまい)(おそ)われ、方正(ほうせい)(いま)にも(ころ)()ちそうになった。


視界(しかい)はぐるぐる()わり、魂魄(こんぱく)限界(げんかい)まで圧搾(あっさく)され、思考(しこう)する(ちから)さえも(うば)われていた。


朦朧(もうろう)とした意識(いしき)(なか)空窍(くうきょう)から寄魂蚤(きこんそう)(こえ)(ひび)いた:「()し、非常(ひじょう)()い!()愛徒(あいと)よ、ここまで()()いたとは、(じつ)立派(りっぱ)だ。成功(せいこう)だ——(つぎ)()である(わし)出番(でばん)じゃ!」


その(こえ)(とも)に、()()えぬ(ちから)が、方正(ほうせい)魂魄(こんぱく)最深部(さいしんぶ)へと浸透(しんとう)してきた……


(いま)にも(たお)れそうな(かん)じは、(またた)()()()った——まるで(ある)(はじ)めた幼児(ようじ)が、突然(とつぜん)大人(おとな)(ささ)えられたかのように。


視界(しかい)()(わた)り、(なが)方正(ほうせい)(くる)しめた眩暈(めまい)も、()見張(みは)(はや)さで()えていった。


方正(ほうせい)(ふか)何度(なんど)(いき)()()んだ——その(かん)じは(じつ)最高(さいこう)だった!


あたかも砂漠(さばく)彷徨(さまよ)い、(かわ)()(ひん)した旅人(たびと)が、突然(とつぜん)甘露(かんろ)(めぐ)()ったかのようだ。あるいは、(とこし)えに(ねむ)らず(はたら)(つづ)けた(もの)が、七日七晩(なのかなばん)もぐっすり(ねむ)(つづ)けたかのようだ。


すべてが()くなり、すべてが(いや)され、爽快(そうかい)そのものだった!


()()()よ、(とき)無駄(むだ)にするな、(はや)(のぼ)れ!」天鶴上人(てんかくしょうにん)(うなが)した。


「はっ、師匠(ししょう)!」方正(ほうせい)(とら)(ひとみ)が、(つよ)(れつ)(ひかり)(はな)った。(かれ)(うえ)見上(みあ)げると、鳳金煌(ほうきんこう)らは依然(いぜん)として(はる)(さき)(すす)んでいたが、その速度(そくど)(あき)らかに()ちてきていた。


方正(ほうせい)(むね)に、(いま)(かん)じたことのない自信(じしん)()()がってきた。


「やれる!師匠(ししょう)(ちから)があれば、(かなら)ずや(てん)寵児(ちょうじ)たちを()(やぶ)り、狐仙伝承(こせんでんしょう)唯一(ゆいいつ)継承者(けいしょうしゃ)となってみせる! 方正(ほうせい)頑張(がんば)れ!」(こころ)の中で(みずか)らを(ふる)()たせると、(かれ)(ふたた)岩壁(がんぺき)()()けた。


(かれ)(うご)きは(はや)く、かつ安定(あんてい)していた——登攀速度(とはんそくど)爆発的(ばくはつてき)向上(こうじょう)した。この突然(とつぜん)変貌(へんぼう)は、(またた)()観測者(かんそくしゃ)たちの注意(ちゅうい)()き、警戒(けいかい)(うなが)した。


狐仙福地(こせんふくち)(ひら)かれて以来(いらい)外部(がいぶ)天地(てんち)(つう)()っていた。


そのため、福地外(ふくちがい)(ひそ)十人(じゅうにん)蛊仙(こせん)たちは、即座(そくざ)方正(ほうせい)異変(いへん)察知(さっち)した。


「おや? あの()、さっきまで限界(げんかい)脱落(だつらく)寸前(すんぜん)だったのに、どうして突然(とつぜん)(たけ)()ったのだ?」


(あや)しい——この速度(そくど)は、鳳金煌(ほうきんこう)たちを上回(うわまわ)っているぞ!」


「この若輩(じゃくはい)仙鶴門(せんかくもん)(もの)だ……なるほど」


(じゅう)蛊仙(こせん)思念(しねん)交錯(こうさく)する(なか)()もなく方正(ほうせい)(おく)()見抜(みぬ)(もの)(あらわ)れた。


鶴風揚(かくふうよう)(きみ)随分(ずいぶん)本腰(ほんごし)()れたようだな。寄魂蚤(きこんそう)自体(じたい)(めずら)しくないが、その機能(きのう)(たも)つために、我素蛊(がそこ)使(つか)ったのだろう?」


仙鶴門(せんかくもん)太上長老(たいじょうちょうろう)である鶴風揚(かくふうよう)が、六转(ろくてん)の「我素蛊(がそこ)」を所有(しょゆう)していることは、(ひろ)()られている。


我素蛊(がそこ)は、福地(ふくち)(なか)でも(ほか)蛊虫(こちゅう)正常(せいじょう)使用(しよう)できるようにする(ちから)を持つ(もつ)。


しかし、これは消耗類(しょうもうるい)()で、三回(さんかい)しか使用(しよう)できない。三度目(さんどめ)使用後(しようご)()跡形(あとかた)もなく消滅(しょうめつ)するのだった。


鶴風揚(かくふうよう)(きみ)(じつ)巧妙(こうみょう)()()ったな。まさかこんな伏線(ふくせん)()っていたとは」


「とんでもない。この世代(せだい)新星(しんせい)たちは、万龍塢(ばんりゅうう)応生機(おうせいき)霊縁斎(れいえんさい)鳳金煌(ほうきんこう)霊蝶谷(れいちょうこく)蕭七星(しょうしちせい)と、いずれも怪物級(かいぶつきゅう)だ。仙鶴門(せんかくもん)正面(しょうめん)から対抗(たいこう)するのは(むずか)しく、やむを()ずの下策(げさく)だよ」鶴風揚(かくふうよう)謙虚(けんきょ)に、低姿勢(ていしせい)(こた)えた。


(ほか)蛊仙(こせん)たちは、苦笑(くしょう)()かべるしかなかった。


(かれ)らも六转(ろくてん)仙蛊(せんこ)所有(しょゆう)しているが、我素蛊(がそこ)のような特殊(とくしゅ)効果(こうか)()たない——これほど効果的(こうかてき)(おお)きな援助(えんじょ)不可能(ふかのう)だ。


蛊虫(こちゅう)六转(ろくてん)昇華(しょうか)すると、それは仙蛊(せんこ)となる——天地(てんち)唯一無二(ゆいいつむに)存在(そんざい)だ。広大(こうだい)宇宙(うちゅう)(なか)で、同種(どうしゅ)仙蛊(せんこ)同時(どうじ)存在(そんざい)することは絶対(ぜったい)にない。


仙蛊(せんこ)五转蛊(ごてんこ)よりも(まれ)で、六转蛊仙(ろくてんこせん)(なか)には、一匹(いっぴき)仙蛊(せんこ)()たない(もの)さえ(おお)いのだ。


方源(ほうげん)前世(ぜんせ)五百年(ごひゃくねん)()蛊仙(こせん)となった。(はじ)めての六转仙蛊(ろくてんせんこ)である春秋蝉(しゅんじゅうせみ)錬成(れんせい)するため、膨大(ぼうだい)時間(じかん)精力(せいりょく)(つい)やした。完成(かんせい)直後(ちょくご)正道(せいどう)集団攻撃(しゅうだんこうげき)()い、(おも)目的(もくてき)はこの仙蛊(せんこ)奪取(だっしゅ)だった。


(いま)、この()(つど)十人(じゅうにん)蛊仙(こせん)たちは、各々(おのおの)の門派(もんは)()にしているため、多少(たしょう)(たくわ)えはある。しかし(かれ)らの手元(てもと)にある仙蛊(せんこ)も、せいぜい一二匹(いちにひき)()ぎない。


鶴風揚(かくふうよう)我素蛊(がそこ)()つということは——(ほか)蛊仙(こせん)()可能性(かのうせい)絶無(ぜつむ)だ!


巧妙(こうみょう)なのは、鶴風揚(かくふうよう)行動(こうどう)は、十派(じゅっぱ)協議(きょうぎ)して()めた規則(きそく)(わく)()えておらず、ゲームのルールを(やぶ)ってもいない(てん)だ。だからこそ、(ほか)蛊仙(こせん)たちは歯噛(はが)みしながら見守(みまも)るしかなく、強制介入(きょうせいかいにゅう)できないのである。


()しいことに、(わたし)仙蛊(せんこ)攻撃(こうげき)特化(とっか)で、使(つか)えば狐仙伝承(こせんでんしょう)攻撃(こうげき)することになる——(うつく)しくはないな」


(たましい)(まも)防御(ぼうぎょ)仙蛊(せんこ)()っているが、弟子(でし)たちに仙元(せんげん)()りない。さもなければ、伝承(でんしょう)(かなら)()門派(もんは)のものだったのに」


勝敗(しょうはい)はまだ()していない。仙鶴門(せんかくもん)弟子(でし)寄魂蚤(きこんそう)()優位(ゆうい)()ったが、依然(いぜん)として(おお)きな(おく)れを()っている。結末(けつまつ)は、まだ見守(みまも)必要(ひつよう)がある……」


鶴風揚(かくふうよう)八十年前(はちじゅうねんまえ)一度(いちど)我素蛊(がそこ)使(つか)い、今回(こんかい)二度目(にどめ)だ。つまり、あと一度(いちど)しか使(つか)えない。この(おお)きな代償(だいしょう)(はら)ってまで、伝承(でんしょう)競争(きょうそう)優位(ゆうい)()ったわけだ」


議論(ぎろん)(かさ)ねた(あと)(のこ)りの蛊仙(こせん)たちは(みな)静観(せいかん)(えら)んだ。


……


三叉山(さんさざん)(いただき)から、三本(さんぼん)光柱(こうちゅう)(てん)(つらぬ)いている。


三王伝承(さんおうでんしょう)(ふたた)(ひら)かれ、南疆(なんきょう)全土(ぜんど)蛊師(こし)たちを(つよ)()()けている。


鉄慕白(てつぼはく)予測(よそく)どおり、三叉山(さんさざん)には龍蛇(りゅうだ)(つど)い、風雲(ふううん)渦巻(うずま)(はじ)めた。


()いたか? 昨日(きのう)李飛楽(りひらく)三叉山(さんさざん)(あらわ)れたそうだ」


「なに! 不動(ふどう)(やま)と呼ばれる李飛楽(りひらく)が!?」


()もなく、三叉山(さんさざん)はまた一人(ひとり)名手(めいしゅ)(むか)えることとなった。


李飛楽(りひらく)修行(しゅぎょう)四转(してん)高階(こうかい)(たっ)している——土道(どどう)蛊師(こし)で、「不動(ふどう)(やま)」と(しょう)される。防御(ぼうぎょ)(もっと)得意(とくい)とする。元々(もともと)()家寨(かさい)新星(しんせい)として、一族(いちぞく)(あつ)支援(しえん)()けていた。


しかし(かれ)(ちから)への渇望(かつぼう)()かれており、その執着(しゅうちゃく)妄執(もうしゅう)()した。


最強(さいきょう)(ちから)()(もと)めるあまり、(ひと)(ころ)して()()るようになり、正道(せいどう)から追放(ついほう)され魔道(まとう)()ちた。


李飛楽(りひらく)()だの序章(じょしょう)()ぎなかった——その(あと)一ヶ(いっかげつ)(あいだ)に、次々(つぎつぎ)と()()せた蛊師(こし)たちが三叉山(さんさざん)(のぼ)ってきた。


奴道(ぬどう)蛊師(こし)章三三(しょうさんさん)もその一人(ひとり)だ——三转巅峰(さんてんてんぽう)(とき)(すで)四转蛊師(してんこし)()り、(いま)四转中階(してんちゅうかい)の「(けもの)()らしの大師(たいし)」と(たた)えられている。


(せい)(どう)(たか)(しゅ)である陶子(とうし)(あらわ)れた——彼女(かのじょ)南疆(なんきょう)名高(なだか)五转(ごてん)治療(ちりょう)()霊桃蛊(れいとうこ)」を所有(しょゆう)している。


雲家(うんけ)(わか)族長(ぞくちょう)雲落天(うんらくてん)(のぼ)ってきた——風道(ふうどう)蛊師(こし)で、二十三歳(にじゅうさんさい)三转巅峰(さんてんてんぽう)(たっ)し、(いま)三十五歳(さんじゅうごさい)にして、四转巅峰(してんてんぽう)まであと一歩(いっぽ)(さかい)にある。


()()せた蛊師(こし)たちが、()(にお)いを()()けた(さめ)のように、次々(つぎつぎ)と三叉山(さんさざん)集結(しゅうけつ)し、三王伝承(さんおうでんしょう)(あらそ)い、一杯分(いっぱいぶん)(まえ)()ようとしている。


これらの蛊師(こし)は、(すく)なくとも三转高階(さんてんこうかい)実力(じつりょく)(ゆう)し、(なか)には四转(してん)(きょう)(かい)(たっ)する(もの)もいる。


一ヶ月半(いっかげつはん)()三叉山(さんさざん)四人目(よにんめ)五转蛊師(ごてんこし)(むか)えた。


王逍(おうしょう)(つい)(あらわ)れた!


(かれ)巫山(ふざん)(ぬし)魔道(まとう)蛊師(こし)で、毒道(どくどう)五转(ごてん)実力者(じつりょくしゃ)——(しん)(せま)一方(いっぽう)覇者(はしゃ)だ。


二ヶ月後(にかげつご)武家(ぶけ)武蘭珊(ぶらんさん)()()けた。


武家(ぶけ)正道(せいどう)随一(ずいいち)名門(めいもん)として、(なが)らく南疆(なんきょう)牛耳(ぎゅうじ)ってきた。派遣(はけん)された武蘭珊(ぶらんさん)は、(げん)当主(とうしゅ)従妹(いとこ)である。(やま)(あし)()()れるや、即座(そくざ)王逍(おうしょう)激突(げきとつ)した。


勝敗(しょうはい)(あい)()ちに()わったが、彼女(かのじょ)(しめ)した戦力(せんりょく)は、骷魔(こま)巫鬼(ふき)(あき)らかに上回(うわまわ)っていた!


それから八日後(ようかご)魔道(まとう)名高(なだか)仇九(きゅうきゅう)三叉山(さんさざん)(ふもと)(あらわ)れ、同様(どうよう)轟動(ごうどう)()()こした。


仇九(きゅうきゅう)同様(どうよう)五转(ごてん)修為(しゅうい)(ゆう)するが、戦闘力(せんとうりょく)(とぼ)しい。(かれ)本領(ほんりょう)治療(ちりょう)にあり、「殺人鬼医(さつじんきい)」の異名(いみょう)(おそ)れられている。素手医師(そしゅいし)九指游医(きゅうしゆうい)聖手神医(せいしゅしんい)(なら)び、「南疆四大医师(なんきょうよんだいいし)」と(しょう)される。


気性(きしょう)風変(ふうが)わりで、奇妙(きみょう)規律(きりつ)(つらぬ)いている——治療(ちりょう)(もと)める(もの)は、(かなら)(かれ)()わりに一人(ひとり)(ころ)さねばならない。


一命(いちめい)(すく)えば、一命(いちめい)(うば)う——(ゆえ)に人々(ひとびと)は(かれ)を「殺人鬼医(さつじんきい)」と()ぶのだった。


(なが)いものには()かれよ、と(ぞく)()う。蛊師(こし)たちがこの残酷(ざんこく)世界(せかい)で生き(いきぬ)以上(いじょう)傷病(しょうびょう)()けられず、いつか(かなら)医師(いし)(かど)(たた)(とき)()るのだ。


南疆四大医师(なんきょうよんだいいし)は、正道(せいどう)魔道(まとう)区別(くべつ)なく()()()べる。殺人鬼医(さつじんきい)仇九(きゅうきゅう)三叉山(さんさざん)(のぼ)ると、鉄慕白(てつぼはく)早速(さっそく)熱烈(ねつれつ)招待(しょうたい)(おく)った。


宴席(えんせき)二人(ふたり)意気投合(いきとうごう)(さかずき)()わしながら、毒道(どくどう)医道(いどう)奥義(おうぎ)について(かた)()った。


月日(つきひ)(なが)れ、三王伝承(さんおうでんしょう)(ひら)いては()じ、()じては(ひら)いた。


そして今日(きょう)(ふたた)三道光柱(さんどうこうちゅう)(てん)(つらぬ)いた。


三叉山(さんさざん)(ふもと)に、(ふた)つの(かげ)(あらわ)れた。


その姿(すがた)(みと)んだ(もの)が、驚愕(きょうがく)(こえ)()げた:「まさか……黒白双煞(こくびゃくそうさつ)(もど)ってきたのか!?」















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ