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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第百五十九節:迎撃

一行七人(いっこうしちにん)山林(さんりん)を黙々(もくもく)と()()けていた。


「ここ数日(すうじつ)不眠不休(ふみんふきゅう)強行軍(きょうこうぐん)で、三叉山(さんさざん)(きわ)めて(ちか)づいている」鉄霸修(てつはしゅう)(いわ)()()()()えながら、(こころ)の中で(かんが)えていた。


(かれ)体躯(たいく)魁偉(かいい)で、(とら)背中(せなか)のように幅広(はばひろ)く、(くま)(こし)のようにがっしりしている。四角(しかく)(かお)(きざ)まれた毅然(きぜん)とした表情(ひょうじょう)は、()(もの)(たよ)甲斐(がい)(かん)じさせた。


四转高階(してんこうかい)実力(じつりょく)(ゆう)し、その()南疆(なんきょう)()(ひび)いている。(わか)(ころ)家族(かぞく)(ない)冷遇(れいぐう)され、(はい)(せき)()けて流浪(るろう)余儀(よぎ)なくされた。


しかし、ある(とき)正道(せいどう)蛊師(こし)継承(けいしょう)出会(であ)い、(ちから)(みち)(りゅう)転向(てんこう)したことで、一躍(いちやく)頭角(とうかく)(あらわ)したのだった。


(いま)(かれ)正道(せいどう)名士(めいし)だ。五转蛊(ごてんこ)土霸王(どはおう)」を(よう)し、「当世(とうせい)霸王(はおう)」と(しょう)され、普通(ふつう)四转巅峰(してんてんぽう)超越(ちょうえつ)する(つよ)(だい)戦力(せんりょく)()つ!


三叉山(さんさざん)には現在(げんざい)()人の四转巅峰(してんてんぽう)がいる——龍青天(りゅうせいてん)翼冲(よくちゅう)孔日天(こうじつてん)武神通(ぶしんとう)、そして易火(えいか)だ。(なか)でも易火(えいか)戦力(せんりょく)傑出(けっしゅつ)しており、(もっと)(おも)(たい)(せん)相手(あいて)だ。しかしそれ以外(いがい)にも、これから次々(つぎつぎ)と(つよ)(もの)たちがこの(あらそ)いに(くわ)わってくるだろう。ただ、鉄若男(てつじゃくなん)(なに)(かんが)えているのかは()からないが…」


そう(かんが)えると、鉄霸修(てつはしゅう)(おも)わず視線(しせん)(てん)じ、並走(へいそう)する鉄若男(てつじゃくなん)をじっと()つめた。


(かれ)戦力(せんりょく)()きん()ているが、今回(こんかい)家族(かぞく)派遣(はけん)(たい)()(しゅ)(どう)(かれ)ではない。(わか)後輩(こうはい)——鉄若男(てつじゃくなん)指揮(しき)()るのだ!


鉄若男(てつじゃくなん)家族(かぞく)復帰(ふっき)して以来(いらい)奮起(ふんき)して(つよ)素質(そしつ)才情(さいじょう)(しめ)した。(いま)では鉄家(てつけ)(はち)(だい)若様(わかさま)一人(ひとり)となり、(こころ)(こま)やかで洞察(どうさつ)(りょく)(すぐ)れ、次第(しだい)に「小神捕(しょうしんぽ)」の異名(いみょう)(ひろ)まりつつある。鉄家(てつけ)近年(きんねん)輩出(はいしゅつ)した最強(さいきょう)新星(しんせい)で、その上昇(しょうしょう)(ひろ)注目(ちゅうもく)(あつ)めている。


今回(こんかい)鉄家四老(てつけしろう)救援要請(きゅうえんようせい)(たい)し、家族(かぞく)前例(ぜんれい)(やぶ)鉄若男(てつじゃくなん)隊長(たいちょう)任命(にんめい)した。鉄霸修(てつはしゅう)のような(ふる)くから()()せた(もの)すら、彼女(かのじょ)指揮(しき)()(はい)らねばならない。これは鉄家(てつけ)高層(こうそう)が、彼女(かのじょ)()せる期待(きたい)(おお)きさを物語(ものがた)っている。



鉄霸修(てつはしゅう)一瞥(いちべつ)しただけで、視線(しせん)()(もど)した。


家族(かぞく)配置(はいち)に、(かれ)(かす)かな不満(ふまん)(いだ)かず、嫉妬(しっと)一片(いっぺん)もなかった。


鉄霸修(てつはしゅう)家族(かぞく)(たい)絶対的(ぜったいてき)忠誠(ちゅうせい)(ちか)っており、家族(かぞく)未来(みらい)希望(きぼう)のためなら、(みずか)(すす)んで補佐(ほさ)し、()(だい)となることを(いと)わない。


(じつ)は、(かれ)困窮(こんきゅう)していた(ころ)神捕(しんぽ)鉄血冷(てつけつれい)援助(えんじょ)()けたことがある。鉄霸修(てつはしゅう)はその(おん)(わす)れず、ここ数日(すうじつ)道中(どうちゅう)(とも)()ごす(なか)で、鉄若男(てつじゃくなん)優秀(ゆうしゅう)さを(かん)()っていたのだ。


流石(さすが)神捕(しんぽ)(むすめ)だ! 血冷兄(けつれいあに)貴方(あなた)後継者(こうけいしゃ)立派(りっぱ)(そだ)ちました。黄泉(よみ)(くに)(やす)らかに(ねむ)れるでしょう!」鉄霸修(てつはしゅう)(こころ)安堵(あんど)(じょう)()たされた。


(かれ)鉄若男(てつじゃくなん)大変(たいへん)満足(まんぞく)していた。修行(しゅぎょう)天資(てんし)賞賛(しょうさん)するだけでなく、彼女(かのじょ)指導力(しどうりょく)(さら)(たか)評価(ひょうか)していた。


鉄若男(てつじゃくなん)(まわ)りには、(すぐ)れた若手(わかて)蛊師(こし)たちが(あつ)まっている。(ほか)()いておいても、(いま)のこの一行(いっこう)()るだけでも()かる——


鉄沐(てつもく)三转巅峰(さんてんてんぽう)蛊師(こし)眉目秀麗(びもくしゅうれい)で、才華(さいか)(ゆた)かだ。(おお)くの勢力(せいりょく)から勧誘(かんゆう)()けたが、(ほか)()()いて鉄若男(てつじゃくなん)(とう)(こう)した。



鉄傲開(てつごうかい)三转高階(さんてんこうかい)()けた表情(ひょうじょう)で、()ぼけているように()えるが、(じつ)偵察能力(ていさつのうりょく)一流(いちりゅう)で、実力(じつりょく)(つよ)い。


さらに鉄刀苦(てつとうく)攻撃(こうげき)得意(とくい)とし、戦力(せんりょく)卓絶(たくぜつ)している。かつては(べつ)若様(わかさま)(つか)えていたが、後に鉄若男(てつじゃくなん)(まね)かれ、その麾下(きか)(くわ)わった。


鉄線花(てつせんか)家族(かぞく)族花(ぞくか)一人(ひとり)で、(わか)(うつく)しい。防御(ぼうぎょ)(めん)では、家族長老(かぞくちょうろう)さえ称賛(しょうさん)()やさない。


これらの人材(じんざい)鉄若男(てつじゃくなん)麾下(きか)集結(しゅうけつ)し、これが彼女(かのじょ)()後の陣営(じんえい)となる。鉄霸修(てつはしゅう)は、この陣営(じんえい)成長(せいちょう)し、拡大(かくだい)し、最終的(さいしゅうてき)には鉄若男(てつじゃくなん)(ささ)えて家族長(かぞくちょう)()()かせる(かがや)かしい未来図(みらいず)を、すでに()()かべているようだった。


疾走(しっそう)する(なか)視界(しかい)(なが)れる(ひかり)(かげ)が、(みどり)(いろど)りを鉄若男(てつじゃくなん)(かお)()(そそ)いだ。


(なが)(あし)(はし)(たび)に、(わか)々(わか)しい健康美(けんこうび)(きざ)んだ。


ここ数年(すうねん)鍛錬(たんれん)で、鉄若男(てつじゃくなん)(あき)らかに成熟(せいじゅく)していた。(まゆ)(けん)のように()()ぐに()び、(ひとみ)(ほし)のように(かがや)く。見渡(みわた)すたびに、(するど)威圧感(いあつかん)(ただよ)う。()睫毛(まつげ)陰影(いんえい)()とし、()(おく)(ひそ)確固(かっこ)たる決意(けつい)(ひかり)(おお)っていた。


三叉山(さんさざん)!」


彼女(かのじょ)(こころ)の中で、その()(しず)かに()みしめた。


三王継承(さんおうけいしょう)情報(じょうほう)は、とっくに彼女(かのじょ)(みみ)(はい)っていた。三叉山(さんさざん)南疆(なんきょう)全体(ぜんたい)(あらし)中心地(ちゅうしんち)となり、(あらそ)いの(うず)(いのち)()()み、魔道(まどう)正道(せいどう)無数(むすう)(もの)()()んでいることを(いた)いほど()っていた。


本来(ほんらい)鉄若男(てつじゃくなん)(かか)わり()うつもりはなかった。しかし予想外(よそうがい)情報(じょうほう)が、青茅山(せいぼうざん)()きたことの(うら)に、ほかに(かく)された真実(しんじつ)があることを(さと)らせた。彼女(かのじょ)(ちち)鉄血冷(てつけつれい)は、まさに青茅山(せいぼうざん)(いのち)()としたのだ——一時代(いちじだい)英雄(えいゆう)墜落(ついらく)


(ちち)(かか)わることだ、()かねばならない。だからこそ、(みずか)志願(しがん)し、三叉山(さんさざん)(いそ)いだのだ。


白凝冰(はくぎょうひょう)… 方源(ほうげん)… 青茅山(せいぼうざん)真実(しんじつ)は、(かなら)ずや(あば)()してみせる!」


(たい)()前進(ぜんしん)(つづ)ける。


一行七人(いっこうしちにん)は、見事(みごと)戦闘(せんとう)隊形(たいけい)(たも)っていた。


偵察(ていさつ)担当(たんとう)鉄傲開(てつごうかい)最前線(さいぜんせん)疾走(しっそう)し、鉄若男(てつじゃくなん)鉄霸修(てつはしゅう)中央(ちゅうおう)位置(いち)する。治療(ちりょう)担当(たんとう)蛊師(こし)後方(こうほう)に、防御(ぼうぎょ)担当(たんとう)鉄線花(てつせんか)がそのすぐ(かたわ)らに(ひか)える。


地形(ちけい)如何(いか)変化(へんか)しようとも、戦闘隊形(せんとうたいけい)(みだ)れの(きざ)しは(かす)かもない。(なん)()ころうとも、この(たい)()最速(さいそく)反応(はんのう)し、不意(ふい)()かれることは(けっ)してない。


何者(なにもの)だ!?」


突然(とつぜん)最前線(さいぜんせん)鉄傲開(てつごうかい)(あし)()め、警戒(けいかい)(こえ)()()げた。


異変(いへん)発生(はっせい)だ!


全員(ぜんいん)がパッと停止(ていし)し、隊形(たいけい)素早(すばや)変化(へんか)微調整(びちょうせい)()最適(さいてき)陣形(じんけい)完成(かんせい)させた。緊密(きんみつ)結束(けっそく)しつつ、かすかに分散(ぶんさん)して退路(たいろ)確保(かくほ)する。


攻撃(こうげき)にも防御(ぼうぎょ)にも自在(じざい)対応(たいおう)できる(じん)だ。


一人(ひとり)人物(じんぶつ)が、巨岩(きょがん)(うえ)腕組(うでぐ)みで()ち、見下(みお)ろすように彼等(かれら)(なが)めていた。


(かれ)体躯(たいく)(たか)く、(おおかみ)背中(せなか)のように幅広(はばひろ)く、(はち)(こし)のように()まっている。筋肉(きんにく)誇張(こちょう)した隆々(りゅうりゅう)ではないが、()まった強靭(きょうじん)さを(かん)じさせる。


(くろ)戦闘服(せんとうふ)(まと)い、()(どく)()っているのに、眼前(がんぜん)にそびえる(やま)(ごと)威圧感(いあつかん)(はな)つ。


(とく)にその漆黒(しっこく)(ひとみ)は、底知(そこし)れぬ(やみ)のように(ふか)く、(はか)()れない印象(いんしょう)(あた)える。


方正(ほうせい)!」その姿(すがた)()るや、鉄若男(てつじゃくなん)(ひとみ)収縮(しゅうしゅく)し、(おも)わず(さけ)びが()れた。


間違(まちが)いない——来訪者(らいほうしゃ)こそ方源(ほうげん)だ。


鉄若男(てつじゃくなん)、また()えたな」方源(ほうげん)口元(くちもと)(ゆが)めて(ほほ)()んだ。その余裕(よゆう)ある様子(ようす)に、自然(しぜん)(ひや)やかさが(にじ)んでいた。


小獣王(しょうじゅうおう)


鉄霸修(てつはしゅう)()(ほそ)め、(ひとみ)(おく)(するど)(ひかり)一瞬(いっしゅん)(はし)った。


(のこ)りの五人(ごにん)も、(おのおの)大敵(たいてき)(のぞ)むが(ごと)態勢(たいせい)だ。彼等(かれら)関連情報(かんれんじょうほう)(くわ)しく、眼前(がんぜん)人物(じんぶつ)魔道(まどう)新星(しんせい)で、戦力(せんりょく)強盛(きょうせい)(うえ)性格(せいかく)恣意(しい)狂放(きょうほう)ときわめて危険(きけん)存在(そんざい)だと()っている!


方正(ほうせい)元気(げんき)でやっているか?」鉄若男(てつじゃくなん)(かお)複雑(ふくざつ)表情(ひょうじょう)()かび、かすかにため(いき)をついて(つづ)けた:「方正(ほうせい)今回(こんかい)和解(わかい)()たのか? (じつ)は、(はなし)()いの余地(よち)はある。三王継承(さんおうけいしょう)(あらそ)いは、()()のない死闘(しとう)だ。白凝冰(はくぎょうひょう)鉄家(てつけ)蛊師(こし)(ころ)したのは、()むを()措置(そち)だった。(わたし)(きみ)たち二人(ふたり)(えん)がある——こうしよう、鉄家(てつけ)()(きゃく)となってほしい。事情(じじょう)説明(せつめい)し、鉄家(てつけ)のために(はたら)いて(つみ)(つぐな)うのだ。(わたし)()()して、鉄家(てつけ)追及(ついきゅう)()めさせよう」


彼女(かのじょ)(はな)している(あいだ)鉄傲開(てつごうかい)緊迫(きんぱく)した面持(おもも)ちで()催動(さいどう)し、(ひそ)かに周囲(しゅうい)探査(たんさ)していた。


方源(ほうげん)単独(たんどく)(あらわ)れるのは、あまりに不自然(ふしぜん)だ。(ほか)(なに)伏兵(ふくへい)(ひそ)んでいる可能性(かのうせい)もある!


鉄若男(てつじゃくなん)言葉(ことば)()いて、方源(ほうげん)(おも)わず(ひや)やかな(わら)いを()らした:「(つみ)だと? (ひと)(ころ)しただけのこと、(なん)(つみ)もない。唯一(ゆいいつ)(すこ)(ちが)うのは、この(もの)背景(はいけい)(すこ)強力(きょうりょく)だったというだけだ。鉄若男(てつじゃくなん)相変(あいか)わらず幼稚(ようち)だな。(おれ)鉄家(てつけ)におびき()せて、(かめ)(なか)(すっぽん)(つか)まえるつもりか? 鉄家(てつけ)()けば、(おれ)(りゅう)浅瀬(あさせ)(およ)ぎ、(とら)平陽(へいよう)()ちるようなものだ。お(まえ)たちの(おも)(つぼ)だろうが」


鉄若男(てつじゃくなん)(ふか)(まゆ)をひそめた:「方正(ほうせい)、ここ数年(すうねん)(きみ)()わり()ぎた。(ひと)(ころ)しても罪悪感(ざいあくかん)がなくなったのか? だが(わたし)(うそ)をついていない。人格(じんかく)()けて保証(ほしょう)する——(きみ)安全(あんぜん)と、審判(しんぱん)公平(こうへい)公正(こうせい)を」


方源(ほうげん)(はな)(わら)った:「お(まえ)たち鉄家(てつけ)(いま)安全(あんぜん)などあるのか? (いま)神盗(しんとう)陸鑽風(りくさんふう)鉄家(てつけ)(さわ)がせ、鎮魔塔(ちんまとう)にまで(しの)()んだと()く。お(まえ)たち自身(じしん)手一杯(ていっぱい)のくせに、(おれ)安全(あんぜん)保証(ほしょう)だと? (わら)()千万(せんばん)だ」


「なに!? 神盗(しんとう)陸鑽風(りくさんふう)(けん)は、家族(かぞく)厳重(げんじゅう)情報(じょうほう)(ふう)()んでいるはずだ。(かれ)外部者(がいぶしゃ)で、しかも三叉山(さんさざん)にいるのに、どうして詳細(しょうさい)まで()っている!?」


鉄家(てつけ)七人(しちにん)一斉(いっせい)顔色(かおいろ)()えた。


神盗(しんとう)陸鑽風(りくさんふう)五转蛊師(ごてんこし)(つよ)(もの)で、鎮魔塔(ちんまとう)(しの)()み、鉄家(てつけ)高層(こうそう)(あたま)(かか)えさせる騒動(そうどう)()()こした。


鉄家(てつけ)(つね)(みずか)らを正道(せいどう)聖地(せいち)見做(みな)し、鎮魔塔(ちんまとう)天下(てんか)名高(なだか)魔道(まどう)牢獄(ろうごく)だ。しかし陸鑽風(りくさんふう)自由自在(じゆうじざい)()()した。このような奇恥大辱(きちだいじょく)を、鉄家(てつけ)(うえ)(した)厳重(げんじゅう)(かく)(とお)し、武家(ぶけ)商家(しょうか)のような(ちょう)(だい)家族(かぞく)さえ(さぐ)()せなかった。


この小獣王(しょうじゅうおう)が、それを()っているとは!


「そんな()鱈目(たらめ)を、(きみ)(しん)じるのか?」鉄家(てつけ)名誉(めいよ)(かか)わることとあって、鉄霸修(てつはしゅう)(おも)わず(くち)(ひら)否定(ひてい)した。


隊長(たいちょう)周囲(しゅうい)伏兵(ふくへい)はおらず、(かれ)一人(ひとり)だけです」その(とき)鉄傲開(てつごうかい)(こえ)(ひそ)めて報告(ほうこく)した。


鉄若男(てつじゃくなん)脳裏(のうり)突然(とつぜん)閃光(せんこう)(はし)った。彼女(かのじょ)方源(ほうげん)凝視(ぎょうし)した:「方正(ほうせい)()かった。この情報(じょうほう)(おど)し、白凝冰(はくぎょうひょう)(いのち)交換(こうかん)するつもりなのか? よかろう! だが条件(じょうけん)がある——どうやってこの秘密(ひみつ)()ったのかを()かせ。さもなければ、(けっ)して解放(かいほう)しない」


方源(ほうげん)(てん)(あお)哄笑(こうしょう)した:「鉄若男(てつじゃくなん)、お(まえ)本当(ほんとう)純真(じゅんしん)だな。さっきの言葉(ことば)は、ただの戯言(たわごと)()ぎん。まだ()からんのか? わざわざ()意味(いみ)が。『包囲点(ほういてん)打援(だえん)』という戦術(せんじゅつ)()いたことがないのか?」


「なに!? 我々(われわれ)を(ねら)うというのか?」鉄若男(てつじゃくなん)(するど)双眸(そうぼう)見開(みひら)かれ、(しん)(がた)表情(ひょうじょう)()かべた。


他の(もの)たちも方源(ほうげん)(にら)みつけ、正気(しょうき)沙汰(さた)ではないとでも()わんばかりだった。


「我々(われわれ)は七人(しちにん)精鋭(せいえい)、お(まえ)孤影(こえい)(いっ)(しん)()ぎん。四转高階(してんこうかい)鉄霸修(てつはしゅう)先輩(せんぱい)筆頭(ひっとう)に、四转初階(してんしょかい)鉄若男(てつじゃくなん)、そして三转蛊師(さんてんこし)()(めい)精鋭(せいえい)ぞろいだ。たった一人(ひとり)で、我々(われわれ)に対抗(たいこう)するつもりか?」


「この小獣王(しょうじゅうおう)(あせ)りすぎて(あたま)がおかしくなったのでは?」一瞬(いっしゅん)全員(ぜんいん)(こころ)(おな)疑念(ぎねん)()()がった。


方源(ほうげん)彼等(かれら)表情(ひょうじょう)()わり(よう)(ひと)()見抜(みぬ)き、心中(しんちゅう)(さと)った。


反論(はんろん)するのも面倒(めんどう)だと、(ひや)やかに(わら)うと、その()はサッと空中(くうちゅう)()()がり、蒼鷹(そうよう)のように猛然(もうぜん)彼等(かれら)(おそ)いかかった!


「まさか本当(ほんとう)()()()か!?」


()(もと)めるか!」


七人(しちにん)(おどろ)きと(いか)りで()()った。


()て、この気配(けはい)は… 四转中階(してんちゅうかい)だと!?」


次の瞬間(しゅんかん)全員(ぜんいん)(むね)(ざわ)ぎが(はし)った——方源(ほうげん)(からだ)から(はな)気配(けはい)(かん)()ったのだ。


事実(じじつ)(なん)よりも雄弁(ゆうべん)(まさ)る。


四转中階(してんちゅうかい)! 初階(しょかい)ではなかったのか!?」鉄若男(てつじゃくなん)()見開(みひら)き、(こころ)(そこ)から驚愕(きょうがく)した。


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