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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第百五十三節:雷猪,岩鳄

洞窟(どうくつ)(なか)で。


李閑(りかん)方源(ほうげん)(せき)(まね)き、(みずか)らも(となり)(すわ)った。


「お(ちゃ)をどうぞ」李閑(りかん)太短(ふとみじか)五本指(ごほんゆび)()ばし、(てのひら)上向(うわむ)けに(ひろ)げると、一服(いっぷく)芳醇(ほうじゅん)なる(ちゃ)(あらわ)れた。


方源(ほうげん)(ちゃ)()つめたが、()()ばそうとはせず、かすかに嘆息(たんそく)した:「東海(とうかい)蒼空蛊(そうくうこ)(じつ)便利(べんり)だな。この()同級(どうきゅう)(はる)かに()える容量(ようりょう)()ち、()()しも(すみ)やかだ」


「おや? 小獣王様(しょうじゅうおうさま)がこの()をご存知(ぞんじ)とは」李閑(りかん)()(おも)わず(かす)かに(ひか)った。


(かれ)南疆(なんきょう)(もの)ではなく、東海(とうかい)から(なが)()いた()だ。蒼空蛊(そうくうこ)東海(とうかい)特有(とくゆう)()で、現地(げんち)でも(まれ)存在(そんざい)だ。


李閑(りかん)(ひと)(まじ)わる(さい)、しばしばこの()力量(りきりょう)誇示(こじ)していた。


南疆(なんきょう)蛊師(こし)たちはこの()()らず、突然(とつぜん)このような手口(てぐち)()せられると、往々(おうおう)にして李閑(りかん)一目置(いちもくお)くようになる。


方源(ほうげん)(かす)かに(わら)い、徐徐(じょじょ)(かた)()した:「この四转(してん)蒼空蛊(そうくうこ)は、三转(さんてん)空倉蛊(くうそうこ)合炼(ごうれん)して(つく)られる。成功確率(せいこうかくりつ)(きわ)めて(ひく)く、東海(とうかい)でも(まれ)だ。蒼空蛊(そうくうこ)(さら)五转(ごてん)昇格(しょうか)させる最良(さいりょう)方法(ほうほう)は、天井蛊(てんせいこ)(とも)合炼(ごうれん)し、五转(ごてん)蒼空井蛊(そうくうせいこ)(しょう)()すことだ。しかしこの天井蛊(てんせいこ)は、東海(とうかい)天井島(てんせいとう)にしか存在(そんざい)しない天然蛊(てんねんこ)だ。李閑(りかん)、お(まえ)昇格(しょうか)目指(めざ)すなら、これは厄介(やっかい)だ。この南疆(なんきょう)では、翼家(よくけ)()にだけ天井蛊(てんせいこ)存在(そんざい)する可能性(かのうせい)がある」


翼家(よくけ)商家(しょうか)武家(ぶか)鉄家(てつけ)(なら)(ちょう)家族(かぞく)で、東海(とうかい)勢力(せいりょく)緊密(きんみつ)(つな)がりがある。翼家(よくけ)貿易(ぼうえき)商家(しょうか)()繁盛(はんせい)ぶりだ。(かれ)らの飛天藍鯨商隊(ひてんらんげいしょうたい)は、空路(くうろ)専門(せんもん)としており、商家(しょうか)でさえ()っていない。


空倉蛊(くうそうこ)天井蛊(てんせいこ)蒼空井蛊(そうくうせいこ)、それに天井島(てんせいとう)… 小獣王様(しょうじゅうおうさま)はどうしてそんなに(くわ)しいのか?」李閑(りかん)方源(ほうげん)言葉(ことば)()き、(おどろ)きと疑念(ぎねん)()()じった。


蛊師(こし)世界(せかい)(きわ)めて広大(こうだい)で、南疆(なんきょう)北原(ほくげん)東海(とうかい)西漠(せいばく)中洲(ちゅうしゅう)(あいだ)には天険(てんけん)障壁(しょうへき)存在(そんざい)し、相互(そうご)交流(こうりゅう)困難(こんなん)で、情報(じょうほう)閉塞(へいそく)されている。


李閑(りかん)はとっくに方源(ほうげん)素性(すじょう)(さぐ)っていた——南疆(なんきょう)()まれ(そだ)ちの若者(わかもの)が、どうしてこれほど博識(はくしき)なのか? まして東海(とうかい)事情(じじょう)にまで(くわ)しいとは!


(おも)わず、李閑(りかん)(こころ)漠然(ばくぜん)とした圧迫感(あっぱくかん)(しょう)じた。


不気味(ぶきみ)だ、不気味(ぶきみ)だ! この小獣王(しょうじゅうおう)正体(しょうたい)一体(いったい)()んだ? どうしてこんなに()っている? もしかすると、(かれ)背後(はいご)(たか)(じん)(ひか)えているのか?」


(かれ)年齢(ねんれい)経歴(けいれき)で、これほど詳細(しょうさい)()るはずがない。そうだ、(かれ)商家(しょうか)滞在(たいざい)したことがある。商燕飛(しょうえんひ)から(おそ)わった可能性(かのうせい)(たか)い。商燕飛(しょうえんひ)商家(しょうか)族長(ぞくちょう)で、五转高階(ごてんこうかい)蛊師(こし)世俗(せぞく)頂点(ちょうてん)()(つよ)(もの)だ。(かれ)指導(しどう)()ければ、小獣王(しょうじゅうおう)がこれらを()っていても不思議(ふしぎ)ではない」


李閑(りかん)()()()なく(またた)き、(こころ)には疑念(ぎねん)(くも)(あつ)()()めていた。全身(ぜんしん)硬直(こうちょく)し、(てのひら)には紫泥(しでい)茶碗(ちゃわん)()ったままだった。


(ちが)う!」(とつ)(ぜん)(かれ)脳裏(のうり)電光(でんこう)(はし)り、核心(かくしん)気付(きづ)いた——


「もともと手口(てぐち)()せつけて優位(ゆうい)()つつもりだったのに、小獣王(しょうじゅうおう)三言(さんげん)(こころ)(みだ)れ、疑心暗鬼(ぎしんあんき)(おちい)ってしまった!(たと)(かれ)背後(はいご)商燕飛(しょうえんひ)(ひか)えていようと、それが(なに)だというのか? 他人(たにん)(おそ)れても、()李閑(りかん)には()(りゅう)()がある!」


李閑(りかん)(こころ)の中で(かる)(はな)()らすと、()()った茶碗(ちゃわん)(つくえ)()いた。その動作(どうさ)(まぎ)れて、(こころ)(うご)きを(ととの)えた。


(かれ)魔道(まどう)精鋭(せいえい)たる所以(ゆえん)、ほんの数呼吸(すうこきゅう)(あいだ)(こころ)(ととの)え、(ふたた)冷静(れいせい)方源(ほうげん)()()った。


ただし(いま)この(とき)(かれ)眼差(まなざ)しには(すこ)しばかりの慎重(しんちょう)さと(おも)みが(くわ)わっていた。


小獣王様(しょうじゅうおうさま)、お(ちゃ)をどうぞ。今回(こんかい)(わたくし)とどんな取引(とりひき)をなさるおつもりですか?」李閑(りかん)()う。


(ふか)(かんが)えるな、ごく普通(ふつう)取引(とりひき)()ぎない」方源(ほうげん)はそう()い、空窪(くうか)から蛊虫(こちゅう)()()し、李閑(りかん)(しめ)した。


これら蛊虫(こちゅう)こそ、(かれ)犬王継承(けんおうけいしょう)()()せた蛊師(こし)から(うば)()った戦利品(せんりひん)だった。


三转(さんてん)から四转(してん)まで様々(さまざま)だが、方源(ほうげん)(ちから)(みち)(かな)()一匹(いっぴき)もなかった。


これらの蛊虫(こちゅう)()て、李閑(りかん)(おも)わず()(ほそ)めた。


(かれ)()()のない(おとこ)だ——即座(そくざ)(おお)くのことを(さと)った:「なんと、この小獣王(しょうじゅうおう)奴道(どどう)にも(いち)腕前(うでまえ)があるとは!犬王継承(けんおうけいしょう)(はい)ってから、(すで)二人(ふたり)蛊師(こし)()った。こいつは、まさに()(もの)だ!」


李閑(りかん)魔無天(まむてん)のことを(おも)()した。


南疆(なんきょう)()魔道(まどう)()()き、様々(さまざま)な人物(じんぶつ)(せっ)してきたが、若手(わかて)の中で資質(ししつ)天分(てんぶん)心性(しんせい)総合(そうごう)すれば、魔無天(まむてん)(もっと)(すぐ)れていると(かんが)えていた。


しかし(いま)眼前(がんぜん)小獣王(しょうじゅうおう)が、魔無天(まむてん)遜色(そんしょく)ない才覚(さいかく)()つことを(みと)めざるを()なかった!


小獣王(しょうじゅうおう)魔無天(まむてん)、この二人(ふたり)激突(げきとつ)したら、どんな光景(こうけい)になるだろう? だが(いま)小獣王(しょうじゅうおう)修行(しゅぎょう)(あさ)い。魔無天(まむてん)年上(としうえ)で、(すで)四转巅峰(してんてんぽう)だ」


李閑(りかん)(こころ)(おも)(めぐ)らせながらも、口調(くちょう)興奮(こうふん)気味(ぎみ)(たか)まった:「小獣王閣下(しょうじゅうおうかっか)(わたくし)()(たず)ねられたのは正解(せいかい)です! (いま)(わたくし)()には閣下(かっか)必要(ひつよう)()一匹(いっぴき)あります」


「おお?」方源(ほうげん)(まゆ)()()げる。


李閑(りかん)(てのひら)(ひろ)げると、(ひと)つの(ひかり)(かたまり)(あらわ)れた。


その(たま)()(ごと)白金色(はっきんいろ)燦然(さんぜん)たる(ひかり)(はな)ち、方源(ほうげん)仔細(しさい)()れば、百匹余(ひゃっぴきあま)りの飛蟻(ひぎ)(たが)いに(から)()いながら()がる蟻球(ぎきゅう)だと()かった。


これらの飛蟻(ひぎ)外見(がいけん)は、普通(ふつう)(あり)大差(たいさ)ない。


(からだ)(おお)きさが数倍(すうばい)ある以外(いがい)に、透明(とうめい)(まく)(じょう)(はね)一対(いっつい)()えている。


「これが三转(さんてん)食金飛蟻蛊(しょっきんひぎこ)で、総数(そうすう)百二十匹(ひゃくにじっぴき)鉄家(てつけ)のあの()いぼれどもが白煞様(はくさつさま)包囲(ほうい)した(とき)鉄櫃蛊(てつびつこ)化気蛊(けきこ)()()わせて使(つか)った。(いま)やその地域(ちいき)は、半径(はんけい)百丈(ひゃくじょう)(おお)われている。しかしこの飛蟻(ひぎ)()れの(まえ)では、鉄櫃蛊(てつびつこ)など無力化(むりょくか)される。小獣王様(しょうじゅうおうさま)計算(けいさん)しましたが、お()ちの()売却代金(ばいきゃくだいきん)が、ちょうどこの飛蟻(ひぎ)()れと同額(どうがく)です」李閑(りかん)は和気藹々(わきあいあい)と(わら)った。


しかし(かれ)予想(よそう)(はん)して、方源(ほうげん)食金飛蟻蛊(しょっきんひぎこ)(かたまり)一瞥(いちべつ)しただけで、視線(しせん)(はず)した:「(だれ)()うと()った? これが(わたし)要求(ようきゅう)リストだ」


李閑(りかん)がリストを()()ると、そこには多種多様(たしゅたよう)蛊虫(こちゅう)と、隙間(すきま)なく(なら)べられた合煉(ごうれん)用補助材料(ほじょざいりょう)(しる)されていた。


リストの品々(しなじな)は、一見(いっけん)雑多(ざった)()えたが、李閑(りかん)経験(けいけん)()から()れば、これらは全て(すべて)(ちから)(みち)必要(ひつよう)(もの)だとすぐに()かった。


白凝冰(はくぎょうひょう)鉄家(てつけ)包囲(ほうい)されているのに、小獣王(しょうじゅうおう)(すこ)しも(あせ)っていない?おかしい!(かれ)()(ちから)(みち)()だけでは、鉄櫃蛊(てつびつこ)(やぶ)るのは容易(ようい)ではない。まさか(なに)特別(とくべつ)()があるのか? それとも、このリストの(しな)合煉(ごうれん)すれば、鉄櫃蛊(てつびつこ)天敵(てんてき)(つく)()せるのか?」


李閑(りかん)()(ほそ)め、一瞬(いっしゅん)(するど)(ひかり)(はし)った。(さぐ)るような口調(くちょう)()った:「小獣王閣下(しょうじゅうおうかっか)、リストの品々(しなじな)は多岐(たき)(わた)り、一度(いちど)(そろ)えるのは(むずか)しい。(なに)より総額(そうがく)が、閣下(かっか)()ろうとする()価値(かち)(おお)きく上回(うわまわ)ります」


(かま)わぬ」方源(ほうげん)(かる)()()った。「リストの(もの)(すべ)()うつもりだ。(いま)()っている(ぶん)だけ交換(こうかん)すればよい。(のこ)りは今後(こんご)(さが)してくれ。金銭(きんせん)問題(もんだい)にならぬ」


方源(ほうげん)手元(てもと)には(おお)くの元石(げんせき)(のこ)っており、財力(ざいりょく)(じゅう)(ぶん)だった。


李閑(りかん)口元(くちもと)をゆるめたが、(なに)(さぐ)()せず、仕方(しかた)なく承諾(しょうだく)(うなず)いた。


……


洞窟(どうくつ)(なか)で、(ひかり)(かげ)()らめいている。


方源(ほうげん)(じか)地面(じめん)胡座(あぐら)をかき、全神経(ぜんしんけい)集中(しゅうちゅう)して眼前(がんぜん)泥状(でいじょう)(かたまり)()つめていた。


それは七色(なないろ)(かがや)(どろ)のようで、空中(くうちゅう)浮遊(ふゆう)し、()()なく(たぎ)(つづ)け、一陣(いちじん)異香(いこう)(はな)っていた——蛊虫合炼(こちゅうごうれん)最終段階(さいしゅうだんかい)突入(とつにゅう)したのだ。


方源(ほうげん)途切(とぎ)れることなく元石(げんせき)(とう)()(つづ)けた。


元石(げんせき)一塊(ひとかたまり)ずつ泥状(でいじょう)(かたまり)(とう)()まれると、即座(そくざ)溶解液(ようかいえき)()し、濃厚(のうこう)(どろ)希釈(きしゃく)していった。


方源(ほうげん)(とう)じた元石(げんせき)(かず)など()にせず、(どろ)がある程度(ていど)希薄(きはく)になるのを()つと、(とつ)(ぜん)()()いた。


(つづ)いて、素早(すばや)炸雷蛊(さくらいこ)()()した。


炸雷蛊(さくらいこ)三转(さんてん)()(どろ)がこれを()()むや(いな)や、雷光(らいこう)(ひらめ)き、電気(でんき)(はし)った!


瞬時(しゅんじ)に、空気中(くうきちゅう)香気(こうき)爆発的(ばくはつてき)増大(ぞうだい)し、七色(なないろ)(ひかり)()え、青白(あおじろ)(ひかり)充満(じゅうまん)した。電光(でんこう)(はっ)する微細(びさい)なパチパチという(おと)は、(ちい)さな爆竹(ばくちく)()()いたようだった。


方源(ほうげん)呼吸(こきゅう)(はや)さを()した。空気中(くうきちゅう)()(にお)いを(かん)じた瞬間(しゅんかん)(かれ)()(するど)(ひかり)爆発的(ばくはつてき)(かがや)いた!


火加減(ひかげん)完璧(かんぺき)だ… 全力以赴蛊(ぜんりょくふこ)よ」


山豚(やまぶた)虚影(きょえい)が、瞬時(またた)()(かれ)頭頂(とうちょう)()かび()がった。


力気蛊(りきこ)


方源(ほうげん)力気蛊(りきこ)催動(さいどう)すると、山豚(やまぶた)虚影(きょえい)無形(むけい)力気(りき)()()き、脅威度(きょういど)爆発的(ばくはつてき)増大(ぞうだい)した。


方源(ほうげん)(こころ)(うご)かすと、山豚(やまぶた)虚影(きょえい)泥状塊(でいじょうかい)()()んだ。


両者(りょうしゃ)衝突(しょうとつ)した瞬間(しゅんかん)電光(でんこう)爆発的(ばくはつてき)増大(ぞうだい)し、洞窟(どうくつ)全体(ぜんたい)(やみ)()()ばした。微細(びさい)傷跡(きずあと)まで鮮明(せんめい)()らし()された。


(ひかり)()った(あと)空中(くうちゅう)山豚虚影(やまぶたきょえい)完全(かんぜん)変容(へんよう)していた。


(あら)たな猪力虚影(いのりききょえい)は、体積(たいせき)(もと)二倍(にばい)(きば)(ぞう)のようで、全身(ぜんしん)青毛(あおげ)(おお)われ、特に背中(せなか)青毛(あおげ)(ふと)(なが)く、一列(いちれつ)(なら)逆立(さかだ)って(そら)()し、その(うえ)電光(でんこう)渦巻(うずま)いていた。


雷豚虚影(らいとんきょえい)だ!


成功(せいこう)だ、上々(じょうじょう)だ。雷豚(らいとん)龍象(りゅうぞう)(ひょう)獅敖(しごう)匹敵(ひってき)する。この(ちから)()て、()戦力(せんりょく)(さら)向上(こうじょう)した。(つぎ)岩鰐(がんわく)(ちから)だ…」


一晩中(ひとばんじゅう)修練(しゅうれん)は、いつの()にか()()った。


夜明(よあ)けの(ひかり)三叉山(さんさざん)()らす(ころ)方源(ほうげん)()(ひそ)めていた洞窟(どうくつ)()た。


疲労(ひろう)はしていたが、(こころ)(よろこ)びに()ちていた。山豚(やまぶた)(ちから)(わに)(ちから)を、見事(みごと)雷豚(らいとん)(ちから)岩鰐(がんわく)(ちから)昇華(しょうか)させ、(かれ)戦力(せんりょく)(すく)なくとも三割増(さんわりま)しになっていた!


白凝冰(はくぎょうひょう)…」(かれ)南東(なんとう)方向(ほうこう)(なが)めた——山腹(さんぷく)一画(いっかく)に、深紫色(しんししょく)気泡(きほう)(おお)(かぶ)さる地域(ちいき)があった。


その気泡(きほう)(とう)のように(そび)え立ち、空間(くうかん)封鎖(ふうさ)し、(うち)(そと)隔絶(かくぜつ)していた。


方源(ほうげん)(こころ)の中で冷笑(れいしょう)した。


(いま)状況(じょうきょう)一見単純(いっけんたんじゅん)だが、(じつ)(きわ)めて微妙(びみょう)だ。


白凝冰(はくぎょうひょう)包囲(ほうい)する鉄家四老(てつけしろう)は、全員(ぜんいん)四转中階(してんちゅうかい)実力者(じつりょくしゃ)白凝冰(はくぎょうひょう)天才(てんさい)とはいえ、所詮(しょせん)四转初階(してんしょかい)だ。


鉄家死牢(てつけしろう)本気(ほんき)決断(けつだん)すれば、とっくに白凝冰(はくぎょうひょう)制圧(せいあつ)できたはずだ。しかしそうしなかった——第一(だいいち)に、三王継承(さんおうけいしょう)(あらそ)うための戦力(せんりょく)温存(おんぞん)目的(もくてき)


第二(だいに)に、白凝冰(はくぎょうひょう)()紫荊令牌(しけいれいはい)警戒(けいかい)している。


第三(だいさん)に、方源(ほうげん)をおびき()すためだ!


一旦(いったん)方源(ほうげん)軽率(けいそつ)()()めば、鉄家四老(てつけしろう)協力(きょうりょく)して五转(ごてん)探索拘束蛊(たんさくこうそくこ)発動(はつどう)し、(かれ)白凝冰(はくぎょうひょう)容易(ようい)鎮圧(ちんあつ)できる。


方源(ほうげん)前世(ぜんせ)では、鉄家四老(てつけしろう)はこの必殺技(ひっさつわざ)で、魔道(まどう)孔日天(こうじつてん)捕縛(ほばく)した。しかし直後(ちょくご)(かれ)らは三转蛊師(さんてんこし)斬殺(ざんさつ)された。


五转探索拘束蛊(ごてんたんさくこうそくこ)真元(しんげん)消耗(しょうもう)(きわ)めて(はげ)しい。鉄家四老(てつけしろう)悲劇的(ひげきてき)存在(そんざい)だ——長年(ながねん)(さつ)しの(わざ)(きた)え上げ、ようやく()()げたが、名声(めいせい)(なが)(たも)てず、真元(しんげん)不足(ふそく)三转蛊師(さんてんこし)()()られたのだ。
















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