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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第百四十六節:初入犬王传承

光柱(こうちゅう)()()んだ瞬間(しゅんかん)方源(ほうげん)(つよ)無重力感(むじゅうりょくかん)(おそ)われた。


視界(しかい)(さだ)まった(とき)(かれ)(みずか)らが広漠(こうばく)とした荒野(こうや)()っていることに気付(きづ)いた。


周囲(しゅうい)見渡(みわた)すと、(そら)(はい)()ぜたような(しろ)(にご)り。


大地(だいち)には、灰白(かいはく)(いわ)でできた(ひく)土塚(どちょう)が点々(てんてん)とあり、墓標(ぼひょう)のように()えた。


灰色(はいいろ)地面(じめん)肥沃(ひよく)ではなく、(かわ)いて(かた)く、まばらに()えた茶褐色(ちゃかっしょく)(くさ)(かぜ)()れている。


(そら)白濁(はくじょく)大地(だいち)灰色(はいいろ)枯草(かれくさ)褐色(かっしょく)——この三色(さんしょく)が、この世界(せかい)三原色(さんげんしょく)()している。


(ほか)(なに)(いろど)りもないようだ。


(みみ)(そば)()(へん)静寂(せいじゃく)(つつ)まれ、いや、(ただ)しくは()静寂(せいじゃく)だった。(かぜ)もなく、()()()()(おと)もなく、(とり)(けもの)()(ごえ)もない。


この場所(ばしょ)()つと、(てん)()(みずか)(ひと)つの(せい)(めい)だけが存在(そんざい)しているような()がする。


無形(むけい)孤独(こどく)寂寥(せきりょう)茫然(ぼうぜん)、そして恐慌(きょうこう)さえもが、(おの)ずと心頭(しんとう)(ひろ)がっていく。


白凝冰(はくぎょうひょう)同時(どうじ)継承(けいしょう)(はい)ったにも(かか)わらず、ここには方源(ほうげん)一人(ひとり)だけだった。


しかし方源(ほうげん)終始(しゅうし)冷静(れいせい)沈着(ちんちゃく)だった。


「これが犬王継承(けんおうけいしょう)か」(かれ)(かる)周囲(しゅうい)見回(みまわ)し、(ひと)(ごと)のように(つぶや)いた。


三王継承(さんおうけいしょう)は、他の普通(ほかのふつう)五转蛊師(ごてんこし)継承(けいしょう)と、(ひと)(おお)きな(ちが)いがある。


普通(ふつう)五转蛊師(ごてんこし)継承(けいしょう)は、中洲(ちゅうしゅう)南疆(なんきょう)北原(ほくげん)東海(とうかい)西漠(せいばく)など、いずれも大世界(だいせかい)(なか)(もう)けられる。


しかし三王(さんおう)継承(けいしょう)は、蛊仙福地(こせんふくち)()りて()かれた。


(むかし)三王(さんおう)困窮(こんきゅう)していた(とき)偶然(ぐうぜん)上古(じょうこ)蛊仙(こせん)(のこ)した継承(けいしょう)発見(はっけん)し、これによって立身出世(りっしんしゅっせ)した。


三王(さんおう)(おのおの)異才(いさい)()っていたが、六转(ろくてん)への挑戦(ちょうせん)失敗(しっぱい)し、()目前(もくぜん)(ひか)えてこの蛊仙福地(こせんふくち)に各々(おのおの)の継承(けいしょう)(もう)けたのだった。


(ゆえ)に、(いま)方源(ほうげん)()場所(ばしょ)は、もはや大世界(だいせかい)ではない。


蛊仙福地(こせんふくち)——大世界(だいせかい)依拠(いきょ)する小世界(しょうせかい)なのである。


それぞれの世界(せかい)には、(こと)なる規則(きそく)法度(はっと)がある。世界(せかい)(はい)れば、相応(そうおう)規矩(きく)(したが)わねばならない。


白凝冰(はくぎょうひょう)(わたし)同時(どうじ)継承(けいしょう)(はい)ったが、(いま)この小世界(しょうせかい)によって(べつ)場所(ばしょ)配置(はいち)されているに(ちが)いない。しかし心配(しんぱい)ない。彼女(かのじょ)(わたし)関門(かんもん)突破(とっぱ)(つづ)ければ、(かなら)ずや再会(さいかい)できるだろう」


方源(ほうげん)(あき)らかにしていた——これこそが小世界(しょうせかい)特有(とくゆう)空間法則(くうかんほうそく)だと。


同時(どうじ)に、(こと)なるのは時間(じかん)法度(はっと)もまた(しか)りであった。


「ここでの時間(じかん)(なが)れは、外界(がいかい)(やく)三倍(さんばい)だ」方源(ほうげん)空窪(くうか)中央(ちゅうおう)で、ずっと(ねむ)(つづ)けていた春秋蝉(しゅんじゅうせん)目覚(めざ)め、外界(がいかい)三倍(さんばい)(はや)さで急速(きゅうそく)回復(かいふく)している。


春秋蝉(しゅんじゅうせん)は、時の長河(ながれ)(みず)食糧(しょくりょう)とする。


この小世界(しょうせかい)では、時の長河(ながれ)(なが)れが外界(がいかい)より三倍(さんばい)(はや)い。それゆえ、春秋蝉(しゅんじゅうせん)回復(かいふく)には絶大(ぜつだい)(たす)けとなる。


しかし方源(ほうげん)にとって、これは吉報(きっぽう)ではない。


春秋蝉(しゅんじゅうせん)全盛期(ぜんせいき)威圧感(いあつかん)回復(かいふく)すれば、四转(してん)空窪(くうか)()えられるはずがない。


犬王継承(けんおうけいしょう)は、方源(ほうげん)にとって機会(きかい)であり良縁(りょうえん)であると同時(どうじ)に、(いのち)(ちぢ)める()()でもあるのだ。


時間(じかん)節約(せつやく)し、(いそ)いで行動(こうどう)しなければ」方源(ほうげん)(こころ)焦燥感(しょうそうかん)()()がった。


(さいわ)いにも、(かれ)には前世(ぜんせ)記憶(きおく)がある。この五转蛊師(ごてんこし)犬王(けんおう)継承(けいしょう)について、(かれ)(だれ)よりも(くわ)しい。


(わたし)予想(よそう)(ただ)しければ、この(へん)犬型(いぬがた)野獣(やじゅう)がいるはずだ…」方源(ほうげん)(ある)()し、()えず移動(いどう)しながら、()()らして周囲(しゅうい)(さが)(つづ)けた。


「ワン、ワン、ワン!」


()(ごえ)突然(とつぜん)(ひび)き、()(ほそ)った野良犬(のらいぬ)が、不気味(ぶきみ)緑色(みどりいろ)眼光(がんこう)(かがや)かせながら、方源(ほうげん)目指(めざ)して()()ってきた。


その野良犬(のらいぬ)は、(ほね)(かわ)だけの()(ほそ)った姿(すがた)で、黄色(きいろ)(よご)れた()()()し、方源(ほうげん)膝下(ひざした)ほどの(たか)さしかない。


(あき)らかに()(くる)っており、方源(ほうげん)生身(なまみ)(にお)いを()ぎつけるや、(くる)ったように()びかかってきた。


方源(ほうげん)(かす)かに(まゆ)をひそめた——この野良犬(のらいぬ)はごく普通(ふつう)存在(そんざい)だ。最初(さいしょ)関門(かんもん)がこれとは、今日(きょう)(うん)()くないようだ。(かれ)(しず)かに()()くし、野良犬(のらいぬ)()びかかってくるに(まか)せた。


この小世界(しょうせかい)環境(かんきょう)では、方源(ほうげん)()(ほか)蛊虫(こちゅう)使用(しよう)(むずか)しく、一转(いってん)馭犬蛊(ぎょけんこ)しか使(つか)えない。


これもまた、この小世界(しょうせかい)法则(ほうそく)(てき)制約(せいやく)なのだ。


犬王(けんおう)蛊仙福地(こせんふくち)改造(かいぞう)し、蛊師(こし)継承(けいしょう)()()める蛊虫(こちゅう)一转(いってん)馭犬蛊(ぎょけんこ)一匹(いっぴき)限定(げんてい)した。同時(どうじ)に、この空間(くうかん)(ない)では(ほか)蛊虫(こちゅう)自由(じゆう)使用(しよう)できない。


ただし、春秋蝉(しゅんじゅうせん)例外(れいがい)だ。


春秋蝉(しゅんじゅうせん)六转蛊(ろくてんこ)であり、六转(ろくてん)蛊虫(こちゅう)大世界(だいせかい)であれ小世界(しょうせかい)であれ、唯一無二(ゆいいつむに)存在(そんざい)である。


春秋蝉(しゅんじゅうせん)はもはや凡俗(ぼんぞく)(もの)ではなく、仙蛊(せんこ)なのだ。


福地(ふくち)(なか)であろうと、(おも)いのままに()()てることができる。



犬王継承(けんおうけいしょう)だけでなく、信王継承(しんおうけいしょう)爆王継承(ばくおうけいしょう)同様(どうよう)だ。蛊師(こし)たちは継承(けいしょう)(はい)った当初(とうしょ)一转(いってん)馭犬蛊(ぎょけんこ)紙鶴蛊(しづるこ)爆蛋蛊(ばくたんこ)しか使(つか)えない」


野良犬(のらいぬ)()びかかってくる瞬間(しゅんかん)方源(ほうげん)素早(すばや)空窪(くうか)馭犬蛊(ぎょけんこ)()()てた。


その()玉石(ぎょくせき)のようで、親指(おやゆび)(さき)ほどの(おお)きさ。(かたち)狗頭(くとう)酷似(こくじ)している。


方源(ほうげん)輝金(ききん)真元(しんげん)一滴(いってき)だけ(そそ)ぎ、(なん)なく()(くる)わしいほど(はげ)しく発動(はつどう)させた。


馭犬蛊(ぎょけんこ)(まばゆ)玉光(ぎょっこう)()し、()のごとく()()し、瞬時(しゅんじ)実体(じったい)から虚像(きょぞう)()わった。(つづ)いて迅雷(じんらい)(およ)ばざる(いきお)いで野良犬(のらいぬ)(からだ)(するど)()()さった!


野良犬(のらいぬ)は「ウーン」と(かな)しげに()き、(かみなり)()たれたかのように(たお)()した。


(さき)突進(とっしん)(いきお)いで、地面(じめん)()るように(ころ)がり、方源(ほうげん)足元(あしもと)まで(なが)()いた。


一瞬(いっしゅん)静止(せいし)した(のち)野良犬(のらいぬ)突然(とつぜん)()()がった。


しかし今度(こんど)は、不揃(ふぞろ)いな(きば)()くこともなく、従順(じゅうじゅん)(ふたた)地面(じめん)()し、方源(ほうげん)()かって(した)()し、()()った。


「立て」方源(ほうげん)心念(しんねん)(うご)かすと、


野良犬(のらいぬ)(めい)じる(とお)りに()()がった。


その野良犬(のらいぬ)毛皮(けがわ)(やわ)らかく、毛並(けな)みはくすんでいたが、(からだ)(きず)一つなかった。馭犬蛊(ぎょけんこ)直接(ちょくせつ)その(たましい)奥深(おくふか)くに(きざ)まれ、肉体(にくたい)には(まった)損傷(そんしょう)(あた)えないのだ。


四本(よんほん)(あし)()つと、(あたま)方源(ほうげん)膝下(ひざした)中程(なかほど)(とど)程度(ていど)だ。方源(ほうげん)(くわ)しく観察(かんさつ)すると、(おも)わず(かす)かに(くび)()った。


ごく普通(ふつう)野良犬(のらいぬ)で、戦闘力(せんとうりょく)(こころ)もとない。しかしだからこそ、方源(ほうげん)容易(ようい)馭犬蛊(ぎょけんこ)()()けられたのだ。


「いずれにせよ、これからはこの(いぬ)(たよ)りに、第二関(だいにかん)突破(とっぱ)しなければならない」


方源(ほうげん)(こころ)の中で(かんが)えていると、突如(とつじょ)天地(てんち)偉大(いだい)なる(ちから)()(そそ)ぎ、(かれ)全身(ぜんしん)(つつ)()んだ。


瞬時(しゅんじ)に、方源(ほうげん)身動(みうご)きが()れなくなった。


(かれ)眼前(がんぜん)に、突然(とつぜん)碧緑(へきりょく)(ひかり)一閃(いっせん)し、虚空中(きょくうちゅう)二匹目(にひきめ)馭犬蛊(ぎょけんこ)(あらわ)れた。


方源(ほうげん)(こころ)の中で確信(かくしん)していた——これは継承(けいしょう)からの褒美(ほうび)であり、同時(どうじ)第二関(だいにかん)(すす)(かぎ)だ。(あわ)てて錬化(れんか)()()かった。


この()同様(どうよう)一转(いってん)で、錬化(れんか)(きわ)めて容易(ようい)だった。


方源(ほうげん)()錬化(れんか)し、空窪(くうか)(おさ)めたその瞬間(しゅんかん)、サッという(おと)(とも)に、(かれ)姿(すがた)瞬時(しゅんじ)()え、天地(てんち)()()によって(べつ)場所(ばしょ)へと転移(てんい)させられた。


ここもまた荒野(こうや)だった——灰白(かいはく)(てん)()茶褐色(ちゃかっしょく)小草(こくさ)


方源(ほうげん)(ひく)土丘(どきゅう)(うえ)()っていた。(おか)(まわ)りには、三匹(さんびき)野良犬(のらいぬ)がうろついている。


三匹(さんびき)とも(ほね)(かわ)だけの()(ほそ)った姿(すがた)だ。二匹(にひき)はうつむき、草叢(くさむら)(なか)()(もの)(さが)している。(のこ)一匹(いっぴき)()いて()え、()()したまま(うご)こうとしない。


方源(ほうげん)突然(とつぜん)出現(しゅつげん)が、三匹(さんびき)野良犬(のらいぬ)凶性(きょうせい)(またた)く間に()()ました。


(かれ)らは電撃(でんげき)()けたかのように()()がり、三方向(さんほうこう)から同時(どうじ)方源(ほうげん)目指(めざ)して()()した!


方源(ほうげん)支配(しはい)する最初(さいしょ)野良犬(のらいぬ)凶性(きょうせい)()()こされ、(めい)じられるがままに四本(よんほん)(つめ)(ひろ)げ、一方向(いちほうこう)野良犬(のらいぬ)()びかかった。


しかしそれで()められるのは一匹(いっぴき)だけ——()もなく二匹目(にひきめ)方源(ほうげん)のすぐ(そば)まで()()ってきた!


方源(ほうげん)前回(ぜんかい)(おな)手口(てぐち)で、(あら)たに()二匹目(にひきめ)馭犬蛊(ぎょけんこ)()り、二匹目(にひきめ)野良犬(のらいぬ)瞬時(しゅんじ)馴化(じゅんか)した。


三匹目(さんびきめ)(おそ)いかかってくるや、方源(ほうげん)一心二用(いっしんによう)(わざ)発揮(はっき)し、二匹(にひき)野良犬(のらいぬ)同時(どうじ)(あやつ)って応戦(おうせん)させた。


普通(ふつう)蛊師(こし)なら、犬獣(けんじゅう)操縦法(そうじゅうほう)不慣(ふな)れな(うえ)二線作戦(にせんさくせん)となれば、(かなら)()(まわ)らず破綻(はたん)するだろう。だが方源(ほうげん)微動(びどう)だにせず、余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)としていた。


(かれ)には五百年(ごひゃくねん)前世(ぜんせ)記憶(きおく)があり、老練(ろうれん)経験(けいけん)(ゆう)する。(とく)血海継承(けっかいけいしょう)刀翅血蝠群(とうしけっぷぐん)指揮(しき)した(せん)(れき)()きていたのだ。



今世(こんせ)では、三叉山継承(さんさざんけいしょう)(そな)えて、方源(ほうげん)商家城(しょうかしょう)で数ヶ(すうかげつ)特訓(とっくん)()んだ。特に犬獣(けんじゅう)操縦法(そうじゅうほう)(きた)え上げていた。


(たたか)いは方源(ほうげん)予想(よそう)通り、順調(じゅんちょう)(すす)んでいた。


しかし方源(ほうげん)(かす)かに(まゆ)をひそめた:「最初(さいしょ)野良犬(のらいぬ)体調(たいちょう)がかなり(わる)い。このまま硬戦(こうせん)(つづ)ければ、勝利(しょうり)()ても、(のこ)るのは一匹(いっぴき)だけになるだろう」この懸念(けねん)から、(かれ)意識的(いしきてき)二匹(にひき)野良犬(のらいぬ)指揮(しき)し、(たたか)いながら退(しりぞ)戦術(せんじゅつ)()った。


最終的(さいしゅうてき)に、方源(ほうげん)見事(みごと)(ふた)つの(たたか)いの()を一ヶ(いっかしょ)にまとめることに成功(せいこう)した。


これにより、方源(ほうげん)指揮(しき)負担(ふたん)急増(きゅうぞう)したが、同時(どうじ)圧倒的(あっとうてき)優位(ゆうい)確立(かくりつ)された。


方源(ほうげん)(あやつ)二匹(にひき)野良犬(のらいぬ)は、精確(せいかく)巧妙(こうみょう)連携(れんけい)()せたが、(てき)たちは各自(かくじ)単独(たんどく)(たたか)っていた。


()もなく、この凄惨(せいさん)(たたか)いは終結(しゅうけつ)した。


地面(じめん)には二匹(にひき)野良犬(のらいぬ)死体(したい)(よこ)たわり、()地面(じめん)(なが)()していた。


方源(ほうげん)支配(しはい)する二匹(にひき)野良犬(のらいぬ)は、()()っていたが、全身(ぜんしん)(きず)だらけだった。最初(さいしょ)一匹(いっぴき)(きず)(おも)く、二匹目(にひきめ)比較的(ひかくてき)健康(けんこう)だった。


(たたか)いが()わるや(いな)や、天地偉力(てんちいちから)(ふたた)()(そそ)ぎ、方源(ほうげん)(かれ)支配(しはい)する二匹(にひき)野良犬(のらいぬ)(つつ)()んだ。


視界(しかい)劇的(げきてき)()わり、無重力感(むじゅうりょくかん)(ふたた)方源(ほうげん)全身(ぜんしん)(おそ)った。


第三段階(だいさんだんかい)(すす)んだか…」方源(ほうげん)即座(そくざ)周囲(しゅうい)観察(かんさつ)(はじ)めた。


今度(こんど)(かれ)土丘(どきゅう)頂上(ちょうじょう)()っていたが、(まわ)りを六匹(ろっぴき)野良犬(のらいぬ)(かこ)まれている。


六匹(ろっぴき)か!」方源(ほうげん)()(するど)(ひか)り、わずかな重圧(じゅうあつ)(かん)じた。


手元(てもと)には(きず)()った野良犬(のらいぬ)二匹(にひき)しかおらず、(てき)兵力(へいりょく)自軍(じぐん)三倍(さんばい)だ。


(かんが)える時間(じかん)など(まった)(あた)えられなかった——六匹(ろっぴき)野良犬(のらいぬ)方源(ほうげん)発見(はっけん)するや、(よだれ)()らしながら突撃(とつげき)開始(かいし)した!


方源(ほうげん)突然(とつぜん)()(まえ)(あか)るくなった——(くぼ)(あな)()つけたのだ!即座(そくざ)()(おど)らせて()()んだ。


(あな)(なか)()()むと、背中(せなか)堅固(けんご)岩壁(がんぺき)()せ、()(もと)二匹(にひき)野良犬(のらいぬ)前方(ぜんぽう)配置(はいち)した。


六匹(ろっぴき)野良犬(のらいぬ)(くる)ったように(かれ)めがけて突進(とっしん)してきたが、(たが)いに距離(きょり)()けながら(すす)んでいた。健康(けんこう)二匹(にひき)()(さき)土丘(どきゅう)(のぼ)()り、(のこ)四匹(よんひき)(おのおの)(きず)()い、(おく)れを()っていた。


この状況(じょうきょう)()て、方源(ほうげん)安堵(あんど)(いき)()いた。


もし六匹(ろっぴき)とも健康(けんこう)なら、()()など(まった)くなかっただろう。しかし(いま)はこの地勢(ちせい)(みずか)らの精妙(せいみょう)操作(そうさ)(たの)みに、この難関(なんかん)()()え、次段階(じだんかい)(すす)める自信(じしん)()いてきた!









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