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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第百四十節:受難

「あら、魏公子(ぎこうし)(さま)でしたか… お気遣(きづか)いには(およ)ばず、今回(こんかい)方正少侠(ほうせいしょうきょう)(すく)われ、碧霞(へきか)無事(ぶじ)です」碧霞仙子(へきかせんじ)魏無傷(ぎむしょう)(あつ)視線(しせん)()け、(うつむ)いて丁寧(ていねい)一礼(いちれい)した。


方正少侠(ほうせいしょうきょう)?」魏無傷(ぎむしょう)(またた)()()(ほそ)め、碧霞(へきか)(かたわ)らに()方正(ほうせい)()()えた。


(はじ)めまして、仙鶴門(せんかくもん)方正(ほうせい)(もう)します」方正(ほうせい)(かす)かに()みを()かべ、拱手(きょうしゅ)(れい)()り、友好的(ゆうこうてき)()(ひょう)した。


方正少侠(ほうせいしょうきょう)は、仙鶴門(せんかくもん)精鋭弟子(せいえいでし)で、今回(こんかい)中考(ちゅうこう)首位(しゅい)です。(まん)(つる)(あやつ)れ、これら仙鶴(せんかく)(ちから)あってこそ、(わたし)たちは天梯山(てんていざん)(すみ)やかに到着(とうちゃく)できました」


碧霞仙子(へきかせんじ)はそう()いながら、方正(ほうせい)(なが)め、(かお)()ずかしそうな紅潮(こうちょう)()かんだ。口調(くちょう)には()められた(あま)さがにじんでいた。


道中(どうちゅう)彼女(かのじょ)方正(ほうせい)(はなし)(たい)いに()()がり、意気投合(いきとうごう)していたのだった。


仙鶴(せんかく)? こいつらは鉄嘴飛鶴(てっしひかく)()ぎない、(かず)多少(たしょう)(おお)いだけだ」魏無傷(ぎむしょう)()(ほそ)めて、目尻(めじり)から(するど)(ひかり)(はし)った。(こころ)(なか)では方正(ほうせい)への(いか)りが沸騰(ふっとう)していた。


(かれ)()()いしばり、片手(かたて)()てて方正(ほうせい)返礼(へんれい)した:「方正(ほうせい)(くん)(きみ)仙鶴門(せんかくもん)精鋭弟子(せいえいでし)か? ()い、()い。仙鶴門(せんかくもん)(つる)(あやつ)りの(じゅつ)はかねてから(うわさ)()いており、以前(いぜん)から切磋(せっさ)したいと(おも)っていた。今回(こんかい)是非(ぜひ)指導(しどう)(ねが)いたい」


そう()()えると、魏無傷(ぎむしょう)大股(おおまた)()()し、両眼(りょうがん)(ひと)(あっ)する(するど)(ひかり)(はな)ち、方正(ほうせい)(にら)みつけた。


方正(ほうせい)(すこ)呆気(あっけ)()られ、相手(あいて)敵意(てきい)(かん)()りながらも、不可解(ふかかい)(おも)った。


「ははは」(かれ)(こころ)(なか)で、天鶴上人(てんかくじょうにん)哄笑(こうしょう)(ひび)いた:「美人(びじん)(おん)()けがたい。弟子(でし)よ、碧霞(へきか)小娘(こむすめ)(すく)ったことで、(すで)(おお)くの敵意(てきい)()っている。碧霞(へきか)(おお)きな美人(びじん)だ。(いま)(あき)らかに(きみ)好意(こうい)(いだ)いている、(きみ)大変(たいへん)なことになる。この魏無傷(ぎむしょう)最初(さいしょ)挑戦者(ちょうせんしゃ)だ」


「え? (おれ)好意(こうい)?」方正(ほうせい)(こころ)の中で(おどろ)きの(こえ)()げた。


恋愛(れんあい)(はなし)になると、(かれ)(むね)(おも)わず高鳴(たかな)り、(かな)しみが()()がってきた。


ここ数年(すうねん)(かれ)(こころ)にはずっとある女性(じょせい)姿(すがた)()かんでいた。


彼女(かのじょ)凡人(ぼんじん)で、ごく普通(ふつう)女性(じょせい)だった。碧霞仙子(へきかせんじ)とは(くら)べものにならないほど、()るに()らない存在(そんざい)だ。しかし方正(ほうせい)(こころ)(なか)では、彼女(かのじょ)格別(かくべつ)(いと)おしさと可愛(かわい)らしさを(はな)っていた。


かつて彼女(かのじょ)()ごした(あたた)かい時間(じかん)は、方正(ほうせい)(こころ)(もっと)(ふか)場所(ばしょ)(きざ)まれた、最高(さいこう)(うつく)しい記憶(きおく)だった。


残念(ざんねん)ながら、彼女(かのじょ)(すで)にこの()()っている。彼女(かのじょ)こそ沈翠(しんすい)方源(ほうげん)(もと)側仕(そばづか)えの下女(げじょ)だ。


沈翠(しんすい)(おも)うと、方正(ほうせい)(こころ)(くら)(しず)んだ:「(わたし)()きだった女性(じょせい)は、もう()んでしまった。師匠(ししょう)、ご存知(ぞんじ)の通り、ここ数年(すうねん)(わたし)刻苦勉励(こっくべんれい)してきた最大(さいだい)目標(もくひょう)は、(あに)()()かすこと。先祖代々(せんぞだいだい)の(あだ)()ち、伯父(おじ)伯母(おば)の、沈翠(しんすい)の、族長(ぞくちょう)(さま)の、青書様(せいしょさま)遺志(いし)()たすためだ。古月山寨(こげつさんさい)(ほろ)んだが、古月一族(こげついちぞく)血筋(ちすじ)(つづ)いている!」


「ははは、()(おろ)かな弟子(でし)よ。たとえ(きみ)がそう(おも)っていても、この魏無傷(ぎむしょう)(きみ)(はな)さないだろう。碧霞仙子(へきかせんじ)(すく)った以上(いじょう)、そんくらいの覚悟(かくご)()つべきではないのか?」天鶴上人(てんかくじょうにん)(わら)った。


「しかし… (わたし)(かれ)切磋(せっさ)したくないのです。魏無傷(ぎむしょう)()は、仙鶴門(せんかくもん)にいるときから(みみ)にしていました。(かれ)治療蛊師(ちりょうこし)で、天妒楼(てんとろう)新星(しんせい)名実共(めいじつとも)甲級(こうきゅう)天才(てんさい)です。(とく)自己治療(じこちりょう)得意(とくい)で、激戦(げきせん)(あと)でも全身(ぜんしん)(きず)一つ(ひとつ)ないことが(おお)い。(かれ)(たたか)えば、たとえ()てても、(わたし)実力(じつりょく)(そん)なわれるでしょう。蛊仙(こせん)継承(けいしょう)(あらそ)いにおいて、多大(ただい)不利(ふり)(しょう)じます」方正(ほうせい)(まゆ)をひそめ、(こころ)の中で(こた)えた。


天鶴上人(てんかくじょうにん)は朗々(ろうろう)と(わら)った:「安心(あんしん)しろ。しっかり(たたか)え。天梯山(てんていざん)狐仙継承(こせんけいしょう)は、(とく)玄妙(げんみょう)(てん)がある。単純(たんじゅん)戦力(せんりょく)(くら)べではなく、意志力(いしりょく)魂力(こんりょく)()べるのだ。師匠(ししょう)魂魄(こんぱく)(ひそ)かに補助(ほじょ)するから、(きみ)圧倒的(あっとうてき)優位(ゆうい)()っている!」


一息(ひといき)ついて、天鶴上人(てんかくじょうにん)(つづ)けた:「(きみ)(わか)すぎて、名声(めいせい)(よう)理解(りかい)していない。(とき)名声(めいせい)は、実力(じつりょく)よりも便利(べんり)で使い(つかい)やすいものだ。(いま)得難(えがた)機会(きかい)だ。挑戦者(ちょうせんしゃ)(たお)して名声(めいせい)()()げよ。飛鶴(ひかく)存分(ぞんぶん)使(つか)え、畜生(ちくしょう)生死(せいし)など()にするな。仙鶴門(せんかくもん)には(やま)ほどいる、消耗(しょうもう)()くしても、門派(もんぱ)(もど)れば補給(ほきゅう)できるのだから」


師匠(ししょう)言葉(ことば)()き、方正(ほうせい)(なが)いため(いき)をつき、魏無傷(ぎむしょう)()った:「(たたか)いたいなら、(たたか)おう」


()いぞ! どうぞ!」魏無傷(ぎむしょう)(ひや)やかに(わら)い、(あし)地面(じめん)()ると、電光(でんこう)(ごと)空中(くうちゅう)()()がった。


方正(ほうせい)()けを()らなかった。()()げ、(つる)背中(せなか)()()るや、(まん)鉄嘴飛鶴(てっしひかく)一斉(いっせい)()(さけ)び、さながら(おう)(むか)えるかのようだった。


(たたか)いの(まく)()って()とされ、周囲(しゅうい)(もの)(おも)わず興奮(こうふん)した。


方正(ほうせい)ボス、頑張(がんば)れ! 天妒楼(てんとろう)の女々(めめ)しい(やつ)をぶちのめせ!」仙鶴門(せんかくもん)精鋭弟子(せいえいでし)たちが(さわ)()てた。


()師弟(してい)、しっかりこいつを()らしめてやれ!」魏無傷(ぎむしょう)にも当然(とうぜん)応援(おうえん)する(もの)がいた。


魏無傷(ぎむしょう)(かろ)(うなず)き、()(なか)戦意(せんい)(ほのお)()()がった。(かれ)天妒楼(てんとろう)当代(とうだい)精鋭弟子(せいえいでし)筆頭(ひっとう)だ。方正(ほうせい)万鶴群(まんかくぐん)は、普通(ふつう)精鋭弟子(せいえいでし)なら(おど)すかもしれないが、(かれ)(おど)がらせることはできない。


(かれ)にも(ひと)()めの切り(きりふだ)があるのだ!


(たたか)え!」魏無傷(ぎむしょう)体内(たいない)蛊虫(こちゅう)猛然(もうぜん)()()て、身体(からだ)空中(くうちゅう)一閃(いっせん)し、(もと)場所(ばしょ)()えた。


(つぎ)瞬間(しゅんかん)空間(くうかん)破裂(はれつ)し、(かれ)数百歩(すうひゃっぽ)距離(きょり)突破(とっぱ)して、直接(ちょくせつ)方正(ほうせい)()(まえ)(あらわ)れた。


「なんと破空蛊(はくうこ)?!」この(とき)天鶴上人(てんかくじょうにん)さえ(おどろ)きを(かく)せなかった。


(はげ)しい(たたか)いが、(はげ)しく炸裂(さくれつ)した。


その(ころ)三叉山(さんさざん)では——


ある洞窟(どうくつ)(なか)で、十暴君(じゅうぼうくん)勢揃(ぜいぞろ)いしていた。


「つまり、今回(こんかい)(まえ)たちは狐魅児(こみい)(ごま)として使(つか)われ、黒白双煞(こくびゃくそうさつ)(さぐ)(たて)にされたというのか?」十暴君(じゅうぼうくん)首領(しゅりょう)横眉暴君(おうびぼうくん)」が(ひく)(こえ)()()めた。


「その(とお)りです! 親分(おやぶん)、あの妖女(ようじょ)は我々(われわれ)を(もてあそ)び、七番目(ななばんめ)十番目(じゅうばんめ)重傷(じゅうしょう)させた! 親分(おやぶん)、どうか(しゅ)()ってください!」十暴君(じゅうぼうくん)二番目(にばんめ)(さけ)(つづ)けた。


ぱんっ!


横眉暴君(おうびぼうくん)掌底(しょうてい)(たた)きつけた。


二番目(にばんめ)はその一撃(いちげき)(ほお)にまともに()らい、ぶん(まわ)されてその()(ひと)回転(かいてん)した。


「親、親分(おやぶん)!?」二番目(にばんめ)(ほお)(おさ)え、呆然(ぼうぜん)として横眉暴君(おうびぼうくん)()つめた。


重傷(じゅうしょう)? 重傷(じゅうしょう)()んで()かった! ()なないだけマシだ! お(まえ)下半身(かはんしん)(もの)(かんが)えるバカどもめ、股間(こかん)(むし)をちゃんと管理(かんり)しろ。()(まえ)()っただろう?謹言慎行(きんげんしんこう)しろって。ここが(みなみ)(やま)だと(おも)っているのか?」


横眉暴君(おうびぼうくん)(こえ)()()げて(しか)りつけた:「(ちが)う! ここは三叉山(さんさざん)だ!」


孔日天(こうじつてん)でも、龍青天(りゅうせいてん)でも、武神通(ぶしんとう)でも翼冲(よくちゅう)でも、(だれ)一人(ひとり)本気(ほんき)になれば、お(まえ)らは(あり)のように(つぶ)される! お(まえ)らは(みな)三转(さんてん)だが、ここでのうのうと()らせるのは、(なに)のお(かげ)だと(おも)う? (おれ)()(もの)()うからだ!」


「ふん! 今回(こんかい)(けん)はお(まえ)たちへの警告(けいこく)としろ。(さら)()っておく、狐魅児(こみい)復讐(ふくしゅう)しようなどと(かんが)えるな! この小妖女(しょうようじょ)(いのち)(うば)わずに(ひと)(まど)わす、交遊(こうゆう)(ひろ)い。林三痴(りんさんち)密接(みっせつ)関係(かんけい)があれば、李閑(りかん)との(うわさ)(なが)れ、魔無天(まむてん)とさえ肉体関係(にくたいかんけい)があるという」


横眉暴君(おうびぼうくん)言葉(ことば)は、間違(まちが)いなく()()九人(きゅうにん)兄弟(きょうだい)(ふる)()がらせた。


林三痴(りんさんち)魔道(まどう)四转蛊師(してんこし)で、金道(きんどう)得意(とくい)とするだけでなく、土道(どどう)蛊師(こし)でもある。金土双絶(きんどそうぜつ)異名(いみょう)()ち、その()(なが)(とどろ)いている。


李閑(りかん)同様(どうよう)(しゅ)()(たか)い。(かれ)南疆(なんきょう)出身(しゅっしん)ではなく、東海(とうかい)から流浪(るろう)()てに()た。魔道(まどう)(ひろ)()られる大奸商(だいかんしょう)で、相場操縦(そうばそうじゅう)(やす)()(たか)()(じゅつ)(もっと)()けている。人脈(じんみゃく)(ひろ)く、(おお)くの魔道蛊師(まどうこし)(おか)した事件(じけん)盗品(とうひん)は、(かれ)のところで(なが)される。


魔無天(まむてん)(いた)っては、さらに(おそ)ろしい。


(かれ)上古(じょうこ)蛊仙(こせん)から()められた継承(けいしょう)()当代(とうだい)魔道(まどう)随一(ずいいち)新星(しんせい)で、(うたが)いようのない天才少年(てんさいしょうねん)だ。


林三痴(りんさんち)も、李閑(りかん)も、魔無天(まむてん)も、いずれも四转蛊師(してんこし)である。


「そんな大物(おおもの)たちが、(みな)あの妖女(ようじょ)肉体関係(にくたいかんけい)を?」暴君(ぼうくん)成員(せいいん)たちは親分(おやぶん)言葉(ことば)()き、顔色(かおいろ)()(さお)になり、心胆(しんたん)(さむ)からしめた。


「もう一度(いちど)()っておく。ここは(みなみ)(やま)じゃない! はあ… 普段(ふだん)から(あたま)使(つか)え、記憶力(きおくりょく)()くしろと()ってるのに、(だれ)()きやしない。はあ… 今回(こんかい)三王(さんおう)継承(けいしょう)は、並大抵(なみたいてい)のことではない。まだどれほどの(つよ)(もの)(あらわ)れるか()からん」横眉暴君(おうびぼうくん)嘆息(たんそく)()らした。


他の兄弟(きょうだい)たちは(たが)いに(かお)()()わせ、しばらく(くち)(つぐ)んだ。


横眉暴君(おうびぼうくん)時機(じき)(じゅく)したと()て、(はなし)矛先(ほさき)(てん)じた:「だが、お(まえ)たちも心配(しんぱい)()ぎるな。(いま)三叉山(さんさざん)には、()人の四转頂点(してんちょうてん)蛊師(こし)(たが)いに牽制(けんせい)()い、(だれ)(かる)々(がる)しく(うご)けない。我々(われわれ)南山十暴君(なんざんじゅうぼうくん)も、ただ(もの)ではない。今回(こんかい)(そん)無駄(むだ)にできない。さあ、お(まえ)たちは(いま)から(おれ)について()い。黒白双煞(こくびゃくそうさつ)()いに()く」


親分(おやぶん)、ご自身(じしん)黒白双煞(こくびゃくそうさつ)()いに()くんですか?」ある成員(せいいん)(おどろ)きを(かく)せなかった。


親分(おやぶん)四转中階(してんちゅうかい)で、魔道(まどう)大先輩(だいせんぱい)です。親分(おやぶん)江湖(こうこ)(わた)(ある)いていた(ころ)、あの二人(ふたり)はまだ(ちち)()んでいましたよ!」


「その(とお)りです!親分(おやぶん)、我々(われわれ)が()びに()きます。ご自身(じしん)出向(でむ)くのは、(かれ)らに(あま)りにも面目(めんもく)(ほどこ)()ぎです」


「ふん、お(まえ)らに(なに)()かる!」横眉暴君(おうびぼうくん)即座(そくざ)(しか)りつけた:「この黒白双煞(こくびゃくそうさつ)は、(わか)すぎる。今回(こんかい)(まえ)らに()()さなかったのは、(おれ)威名(いめい)()り、分別(ふんべつ)をわきまえている証拠(しょうこ)だ。だが若者(わかもの)(みな)面目(めんもく)()にする。(おれ)身分(みぶん)()として(みずか)(おとず)れれば、存分(ぞんぶん)(かお)()ててやれる。その(うえ)狐魅児(こみい)対抗(たいこう)する提携(ていけい)提案(ていあん)すれば、(よろこ)んで承知(しょうち)するに()まっている。ふふふ…」


親分(おやぶん)()かりました!(かれ)らを槍玉(やりだま)使(つか)うんですね!」


親分(おやぶん)本当(ほんとう)英明神武(えいめいしんぶ)です!黒白双煞(こくびゃくそうさつ)二十代(にじゅうだい)で、(わか)すぎます。(いま)狐魅児(こみい)敵対(てきたい)している(かれ)らが、親分(おやぶん)提案(ていあん)()けば、()()がって(よろこ)ぶでしょう!」


「さすが親分(おやぶん)御出(ごしゅつ)ましです!やはり(かく)(ちが)います!」


十暴君(じゅうぼうくん)成員(せいいん)たちは、(くち)(そろ)えてお世辞(せじ)()った。


「ははは!」横眉暴君(おうびぼうくん)(てん)(あお)いで大笑(おおわら)いし、大手(おおて)()るった:「兄弟(きょうだい)たち、()(とも)黒白双煞(こくびゃくそうさつ)(たず)ねよう!」


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)三叉山(さんさざん)(いただき)(あお)()た。


この三叉山(さんさざん)は、(じつ)奇抜(きばつ)(かたち)をしている。山麓(さんろく)から()()がり、(みっ)つの(みね)()かれる。(とお)くから()れば、さながら(てん)()巨大(きょだい)なフォークのようだ。


(みっ)つの峰頂(ほうちょう)(うえ)に、三王継承(さんおうけいしょう)入口(いりぐち)がある。


一定(いってい)時間(じかん)ごとに、峰頂(ほうちょう)から三本(さんぼん)(てん)()光柱(こうちゅう)(あらわ)れ、(ひと)(なか)(まね)()れる。


(はい)人数(にんずう)一定数(いっていすう)(たっ)すると、光柱(こうちゅう)()え、入口(いりぐち)()ざされる。


その()時折(ときおり)継承(けいしょう)失敗(しっぱい)した蛊師(こし)転送(てんそう)されて()()る。もちろん毎回(まいかい)(おお)くの蛊師(こし)がその(なか)(じか)(いのち)()とす。


(つぎ)継承(けいしょう)(ひら)くまで、(やく)八日間(ようかかん)ある。まずは()()場所(ばしょ)(さが)そう」方源(ほうげん)周囲(しゅうい)見渡(みわた)し、山腹(さんぷく)にある洞窟(どうくつ)()()けた。










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