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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第百二十九節:も喰

「そうか」商嘲風(しょうちょうふう)はそう(おう)じた。


方源(ほうげん)(おもて)()ち、商心慈(しょうしんじ)()わって(かれ)提案(ていあん)直接(ちょくせつ)(ことわ)ったため、(かれ)()いて()(とお)すわけにはいかなかった。


方源(ほうげん)巨開碑(きょかいひ)()(やぶ)り、三转頂点(さんてんちょうてん)(しゅ)()でありながら四转(してん)(たたか)(ちから)()つ。同時(どうじ)紫荊令牌(しけいれいはい)()ち、商家(しょうか)貴賓(きひん)だ。そのため、商嘲風(しょうちょうふう)一貫(いっかん)して方白(ほうはく)二人(ふたり)(こう)()(しめ)していた。


しかし、(こころ)(なか)では納得(なっとく)していなかった。


「ふん、勢力(せいりょく)構築(こうちく)するには時間(じかん)がかかる。どうして一朝一夕(いっちょういっせき)()()げられようか? まあいい、まずは(きみ)たちに苦労(くろう)(あじ)わわせよう。その(とき)(わたし)(たす)けに(あらわ)れれば、かえってより効果的(こうかてき)だろう」商嘲風(しょうちょうふう)(こころ)思案(しあん)し、表向(おもてむ)きは(かす)かに()みを()かべていた。


双方(そうほう)はさらに(すこ)(はな)し、商嘲風(しょうちょうふう)(みずか)商心慈(しょうしんじ)たちを(やしき)大門(だいもん)まで(おく)()した。


外部(がいぶ)(もの)から()れば、これは(もっと)明確(めいかく)政治(せいじ)(てき)信号(しんごう)だ。


商嘲風(しょうちょうふう)(わか)れを()げ、(しょう)(ほう)(はく)三人(さんにん)は大通り(おおどおり)へ()た。


今日(きょう)利市節(りしせつ)店舗(てんぽ)営業(えいぎょう)(やす)み、(みち)両側(りょうがわ)に様々(さまざま)な露店(ろてん)(なら)んでいる。


「さあさあ、()っぱくて(あま)糖葫蘆(とうふる)だよ!」


(じつ)はね、この古玉(こぎょく)は、(わたし)(いえ)が先祖代々(せんぞだいだい)(つた)えてきたものなんだ…」


(こめ)()るよ、(こめ)()るよ、五香精油米(ごこうせいゆまい)一袋(ひとふくろ)半塊(はんかい)元石(げんせき)だけだよ!」


(ちい)さな露店(ろてん)が次々(つぎつぎ)に(なら)び、多種多様(たしゅたよう)品物(しなもの)()()く。一列(いちれつ)(つら)なり、(とお)くまで(つづ)いている。見渡(みわた)(かぎ)り、無数(むすう)(ひと)(かた)()()うほど混雑(こんざつ)し、(あし)()めて見物(けんぶつ)する(もの)値段(ねだん)交渉(こうしょう)をする(もの)、あちこち見回(みまわ)(もの)がいた。


利市節(りしせつ)毎年(まいとし)一度(いちど)方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)商心慈(しょうしんじ)も、もはや見慣(みな)れた光景(こうけい)だ。


()(かえ)れば、商家城(しょうかじょう)()てから、もう()(さん)(ねん)になる」商心慈(しょうしんじ)突然(とつぜん)(くち)(ひら)いた。(こえ)には感概(かんがい)()められている。


「この()(ねん)()きたことの(おお)さと()ったら…」彼女(かのじょ)嘆息(たんそく)し、(つづ)けた:「以前(いぜん)なら、まさか自分(じぶん)商家(しょうか)族長(ぞくちょう)(むすめ)だとは、(ゆめ)にも(おも)わなかったでしょうに」


(つづ)けて、商心慈(しょうしんじ)方源(ほうげん)()(なお)し、(かす)かに(わら)って(しろ)()()せた:「もし黒土兄(こくどあに)さまがいなければ、(わたし)はここまで()ることもできなかったでしょう」方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)(たい)して、彼女(かのじょ)(つね)(ふか)感謝(かんしゃ)(ねん)(いだ)いていた。


白凝冰(はくぎょうひょう)(かたわ)らで(だま)()んでいたが、目尻(めじり)(かす)かにひくついた。


「ああ、(きみ)(ちち)名高(なだか)商燕飛(しょうえんひ)だとは、(わたし)(おも)いもよらなかった。しかし、(きみ)(たす)けたのは、(えん)があったからだ。(えん)()たり(えん)()り、聚散(しゅうさん)離合(りごう)は、これ()(つね)だ」方源(ほうげん)前方(ぜんぽう)()つめながら(こた)えた。


商心慈(しょうしんじ)表情(ひょうじょう)(かす)かに(くも)った。彼女(かのじょ)言葉(ことば)(うら)()()った:「黒土兄(こくどあに)さま、まさか商家城(しょうかじょう)(はな)れるおつもりですか?」


「その(とお)りだ。()もなく、(わたし)白凝冰(はくぎょうひょう)商量山(しょうりょうざん)()ち、三叉山(さんさざん)()かう」方源(ほうげん)(こた)えた。


商心慈(しょうしんじ)()()いしばり、()めてほしい言葉(ことば)(くち)にしようとしたが、ついに(くち)()せなかった。


彼女(かのじょ)方源(ほうげん)(なが)(とも)()ごし、はっきり(はな)したことはなくても、(かれ)(こころ)(ひそ)野望(やぼう)(かん)()っていた。


この(おとこ)野心(やしん)(おお)()ぎる。商家城(しょうかじょう)という(ひと)つの場所(ばしょ)(とど)まることは不可能(ふかのう)なのだ。


「しかし、安心(あんしん)してほしい。()(まえ)に、(かなら)(きみ)若様(わかさま)()()()げ、安泰(あんたい)(すわ)らせてみせる」方源(ほうげん)(わら)った。「さあ、まずは(きみ)()れて部下(ぶか)(まね)きに()こう。今日(きょう)心慈(しんじ)将来(しょうらい)勢力(せいりょく)基盤(きばん)(きず)()げるのだ」


「えっ? 黒土兄(こくどあに)さま、まさか本当(ほんとう)適任者(てきにんしゃ)(おも)()かべているんですか?」商心慈(しょうしんじ)(すこ)(おどろ)きながら()(かえ)した。


勢力(せいりょく)構築(こうちく)するには、(なが)時間(じかん)がかかる。


忠実(ちゅうじつ)部下(ぶか)は、いずれも(なが)時間(じかん)をかけて育成(いくせい)しなければならない。


方源(ほうげん)(いま)口調(くちょう)は、忠誠心(ちゅうせいしん)能力(のうりょく)()(そな)えた部下(ぶか)が、白菜(はくさい)のように簡単(かんたん)()つかるような印象(いんしょう)(あた)えた。


(かれ)はいったい、どんな確信(かくしん)があって、これほど自信(じしん)()ちた口調(くちょう)()えるのだろうか?


商心慈(しょうしんじ)だけでなく、白凝冰(はくぎょうひょう)(おも)わず興味(きょうみ)(いだ)いた。


(わたし)()いて()れば、すぐに()かる」方源(ほうげん)先頭(せんとう)()ち、二人(ふたり)案内(あんない)した。


()がりくねった路地(ろじ)幾度(いくど)(とお)()け、(かれ)らは一本(いっぽん)小路(こうじ)()いた。


提灯屋(ちょうちんや)絹物屋(きぬものや)(あいだ)に、(ひと)つの露店(ろてん)(もう)けられていた。


方源(ほうげん)はその露店(ろてん)(まえ)まで(ある)き、(あし)()めた。


露店(ろてん)(うし)ろには、(なか)(よこ)たわる少年(しょうねん)がいた。少年(しょうねん)はぼろぼろの(ふく)()(かべ)(ぎわ)にもたれかかり、()(なか)()じ、顔色(かおいろ)(わる)く、(うつ)ろな()をして、酒色(しゅしょく)(おぼ)れて()()せない(はい)れた様子(ようす)だった。


「まさか黒土兄(こくどあに)さまが(さが)しているのは、この少年(しょうねん)なのか?」商心慈(しょうしんじ)(こころ)の中で(おも)(めぐ)らせた。


白凝冰(はくぎょうひょう)(するど)()つきで、その(もの)観察(かんさつ)していた。この(もの)蛊師(こし)ではあるが、一転中階(いってんちゅうかい)()ぎない。()()年齢(ねんれい)は、もうかなりいっているのに、この実力(じつりょく)(しゅ)()は、まさに()(おお)いたくなるほどだ。


「このお客様(きゃくさま)(なに)かお()(もの)で…えっ、方正様(ほうせいさま)!」少年(しょうねん)(ひと)気配(けはい)(かん)じて()()け、()いかけた言葉(ことば)途切(とぎ)れさせ、突然(とつぜん)(こえ)()()げた。(かお)には(おどろ)きと震撼(しんかん)(いろ)()かんでいた。


方源(ほうげん)(いま)商家城(しょうかじょう)有名人(ゆうめいじん)で、素顔(すがお)(かく)していないため、(おお)くの(もの)(かれ)(みと)めることができた。


(はく)白凝冰様(はくぎょうひょうさま)…」(つづ)けて、(かれ)白凝冰(はくぎょうひょう)(みと)め、(こえ)(おも)わず()まってしまった。


商心慈(しょうしんじ)()らなかったが、彼女(かのじょ)蛊師(こし)としての気配(けはい)(かん)()れた。同時(どうじ)に、彼女(かのじょ)絶世(ぜっせい)美貌(びぼう)は、(かれ)目眩(めくら)むほどだった。


「これは十枚(じゅうまい)元石(げんせき)だ。(きみ)品物(しなもの)全部(ぜんぶ)()()る。()ってよろしい」方源(ほうげん)(ふくろ)から元石(げんせき)を取り(とりだ)した。


少年(しょうねん)(かお)に、大喜(おおよろこ)びの表情(ひょうじょう)()かんだ。


しかし、すぐに、(すこ)しのためらいの(いろ)()せた。


露店(ろてん)(なら)べた雑品(ざっぴん)は、祖父(そふ)遺品(いひん)整理(せいり)した(とき)()つかったものだ。(かれ)調(しら)べたところ、どれもがらくたで、価値(かち)のあるものは(なに)もなかった。


しかし、なぜ方正様(ほうせいさま)(わたし)品物(しなもの)()()ろうとするのか? まさか、(なか)本当(ほんとう)宝物(たからもの)があるのでは?


もし宝物(たからもの)があるなら、()ってしまったら大損(おおぞん)ではないか?


そう(おも)(なや)んでいる最中(さいちゅう)方源(ほうげん)突然(とつぜん)()()げて、()()っていた元石(げんせき)(ふくろ)(かれ)(ほう)()げた。


(なに)(かんが)()んでいる? (わたし)()うことが()こえなかったのか? ふん、(わたし)(きみ)品物(しなもの)()()ったのは、(きみ)光栄(こうえい)だ。(いま)すぐ()せろ。さもなければ、()せる機会(きかい)さえ()うことになるぞ」方源(ほうげん)(ひや)やかな(こえ)(おど)した。


少年(しょうねん)(おも)わず(からだ)(ふる)わせた。


(かれ)(くちびる)()みしめ、言葉(ことば)()まらせながら()った:「(ほう)方正様(せいさま)、どうしてそんな、そんなことを。商売(しょうばい)基本(きほん)は…双方(そうほう)合意(ごうい)です。強制取引(きょうせいとりひき)はできません、あなたも、身分(みぶん)ある(かた)でしょうに…それにここは商家城(しょうかじょう)(なか)です…」


パン


方源(ほうげん)()()(まわ)し、平手打(ひらてう)ちで少年(しょうねん)地面(じめん)(たた)()けた。


()せろ」方源(ほうげん)見下(みお)ろすように、(こおり)のような眼光(がんこう)()(しょう)少年(しょうねん)(にら)み、淡々(たんたん)とした口調(くちょう)()った。


少年(しょうねん)(ほお)()さえ、恐怖(きょうふ)心臓(しんぞう)()()けそうだった。(からだ)(ふる)(つづ)けている。(かれ)()()いて方源(ほうげん)()ると、漆黒(しっこく)(ひとみ)()れた瞬間(しゅんかん)(あわ)てて()()らした。そして一言(ひとこと)(はっ)せずに()()がり、よろめきながら(はし)()った。


黒土兄(こくどあに)さま…」商心慈(しょうしんじ)少年(しょうねん)()って()背中(せなか)()て、(むね)(いた)んだ。


一方(いっぽう)白凝冰(はくぎょうひょう)無表情(むひょうじょう)で、(まった)()にかけていない様子(ようす)だった。


心慈(しんじ)(わたし)魔道蛊師(まどうこし)だ。独自(どくじ)行動様式(こうどうようしき)があり、縦横無尽(じゅうおうむじん)()()うことを(むね)としている」方源(ほうげん)当然(とうぜん)のように()(はな)った。


(まわ)りの露店(ろてん)(もの)たちが、一斉(いっせい)(かれ)()た。


方源(ほうげん)左右(さゆう)見渡(みわた)すと、たちまち(みな)()をそらし、(かれ)視線(しせん)()わせようとしなかった。


もし以前(いぜん)方源(ほうげん)なら、きっと婉曲(えんきょく)対応(たいおう)し、(だま)したり(あざむ)いたりする手段(しゅだん)で、(なご)やかにこの露店(ろてん)品物(しなもの)()()っただろう。


しかし(いま)(かれ)実力(じつりょく)(おお)いに向上(こうじょう)し、(むかし)とは(くら)べものにならない。(もっと)直接(ちょくせつ)的な手段(しゅだん)で、手間(てま)労力(ろうりょく)(はぶ)けるなら、なぜ使(つか)わないことがあろうか?


正道(せいどう)(もの)は、名声(めいせい)(おも)んじ、風格(ふうかく)(しめ)すため、(つね)(よわ)(もの)(なご)やかに(たい)する。


しかし方源(ほうげん)正道(せいどう)ではなく、魔道(まどう)だ。


(いにしえ)より、大魚(たいぎょ)小魚(しょうぎょ)()い、小魚(しょうぎょ)小蝦(こえび)()う。これが弱肉強食(じゃくにくきょうしょく)のジャングルの法則(ほうそく)だ。


ただ、魔道(まどう)(もの)は、(にく)()()き、(じか)丸飲(まるの)みにする。正道(せいどう)(もの)は、()いながら、(わに)(なみだ)(なが)し、「仕方(しかた)なくやっている」と()(わけ)する。


いつも、(おお)くの(おろ)(もの)が、偽善(ぎぜん)(だま)される。あるいは(みずか)らを(あざむ)き、残酷(ざんこく)真実(しんじつ)()()おうとしない。


はは。


現実(げんじつ)は、どちらも()っているのだ。


搾取者(さくしゅしゃ)被搾取者(ひさくしゅしゃ)()い、侵略者(しんりゃくしゃ)被侵略者(ひしんりゃくしゃ)()い、強者(きょうしゃ)弱者(じゃくしゃ)()い、抑圧者(よくあつしゃ)被抑圧者(ひよくあつしゃ)()い、上位者(じょういしゃ)下位者(かいしゃ)()う…


衆生万物(しゅじょうばんぶつ)に、()わないものはない。()わなければ、生存(せいぞん)できない。ただ、それぞれの()(かた)()があるだけだ。


方源(ほうげん)露店主(ろてんぬし)()(はら)うと、(こし)(かが)めて露店(ろてん)から(ひと)つの令牌(れいはい)(えら)()した。


その令牌(れいはい)は、黒鉄(こくてつ)(せい)らしく、(くろ)くて(にぶ)(ひかり)(はな)ち、半分(はんぶん)()けていた。(うえ)には(なに)文字(もじ)(きざ)まれているようだが、(なが)(あいだ)(こす)れたためか、半分(はんぶん)()けているため、(まった)判読(はんどく)できない。


しかし方源(ほうげん)()っていた——これは「(めし)」の()なのだと。


三百年前(さんびゃくねんまえ)一人(ひとり)魔道蛊師(まどうこし)重傷(じゅうしょう)()(かわ)()ちた。川辺(かわべ)(ぬの)(あら)っていた少女(しょうじょ)(すく)われた。


少女(しょうじょ)心優(こころやさ)しく、魔道蛊師(まどうこし)(すく)った(あと)(ひそ)かに物置(ものおき)(かくま)い、毎日(まいにち)その蛊師(こし)食事(しょくじ)(とど)けた。


魔道蛊師(まどうこし)回復(かいふく)した(あと)少女(しょうじょ)(おん)(かん)じて、黒鉄(こくてつ)令牌(れいはい)(つく)り、「(めし)」の文字(もじ)(きざ)んだ。


さらに令牌(れいはい)()(ぷた)つに()り、半分(はんぶん)少女(しょうじょ)(わた)し、半分(はんぶん)(みずか)らの手元(てもと)(のこ)した。


魔道蛊師(まどうこし)()(ぎわ)に、少女(しょうじょ)(ねん)()した:「将来(しょうらい)(なに)(こま)ったことがあれば、丹火山(たんかざん)鬼哭洞(きこくどう)(たず)ね、(わたし)(さが)すがよい。たとえ(きみ)()んでも、この約束(やくそく)は、(はん)(ぶん)令牌(れいはい)(あら)たな(ぬし)にまで有効(ゆうこう)だ」


少女(しょうじょ)は、この言葉(ことば)(かた)記憶(きおく)した。しかし、わずか五十年(ごじゅうねん)()たないうちに、丹火山(たんかざん)大戦(たいせん)()き、火山(かざん)噴火(ふんか)して鬼哭洞(きこくどう)消滅(しょうめつ)した。そして、その魔道蛊師(まどうこし)鉄家(てっか)生捕(いけど)られ、鎮魔塔(ちんまとう)幽閉(ゆうへい)された。


この(はん)(ぶん)()けた令牌(れいはい)は、もはや(やく)()たなくなった。少女(しょうじょ)子孫(しそん)たちの(あいだ)を、転々(てんてん)と(つた)わっていった。


魔道(まどう)(かか)わることゆえ、少女(しょうじょ)老死(ろうし)するまで、()どもたちにこの秘密(ひみ)口外(こうがい)することはなかった。この過去(かこ)出来事(できごと)を、永遠(えいえん)(むね)()めたままだった。


少女(しょうじょ)末裔(まつえい)は、家族(かぞく)から追放(ついほう)され、流浪(るろう)(すえ)商家城(しょうかじょう)定住(ていじゅう)した。家運(かうん)次第(しだい)(おとろ)え、子孫(しそん)才能(さいのう)孝行心(こうこうしん)もなく、直系(ちょっけい)で代々(だいだい)単独(たんどく)に受け()がれ、(いま)では一人(ひとり)少年(しょうねん)だけが(のこ)されていた。


この少年(しょうねん)(あま)やかされて(そだ)ち、若様(わかさま)気質(きしつ)で、(さけ)(おんな)()(ごと)(おぼ)れていた。両親(りょうしん)死後(しご)(かれ)時折(ときおり)先祖代々(せんぞだいだい)の遺品(いひん)()って生計(せいけい)()てていた。


しかし、ある利市節(りしせつ)()(かれ)運命(うんめい)()わることになる。


魔道(まどう)蛊師(こし)兄弟(きょうだい)三人(さんにん)が、何気(なにげ)なくこの露店(ろてん)(のぞ)いた(とき)偶然(ぐうぜん)にも露店(ろてん)(なら)ぶこの(はん)(ぶん)令牌(れいはい)()つけたのだ。













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