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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第百十四節:白凝冰vs炎突

時間(じかん)()つにつれ、演武場(えんぶじょう)(まわ)りの観客(かんきゃく)たちは次第(しだい)感嘆(かんたん)(いろ)()かべ(はじ)めた。


白凝冰(はくぎょうひょう)がこれほど強勢(きょうせい)だとは(おも)わなかった。炎突様(えんとつさま)互角(ごかく)(わた)()っている」


二转(にてん)氷锥蛊(ひょうすいこ)炎突(えんとつ)対抗(たいこう)し、劣勢(れっせい)()せない」


移動中(いどうちゅう)蛊虫(こちゅう)発動(はつどう)させるのは蛊師(こし)基本(きほん)だが、白凝冰(はくぎょうひょう)はそれを完璧(かんぺき)にこなしている」


(うたが)いなく白凝冰(はくぎょうひょう)天才(てんさい)だ。基礎(きそ)堅実(けんじつ)だからこそ、これまで縦横無尽(じゅうおうむじん)不敗(ふはい)(つづ)けてこられたのだろう」


人混(ひとご)みの(なか)方源(ほうげん)平然(へいぜん)とした表情(ひょうじょう)()つめていた。


魏央(ぎおう)商心慈(しょうしんじ)()ており、(いま)(かれ)(そば)()っている。


三人(さんにん)とも変装(へんそう)し、群衆(ぐんしゅう)(まぎ)れていた。


白凝冰(はくぎょうひょう)(つよ)()(たたか)っているな。氷锥蛊(ひょうすいこ)使(つか)っているとはいえ、(かず)(おお)くなれば、真元(しんげん)消耗(しょうもう)増大(ぞうだい)するのに」魏央(ぎおう)(かお)一抹(いちまつ)憂色(ゆうしょく)()かんだ。


三转(さんてん)四转(してん)では、真元(しんげん)(りょう)()があるのは当然(とうぜん)だ。しかし炎突(えんとつ)丹火蛊(たんかこ)使(つか)(つづ)けており、(かれ)真元(しんげん)()(つづ)けている。炎突(えんとつ)四转(してん)だが、乙等資質(おっとうししつ)()ぎない。白凝冰(はくぎょうひょう)甲等資質(こうとうししつ)真元回復速度(しんげんかいふくそくど)利用(りよう)して、炎突(えんとつ)四转(してん)(しゅう)()対抗(たいこう)しようとしているのだ」方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)戦術的思考(せんじゅつてきしこう)見抜(みぬ)いた。


「そうだとすれば、白凝冰(はくぎょうひょう)にとって今日(きょう)(たたか)いは間違(まちが)いなく過酷(かこく)なものになるでしょう」商心慈(しょうしんじ)感嘆(かんたん)した。


(いま)彼女(かのじょ)蛊師(こし)だ。商燕飛(しょうえんひ)手厚(てあつ)薫陶(くんとう)()け、見識(けんしき)(ひろ)がり、(おお)くのことが()()けるようになっていた。


三人(さんにん)(はな)している最中(さいちゅう)場上(じょうじょう)状況(じょうきょう)突如(とつじょ)変化(へんか)した。


小娘(こむすめ)()()(まわ)るな」炎突(えんとつ)口元(くちもと)(ゆが)め、薄笑(うすわら)いを()かべた。突然(とつぜん)右腕(みぎうで)()ばし、数十歩(すうじっぽ)(はな)れた白凝冰(はくぎょうひょう)虚空(こくう)(つか)むように(ねら)った。


(かれ)右手(みぎて)(つめ)(かたち)()わり、(てのひら)中心(ちゅうしん)蛊虫(こちゅう)(しるし)一瞬(いっしゅん)(ひか)った。


ヒューッ!


猛火(もうか)(うな)り、(またた)()巨大(きょだい)(ほのお)(つめ)形作(かたちづく)られ、(とお)(はな)れた白凝冰(はくぎょうひょう)目指(めざ)して()んだ。


(ほのお)(つめ)三本指(さんぼんゆび)で、(たか)(つめ)のようだった。全身(ぜんしん)橙赤色(だいだいあかいろ)で、猛火(もうか)()(さか)っている。(せま)ってくるだけで、白凝冰(はくぎょうひょう)(はだ)()がすような猛烈(もうれつ)熱気(ねっき)(かん)じた。これは三转(さんてん)火爪蛊(かそうこ)だ!


白凝冰(はくぎょうひょう)(あわ)てて移動蛊(いどうこ)発動(はつどう)させ、速度(そくど)激増(げきぞう)し、距離(きょり)()った。


彼女(かのじょ)(まえ)もって準備(じゅんび)をし、炎突(えんとつ)内情(ないじょう)(さぐ)っていた。この火爪(かそう)攻撃範囲(こうげきはんい)丹火(たんか)ほど(ひろ)くなく、炎突(えんとつ)中心(ちゅうしん)とした数丈(すうじょう)範囲(はんい)でしか(うご)けないことを()っていた。


しかし炎突(えんとつ)はガハハと(わら)い、(おな)じく移動蛊(いどうこ)発動(はつどう)させ、(かげ)のように白凝冰(はくぎょうひょう)(せま)った。


(かれ)移動蛊(いどうこ)四转(してん)()で、白凝冰(はくぎょうひょう)のものより効果(こうか)(はる)かに(すぐ)れている。そのため、白凝冰(はくぎょうひょう)距離(きょり)()るどころか、(ぎゃく)炎突(えんとつ)()()られてしまった。


火爪(かそう)空中(くうちゅう)で次々(つぎつぎ)と()ち、執拗(しつよう)(つか)もうとする。


白凝冰(はくぎょうひょう)回避(かいひ)困難(こんなん)だった。炎突(えんとつ)熟練(じゅくれん)(わざ)(あやつ)られる火爪(かそう)敏捷(びんしょう)でありながら重厚(じゅうこう)(うご)きを()せた。


白凝冰(はくぎょうひょう)次第(しだい)()()められ、草原(そうげん)(うえ)(ころ)(まわ)るしかなかった。


ドカン!


火爪(かそう)白凝冰(はくぎょうひょう)(かた)をかすめ、草地(くさち)()ちた。瞬時(またた)()(くさ)()()がり、猛火(もうか)周囲(しゅうい)(ひろ)がり(はじ)めた。


炎突(えんとつ)(こころ)(ねん)じると、(ほのお)(なか)から火爪(かそう)(ふたた)()()がった。しかし最初(さいしょ)(はな)った(とき)より(いきお)いが(おとろ)え、萎靡(いび)した様子(ようす)だった。


だが炎突(えんとつ)空窓(くうそう)(なか)真元海(しんげんかい)水面(すいめん)(かす)かに下降(かこう)すると、火爪(かそう)(またた)()(いきお)いを()(かえ)し、萎靡(いび)一掃(いっそう)された。


霜箭蛊(そうせんこ)


白凝冰(はくぎょうひょう)態勢(たいせい)を立て(なお)し、小指(こゆび)()ばした。そこには霜箭蛊(そうせんこ)宿(やど)り、(あお)紋様(もんよう)()かんでいた。


氷藍(ひょうらん)霜気(そうき)突如(とつじょ)として(はな)たれた。


(またた)()に、霜気(そうき)空中(くうちゅう)一本(いっぽん)飛矢(ひや)へと形成(けいせい)された。


飛矢(ひや)見事(みごと)火爪(かそう)直撃(ちょくげき)し、その猛威(もうい)一気(いっき)()さえ()んだ。


霜箭蛊(そうせんこ)四转(してん)()で、白凝冰(はくぎょうひょう)拍売会(はつばいかい)()にしたものだ。発動(はつどう)すると即座(そくざ)効果(こうか)発揮(はっき)した。


火爪(かそう)()えかけたのを()て、炎突(えんとつ)(まゆ)をひそめ、真元(しんげん)(はげ)しく鼓動(こどう)させ、消耗(しょうもう)(かえり)みず火爪(かそう)再起(さいき)させようとした。


しかし白凝冰(はくぎょうひょう)がそれを(ゆる)すはずがない。シュッ、シュッ、シュッと氷锥蛊(ひょうすいこ)一斉(いっせい)(はな)ちながら、(ひそ)かに氷爆蛊(ひょうばくこ)発動(はつどう)させた。


バン、バン、バン!


氷锥(ひょうすい)火爪(かそう)()たると次々(つぎつぎ)に爆発(ばくはつ)し、猛烈(もうれつ)爆風(ばくふう)火爪(かそう)完全(かんぜん)粉砕(ふんさい)した。


火爪蛊(かそうこ)()んで(もど)ってきた。炎突(えんとつ)(うしな)うわけにはいかないと、数歩(すうほ)()ねて()()り、(てのひら)(つか)んだ。火爪蛊(かそうこ)(ふたた)(しるし)姿(すがた)(もど)り、(てのひら)(おさ)まった。


白凝冰(はくぎょうひょう)()ちに()って追撃(ついげき)し、両手(りょうて)(なが)氷刃(ひょうじん)凝結(ぎょうけつ)させた。左右(さゆう)から炎突(えんとつ)()りかかる。


(やいば)(とど)(まえ)に、炎突(えんとつ)(するど)殺気(さっき)(かん)じた。(こおり)(かぜ)(かお)()でるようだった。


()(やいば)だ!」炎突(えんとつ)異様(いよう)(わら)(ごえ)()げ、突然(とつぜん)(はな)()らし、両鼻(りょうび)から二本(にほん)火蛇(かだ)()()した。


火蛇(かだ)最初(さいしょ)首飾(くびかざ)りほどの(おお)きさだったが、すぐに(かぜ)()って膨張(ぼうちょう)し、()()(おお)きくなった。


(またた)()に、(なが)数丈(すうじょう)(ふと)さは(おけ)ほどもある二匹(にひき)巨大(きょだい)(ほのお)大蛇(だいじゃ)へと()わった。


一匹(いっぴき)火蛇(かだ)(くび)()()げ、白凝冰(はくぎょうひょう)(まえ)蛇陣(じゃじん)(むす)び、彼女(かのじょ)双刃(そうじん)(はば)んだ。もう一匹(いっぴき)(よこ)から()わり()み、うねうねと移動(いどう)して白凝冰(はくぎょうひょう)背後(はいご)から攻撃(こうげき)仕掛(しか)けた。


炎突様(えんとつさま)双蛇攻(そうだこう)(はじ)まった!」


(くや)しいが、(わたし)もこの()(やぶ)れた」


炎突(えんとつ)双蛇(そうだ)(あやつ)りは神技(しんぎ)だ。左右(さゆう)から(はさ)()ちされると、(ふせ)()れずに右往左往(うおうさおう)するしかない」


(ほのお)大蛇(だいじゃ)観客(かんきゃく)騒然(そうぜん)とさせた。


白凝冰(はくぎょうひょう)表情(ひょうじょう)(けわ)しく、(あお)(ひとみ)には(こおり)のように()()まされた戦意(せんい)宿(やど)っていた。(ほのお)大蛇(だいじゃ)巨大(きょだい)圧力(あつりょく)をかけてくるが、それこそが彼女(かのじょ)闘志(とうし)()()たせる。


しばらくの(あいだ)白凝冰(はくぎょうひょう)双刃(そうじん)(かか)げて二匹(にひき)火蛇(かだ)(わた)()った。一方(いっぽう)炎突(えんとつ)場外(じょうがい)()ち、精神(せいしん)集中(しゅうちゅう)して操縦(そうじゅう)した。


炎突(えんとつ)には一心三用(いっしんさんよう)(さい)がある。(いま)二匹(にひき)炎蛇(えんだ)だけを(あやつ)っているが、(わざ)(たえ)(から)()うため、かえって精神(せいしん)消耗(しょうもう)(はげ)しい。


火蛇蛊(かだこ)四转(してん)()だ。二匹(にひき)四转蛊(してんこ)(はさ)()ちされ、白凝冰(はくぎょうひょう)次第(しだい)劣勢(れっせい)()たされた。


防御(ぼうぎょ)次第(しだい)(くる)しくなってきた。(なん)()っても彼女(かのじょ)移動蛊(いどうこ)防御蛊(ぼうぎょこ)(とく)(すぐ)れてはいない。白凝冰(はくぎょうひょう)攻撃特化型(こうげきとっかがた)蛊師(こし)で、蛊虫(こちゅう)()()わせも攻撃(こうげき)(おも)としている。移動(いどう)防御(ぼうぎょ)弱点(じゃくてん)なのだ。


これは(いた)(かた)がない。


蛊師(こし)真元(しんげん)(かぎ)られている。無限(むげん)真元(しんげん)など存在(そんざい)しないのだ。だからこそ真元配分(しんげんはいぶん)重要(じゅうよう)で、白凝冰(はくぎょうひょう)真元(しんげん)大半(たいはん)攻撃(こうげき)()()てている。そのため移動(いどう)防御(ぼうぎょ)(まわ)せる余力(よりょく)(すく)ない。


ゆえに(えら)ばれた移動蛊(いどうこ)防御蛊(ぼうぎょこ)は、真元消費(しんげんしょうひ)(すく)ない種類(しゅるい)ばかりだ。


蛊虫(こちゅう)真元消費(しんげんしょうひ)(すく)なければ、効果(こうか)当然(とうぜん)(おと)る。安物(やすもの)()いの(ぜに)(うしな)いというものだ。


「この二匹(にひき)火蛇(かだ)白凝冰(はくぎょうひょう)実力発揮(じつりょくはっき)(おお)きく(はば)んでいる。()ての通り(どおり)、火蛇(かだ)白凝冰(はくぎょうひょう)攻撃(こうげき)損傷(そんしょう)()えると、炎突(えんとつ)真元(しんげん)消耗(しょうもう)して火蛇(かだ)回復(かいふく)させる。この調子(ちょうし)ではまずい」()(はし)()魏央(ぎおう)(まゆ)をひそめた。


方源(ほうげん)()一瞬(いっしゅん)(ひか)ったが、(なに)()わず、白凝冰(はくぎょうひょう)応対(おうたい)()(のぞ)んでいた。


その(とき)白凝冰(はくぎょうひょう)突然(とつぜん)爆発(ばくはつ)(てき)反撃(はんげき)()た。


霜息蛊(そうそくこ)霜箭蛊(そうせんこ)を次々(つぎつぎ)と()()す。


()()なく(はな)たれる霜凍(そうとう)()火蛇(かだ)攻勢(こうせい)(いちじる)しく(とどこお)らせ、(おさ)()んだ。


しかしこの(くる)おしいほどの猛攻(もうこう)で、彼女(かのじょ)真元(しんげん)急激(きゅうげき)()(つづ)けた。


小娘(こむすめ)()物狂(ものぐる)いの抵抗(ていこう)はやめろ」炎突(えんとつ)高笑(たかわら)いし、次々(つぎつぎ)と丹火(たんか)(はな)った。


丹火(たんか)(いち)()白凝冰(はくぎょうひょう)()び、彼女(かのじょ)翻弄(ほんろう)した。(ほか)丹火(たんか)火蛇(かだ)命中(めいちゅう)し、()えていた火蛇(かだ)(ふたた)活気(かっき)づけた。


これは丹火蛊(たんかこ)火蛇蛊(かだこ)連携戦術(れんけいせんじゅつ)だ。


炎突(えんとつ)演武場(えんぶじょう)(すう)百回(ひゃっかい)もの(たたか)いを経験(けいけん)し、千錬百錬(せんれんひゃくれん)(すえ)体得(たいとく)したものだ。


一方(いっぽう)白凝冰(はくぎょうひょう)天性(てんせい)聡明(そうめい)さと悟性(ごせい)(たか)さを()つが、()()げた経験(けいけん)(あつ)さでは炎突(えんとつ)(およ)ばない。


白凝冰(はくぎょうひょう)爆発(ばくはつ)的な攻勢(こうせい)火蛇(かだ)撃退(げきたい)しようとしたのを、炎突(えんとつ)見抜(みぬ)き、即座(そくざ)反撃(はんげき)した。同様(どうよう)攻勢(こうせい)白凝冰(はくぎょうひょう)(たくら)みを瓦解(がかい)させ、老獪(ろうかい)さと経験(けいけん)()()せつけた。


「これは如何(いか)にすべきか?」魏央(ぎおう)(まゆ)(ふか)(きざ)まれた。


状況(じょうきょう)(おも)わしくない…」商心慈(しょうしんじ)次第(しだい)局面(きょくめん)分析(ぶんせき)(はじ)めた。


白凝冰(はくぎょうひょう)紺碧(こんぺき)(ひとみ)決断(けつだん)(ひかり)(はし)った。


氷晶蛊(ひょうしょうこ)


彼女(かのじょ)敢然(かんぜん)として本命(ほんめい)()発動(はつどう)させた。(まこと)切札(きりふだ)だ。


本来(ほんらい)(はや)々(ばや)に使(つか)うつもりはなかったが、(いた)(かた)がない。(たたか)いが(はじ)まってから、(はじ)めの膠着状態(こうちゃくじょうたい)(のぞ)けば、炎突(えんとつ)次第(しだい)主導権(しゅどうけん)(にぎ)り、(いた)(ところ)彼女(かのじょ)()さえ()んでいた。


白凝冰(はくぎょうひょう)攻撃特化型(こうげきとっかがた)蛊師(こし)だ。主導権(しゅどうけん)(うば)(もど)すには、攻勢(こうせい)をさらに(つよ)めるしかない!


ガリガリッ…


白凝冰(はくぎょうひょう)全身(ぜんしん)から(みず)(またた)()(こおり)()わるような(おと)(ひび)いた。瞬時(しゅんじ)彼女(かのじょ)氷像(ひょうぞう)()した。体形(たいけい)(かす)かに膨張(ぼうちょう)し、銀髪(ぎんぱつ)(しも)(おお)われ(かた)まった。氷晶(ひょうしょう)両手(りょうて)氷刃(ひょうじん)(つた)わり、(やいば)(さら)(するど)く、(さら)寒冷(かんれい)に、(さら)堅固(けんご)になった。


「おいおい、小娘(こむすめ)命懸(いのちか)けか」炎突(えんとつ)(あざけ)るように()ったが、直後(ちょくご)()みが(こお)りついた。


白凝冰(はくぎょうひょう)氷晶(ひょうしょう)姿(すがた)となり、攻防(こうぼう)一体(いったい)一切(いっさい)躊躇(ちゅうちょ)なく炎突(えんとつ)体当(たいあ)たりした。一瞬(いっしゅん)火蛇(かだ)阻止(そし)突破(とっぱ)し、炎突(えんとつ)目指(めざ)して突進(とっしん)した。


射人先射马,擒贼先擒王!


炎突(えんとつ)(あわ)ててもう一匹(いっぴき)火蛇(かだ)(うご)かし、白凝冰(はくぎょうひょう)()()(さえぎ)った。


霜息蛊(そうそくこ)


白凝冰(はくぎょうひょう)(あお)霜気(そうき)一息(ひといき)()いた。


氷晶(ひょうしょう)姿(すがた)から(はな)霜気(そうき)は、威力(いりょく)格段(かくだん)()していた。


火蛇(かだ)がこの霜気(そうき)直撃(ちょくげき)され、(またた)()(しお)れた。


白凝冰(はくぎょうひょう)はそのまま炎突(えんとつ)突進(とっしん)しながら(さけ)んだ:「炎突老(えんとつろう)真正面(まっしょうめん)から(たたか)え!」


炎突(えんとつ)表情(ひょうじょう)(けわ)しくなった。(かれ)接近戦(せっきんせん)得意(とくい)ではない。白凝冰(はくぎょうひょう)威圧感(いあつかん)(すご)み、もし間合(まあ)いを()められたら、大変(たいへん)()()うだろう。


四转(してん)(きょう)(かい)にあり、火道(かどう)蛊師(こし)として派手(はで)(たたか)(かた)をする炎突(えんとつ)だが、戦法(せんぽう)狡猾(こうかつ)老獪(ろうかい)だった。白凝冰(はくぎょうひょう)挑発(ちょうはつ)()らず、移動蛊(いどうこ)発動(はつどう)して後退(こうたい)(つづ)けた。


白凝冰(はくぎょうひょう)(こころ)(しず)んだ。


氷晶(ひょうしょう)姿(すがた)では、移動蛊(いどうこ)効果(こうか)以前(いぜん)より(さら)低下(ていか)していた。


炎突(えんとつ)()いつくには、(かれ)速度(そくど)(おく)らせるしかない。


そこで白凝冰(はくぎょうひょう)霜箭(そうせん)連射(れんしゃ)した。霜箭(そうせん)氷寒(ひょうかん)()には、筋肉(きんにく)血液(けつえき)凍結(とうけつ)させ、動作(どうさ)(にぶ)らせる効果(こうか)がある。


しかし炎突(えんとつ)(かろ)やかに回避(かいひ)し、()のこなしが(きわ)めて(たく)みで、霜箭(そうせん)(ひと)つも()たらなかった。


霜箭(そうせん)炎突(えんとつ)命中(めいちゅう)しないため、白凝冰(はくぎょうひょう)(かれ)距離(きょり)(ひら)一方(いっぽう)だった。


炎突(えんとつ)はニヤリと嘲笑(ちょうしょう)した。先輩(せんぱい)でありながら後輩(こうはい)()(まわ)されるという状況(じょうきょう)でも、少し(すこし)も()にしない。


(かれ)(もっと)(ただ)しい選択(せんたく)をしたのだ。


氷晶蛊(ひょうしょうこ)常用(じょうよう)できない。使用(しよう)()ぎると(からだ)完全(かんぜん)氷結(ひょうけつ)し、蛊師(こし)氷像(ひょうぞう)()してしまうからだ。


そのため白凝冰(はくぎょうひょう)氷晶蛊(ひょうしょうこ)発動(はつどう)させながら、同時(どうじ)朝気蛊(ちょうきこ)(さい)(どう)して(みずか)らの生気(せいき)維持(いじ)している。


しかし朝気蛊(ちょうきこ)があっても、氷晶蛊(ひょうしょうこ)使用時間(しようじかん)()ばせるだけに()ぎない。


炎突(えんとつ)はこの弱点(じゃくてん)をよく()っていた。白凝冰(はくぎょうひょう)(かれ)情報(じょうほう)(さぐ)ったように、(かれ)白凝冰(はくぎょうひょう)情報(じょうほう)収集(しゅうしゅう)していた。時間稼(じかんかせ)ぎさえ成功(せいこう)すれば、この(たたか)いは必勝(ひっしょう)だ。


このような(たたか)(かた)は、火道蛊師(かどうこし)らしい派手(はで)さはないが、間違(まちが)いなく(もっと)省力(しょうりょく)的な戦術(せんじゅつ)だった。


白凝冰(はくぎょうひょう)(あし)()めた。


()いぼれに()たらなければ、局面(きょくめん)()えられるのはあの()しかない」


彼女(かのじょ)()一瞬(いっしゅん)(まよ)いの(ひかり)(はし)った。


「この()使(つか)うべきか?」









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