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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第百十三節:また三転巅峰

ps:“「巅峰(でんほん)」というのは「頂点(ちょうてん)」の意味なのですが、どう表現したらいいのかいつもわからなくて、だからごちゃまぜに使ってしまっていました。”



楠秋苑(なんしゅうえん)密室(みっしつ)


(まわ)りは漆黒(しっこく)(やみ)(つつ)まれ、密室(みっしつ)中央(ちゅうおう)(うす)星明(ほしあ)かりが(みず)のように(めぐ)(なが)れている。


中央(ちゅうおう)では、方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)座布団(ざぶとん)相対座(あいたいざ)し、白凝冰(はくぎょうひょう)両掌(りょうて)方源(ほうげん)背中(せなか)密着(みっちゃく)していた。三转巅峰(さんてんちょうてん)雪銀真元(せつぎんしんげん)が滔々(とうとう)と(そそ)()まれている。


密室(みっしつ)(みず)()ったような静寂(せいじゃく)(つつ)まれていた。


しかし方源(ほうげん)(こころ)(なか)では、(はげ)しい潮騒(しおさい)(とどろ)いていた。


ゴオオーン!


雪銀(せつぎん)(たき)冷冽(れいれつ)雄大(ゆうだい)に、空窓(くうそう)(うえ)から真元海(しんげんかい)へと()(そそ)ぎ、(ぎん)海原(うなばら)巨大(きょだい)波紋(はもん)(ひろ)げた。


これは骨肉団圓蛊(こつにくだんえんこ)()転化(てんか)された三转頂点(さんてんちょうてん)雪銀真元(せつぎんしんげん)だ。


三转蛊師(さんてんこし)真元(しんげん)銀色(ぎんいろ)()びる。初階(しょかい)真元(しんげん)淡銀(たんぎん)微光(びこう)(はな)つ。中階(ちゅうかい)銀色(ぎんいろ)()らで花銀(かぎん)と呼ばれる。


高階(こうかい)銀色(ぎんいろ)均一(きんいつ)(かがや)き、亮銀(りょうぎん)(しょう)される。


頂点(ちょうてん)真元(しんげん)(ゆき)のように銀白(ぎんぱく)壮麗(そうれい)この(うえ)なく、雪銀真元(せつぎんしんげん)(たっと)ばれる。


(いま)方源(ほうげん)雪銀真元(せつぎんしんげん)(おも)に、花銀真元(かぎんしんげん)()に、(こころ)のままに澎湃(ほうはい)する(なみ)(しょう)じさせ、空窓(くうそう)四壁(しへき)(あら)(なが)(つづ)けている。


この空窓(くうそう)(もと)水膜(すいまく)で、(ひかり)(なが)れが(みず)のように()らめいていた。(あら)(なが)すことしばし、ついに量変(りょうへん)質変(しつへん)(てん)じ、水膜(すいまく)(かがや)きが急増(きゅうぞう)した。(みず)(こおり)凝結(ぎょうけつ)するかのように流動(りゅうどう)()め、(せい)(しず)石膜(せきまく)へと定着(ていちゃく)した。


石膜(せきまく)燦然(さんぜん)たる(かがや)きを(はな)ち、水膜(すいまく)よりも(あつ)安定(あんてい)していた。


石膜(せきまく)()()げ、方源(ほうげん)三转中階(さんてんちゅうかい)から三转高階(さんてんこうかい)へと(のぼ)った。


着実(ちゃくじつ)一歩一歩(いっぽいっぽ)(みず)(なが)れて(みぞ)ができるように、自然(しぜん)()()きだった。


成功(せいこう)したので、白凝冰(はくぎょうひょう)は徐々(おもむ)ろに(てのひら)()(はな)した。(こおり)のように(あお)(ひとみ)がかすかに()らめいた。


彼女(かのじょ)(たす)けで、方源(ほうげん)(しゅう)()飛躍的(ひやくてき)向上(こうじょう)し、ついに彼女(かのじょ)()いついてきた。


彼女(かのじょ)()っていた――方源(ほうげん)()には白銀舎利蛊(はくぎんしゃりこ)がまだ(のこ)っている。ずっと()っておいたのは、まさに(いま)この(とき)のためだ。つまり今夜(こんや)()ぎれば、方源(ほうげん)(しゅう)()三转頂点(さんてんちょうてん)(たっ)し、彼女(かのじょ)(かた)(なら)べるだろう。


方源(ほうげん)狡猾老獪(こうかつろうかい)陰険狡詐(いんけんこうさ)だ。毒誓(どくせい)()(あな)()つからなかったが、(あな)がないとは(かぎ)らない」白凝冰(はくぎょうひょう)(だま)()んでいたが、(こころ)(なか)では思惑(おもわく)渦巻(うずま)いていた。


商睚眦(しょうがいし)末路(まつろ)は、彼女(かのじょ)警鐘(けいしょう)()らした。


方源(ほうげん)(あた)える心理的圧力(しんりてきあつりょく)はますます(おお)きくなり、疑念(ぎねん)(いだ)かざるを()なかった。


安心(あんしん)しろ。(きみ)との協力(きょうりょく)には誠意(せいい)がある。毒誓(どくせい)(なん)問題(もんだい)もない」まるで白凝冰(はくぎょうひょう)(こころ)()んだように、方源(ほうげん)不意(ふい)(くち)(ひら)いた。


「ふん」白凝冰(はくぎょうひょう)(こころ)見透(みす)かされ、()(つめ)たい(ひかり)(はし)った。(こえ)には()ややかな嘲笑(ちょうしょう)(にじ)んでいた:「(ねが)わくばそうであらんことを」


方源(ほうげん)(かろ)(いき)()いた。商睚眦(しょうがいし)(わな)()める計画(けいかく)()てた(とき)(すで)白凝冰(はくぎょうひょう)反応(はんのう)予想(よそう)していた。


何事(なにごと)にも(とく)(しつ)がある。


(いま)商睚眦(しょうがいし)解任(かいにん)され、若様(わかさま)()()いた。これで商心慈(しょうしんじ)昇格(しょうかく)(みち)(ひら)けた。しかし方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)協力関係(きょうりょくかんけい)には、(かす)かな亀裂(きれつ)(しょう)じてしまった。


同時(どうじ)に、商燕飛(しょうえんひ)()(うち)(うご)かしてしまった。


つい昨日(きのう)巨開碑(きょかいひ)炎突(えんとつ)二人(ふたり)同時(どうじ)方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)強制挑戦(きょうせいちょうせん)仕掛(しか)けてきたのだ。


この()らせが(つた)わるや、演武場(えんぶじょう)大騒動(おおそうどう)となり、無数(むすう)(もの)注目(ちゅうもく)(はじ)めた。


巨開碑(きょかいひ)炎突(えんとつ)(とも)四转初階(してんしょかい)蛊師(こし)で、「演武半天(えんぶはんてん)」と(しょう)されている。(ふた)つの「(はん)(てん)」が()わされば、(てん)(ぜん)(たい)となる。


この称号(しょうごう)は、(かれ)二人(ふたり)地位(ちい)絶対的優位(ぜったいてきゆうい)(あま)すところなく(しめ)している。


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)は、(いま)演武場(えんぶじょう)二大新星(にだいしんせい)として(かがや)きを(はな)っている。二人(ふたり)とも連勝(れんしょう)(かさ)ね、(ひと)(たび)(やぶ)れたことがない。このような強勢(きょうせい)は、過去(かこ)演武場(えんぶじょう)では(きわ)めて(まれ)だった。


一方(いっぽう)巨開碑(きょかいひ)炎突(えんとつ)演武場(えんぶじょう)双璧(そうへき)であり、頂点(ちょうてん)君臨(くんりん)している。この数年間(すうねんかん)無数(むすう)魔道蛊師(まどうこし)頭角(とうかく)(あらわ)し、商家城(しょうかじょう)外姓家老(がいせいかろう)になろうとしたが、すべて(かれ)二人(ふたり)(はば)まれ、昇進(しょうしん)(のぞ)みを()たれてきた。


その二人(ふたり)突如(とつじょ)として(とも)方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)挑戦(ちょうせん)してきたのだから、無数(むすう)好奇(こうき)疑念(ぎねん)()()こすのは当然(とうぜん)だ。


たちまち、様々(さまざま)な(うわさ)()った。


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)(いきお)いが(つよ)すぎて、巨開碑(きょかいひ)炎突(えんとつ)先輩(せんぱい)脅威(きょうい)(かん)じ、(はや)めに(つぶ)そうとしている」


巨開碑(きょかいひ)炎突(えんとつ)()けをし、方白(ほうはく)二人(ふたり)勝敗(しょうはい)(かぎ)にしようとしている」


ほとんど(だれ)も、方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)二人(ふたり)()可能性(かのうせい)があるとは(おも)っていない。


巨開碑(きょかいひ)炎突(えんとつ)(つよ)さは、人々(ひとびと)の(こころ)(ふか)(きざ)まれている。(なに)より一方(いっぽう)四转(してん)蛊師(こし)他方(たほう)三转(さんてん)()ぎず、(きょう)(かい)絶対的格差(ぜったいてきかくさ)があるからだ。


蛊師(こし)(しゅう)(ぎょう)では、転数(てんすう)(たか)くなるほど、(たが)いの()(ひろ)がる。越級挑戦(えっきゅうちょうせん)可能性(かのうせい)(ほし)(かず)ほど(すく)ない。


()()白凝冰(はくぎょうひょう)()()がる(おと)がした。


明日(あした)(きみ)炎突(えんとつ)(たたか)いだ。どうだ、天元宝蓮(てんげんほうれん)必要(ひつよう)か?誓約(せいやく)(したが)い、できるだけ(たす)けよう」(やみ)(なか)方源(ほうげん)は徐々(おもむ)ろに()った。


()らん」白凝冰(はくぎょうひょう)(つめ)たく(ひと)(こと)(こた)えた。


方源(ほうげん)座禅(ざぜん)()んだまま()()かず、「へっ、随分(ずいぶん)自信(じしん)満々(まんまん)だな」と(わら)った。


四转(してん)がどうした?この()(ねん)進歩(しんぽ)したのは(きみ)だけじゃない」白凝冰(はくぎょうひょう)(きびす)(かえ)して()った。


天元宝蓮(てんげんほうれん)方源(ほうげん)(もの)だ。()りるのは本物(ほんもの)実力(じつりょく)ではない。


彼女(かのじょ)炎突(えんとつ)試金石(しきんせき)として、(みずか)らの成長(せいちょう)(はか)ろうとしているのだ。


密室(みっしつ)(とびら)(ひら)けられ、(ふたた)()じた。


白凝冰(はくぎょうひょう)()り、密室(みっしつ)(のこ)った方源(ほうげん)口元(くちもと)がほんのわずかに(ゆる)み、(かす)かな()みを()かべた。


天元宝蓮(てんげんほうれん)(こば)むとは……どうやら白凝冰(はくぎょうひょう)(こころ)(かす)かな疑念(ぎねん)(しょう)じたようだ。この自信喪失(じしんそうしつ)はごく(ちい)さく、彼女(かのじょ)自身(じしん)()づいていないかもしれない。白凝冰(はくぎょうひょう)、お(まえ)はやはり(あお)いな……」


方源(ほうげん)はしばし沈思(ちんし)し、散漫(さんまん)した感情(かんじょう)(おさ)めた。


そして白銀舎利蛊(はくぎんしゃりこ)を取り(とりだ)した。


この()丸玉(たま)(かたち)をしており、全身(ぜんしん)銀色(ぎんいろ)(かがや)き、指先(ゆびさき)ほどの(おお)きさだ。


再誕(さいたん)以来(いらい)方源(ほうげん)青茅山(せいぼうざん)一度(いちど)()たことがある。あの(とき)賈家(こか)行商(ぎょうしょう)五万(ごまん)元石(げんせき)()っていた。当時(とうじ)方源(ほうげん)にとって、この法外(ほうがい)値段(ねだん)高嶺(たかね)(はな)だった。


舎利蛊(しゃりこ)シリーズは、どれも桁外(けたはず)れに高価(こうか)だ。使(つか)えば蛊師(こし)一小境(いっしょうきょう)突破(とっぱ)でき、膨大(ぼうだい)時間(じかん)労力(ろうりょく)節約(せつやく)できるからだ。しかも基盤(きばん)()るがず、(なん)後遺症(こういしょう)もない。蛊虫(こちゅう)()ったら使(つか)うものだ。


方源(ほうげん)一瞬(いっしゅん)躊躇(ちゅうちょ)もなく白銀舎利蛊(はくぎんしゃりこ)発動(はつどう)させた。瞬時(またた)()絢爛(けんらん)たる(ひかり)(ほとばし)り、空窓(くうそう)四壁(しへき)()らし()くした。


(やく)()时辰(じしん)()方源(ほうげん)三转高階(さんてんこうかい)から一躍(いちやく)して三转頂点(さんてんちょうてん)となった。


再誕(さいたん)以来(いらい)(ふたた)三转頂点(さんてんちょうてん)登極(とうきょく)した!」方源(ほうげん)()(するど)(ひかり)(はし)り、(こぶし)(おも)わず(にぎ)()められた。(こころ)高揚(こうよう)し、歓喜(かんき)()ちていた。


青茅山(せいぼうざん)での最初(さいしょ)(とき)とは(ちが)う。あの(とき)石窓蛊(せきそうこ)使(つか)い、将来(しょうらい)発展(はってん)犠牲(ぎせい)にするという(いた)ましい代償(だいしょう)(はら)って、三转初階(さんてんしょかい)から頂点(ちょうてん)まで無理矢理(むりやり)()()げた。


しかし(いま)(かい)方源(ほうげん)三转頂点(さんてんちょうてん)(たっ)したのは、巨大(きょだい)発展(はってん)潜在力(せんざいりょく)(のこ)したままだった。(なん)()っても、(かれ)(いま)甲等資質(こうとうししつ)だからだ。


(つぎ)春秋蝉(しゅんじゅうせみ)()る。


()(ねん)(あま)りの回復(かいふく)()て、その状態(じょうたい)上向(うわむ)きになってきた。


かつて()(えだ)のように(かわ)いていた(からだ)は、次第(しだい)(うるお)いを()(はじ)めた。落葉(らくよう)のように()ちかけた(はね)には、生気(せいき)(あふ)れる(みどり)()()んでいる。


春秋蝉(しゅんじゅうせみ)回復(かいふく)は、当然(とうぜん)空窓(くうそう)巨大(きょだい)圧力(あつりょく)をかける。


しかし前回(ぜんかい)とは(ちが)い、方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)骨肉団圓蛊(こつにくだんえんこ)のお(かげ)(しゅう)()飛躍(ひやく)し、三转頂点(さんてんちょうてん)空窓(くうそう)はこの圧力(あつりょく)十分耐(じゅうぶんた)えられる。


青茅山(せいぼうざん)での切迫(せっぱく)した状況(じょうきょう)(くら)べ、(いま)方源(ほうげん)余裕(よゆう)たっぷりだ。


「しかし油断(ゆだん)禁物(きんもつ)だ。春秋蝉(しゅんじゅうせみ)回復(かいふく)加速度的(かそくどてき)(はや)まる。(わたし)(しゅう)()はそれ以上(いじょう)急成長(きゅうせいちょう)しなければ、(ふたた)(あやま)ちを()(かえ)すことになる」


時間(じかん)(しず)かに(なが)れ、あっという()翌日(よくじつ)(むか)えた。


(くび)(なが)くして()(のぞ)んでいた観客(かんきゃく)たちは、(つい)白凝冰(はくぎょうひょう)炎突(えんとつ)決戦(けっせん)(とき)(むか)えた。


この超大型(ちょうおおがた)演武場(えんぶじょう)には、一面(いちめん)(みどり)絨毯(じゅうたん)()()められている。


これは草原(そうげん)地形(ちけい)で、北原(ほくげん)では非常(ひじょう)によく()られる光景(こうけい)だ。


場内(じょうない)(まわ)りには、見物(けんぶつ)蛊師(こし)たちが()()して立ち、人海(じんかい)()し、(みな)場中(ばちゅう)二人(ふたり)主役(しゅやく)視線(しせん)(そそ)いでいた。


(たたか)いが(はじ)まる(まえ)、人々(ひとびと)は(ささや)()った。


今度(こんど)白凝冰(はくぎょうひょう)()()(うす)い!」


炎突様(えんとつさま)(まえ)では、当然(とうぜん)()けるに()まっている」


彼女(かのじょ)天女(てんにょ)のごとき絶世(ぜっせい)()だ。本当(ほんとう)()(どく)だ……()ける姿(すがた)(おも)うと、(むね)()()けそうだ……」


この一年余(いちねんあま)り、白凝冰(はくぎょうひょう)()(とどろ)かせ、(いきお)いも(すさ)まじい。氷雪(ひょうせつ)天女(てんにょ)のような容姿(ようし)気品(きひん)が、彼女(かのじょ)膨大(ぼうだい)注目(ちゅうもく)をもたらしていた。


(じょう)(じょう)で、白凝冰(はくぎょうひょう)炎突(えんとつ)()かい()って()つ。


炎突(えんとつ)()いた(おとこ)で、(ほう)(らん)した()(えだ)のような長髪(ちょうはん)()やしている。


(ほね)(かわ)ばかりの(からだ)に、裸足(はだし)()(あし)(つめ)()放題(ほうだい)で、(かぎ)のように()がり(なが)い。


ぼろぼろの(ふく)()(こし)()がり、まるで路傍(ろぼう)乞食(こじき)のようだ。


「ヒヒヒ、小娘(こむすめ)(はだ)がすべすべで(やわ)らかく、本当(ほんとう)(うつく)しいな」炎突(えんとつ)白凝冰(はくぎょうひょう)(ねぶ)るように()ながら、しわがれた(こえ)()った。


(ゆき)のように(しろ)いローブを()(あお)(ひとみ)銀髪(ぎんぱつ)白凝冰(はくぎょうひょう)(まゆ)をひそめ、殺気(さっき)がみなぎった:「()いぼれ、生意気(なまいき)な」


小娘(こむすめ)のくせに、礼儀知(れいぎし)らずだな」炎突(えんとつ)(かわ)いた(わら)いを()らし、十本(じゅっぽん)(ゆび)(から)()い、「(ろう)先輩(せんぱい)(うやま)うことの大切(たいせつ)さを(おし)えてやらねばならんようだ」


(うるさ)い」白凝冰(はくぎょうひょう)冷徹(れいてつ)表情(ひょうじょう)で、(こおり)のように(つめ)たい()炎突(えんとつ)(くぎ)づけにした。一挙一動(いっきょいちどう)()(さか)闘志(とうし)(みなぎ)っている。


カーン


(かる)鐘音(かねおと)開戦(かいせん)合図(あいず)()げた。


氷锥蛊(ひょうすいこ)


丹火蛊(たんかこ)


ほとんど同時(どうじ)に、白凝冰(はくぎょうひょう)炎突(えんとつ)瞬時(またた)()相手(あいて)()()した。


四本(よんほん)(しろ)氷锥(ひょうすい)(みっ)つの橙赤(だいだいあか)丹火(たんか)同時(どうじ)双方(そうほう)(はな)たれた。


ドカン!


一本(いっぽん)氷锥(ひょうすい)(ひと)つの丹火(たんか)空中(くうちゅう)激突(げきとつ)した。氷锥(ひょうすい)()け、丹火(たんか)(いきお)いを(おお)きく()らしながらも、白凝冰(はくぎょうひょう)()かって()(つづ)けた。


白凝冰(はくぎょうひょう)氷锥蛊(ひょうすいこ)二转(にてん)だが、炎突(えんとつ)丹火蛊(たんかこ)三转級(さんてんきゅう)だ。


正面衝突(しょうめんしょうとつ)すれば、当然(とうぜん)丹火(たんか)氷锥(ひょうすい)一歩(いっぽ)上回(うわまわ)る。


氷雹蛊(ひょうはくこ)を使って氷锥(ひょうすい)爆発(ばくはつ)させれば、丹火(たんか)圧倒(あっとう)できるだろう。だがそうすると、真元(しんげん)消耗(しょうもう)(はげ)しくなる。(たたか)いは(はじ)まったばかりなのに……」白凝冰(はくぎょうひょう)(あお)(ひとみ)一瞬(いっしゅん)(かげ)りが(はし)った。


()んできた丹火(たんか)を、彼女(かのじょ)(かろ)やかに跳躍(ちょうやく)して見事(みごと)にかわし、すべての攻撃(こうげき)無駄骨(むだぼね)()わらせた。


同時(どうじ)に、片手(かたて)(ひるがえ)した。


シュッ、シュッ、シュッ


またしても三本(さんぼん)氷锥(ひょうすい)(なが)れるように(はな)たれ、炎突(えんとつ)(おそ)った。


炎突(えんとつ)(かわ)いた(わら)いを()らし、(あし)()()み、(からだ)をくねらせ、奇抜(きばつ)姿勢(しせい)氷锥(ひょうすい)()けながら(はし)()した。


(かれ)人差(ひとさ)(ゆび)連打(れんだ)し、次々(つぎつぎ)と丹火(たんか)(はな)ち、密集(みっしゅう)した攻勢(こうせい)白凝冰(はくぎょうひょう)包囲(ほうい)した。


白凝冰(はくぎょうひょう)(つめ)たく(はな)()らし、()けじと(あし)()()らし、氷锥(ひょうすい)応酬(おうしゅう)した。


(またた)()に、二人(ふたり)広大(こうだい)草原(そうげん)(はげ)しく()()()い、氷锥(ひょうすい)丹火(たんか)()()(なか)攻撃(こうげき)回避(かいひ)()()なく()(ひろ)げた。


(たたか)いは(はじ)まったばかりなのに、その激戦(げきせん)ぶりは(すで)に人々(ひとびと)の予想(よそう)()えていた。










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