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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第九十七節: 拍卖会

(やつ)らは(なか)(なに)をしている?もう半刻(はんこく)以上(いじょう)()つのに……」密室(みっしつ)(とびら)(そと)で、鉄刀苦(てっとうく)(うで)()んで()ち、疑念(ぎねん)(つの)るばかりだった。


密室(みっしつ)(おと)(さえぎ)るが、完全(かんぜん)ではない。(たたか)いが()これば、即座(そくざ)察知(さっち)できるはずだ。


しかし最初(さいしょ)からずっと(しず)まり(かえ)っており、鉄刀苦(てっとうく)には見当(みあ)がつかない。


きいっ


ちょうどその(とき)(とびら)内側(うちがわ)から(ひら)かれた。


刀苦(とうく)兄貴(あにき)(はい)ってください。(はなし)()わりました」百家(ひゃっか)蛊師(こし)(こえ)をかけた。


鉄刀苦(てっとうく)(あし)()()れると、()(さき)()()()んだのは、百戦猟(ひゃくせんりょう)(こぶし)(たた)(こわ)された食卓(しょくたく)だった。(いろ)とりどりの料理(りょうり)()ざり()い、(ゆか)散乱(さんらん)して無残(むざん)様相(ようそう)(てい)していた。


鉄刀苦(てっとうく)(おも)わず(まゆ)をひそめた。


(あき)らかに、この(うたげ)(つづ)けられそうになかった。(つづ)けられたとしても、()にいる百家(ひゃっか)(もの)たちに()べる()はないだろう。


(かれ)らの顔色(かおいろ)土気色(つちけいろ)で、(うつ)ろな表情(ひょうじょう)をしており、(おお)きな(きず)()ったようだった。


ただ一人(ひとり)方源(ほうげん)だけが平然(へいぜん)として、むしろ血色(けっしょく)()(かお)をしていた。


(かれ)百家(ひゃっか)(もの)たちと合意(ごうい)(たっ)し、毒誓蛊(どくせいこ)使(つか)って(ちか)いを(むす)んだ。すべては(すで)決着(けっちゃく)がついていた。


一体何(いったいなに)()きたのだ?」鉄刀苦(てっとうく)(こころ)には疑念(ぎねん)不安(ふあん)()()じった。


我先(さき)失礼(しつれい)する。自重(じちょう)されたし」方源(ほうげん)はそう()(のこ)し、密室(みっしつ)()ていった。


方正(ほうせい)演武場(えんぶじょう)()ってろ!」鉄刀苦(てっとうく)(うな)るように()った。


方源(ほうげん)(まった)無視(むし)し、姿(すがた)()わすと視界(しかい)から()えた。


(みな)さん、一体何(いったいなに)があったんだ?」鉄刀苦(てっとうく)(ばん)疑念(ぎねん)(いだ)き、()(かえ)って()いただした。わずかな時間(じかん)(はなし)(あと)百家(ひゃっか)の人々(ひとびと)の気配(けはい)一変(いっぺん)し、復讐心(ふくしゅうしん)(かげ)も感じられない。


「はあ…」百風(ひゃくふう)(ふか)嘆息(たんそく)をついた。


鉄刀苦(てっとうく)()()げ、複雑(ふくざつ)眼差(まなざ)しで()った。「(てつ)どの、突然(とつぜん)(こと)(くわ)しくは()えん。()百家(ひゃっか)()()がる。方白(ほうはく)二人(ふたり)への追緝(ついせき)()わりだ」


(なに)だと!?」鉄刀苦(てっとうく)(おも)わず(こえ)(うしな)い、(しん)(がた)表情(ひょうじょう)()かべた。


()百家(ひゃっか)(ちい)さい身分(みぶん)波風(なみかぜ)()てる余裕(よゆう)はない。失礼(しつれい)する!」百風(ひゃくふう)()()がり、()(さき)密室(みっしつ)()ていった。


(みな)さん心配(しんぱい)無用(むよう)(やつ)商家(しょうか)(たよ)ろうと、()鉄家(てつけ)南疆(なんきょう)覇者(はしゃ)ではないか!」鉄刀苦(てっとうく)(あわ)てて説得(せっとく)した。方白(ほうはく)二人(ふたり)対処(たいしょ)するには、人手(ひとで)(おお)ければ(おお)いほど良い。もし百家(ひゃっか)(はな)れれば、(かれ)(ひと)りぼっちになってしまう!


しかし(かれ)にはその(うら)事情(じじょう)()かるはずもない。


肝心(かんじん)(てん)(はず)した説得(せっとく)では、百家(ひゃっか)決別(けつべつ)()められなかった。


百家(ひゃっか)一行(いっこう)()って()背中(せなか)を、(こおり)のように(つめ)たい()見送(みおく)りながら、鉄刀苦(てっとうく)(つぶや)いた。「(たたか)わずして(ひと)(くっ)すとは……方正(ほうせい)見事(みごと)手管(てくだ)だ!だが(おれ)鉄刀苦(てっとうく)(あき)めると(おも)うな。ふん!」


(かれ)意志(いし)(かた)く、(ほか)(もの)()()がっても、一人(ひとり)(たたか)(つづ)ける覚悟(かくご)だった。


(いま)すぐ演武区(えんぶく)登録(とうろく)する。演武場(えんぶじょう)方正(ほうせい)(ねら)()つ!」と決意(けつい)した。


「お客様(きゃくさま)、少々(しょうしょう)お()ちください」(みせ)(もの)()()り、丁寧(ていねい)笑顔(えがお)()()(さえぎ)った。「お会計(かいけい)がまだお()みでないようで」


「えっ?」


鉄刀苦(てっとうく)呆然(ぼうぜん)(あし)()めた。


五十万(ごじゅうまん)元石(げんせき)……こんな大金(たいきん)一日(いちにち)でどう工面(くめん)するというのか?」(ひろ)街路(がいろ)(ある)きながら、百蓮(ひゃくれん)(うれ)(がお)()った。


(わたし)家老(かろう)身分(みぶん)質屋(しちや)から三十万(さんじゅうまん)()りられる。(のこ)二十万(にじゅうまん)不足分(ふそくぶん)は……小竜巻(しょうりゅうけん)(しち)()くしかない」百風(ひゃくふう)覚悟(かくご)()めていた。


一同(いちどう)(いき)()んだ。


百戦猟(ひゃくせんりょう)(こえ)()げた。「家老様(かろうさま)小竜巻蛊(しょうりゅうけんこ)はお(まえ)本命蛊(ほんめいこ)では!本当(ほんとう)(しち)に出すのですか?」


百風(ひゃくふう)苦笑(にがわら)いを()かべた。


家老(かろう)小竜巻(しょうりゅうけん)(しち)()しても二十万(にじゅうまん)には()りまい。(わたし)蓮衣蛊(れんいこ)(しち)()きましょう」百蓮(ひゃくれん)(くちびる)をきつく(むす)んだ。


この言葉(ことば)()いて、百家(ひゃっか)(ほか)(もの)たちも覚悟(かくご)()めた。


(わたし)思若泉涌蛊(しじゃくせんゆうこ)(しち)()こう」


(わたし)小钻风蛊(しょうさんふうこ)(くわ)える」「(おれ)三叉骨枪(さんさこつそう)(やく)()ててくれ……」


百風(ひゃくふう)はゆっくりと(うなず)いた。「(みな)小我(しょうが)()てて一族(いちぞく)のために()くすなら、()百家(ひゃっか)再興(さいこう)(かなら)ずや!今日(きょう)(はじ)は、いずれ千倍(せんばい)万倍(まんばい)にして(かえ)してやる。だが(いま)一族(いちぞく)第一(だいいち)に。この(けん)全責任(ぜんせきにん)(わたし)()う。(ぞく)(もど)れば、(わたし)一人(ひとり)が引き()ける」


家老様(かろうさま)!」一同(いちどう)驚愕(きょうがく)した。


復讐(ふくしゅう)ならず、かえって(はずかし)めの条約(じょうやく)(むす)ばされた。最善(さいぜん)選択(せんたく)とはいえ、一族(いちぞく)(もど)れば非難(ひなん)囂々(ごうごう)、重圧(じゅうあつ)(さいな)まれるのは必至(ひっし)だ。


政争(せいそう)(いた)(ところ)存在(そんざい)する。


しかし百風(ひゃくふう)全責任(ぜんせきにん)一身(いっしん)背負(せお)うことで、百蓮(ひゃくれん)百戦猟(ひゃくせんりょう)若手(わかて)政治的将来(せいじてきしょうらい)(まも)ったのだ。


百風(ひゃくふう)慈愛(じあい)()ちた()みを()かべ、嘆息(たんそく)()じりに()った。「()うな。(わたし)はもう年老(としお)いた。家族(かぞく)未来(みらい)はお(まえ)たちの双肩(そうけん)()かっているのだ」


犠牲(ぎせい)なくして()るものなどない。数多(あまた)(もの)()(ささ)げ、数多(あまた)(もの)(はずかし)めを()(しの)ぶからこそ、一族(いちぞく)栄華(えいが)(つづ)き、(いと)しい(もの)笑顔(えがお)(まも)られるのだ」


「はい!」百蓮(ひゃくれん)百戦猟(ひゃくせんりょう)(ふか)(うなず)き、(さと)りを()た。


(かれ)らの土気色(つちけいろ)(かお)次第(しだい)()れ、(ひとみ)(おく)(とも)った(ひかり)(つよ)まっていった。


……


三日後(みっかご)大規模(だいきぼ)競売会(きょうばいかい)(ひら)かれた。


諸君(しょくん)、ご(らん)()れるのは霜息蛊(そうそくこ)です。三转(さんてん)()で、氷霜(ひょうそう)(いき)()き、相手(あいて)凍傷(とうしょう)状態(じょうたい)にして動作(どうさ)(おく)らせます。最大(さいだい)長所(ちょうしょ)は、使用(しよう)(ごと)真元(しんげん)消耗(しょうもう)淡銀色(たんぎんいろ)真元(しんげん)(はん)(ぶん)(すく)ないこと。最低価格(さいていかかく)二万三千(にまんさんぜん)元石(げんせき)!」円形(えんけい)(だい)(うえ)で、主催(しゅさい)蛊師(こし)拡声蛊(かくせいこ)(こえ)(ひび)かせた。


二万五千(にまんごせん)!」


二万八千(にまんはっせん)!」


三万(さんまん)!」


(はげ)しい入札(にゅうさつ)合戦(がっせん)(すえ)霜息蛊(そうそくこ)三万八千(さんまんはっせん)元石(げんせき)落札(らくさつ)された。


方源(ほうげん)円台(えんだい)見下(みお)ろし、(しず)かに(せき)(すわ)っていた。


(かれ)(すわ)っている場所(ばしょ)(たか)(しょ)個室(こしつ)で、(そと)からは正体(しょうたい)()からない。これが紫荊令牌(しけいれいはい)所持者(しょじしゃ)特権(とっけん)だ。小規模(しょうきぼ)競売(きょうばい)なら、紫荊令牌(しけいれいはい)(まえ)もって商品(しょうひん)購入(こうにゅう)できるが、大規模(だいきぼ)なものはそうはいかない。


(つぎ)炎心蛊(えんしんこ)です!微細(びさい)火山(かざん)のような(かたち)をしており、蛊師(こし)煉化(れんか)した(あと)心臓(しんぞう)宿(やど)します。ご存知(ぞんじ)の通り(とおり)、火類(ひるい)()攻撃力(こうげきりょく)増強(ぞうきょう)する効果(こうか)があります。三转(さんてん)炎心蛊(えんしんこ)開始価格(かいしかかく)三万元石(さんまんげんせき)!」(だい)(じょう)蛊師(こし)声高(こわだか)(さけ)んだ。


その(こえ)()えるか()えないか、「三万五千(さんまんごせん)!」という(こえ)即座(そくざ)(ひび)いた。


一気(いっき)五千(ごせん)元石(げんせき)上乗(うわの)せし、(いきお)いを(しめ)した。


だが、これで意欲(いよく)ある(もの)たちの熱意(ねつい)()められるわけがなかった。


三万六千(さんまんろくせん)!」


三万八千(さんまんはっせん)!」


四万(よんまん)……」


価格(かかく)最終的(さいしゅうてき)四万二千(よんまんにせん)()()いた。


「どうやら(みな)()(もの)には理性的(りせいてき)だ。この値段(ねだん)適正(てきせい)だな」方源(ほうげん)個室(こしつ)(すわ)り、しばらく(なが)めながら(こころ)(おも)った。


商家城(しょうかじょう)では取引(とりひき)頻繁(ひんぱん)で、この(しゅ)大規模(だいきぼ)競売会(きょうばいかい)定期的(ていきてき)(ひら)かれる。(しろ)()蛊師(こし)たちはすっかり()れており、(かしこ)くなったのだ。


(だれ)(おろ)(もの)ではない。


無論(むろん)(とき)には千金(せんきん)一擲(いってき)する(もの)もいる。


しかし方源(ほうげん)(なが)らく観察(かんさつ)した(かぎ)りでは、今日(きょう)競売会(きょうばいかい)にはそのような(もの)はいないようだ。


これは(かれ)にとっての幸運(こううん)であり、(ほか)(もの)にとっても幸運(こううん)である。


もし本当(ほんとう)にそのような(もの)がいたなら、方源(ほうげん)価格(かかく)をつり()げて、事前(じぜん)にその(もの)資金(しきん)枯渇(こかつ)させただろう。このような知恵比(ちえくら)べは、方源(ほうげん)にとって児戯(じぎ)(ひと)しい。


大規模(だいきぼ)競売会(きょうばいかい)では、珍稀蛊(ちんきこ)ばかりが(なら)ぶ。(すく)なくとも三转(さんてん)以上(いじょう)で、三转(さんてん)未満(みまん)のものはほぼ皆無(かいむ)だ。


蛊虫(こちゅう)以外(いがい)にも、(めずら)しい()(えさ)貴重(きちょう)炼蛊(れんこ)補助材料(ほじょざいりょう)炼蛊(れんこ)秘伝(ひでん)伝承(でんしょう)に関する情報(じょうほう)極上(ごくじょう)頑石(がんせき)、それに女奴隷(おんなどれい)男奴隷(おとこどれい)生捕(いけど)りにした獣王(じゅうおう)などが(なら)ぶ。


霜息蛊(そうそくこ)炎心蛊(えんしんこ)のようなものが三、四万(さん、よんまん)で()れるのは、出品物(しゅっぴんぶつ)(なか)では低価格(ていかかく)部類(ぶるい)だ。


()もなく、方源(ほうげん)四转(よんてん)草木皆兵蛊(そうもくかいへいこ)二十五万(にじゅうごまん)元石(げんせき)落札(らくさつ)されるのを()にした。


草木皆兵蛊(そうもくかいへいこ)蛊師(こし)周囲(しゅうい)草木(そうもく)一定範囲(いっていはんい)攻撃手段(こうげきしゅだん)()える。南疆(なんきょう)のような森林(しんりん)地帯(ちたい)では、絶対的(ぜったいてき)殺戮兵器(さつりくへいき)となる。


普通(ふつう)四转蛊(よんてんこ)(おおむ)一万(いちまん)から十万(じゅうまん)(あいだ)だ。草木皆兵蛊(そうもくかいへいこ)価格(かかく)(すで)五转蛊(ごてんこ)()みである。方源(ほうげん)手元(てもと)には五十万(ごじゅうまん)あるが、この競売会(きょうばいかい)()えば(たい)した(がく)ではなく、草木皆兵蛊(そうもくかいへいこ)()(びき)(ぶん)()ぎない。


一蹴而就蛊(いっしゅうそくしゅこ)四转(よんてん)珍稀蛊(ちんきこ)だ。


()()った方源(ほうげん)十八万(じゅうはちまん)(あま)りの元石(げんせき)支払(しはら)った。


(つづ)いて(そう)(がく)八万(はちまん)三千(さんぜん)元石(げんせき)白银舍利蛊(はくぎんしゃりこ)金罡蛊(きんこうこ)購入(こうにゅう)した。


その(あと)は、もはや()()さなかった。


元石(げんせき)無駄(むだ)使(つか)えない。有効(ゆうこう)場所(ばしょ)使(つか)わねばならない。現在(げんざい)全力尽(ぜんりょくつ)くし()(かく)とし、自力更生蛊(じりきこうせいこ)()()れたが、まだ苦力蛊(くりこ)()けている。こいつは高価(こうか)(きわ)めて(まれ)だ。商家城(しょうかじょう)でも滅多(めった)()かけない。


なぜか?


使(つか)(もの)(すく)ない(うえ)合成錬成(ごうせいれんせい)成功率(せいこうりつ)(きわ)めて(ひく)いからだ!


蛊虫(こちゅう)売買(ばいばい)市場(しじょう)需給関係(じゅきゅうかんけい)(したが)う。需要(じゅよう)(すく)なく、コストが(たか)ければ、品物(しなもの)(おの)ずと(すく)なくなる。


苦力蛊(くりこ)()えなければ、(みずか)合成錬成(ごうせいれんせい)するしかない。ただ、この成功率(せいこうりつ)頭痛(ずつう)(たね)だな」


白銀舍利蛊(はくぎんしゃりこ)()()れたが、(いそ)いで使(つか)必要(ひつよう)はない。(わたし)一人(ひとり)修行(しゅぎょう)するなら(はや)使(つか)った(ほう)()いが、(いま)白凝冰(はくぎょうひょう)(たよ)っている。この白銀舍利蛊(はくぎんしゃりこ)(あと)使(つか)おう」


今日(きょう)二十七万(にじゅうななまん)(あま)りの元石(げんせき)使(つか)い、二十二万(にじゅうにまん)(あま)りを(のこ)した。()めておこう。二年(にねん)一度(いちど)商家城(しょうかじょう)では超大型(ちょうおおがた)競売会(きょうばいかい)(ひら)かれる」


李然(りねん)から()いたところでは、百家(ひゃっか)一行(いっこう)(たし)かに商家城(しょうかじょう)()ったという。三百万(さんびゃくまん)(おど)()ったが、この一族(いちぞく)(あなど)ってはならない。(はずかし)めを()(しの)び、犠牲(ぎせい)(いと)わない。道理(どうり)前世(ぜんせ)百家(ひゃっか)台頭(たいとう)したのだ。(いま)百家(ひゃっか)白骨伝承(はっこつでんしょう)開発(かいはつ)口実(こうじつ)に、白骨山(はっこつざん)元泉(げんせん)大規模(だいきぼ)探索(たんさく)している。進捗(しんちょく)前世(ぜんせ)よりずっと(はや)い。警戒(けいかい)(おこた)れない」


百家(ひゃっか)(すで)()って()ている。鉄家(てつけ)(とお)くあるまい。鉄家(てつけ)鎮魔塔(ちんまとう)……あの鉄刀苦(てっとうく)当分(とうぶん)心配(しんぱい)いらないが」


方源(ほうげん)将来(しょうらい)(はか)一方(いっぽう)獅子楼(ししろう)入口(いりぐち)では、十八人(じゅうはちにん)異国(いこく)少女(しょうじょ)たちが二列(にれつ)(なら)び、()()ねなく談笑(だんしょう)していた。


彼女(かのじょ)らは(みな)(はだ)(あらわ)にした(ふく)()て、(あま)(かお)りを(ただよ)わせ、豊満(ほうまん)(むね)(しり)妖艶(ようえん)雰囲気(ふんいき)(はな)っていた。(きゃく)()()せようとしなくても、()っているだけで最高(さいこう)看板(かんばん)となり、数多(あまた)蛊師(こし)()()けていた。


鉄刀苦(てっとうく)冷徹(れいてつ)表情(ひょうじょう)(かたわ)らに()ち、(ほか)数人(すうにん)蛊師(こし)(とも)門衛(もんえい)(つと)めていた。


面目(めんもく)丸潰(まるつぶ)れだ!


(かれ)(こころ)の中で()ずかしくてたまらなかった。


獅子楼(ししろう)(うたげ)がこんなに(たか)いとは(おも)わなかった。(かね)(はら)えず、(はたら)いて弁償(べんしょう)するしかなかったのだ。


(ほこ)(たか)鉄家(てつけ)蛊師(こし)である(わたし)が、よくもまあこんなことを!相手(あいて)には(うし)(だて)があり、鉄家(てつけ)(もの)ということも(まった)(かえり)みない。ああ!(だれ)にも()られるな、(とく)()()いには絶対(ぜったい)に……」鉄刀苦(てっとうく)(こころ)の中で(いの)(つづ)けていた。


「おや?この(かた)鉄刀苦(てっとうく)殿(どの)では?どうしてここに?」


鉄刀苦(てっとうく)呆然(ぼうぜん)(こわ)ばった。


()()いだ……


()()い……


だ……


「あああ!方正(ほうせい)め、(おぼ)えてろよ!」鉄刀苦(てっとうく)(ひたい)血管(けっかん)()()がり、(こころ)の中で(くる)ったように(さけ)んだ。







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