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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第九十四節:苍天无眼

「ついに商家城(しょうかじょう)()いた」(やま)いっぱいの建物(たてもの)(なが)めながら、百風(ひゃくふう)はため(いき)をついた。


(かれ)百家(ひゃっか)家老(かろう)で、(わか)(ころ)南疆(なんきょう)遍歴(へんれき)した(とき)商家城(しょうかじょう)(おとず)れたことがあった。(いま)(ふたた)()たが、青春(せいしゅん)()()り、(もの)(おな)じでも(ひと)()わっていた。それに、今度(こんど)魔道(まどう)蛊師(こし)追緝(ついせき)する任務(にんむ)()びての来訪(らいほう)だった。


「あの二人(ふたり)魔道(まどう)(ぞく)本当(ほんとう)にこの(みち)(とお)ったのか?」百蓮(ひゃくれん)(うれ)えたような口調(くちょう)(たず)ねた。


「どうやらこの(みち)らしい。我々(われわれ)は無足鳥(むそくちょう)墜落(ついらく)地点(ちてん)から何路(なんろ)かに()かれたが、(ほか)方向(ほうこう)では(なに)()られなかった。ただこの(みち)だけが、(あや)しい痕跡(こんせき)(のこ)していた」(かたわ)らにいた鉄刀苦(てっとうく)(こた)えた。


(かれ)(こころ)(なか)でも確信(かくしん)はなかった。


鉄家(てつけ)追跡(ついせき)(めん)では南疆(なんきょう)随一(ずいいち)だが、(かれ)自身(じしん)攻撃(こうげき)専門(せんもん)蛊師(こし)だ。それに南疆(なんきょう)山林(さんりん)(おお)く、環境(かんきょう)複雑(ふくざつ)()わり(やす)いため、()(ひそ)めるには好都合(こうつごう)で、追跡(ついせき)困難(こんなん)(きわ)める。



「もしかすると、あの二人(ふたり)はとっくに道中(どうちゅう)()んでいて、(けもの)(くち)餌食(えじき)になっているかもしれない」と、ある仲間(なかま)楽観的(らっかんてき)()った。


この可能性(かのうせい)(たか)い。(かれ)らは途中(とちゅう)(おお)くの残骸(ざんがい)や、(けもの)()れが商隊(しょうたい)(おそ)った(あと)発見(はっけん)していたからだ。


(おれ)はむしろ、(やつ)らがまだ()きていることを(ねが)っている!」百戦猟(ひゃくせんりょう)()()いしばった。(かれ)祖父(そふ)方白(ほうはく)二人(ふたり)(ころ)されたのだ。その滔天(とうてん)(うら)みを()らすには、(みずか)らの()二人(ふたり)(ほうむ)るしかない。


「よし、まずは(しろ)(はい)ろう。もし()つからなければ、元石(げんせき)(つい)やして一族(いちぞく)連絡(れんらく)し、族長(ぞくちょう)(さま)指示(しじ)(あお)ごう」百風(ひゃくふう)先頭(せんとう)()って(あし)()()した。


一行(いっこう)風塵(ふうじん)にまみれて城門(じょうもん)到着(とうちゃく)した。


皮肉(ひにく)にも、この城門(じょうもん)は、かつて方白(ほうはく)二人(ふたり)入城(にゅうじょう)した(とき)関門(かんもん)そのものだった。


(しろ)(はい)るには、一人(ひとり)(じゅう)元石(げんせき)城門(じょうもん)守衛(しゅえい)一行(いっこう)()めた。


百風(ひゃくふう)黄梨(こうり)令牌(れいはい)()()し、(かる)()らした。


守衛(しゅえい)はそれを()(たし)かめると()った:「黄梨(こうり)令牌(れいはい)三人(さんにん)(ぶん)入城料(にゅうじょうりょう)免除(めんじょ)する」


百風(ひゃくふう)たち六人(ろくにん)三十(さんじゅう)元石(げんせき)(おさ)めた。


兄貴(あにき)、この二人(ふたり)(しろ)(はい)るのを()かけたことはあるか?」百戦猟(ひゃくせんりょう)城壁(じょうへき)()られた一枚(いちまい)手配書(てはいしょ)指差(ゆびさ)しながら(たず)ねた。


それは方白(ほうはく)二人(ふたり)追緝(ついせき)する手配書(てはいしょ)だった。しかしその表面(ひょうめん)は、(あら)たな手配書(てはいしょ)(おお)(はん)(おお)われていた。


これが(つね)だ。


(とき)()つごとに、(あたら)しい手配書(てはいしょ)()まれるものだから。


城衛(じょうえい)顔色(かおいろ)一変(いっぺん)させ、百戦猟(ひゃくせんりょう)(ひく)怒鳴(どな)った:「お(まえ)()うことは(なに)だ?(おれ)(まも)城門(じょうもん)魔道(まどう)蛊師(こし)(はい)るはずがない!(おれ)(めくら)とでも(おも)っているのか?(おれ)侮辱(ぶじょく)するとは、商家(しょうか)(ただ)しい青年(せいねん)侮辱(ぶじょく)するとは!」


百戦猟(ひゃくせんりょう)呆然(ぼうぜん)とした。


百風家老(ひゃくふうかろう)(あわ)てて(あや)まった。商家城(しょうかじょう)では、百家(ひゃっか)家老(かろう)といえども、威厳(いげん)(おさ)めねばならない。


城衛(じょうえい)百風(ひゃくふう)三转(さんてん)蛊師(こし)であることを()()り、これ以上(いじょう)追及(ついきゅう)はせず、ただ(くち)の中でぶつぶつ文句(もんく)()っていた。


鉄刀苦(てっとうく)不機嫌(ふきげん)(かお)つきで身分(みぶん)()かすまで(つづ)いた:「(だま)れ。商家(しょうか)がどんなものか、我々(われわれ)鉄家(てつけ)()らないわけがあるか?」


城門(じょうもん)守衛(しゅえい)はようやく(くち)()じた。


百家(ひゃっか)一行(いっこう)はこの威圧(いあつ)()い、(すこ)しみすぼらしい様子(ようす)外城(がいじょう)(はい)った。


「まずは食事(しょくじ)()ろう。ここ数日(すうじつ)移動(いどう)(みな)(つか)()っている。()(やす)んでも追緝(ついせき)支障(ししょう)はない。第五内城(だいごないじょう)に、演武区(えんぶく)に良い飯店(はんてん)があるのを(わたし)()っている。(むかし)(わたし)演武(えんぶ)参加(さんか)し、第四内城(だいよんないじょう)まで()(すす)んだことがあるのだ」と百風家老(ひゃくふうかろう)提案(ていあん)した。


この提案(ていあん)(おお)いに賛同(さんどう)()た。


一行(いっこう)第五内城(だいごないじょう)(はい)り、演武区(えんぶく)到着(とうちゃく)した。百戦猟(ひゃくせんりょう)百蓮(ひゃくれん)(わか)(もの)たちは、(はや)くも演武区(えんぶく)熱気(ねっき)()まった。


(ある)途中(とちゅう)通行人(つうこうにん)興奮(こうふん)した会話(かいわ)が次々(つぎつぎ)と(みみ)(はい)ってくる。


檀鏡(だんきょう)(つい)(あだ)()ったぞ、施南生(せなんせい)()ちのめした。施南生(せなんせい)仕返(しかえ)すと息巻(いきま)いている、この(うら)みは(ふか)まるばかりだ」


袁空(えんくう)病雲蛾(びょううんが)掌握(しょうあく)戦力(せんりょく)がまた一段(いちだん)()がった。第五内城(だいごないじょう)演武場(えんぶじょう)頂点(ちょうてん)()つのは()(ぢか)だ」


頂点(ちょうてん)?はは、古月方正(こげつほうせい)第四内城(だいよんないじょう)昇格(しょうかく)してから()おうよ」


……


古月方正(こげつほうせい)!!!」


百家(ひゃっか)一行(いっこう)全員(ぜんいん)(ひとみ)見開(みひら)き、(かみなり)()たれたように(こご)えついた。(あし)()()てて(あゆ)みを()め、(すう)眼光(がんこう)閃光(せんこう)(ごと)くその通行人(つうこうにん)()()いた。


通行人本当にびっくりしました


半刻(はんこく)()


演武場(えんぶじょう)で、方源(ほうげん)がゆったりと場内(じょうない)(ある)()した。今回(こんかい)相手(あいて)は、中肉中背(ちゅうにくちゅうぜい)壮年(そうねん)大男(おおおとこ)。筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)、肩幅(かたはば)(ひろ)く、鋼鉄(こうてつ)(はり)のような(ひげ)()やし、まさに凶神悪鬼(きょうじんあっき)面差(おもざ)しだ。


カーン!


(するど)(おと)(たたか)開始(かいし)()げた。


降参(こうさん)する!」大男(おおおとこ)即座(そくざ)(さけ)んだ。(さけ)んで、(さけ)んで、(さけ)んで、周囲(しゅうい)観客(かんきゃく)(あき)(かえ)らせた。


「またかよ?」


(はじ)ずかしくないのか?(たたか)いもせずに降参(こうさん)だなんて」


(はじ)より(いのち)大事(だいじ)だ!第五内城(だいごないじょう)(いま)方正(ほうせい)(たたか)おうなんて(やつ)がいるか?全力尽くし(ぜんりょくつくしこ)(つよ)すぎるんだ!」


人々(ひとびと)は嘆息(たんそく)冷笑(れいしょう)()らした。


(たたか)いは(はじ)まったかと(おも)うと、もう()わっていた。


主催(しゅさい)蛊師(こし)(ある)()り、双方(そうほう)藤訊蛊(とうじゅんこ)を受け(うけと)り、内容(ないよう)修正(しゅうせい)して返還(へんかん)した。


中年(ちゅうねん)大男(おおおとこ)()()けて()った。(みずか)降参(こうさん)するのは(はじ)だが、形勢(けいせい)(ひと)()いる。方源(ほうげん)非情(ひじょう)(きわ)まりなく、(けっ)して()(ゆる)めないからだ。(かれ)面目(めんぼく)()けて危険(きけん)(おか)勇気(ゆうき)などなかった。


しかし方源(ほうげん)(ただ)ちに()らず、公衆(こうしゅう)面前(めんぜん)四万(よんまん)元石(げんせき)を取り(とりだ)し、李然(りねん)(わた)した。


この一幕(ひとまく)(ふたた)び人々(ひとびと)の議論(ぎろん)()んだ。


「また四万(よんまん)元石(げんせき)だ!本当(ほんとう)にまた(わた)した!」


「この古月方正(こげつほうせい)非情(ひじょう)だが、()ったことは(かなら)()たす。二十万(にじゅうまん)元石(げんせき)は、もはやほぼ(かえ)()えた。(のこ)三万元石(さんまんげんせき)不足(ふそく)だけだ」


李然(りねん)はこの元石(げんせき)()()い、演武区(えんぶく)頭角(とうかく)(あらわ)(はじ)めた。(じつ)(うらや)ましい(かぎ)りだ」


(おん)(かなら)(かえ)し、(あだ)(かなら)(むく)いる。この(てん)では、古月方正(こげつほうせい)敬服(けいふく)する」


「この()ちで、(かれ)二十九戦無敗(にじゅうきゅうせんむはい)となる。あと一勝(いっしょう)第四内城(だいよんないじょう)昇格(しょうかく)だ」


(はや)()()け。ここで(かれ)(たたか)おうとする(もの)がいるか?李好(りこう)ですら()にかかったのに……」


……


古月方正(こげつほうせい)……苦労(くろう)(すえ)、ついにお(まえ)()つけたぞ!」(ひと)ごみの(なか)百戦猟(ひゃくせんりょう)()()いしばり、(うら)みに(ゆが)んだ(かお)をしていた。


他の仲間(なかま)たちも、顔色(かおいろ)(あお)ざめていた。


(かれ)らは苦労(くろう)して追緝(ついせき)(つづ)け、(なが)道中(どうちゅう)奔走(ほんそう)し、数多(あまた)辛酸(しんさん)()めてきた。しかし(ふた)()けてみれば、()らえようとした(もの)商家城(しょうかじょう)大成功(だいせいこう)(おさ)め、春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)有様(ありさま)だった。


これまで(かれ)らは、方源(ほうげん)野獣(やじゅう)(くち)()われ、糞便(ふんべん)となって(はい)(せつ)されているのではないかと推測(すいそく)(つづ)けてきた。


この現実(げんじつ)は、(かれ)らの予想(よそう)とは強烈(きょうれつ)対比(たいひ)()していた。


方源(ほうげん)困窮(こんきゅう)するどころか、()()()び、()()えて戦力(せんりょく)修為(しゅうい)急上昇(きゅうじょうしょう)させていた。


これでは(かれ)らはやり()れない!


(てん)()なし!どうしてこの悪党(あくとう)がこれほど()えるのか?」百風(ひゃくふう)(てん)(あお)いで嘆息(たんそく)した。


(やつ)(うん)()すぎる。商家(しょうか)族長(ぞくちょう)(かく)()(すく)い、紫荊令牌(しけいれいはい)()()れた!商家城(しょうかじょう)(なか)では、我々(われわれ)は(やつ)手出(てだ)しができない。(やつ)商家(しょうか)庇護(ひご)()けているのだ!」百蓮(ひゃくれん)歯茎(はぐき)がむず(かゆ)くなるほど(くや)しがった。通行人(つうこうにん)から()いた情報(じょうほう)(おお)かったからだ。


二人(ふたり)(わか)族長(ぞくちょう)(ころ)した(あだ)が、まさに眼前(がんぜん)にいるというのに、(かれ)らは方源(ほうげん)(なに)もできなかった。


(かれ)だけではない。あの白凝冰(はくぎょうひょう)紫荊令牌(しけいれいはい)()っている。(いま)演武(えんぶ)参加(さんか)し、戦績(せんせき)もかなりのものだ」と(かたわ)らの仲間(なかま)嘆息(たんそく)した。


「なんたる()(なか)だ。悪党(あくとう)()え、善人(ぜんにん)(みじ)めに()ぬとは。ああ!」


(じつ)(かれ)らに(たい)(しょ)する方法(ほうほう)がないわけではない。(かれ)らが演武(えんぶ)参加(さんか)できるなら、我々(われわれ)も参加(さんか)すればいい」鉄刀苦(てっとうく)()(ごえ)()い、()(するど)(かたな)(ごと)(ひか)っていた。


(かれ)百家(ひゃっか)族長(ぞくちょう)から、方源(ほうげん)焦雷豆母蛊(しょうらいとうぼこ)()つことを()らされていた。


(いま)(かれ)確信(かくしん)していた——方白(ほうはく)二人(ふたり)こそ、(わか)族長(ぞくちょう)(ころ)した犯人(はんにん)だと!


方白(ほうはく)二人(ふたり)捕縛(ほばく)することは不可能(ふかのう)だ。ならば(ころ)してしまえ!そうして(はじ)めて(わか)族長(ぞくちょう)(あだ)()てる。鉄刀苦(てっとうく)鉄家(てつけ)顔向(かおむ)けできる。


「その(とお)りだ!名案(めいあん)だ」百風(ひゃくふう)()(かがや)かせ、活気(かっき)づいた。


演武場(えんぶじょう)規則(きそく)利用(りよう)すれば、方源(ほうげん)紫荊令牌(しけいれいはい)()っていようと、(かれ)(まも)れない。(ころ)せなくとも、全力尽くし(ぜんりょくつくしこ)(うば)えば、(かれ)成長(せいちょう)(はば)める。


正直(しょうじき)()って、(かれ)成長速度(せいちょうそくど)(おそ)ろしいほどだ。心胆(しんたん)(さむ)からしめる。絶対(ぜったい)にこのまま成長(せいちょう)させてはならない!


()て、百戦猟(ひゃくせんりょう)はどこへ()った?」百蓮(ひゃくれん)突然(とつぜん)()った。


……


方源(ほうげん)演武場(えんぶじょう)()ると、沿道(えんどう)通行人(つうこうにん)(おも)わず(みち)()けた。


無数(むすう)視線(しせん)(かれ)(あつ)まった。(おそ)れと(うやま)い、(ひや)やかさ、憎悪(ぞうお)などが()()じっている。


(わたし)(おお)くの蛊師(こし)(ころ)したが、名声(めいせい)(わる)くない。毎回(まいかい)公衆(こうしゅう)面前(めんぜん)李然(りねん)元石(げんせき)(わた)すことが、名声(めいせい)(たか)める宣伝(せんでん)になっている。二十万(にじゅうまん)元石(げんせき)返済(へんさい)も、あと三万(さんまん)だ」


方源(ほうげん)(ある)きながら(こころ)(かんが)えた。


李好(りこう)との(たたか)いで、(かれ)三匹(さんびき)()(うば)ったが、背山蝦蟇(はいざんがま)移形蛊(いけいこ)もなかった。


背山蝦蟇(はいざんがま)(かれ)()()(こわ)され、移形蛊(いけいこ)李好(りこう)本命蛊(ほんめいこ)だったため、(かれ)()(とも)消滅(しょうめつ)した。


しかしこの(たたか)いで、(おお)くの観客(かんきゃく)(あつ)まり、方源(ほうげん)六千余(ろくせんあま)元石(げんせき)()た。


この一ヶ月余(いっかげつあま)りの連勝(れんしょう)で、(みずか)らが(すこ)しの元石(げんせき)(のこ)すほかは、四万(よんまん)元石(げんせき)(あつ)めるたびに李然(りねん)(わた)してきた。


この行動(こうどう)李然(りねん)対応(たいおう)により、武家(ぶけ)方源(ほうげん)()()すのを一時(いちじ)見合(みあ)わせている。


これが貴重(きちょう)成長(せいちょう)時間(じかん)()んだのだ。


(いま)(わたし)二十九戦無敗(にじゅうきゅうせんむはい)、あと一勝(いっしょう)第四内城(だいよんないじょう)昇格(しょうかく)する。第四内城(だいよんないじょう)競争(きょうそう)(はげ)しく、強者(きょうしゃ)雲霞(うんか)(ごと)くだが、()てば()るものも(おお)い。鋼筋蛊(こうきんこ)は使い(つかいき)ったので、(あら)たな獣力虚影(じゅうりょくきょえい)追加(ついか)できる。ただ――」


ただ獣力虚影(じゅうりょくきょえい)()やすのは気長(きなが)作業(さぎょう)で、(すく)なくとも二、三ヶ(にさんかげつ)はかかり、完全(かんぜん)効果(こうか)(あらわ)れるまで時間(じかん)必要(ひつよう)だ。


方源(ほうげん)第四内城(だいよんないじょう)昇格(しょうかく)すれば、圧力(あつりょく)(さら)()す。(あら)たな(ちから)(きゅう)いで増強(ぞうきょう)し、局面(きょくめん)対応(たいおう)せねばならない。


(ちか)くの大規模(だいきぼ)競売会(きょうばいかい)で、一蹴而就蛊(いっしゅうじゅこ)出品(しゅっぴん)される。これを()()れれば、一夜(いちや)にして(あら)たな獣力虚影(じゅうりょくきょえい)()られる。()しいことに、(わたし)元石(げんせき)(すく)なすぎて、競売(きょうばい)参加(さんか)する資格(しかく)さえない……」


(かね)必要(ひつよう)(とき)()りないと()やむ!


方源(ほうげん)(だれ)から借金(しゃっきん)しようか(かんが)えていると、突然(とつぜん)少年(しょうねん)(あらわ)れ、(かれ)()()(ふさ)いだ。


古月方正(こげつほうせい)(おれ)(おぼ)えているか!?」百戦猟(ひゃくせんりょう)怒鳴(どな)った。


(りょう)!」「(りょう)衝動(しょうどう)はするな」


百家(ひゃっか)一行(いっこう)(つづ)いて到着(とうちゃく)し、方源(ほうげん)半円状(はんえんじょう)()(かこ)んだ。


双方(そうほう)(にら)()った!








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