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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第七十三節:「新たな盟約」

白凝冰(はくぎょうひょう)出現(しゅつげん)で、方源(ほうげん)への注目度(ちゅうもくど)(またた)()激減(げきげん)した。


この前後(ぜんご)()対比(たいひ)(いちじる)しく、(だれ)もが(おも)わず注視(ちゅうし)せざるを()なかった。


方源(ほうげん)容貌(ようぼう)普通(ふつう)でも、(あらわ)れた当初(とうしょ)魏央(ぎおう)称賛(しょうさん)された。まして白凝冰(はくぎょうひょう)容姿(ようし)絶世(ぜっせい)()(ほこ)る。


(つづ)いて白凝冰(はくぎょうひょう)紫荆令(しけいれい)(さず)かった。


宴席(えんせき)では、人々(ひとびと)は(さかずき)()わし表向(おもてむ)きは和気藹藹(わきあいあい)としていたが、水面下(すいめんか)では暗流(あんりゅう)渦巻(うずま)いていた。


名門(めいもん)(いえ)では、若様(わかさま)たちは(かなら)(いん)(よう)(あらそ)う。(おお)きな(いえ)には基盤(きばん)があるからこそ、彼等(かれら)(さわ)余裕(よゆう)があるのだ。


一方(いっぽう)古月寨(こげつさい)白家寨(はくかさい)のような(ちい)さな(いえ)は、一人(ひとり)育成(いくせい)専念(せんねん)する。これは出産(しゅっさん)問題(もんだい)があるからではなく、若様同士(わかさまどうし)内輪争(うちわあらそ)いで(いえ)衰退(すいたい)するのを(みずか)()けているのだ。


方源(ほうげん)熱心(ねっしん)率直(そっちょく)一面(いちめん)()せた。これらの若様(わかさま)たちは地元(じもと)のボス的存在(そんざい)で、彼等(かれら)関係(かんけい)(きず)けば、今後(こんご)商梁山(しょうりょうざん)での二、三年(にさんねん)生活(せいかつ)(おお)いに役立(やくだ)つ。


(かれ)(みずか)らの過去(かこ)率直(そっちょく)(かた)った――かつて古月家(こげつけ)若頭領(わかとうりょう)だったこと。白凝冰(はくぎょうひょう)同様(どうよう)立場(たちば)だったと。


これで一気(いっき)若様(わかさま)たちとの距離(きょり)(ちぢ)まった。


宴席中(えんせきちゅう)(だれ)かが青茅山(せいぼうざん)冰雪(ひょうせつ)絶域(ぜついき)となった理由(りゆう)(たず)ねたが、方源(ほうげん)説明(せつめい)しなかった。


()()りし日々(ひび)は()(かえ)るに()えない」と(くる)しげに()うだけで、紫荆令(しけいれい)()にしている(かれ)()いて(せま)(もの)もいなかった。


何人(なんにん)かの若様(わかさま)(すす)んで白凝冰(はくぎょうひょう)(さかずき)(かか)げたが、彼女(かのじょ)(あい)()わらず無視(むし)し、(みずか)らの(みち)()くばかりだった。


もし以前(いぜん)なら、若様(わかさま)たちは内心(ないしん)(いか)りを(つの)らせただろうが、(いま)白凝冰(はくぎょうひょう)()姿(すがた)(あらわ)したため、(おお)くの(もの)(おこ)りを()()げることができなかった。


ただ(おも)うのみ――この(おんな)天女(てんにょ)(ごと)(うつく)しく、氷雪(ひょうせつ)(せい)のようだ。このような個性(こせい)こそ、彼女(かのじょ)気質(きしつ)にむしろ似合(にあ)うのだと。


家宴(かえん)(さら)半时辰(はんじこん)約一時間(やくいちじかん)(つづ)き、ようやく終幕(しゅうまく)(むか)えた。


「やはり黒土兄(こくどあに)()んでいいですか?」(わか)(ぎわ)商心慈(しょうしんじ)(かがや)(ひとみ)方源(ほうげん)()けて()いかけた。


(なん)()んでも(かま)わないよ」方源(ほうげん)(おだ)やかに(わら)った。


商心慈(しょうしんじ)(まばた)きし、(やわ)らかい(こえ)(つづ)けた:「黒土兄(こくどあに)(きず)()えたのは(うれ)しいけれど、(なに)だか(すこ)距離(きょり)(かん)じます。(いま)紫荆令(しけいれい)をお()ちだから、()(まる)自由(じゆう)()()できるでしょう?黒土兄(こくどあに)楠秋苑(なんしゅうえん)にお()まいなのですか?」


商心慈(しょうしんじ)(こま)かいことをぽつぽつと(はな)した。(こころ)(そこ)から方源(ほうげん)(した)しみを(かん)じ、(はな)したいことが(やま)ほどあったのだ。


見知(みし)らぬ環境(かんきょう)では、(ひと)無意識(むいしき)馴染(なじ)みの(もの)から安心感(あんしんかん)()ようとするものだ。


方源(ほうげん)彼女(かのじょ)心理状態(しんりじょうたい)(さっ)し、(みずか)(すす)んで()った:「(わたし)楠秋苑(なんしゅうえん)()んでいる。(おり)があれば(あそ)びに()てくれ。商家城(しょうかじょう)(ひろ)いから、一緒(いっしょ)散策(さんさく)しよう」


商心慈(しょうしんじ)(またた)()(ひとみ)(かがや)かせ、(うれ)しそうに(うなず)いた。小蝶(こちょう)(かたわ)らで(うれ)しそうに(さけ)んだ:「この数日(すうじつ)(いえ)(こも)りきりで、もううんざりです!」


方源(ほうげん)元通(もとどお)りの姿(すがた)(もど)った(いま)小蝶(こちょう)(かれ)()ても恐怖(きょうふ)(かん)じなかった。


その()商燕飛(しょうえんひ)商心慈(しょうしんじ)()れて、()(さき)(せき)()った。


若様(わかさま)たちは束縛(そくばく)()け、いっそう本性(ほんしょう)(あら)わにした。


(おお)くの(もの)方白(ほうはく)二人(ふたり)(まね)こうとしたが、方源(ほうげん)(ことわ)らず、(とき)あれば(かなら)(おとず)れると約束(やくそく)した。


これらは(みな)社交辞令(しゃこうじれい)()ぎない。


完全(かんぜん)散会(さんかい)した(のち)二人(ふたり)楠秋苑(なんしゅうえん)(もど)った。


「これで満足(まんぞく)か?」白凝冰(はくぎょうひょう)(みずか)方源(ほうげん)(ちか)づき、(ひや)やかな(わら)いを()らした。


(なに)が?」


「ふん、()かっていてわざと()くな。本当(ほんとう)()わせる()か?」商家城(しょうかじょう)にいる以上(いじょう)()ってはならぬ言葉(ことば)がある。(くち)にすれば(みな)()からぬ結果(けっか)をもたらす。


方源(ほうげん)(ふく)(わら)いを()かべたまま(だま)っていた。


白凝冰(はくぎょうひょう)眼光(がんこう)(するど)方源(ほうげん)(にら)みつけた:「(みと)めざるを()ない。貴様(きさま)過小評価(かしょうひょうか)していた。(じつ)手口(てぐち)(たく)みだ。たとえ貴様(きさま)()()きにしたいほどの(にく)しみを(いだ)いていても、(こころ)から感服(かんぷく)する」


彼女(かのじょ)一息(ひといき)()き、(つづ)けた:「本音(ほんね)()わせろ。(よう)()(わた)条件(じょうけん)(なに)だ?」


「ふっ」方源(ほうげん)(かる)(わら)った。白凝冰(はくぎょうひょう)(みずか)(ちか)づいたのは、彼女(かのじょ)動揺(どうよう)している証拠(しょうこ)だ。商心慈(しょうしんじ)(けん)彼女(かのじょ)(つよ)衝撃(しょうげき)(あた)えた。これは絶好(ぜっこう)機会(きかい)だ。


彼女(かのじょ)本心(ほんしん)(さら)そうとするなら、()()おう。


方源(ほうげん)()った:「我々(われわれ)は(とも)聡明(そうめい)だ。立場(たちば)()えたら、貴様(きさま)ならどうする?」


白凝冰(はくぎょうひょう)即座(そくざ)(ひや)やか(はな)()らし、()(ほそ)()い、眼光(がんこう)(やいば)のように(するど)(ひか)った:「警告(けいこく)する。()()ぎるな!最悪(さいあく)共倒(ともだお)れになる覚悟(かくご)はできている。どちら(ちら)が(とく)するか()ものだ!」


方源(ほうげん)高笑(たかわら)いした:「()う通り(どお)だ。この数日(すうじつ)()れも(かんが)えた。(たが)いに相手(あいて)(よわ)みを(にぎ)()っている。(いま)局面(きょくめん)で、(つる)(どぶがい)(あらそ)って漁師(りょうし)()()らせる必要(ひつよう)がどこにある?」


白凝冰(はくぎょうひょう)沈黙(ちんもく)(まも)った。


方源(ほうげん)(つづ)けて()った:「こうしよう。貴様(きさま)()れが五转(ごてん)頂点(ちょうてん)(たっ)するまで護衛(ごえい)すれば、陽蛊(ようこ)(かえ)してやる」


「ふん!」白凝冰(はくぎょうひょう)口元(くちもと)(ゆが)め、嘲笑(ちょうしょう)()かべた:「商睚眦(しょうがいし)(おろ)(もの)(おな)じに(あつか)うのか?五转(ごてん)頂点(ちょうてん)だと?(なん)(あつ)かましい!」


以前(いぜん)三转(さんてん)合意(ごうい)したのに、(いま)になって方源(ほうげん)約束(やくそく)(やぶ)った!


白凝冰(はくぎょうひょう)(こころ)(うち)覚悟(かくご)してはいたが、方源(ほうげん)の「(あつ)かましい」微笑(ほほえ)みを()るにつけ、(はら)(そこ)から(いか)りが()()がった。


白凝冰(はくぎょうひょう)()(ほど)をわきまえろ。貴様(きさま)(いのち)()れが(すく)ったのだ。陰蛊(いんこ)がなければ、とっくに青茅山(せいぼうざん)(つゆ)()えていたぞ」方源(ほうげん)顔色(かおいろ)(くも)らせた。


白凝冰(はくぎょうひょう)一歩(いっぽ)()かず、即座(そくざ)反論(はんろん)した:「ふん!もし(さき)()れが古月一代(こげついちだい)()()めていなければ、貴様(きさま)(ほう)(さき)()んでいただろう!」


白骨山(はっこつざん)()れが――」


「その(とき)貴様(きさま)(ぬま)()まったのは、()れが(たす)けたからだぞ?」


……


二人(ふたり)部屋(へや)()()いを(つづ)け、(はげ)しく五、(ごろく)()言葉(ことば)()わした(のち)突然(とつぜん)(くち)()ざした。


二人(ふたり)(あいだ)(おん)(えん)は、もはや混沌(こんとん)とした()()りだ。しかし(ひと)(たし)かなのは、二人(ふたり)商梁山(しょうりょうざん)まで()られたのは、(たが)いの(ちから)()りたからだ。(たす)()わなければ、今日(きょう)まで()()びられなかった。


二人(ふたり)沈黙(ちんもく)し、部屋(へや)空気(くうき)が徐々(じょじょ)に(やわ)らいだ。


「これからどうするつもりだ?」しばらくして、白凝冰(はくぎょうひょう)静寂(せいじゃく)(やぶ)った。


商家城(しょうかじょう)で二、三年(にさんねん)()ごすつもりだ。(いま)令牌(れいふ)元石(げんせき)()っている。蛊虫(こちゅう)一式(いっしき)(そろ)えるには十分(じゅうぶん)だ。魏央(ぎおう)()()わせしただろう?蛊师(こし)蛊虫(こちゅう)(そろ)えて(はじ)めて真価(しんか)発揮(はっき)するのだ」方源(ほうげん)(こた)えた。


白凝冰(はくぎょうひょう)(ひや)やかに(はな)()らした:「上限(じょうげん)四转(してん)頂点(ちょうてん)だ。それに白骨山(はっこつざん)(わたし)(おお)きく貢献(こうけん)した。お(まえ)元石(げんせき)半分(はんぶん)よこせ」


方源(ほうげん)(かる)(うなず)いた:「よかろう。では(てのひら)()わせて(ちか)おう」


馬鹿(ばか)にするな!」白凝冰(はくぎょうひょう)()()き、怒声(どせい)()らげた:「(てのひら)を合わせるなんて子供騙(こどもだま)しは(とお)さん!毒誓蛊(どくせいこ)使(つか)え。(どく)(ちか)いだぞ!」


方源(ほうげん)相変(あいか)わらず(かる)(うなず)いた:「(かま)わん。毒誓蛊(どくせいこ)でよい」


白凝冰(はくぎょうひょう)()(ほそ)め、(こころ)漠然(ばくぜん)とした不安(ふあん)がよぎった。方源(ほうげん)がすんなり承諾(しょうだく)する様子(ようす)に、(なに)(わな)()められた気分(きぶん)がした。


「ただし」方源(ほうげん)突然(とつぜん)言葉(ことば)()()えた。


「ただし(なに)?」白凝冰(はくぎょうひょう)即座(そくざ)十二分(じゅうにぶん)警戒心(けいかいしん)()()ました。


方源(ほうげん)(つづ)けた:「今後(こんご)獲物(えもの)(さん)(しち)(ぶん)けだ。貴様(きさま)三割(さんわり)()れが七割(ななわり)蛊虫(こちゅう)()れたら、()れが優先的(ゆうせんてき)(えら)ぶ。差額(さがく)元石(げんせき)(おぎな)う。これが()限界(げんかい)だ。()()れよ」


白凝冰(はくぎょうひょう)(こころ)(うち)安堵(あんど)(いき)()いた――これでこそ方源(ほうげん)らしい。もし条件(じょうけん)がなければ、むしろ不自然(ふしぜん)だ。


彼女(かのじょ)方源(ほうげん)(とも)(たび)して以来(いらい)(かれ)(そん)をしたことなど一度(いちど)()たことがない!


この(おとこ)(じつ)狡猾(こうかつ)陰険(いんけん)だ。今日(きょう)出来事(できごと)で、白凝冰(はくぎょうひょう)(かれ)(たい)する警戒心(けいかいしん)前代未聞(ぜんだいみもん)(たか)みに(たっ)した。


三七分(さんしちわ)けは(じつ)理不尽(りふじん)だ。(とく)白凝冰(はくぎょうひょう)修為(しゅうい)方源(ほうげん)より(はる)かに(たか)いことを(かんが)えればなおさらである。


しかし方源(ほうげん)理不尽(りふじん)要求(ようきゅう)()さなければ、白凝冰(はくぎょうひょう)(ぎゃく)不安(ふあん)(おぼ)えただろう――「こいつはまた(なに)(わる)だくみをしているのでは?」と。方源(ほうげん)要求(ようきゅう)()したからこそ、彼女(かのじょ)(すこ)安心(あんしん)したのだ。


三七分(さんしちわ)けで結構(けっこう)白凝冰(はくぎょうひょう)即座(そくざ)承諾(しょうだく)した。


獲物(えもの)分配(ぶんぱい)など、彼女(かのじょ)()(かい)さない。最大(さいだい)目標(もくひょう)陽蛊(ようこ)奪回(だっかい)だ。


素手医师(そしゅいし)から情報(じょうほう)()いた(あと)彼女(かのじょ)(こころ)(のこ)っていた最後(さいご)一縷(いちる)(のぞ)みも()()せた。


二人(ふたり)夜通(よどお)細則(さいそく)協議(きょうぎ)した。


白凝冰(はくぎょうひょう)契約書(けいやくしょ)十回以上(じゅっかいいじょう)読み(よみかえ)し、方源(ほうげん)()(あな)がないことを最終確認(さいしゅうかくにん)してようやく合意(ごうい)した。


かくして翌日(よくじつ)最初(さいしょ)仕事(しごと)として毒誓蛊(どくせいこ)()いに(みせ)()かった。


毒誓蛊(どくせいこ)三转蛊虫(さんてんこちゅう)で、用途(ようと)(ひろ)いため、第三内城(だいさんないじょう)ではほぼ全店舗(ぜんてんぽ)販売(はんばい)されている。定価(ていか)一匹(いっぴき)四千五百枚(よんせんごひゃくまい)元石(げんせき)(くわ)えて最低(さいてい)一枚(いちまい)黄梨令(こうりれい)必要(ひつよう)だ。


しかし方源(ほうげん)紫荆令(しけいれい)提示(ていじ)すると、店主(てんしゅ)即座(そくざ)価格(かかく)千五百枚(せんごひゃくまい)値引(ねび)きし、方源(ほうげん)三千枚(さんぜんまい)元石(げんせき)支払(しはら)って毒誓蛊(どくせいこ)()にした。


九等(きゅうとう)令牌(れいふ)はそれぞれ対応(たいおう)する蛊虫(こちゅう)(おう)じて割引(わりびき)適用(てきよう)される。紫荆令(しけいれい)最上級(さいじょうきゅう)のため、三割引(さんわりびき)以上(いじょう)特典(とくてん)()くことも(めずら)しくない。


今度(こんど)(わたし)煉化(れんか)する」白凝冰(はくぎょうひょう)毒誓蛊(どくせいこ)直接(ちょくせつ)()()った。


彼女(かのじょ)念入(ねんい)りに、(みずか)毒誓蛊(どくせいこ)煉化(れんか)しようとした。方源(ほうげん)細工(さいく)仕込(しこ)むのを警戒(けいかい)していたのだ。


この毒誓蛊(どくせいこ)は元々(もともと)他者(たしゃ)煉化(れんか)されていたが、店舗(てんぽ)積極的(せっきょくてき)協力(きょうりょく)もあって、白凝冰(はくぎょうひょう)一刻(いっこく)(約30(やくさんじゅっぷん))で煉化(れんか)完了(かんりょう)し、()(ぶん)()とした。


「この(みせ)元老蛊(げんろうこ)()っているか?」白凝冰(はくぎょうひょう)店主(てんしゅ)(たず)ねた。


店主(てんしゅ)(くび)()り、(うやうや)しい態度(たいど)(こた)えた:「元老蛊(げんろうこ)(めずら)しい三转蛊(さんてんこ)で、通常(つうじょう)競売(きょうばい)にしか()ません。しかしお二方様(ふたかたさま)紫荆令(しけいれい)をお()ちなら、大規模(だいきぼ)競売会(きょうばいかい)でなければ、事前(じぜん)競売品(きょうばいひん)購入(こうにゅう)することが可能(かのう)でございます」


第三内城(だいさんないじょう)競売区(きょうばいく)は、魏央(ぎおう)(すで)方白(ほうはく)二人(ふたり)案内(あんない)していた。二人(ふたり)()れた(みち)(すす)競売区(きょうばいく)()き、小規模(しょうきぼ)競売場(きょうばいじょう)六千七百枚(ろくせんななひゃくまい)元石(げんせき)支払(しはら)い、元老蛊(げんろうこ)落札(らくさつ)した。


(またた)()一万枚近(いちまんまいちか)くの元石(げんせき)(つい)やした。毒誓蛊(どくせいこ)費用(ひよう)折半(せっぱん)だ。この元老蛊(げんろうこ)代金(だいきん)貴様(きさま)(ぶん)から()()く」方源(ほうげん)(きび)しく指摘(してき)した。


「そんな枝葉末節(しようまっせつ)には(かま)わん」白凝冰(はくぎょうひょう)()()り、(まった)()にしていない様子(ようす)だった。彼女(かのじょ)元来(がんらい)金遣(かねづか)いが(あら)く、金銭(きんせん)頓着(とんちゃく)しない。むしろ方源(ほうげん)一文(いちもん)にすら(こだわ)(さま)軽蔑(けいべつ)している。


夜長夢多(よながむた)()けるため、二人(ふたり)(ただ)ちに楠秋苑(なんしゅうえん)(もど)り、毒誓蛊(どくせいこ)使(つか)った。


こうして(あら)たな盟約(めいやく)正式(せいしき)(むす)ばれた。


契約(けいやく)(したが)い、方源(ほうげん)九十万余(きゅうじゅうまんあま)りの元石(げんせき)半分(はんぶん)白凝冰(はくぎょうひょう)元老蛊(げんろうこ)(うつ)した。


方源(ほうげん)(ざい)(さん)半分(はんぶん)(うしな)ったが、白凝冰(はくぎょうひょう)という同盟者(どうめいしゃ)()たことは、絶対(ぜったい)(わり)()取引(とりひき)だ。


一方(いっぽう)白凝冰(はくぎょうひょう)陽蛊(ようこ)奪回(だっかい)する希望(きぼう)()(いだ)した。両者(りょうしゃ)(たが)いに警戒(けいかい)しつつも、各々(おのおの)の思惑(おもわく)(かか)えながら、この両者納得(りょうしゃなっとく)結末(けつまつ)(むか)えたことは(きわ)めて(まれ)なことだった。


(つぎ)は、()三转(さんてん)昇進(しょうしん)(たす)ける(とき)だな?」方源(ほうげん)顔色(かおいろ)(すこ)(かげ)っていた。


白凝冰(はくぎょうひょう)得意(とくい)げに高笑(たかわら)いした。方源(ほうげん)不愉快(ふゆかい)そうな表情(ひょうじょう)()ると、彼女(かのじょ)(おも)わず(うれ)しくなった。


この数日間(すうじつかん)彼女(かのじょ)方源(ほうげん)修行(しゅぎょう)一切(いっさい)協力(きょうりょく)していなかった。しかし(いま)盟約(めいやく)(むす)ばれた以上(いじょう)状況(じょうきょう)一変(いっぺん)した。


無論(むろん)今日(きょう)こそ貴様(きさま)三转(さんてん)昇進(しょうしん)させてやる」彼女(かのじょ)即座(そくざ)承諾(しょうだく)した。









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