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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第七十節:家宴

この(ひろ)くもない中庭(なかにわ)が、商燕飛(しょうえんひ)(もう)けた家宴(かえん)()である。


露天(ろてん)(うたげ)だが、山腹(さんぷく)穿(うが)たれた空間(くうかん)ゆえ、風雨(ふうう)(うれ)必要(ひつよう)はない。


(にわ)豪華(ごうか)でも風雅(ふうが)でもなく、むしろ()()てた(かん)すらある。


十数(じゅうすう)(つくえ)円陣(えんじん)()んで()かれ、(すで)手狭(てぜま)()える。


(つくえ)には果物(くだもの)などの軽食(けいしょく)(なら)び、()(ふだ)()()けてある――各々(おのおの)の席主(せきぬし)(しめ)すためだ。


(すで)三人(さんにん)到着(とうちゃく)し、着席(ちゃくせき)していた。


兄上(あにうえ)今回(こんかい)父上(ちちうえ)が我々(われわれ)を()されたのは(なん)(よう)だろう?」商嘲風(しょうちょうふう)(あか)果実(かじつ)(くち)(ほう)()み、()(くだ)きながら()いた。


長兄(ちょうけい)商囚牛(しょうきゅうぎゅう)端座(たんざ)して瞑想(めいそう)していたが、その言葉(ことば)細目(ほそめ)()け、(ひく)(こえ)(こた)えた:「父上(ちちうえ)閉関(へいかん)()て我々(われわれ)を(おも)い、家宴(かえん)(もよお)される。(なん)不思議(ふしぎ)があろう?」


兄上(あにうえ)()うことも()(かな)うが、父上(ちちうえ)家宴(かえん)(だい)した用件(ようけん)がなかったためしがあるか?今日(きょう)(つくえ)(かず)(すこ)()えてはいないか?」(かたわ)らで商蒲牢(しょうほろう)(くち)(はさ)んだ。


商嘲風(しょうちょうふう)は「ははっ」と(わら)ったが、商囚牛(しょうきゅうぎゅう)(ふたた)()()じた。


商蒲牢(しょうほろう)()がきらりと(ひか)った。(かれ)遊郭街(ゆうかくがい)管轄(かんかつ)し、大小(だいしょう)妓楼(ぎろう)()べ、情報通(じょうほうつう)として()られる。(じつ)(すで)(かす)かに()(およ)んでいたのだが、まさに(くち)(ひら)こうとした(とき)(みみ)(かす)かに(うご)いた:「(だれ)()る」


三人(さんにん)視線(しせん)一斉(いっせい)小庭(こにわ)門扉(もんぴ)()いた。


キィーッと()(きし)(おと)(とも)(もん)(ひら)かれ、三人(さんにん)姿(すがた)(あらわ)れた。


魏央(ぎおう)先導(せんどう)し、方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)(あと)(つづ)く。


この(にわ)二人(ふたり)以前(いぜん)(おとず)れた場所(ばしょ)、あの(とき)召見(しょうけん)()けた私邸(してい)である。


「この私邸(してい)は、族長様(ぞくちょうさま)若様(わかさま)一人(ひとり)だった(ころ)(ほか)若様(わかさま)たちの連合(れんごう)攻撃(こうげき)()けた(さい)のもの。族長様(ぞくちょうさま)退(しりぞ)いて(すす)(さく)()り、(みずか)若様(わかさま)()()てて(いち)族員(ぞくいん)(もど)られた。その落魄(らくはく)(とき)、この()()まわれた。後年(こうねん)大業(たいぎょう)()()げ、(みずか)らへの(いまし)めと後進(こうしん)への警鐘(けいしょう)として、この()(のこ)された。歴代(れきだい)家宴(かえん)(みな)ここで(ひら)かれる」


魏央(ぎおう)(とびら)()けながら説明(せつめい)した。


(つづ)けて(にわ)三人(さんにん)気付(きづ)く:「おお、(すで)(みっ)人の若様(わかさま)がお()えか」


商囚牛(しょうきゅうぎゅう)商嘲風(しょうちょうふう)商蒲牢(しょうほろう)(そろ)って()()がり、魏央(ぎおう)(こぶし)(かさ)ねて(れい)した:「魏央家老(ぎおうかろう)、ご機嫌麗(きげんうるわ)しゅう」


魏央(ぎおう)商燕飛(しょうえんひ)五大切(ごだいき)(さき)一人(ひとり)にして、商家(しょうか)重臣(じゅうしん)若様(わかさま)たちが若頭領(わかとうりょう)()(あらそ)(さい)魏央(ぎおう)評定(ひょうじょう)()けて(とお)れぬ。


()若様(わかさま)、ご機嫌麗(きげんうるわ)しゅう。このお二方(ふたかた)本日(ほんじつ)族長様(ぞくちょうさま)がお(まね)きの貴賓(きひん)魏央(ぎおう)は淡々(たんたん)と(こぶし)(かさ)ねた。家老(かろう)としての地位(ちい)若様(わかさま)より(うえ)重臣(じゅうしん)たる()若様(わかさま)に取り(とりい)ろうなど毛頭(もうとう)ない。


「お二方様(ふたかたさま)、こちらへ」魏央(ぎおう)方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)を各々(おのおの)の(せき)案内(あんない)して()かせた。


商囚牛(しょうきゅうぎゅう)三人(さんにん)(かお)見合(みあ)わせ、(たが)いの()()かぶ(おどろ)き、(うたが)い、(こう)奇心(きしん)()()った。


これは家宴(かえん)だ。()()らぬ(もの)(まね)いたことなどあるか?この二人(ふたり)何者(なにもの)だ?我々(われわれ)より父上(ちちうえ)主座(しゅざ)(ちか)(せき)()いているとは!


魏央(ぎおう)(せき)()くと、ほほえみながら(つづ)けた:「お二方(ふたかた)紹介(しょうかい)しよう。こちらは商囚牛(しょうきゅうぎゅう)族長(ぞくちょう)長子(ちょうし)で、商家(しょうか)(あず)かり()()べる。こちらは四男(よんなん)商嘲風(しょうちょうふう)城中(じょうちゅう)闘蛊場(とうこじょう)(つかさど)る。そして商蒲牢(しょうほろう)遊郭街(ゆうかくがい)妓楼(ぎろう)(にな)う」


商囚牛(しょうきゅうぎゅう)体格(たいかく)(ゆう)(けん)(こえ)(ひく)く、気性(きしょう)()()いていると一見(いっけん)して()かる。最年長(さいねんちょう)三十(さんじゅう)(ちか)く。


商嘲風(しょうちょうふう)(みだ)(がみ)(たか)(はな)(すじ)(あら)々(あら)しい気風(きふう)(ただよ)わせる。


商蒲牢(しょうほろう)は最も(もっと)端麗(たんれい)で、華奢(きゃしゃ)(からだ)色白(いろじろ)(はだ)(もも)(はな)のような()をして風流(ふうりゅう)物腰(ものごし)――(あき)らかに長年(ながねん)花柳(かりゅう)(ちまた)(ひた)っている。


囚牛(きゅうぎゅう)貴賓(きひん)二方(ふたかた)拝謁(はいえつ)す」商囚牛(しょうきゅうぎゅう)率先(そっせん)して(こぶし)(かさ)ねて一礼(いちれい)した。


魏央(ぎおう)方白(ほうはく)二人(ふたり)紹介(しょうかい)しない以上(いじょう)三人(さんにん)若様(わかさま)(せい)(めい)人物(じんぶつ)ゆえ、(みずか)追及(ついきゅう)する(おろ)かさは(おか)さない。


三若様(みわかさま)(れい)を。拙者(せっしゃ)黒土(こくど)、こちらは相棒(あいぼう)白雲(はくうん)方源(ほうげん)紹介(しょうかい)した。


この(ふた)つの()(あき)らかに偽名(ぎめい)だ。


三人(さんにん)若様(わかさま)はますます方白(ほうはく)二人(ふたり)正体(しょうたい)(はか)()ね、適当(てきとう)相槌(あいづち)()ってその()(つくろ)った。


(うたげ)刻限(こくげん)(せま)るにつれ、若様(わかさま)たちが次々(つぎつぎ)と(あらわ)れた。


賭石場(とせきじょう)管轄(かんかつ)する商貔貅(しょうひきゅう)酒楼(しゅろう)絹屋(きぬや)責任者(せきにんしゃ)商狻猊(しょうさんげい)競売場(きょうばいじょう)商負屃(しょうふき)代行煉化司(だいこうれんかし)(つかさど)商贔屓(しょうひき)。そして(すで)馴染(なじ)みの商睚眦(しょうがいし)も。


魏央(ぎおう)方白(ほうはく)二人(ふたり)紹介(しょうかい)するたび、若様(わかさま)たちは(おお)かれ(すく)なかれ異様(いよう)眼差(まなざ)しを()けた。


次々(つぎつぎ)と着席(ちゃくせき)し、(ひと)()えるにつれ(はなし)(はず)み、(せま)中庭(なかにわ)は徐々(じょじょ)に(にぎ)やかになっていった。


開宴(かいえん)間際(まぎわ)(とびら)がふと(ひら)かれ、一人(ひとり)若様(わかさま)足早(あしばや)()()んできた。


痩身(そうしん)長身(ちょうしん)太眉(ふとまゆ)(とら)のような()をした商狴犴(しょうひかん)商家城(しょうかじょう)城衛軍(じょうえいぐん)統率(とうそつ)する。


城衛軍(じょうえいぐん)紛争(ふんそう)処理(しょり)矛盾(むじゅん)調整(ちょうせい)治安維持(ちあんいじ)(にな)い、忙中(ぼうちゅう)(いそが)しさを(きわ)める。


方白(ほうはく)二人(ふたり)(かる)挨拶(あいさつ)したが、商狴犴(しょうひかん)(せき)()かぬうちに、主座(しゅざ)位置(いち)(ほのお)一閃(いっせん)商燕飛(しょうえんひ)(あらわ)れた。


商燕飛(しょうえんひ)今度(こんど)(しろ)(ころも)(まと)い、袖口(そでぐち)(すそ)(きん)縁取(ふちど)りが(ほどこ)されていた。鮮血(せんけつ)のように真紅(しんく)(かみ)(こし)まで()放題(ほうだい)端麗(たんれい)(きわ)まる面差(おもざ)しと(あい)()って、(かれ)独特(どくとく)気迫(きはく)()(りょく)(かも)していた。


父上(ちちうえ)拝謁(はいえつ)す」若様(わかさま)たちは一斉(いっせい)()()がり、(ひざ)()って(こえ)(そろ)えた。


族長様(ぞくちょうさま)魏央(ぎおう)()()がる。


同時(どうじ)に、方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)(れい)()くした。


(みな)着席(ちゃくせき)せよ」商燕飛(しょうえんひ)(ひろ)()もたれ椅子(いす)()()かり、(かる)()()った。瞬時(またた)()に、(にじ)のように絢爛(けんらん)たる七色(しちしょく)光華(こうか)()()らされた。


光華(こうか)雨滴(うてき)のように、また(かすみ)のように(ただよ)い、各々(おのおの)の(つくえ)()(そそ)いで豪華絢爛(ごうかけんらん)料理(りょうり)へと()わった。小庭(こにわ)にたちまち菜香(さいこう)(ただよ)(はじ)めた。


方源(ほうげん)一見(いっけん)して見抜(みぬ)いた――これは錦繍食盒蛊(きんしゅうしょっここ)だと。


商燕飛(しょうえんひ)特有(とくゆう)五转蛊(ごてんこ)で、佳肴(かこう)貯蔵(ちょぞう)する専用(せんよう)()(なか)(おさ)めた(とき)状態(じょうたい)のまま、何年(なんねん)()っても鮮度(せんど)(たも)つ。


方源(ほうげん)前世(ぜんせ)商隊(しょうたい)(くる)しい日々(ひび)を(おく)っていた。古月山寨(こげつさんさい)(ほろ)びて(のち)は、(たよ)(もの)もなかった。


丁度(ちょうど)その(とき)義天山(ぎてんざん)突如(とつじょ)台頭(たいとう)魔道蛊师(まどうこし)同盟(どうめい)()み、(おお)きな勢力(せいりょく)となって正道(せいどう)限界(げんかい)(おど)かした。


各家族(かくぞく)連合(れんごう)して義天山(ぎてんざん)包囲(ほうい)


連合軍(れんごうぐん)首脳(しゅのう)一人(ひとり)である商燕飛(しょうえんひ)は、(ぐん)(なぐさ)めるためこの錦繍食盒蛊(きんしゅうしょっここ)(もち)いた。


(そで)一翻(いっぽん)するだけで、数万(すうまん)将兵(しょうへい)美食(びしょく)()(わた)り、連合軍(れんごうぐん)士気(しき)(おお)いに(ふる)()たせたのだ。


それ以来(いらい)錦繍食盒蛊(きんしゅうしょっここ)商燕飛(しょうえんひ)代名詞(だいめいし)となり、世間(せけん)興味深(きょうみぶか)噂話(うわさばなし)として(かた)()がれた。


当時(とうじ)方源(ほうげん)異界(いかい)から()(もの)としての利点(りてん)()かし、(ちい)さな組頭(くみがしら)となって正規軍(せいきぐん)物資(ぶっし)輸送(ゆそう)する行商隊(ぎょうしょうたい)(くわ)わった。


(かれ)はこの()商燕飛(しょうえんひ)錦繍食盒蛊(きんしゅうしょっここ)使(つか)壮観(そうかん)目撃(もくげき)した。


(そら)いっぱいに(ひろ)がる七色(しちしょく)光華(こうか)()()がり、灼熱(しゃくねつ)(かがや)きを(はな)ち、天地(てんち)()らし()す――(じつ)宏大(こうだい)気象(きしょう)だった。


「まさか今生(こんじょう)で、『数年(すうねん)(まえ)に』この錦繍食盒蛊(きんしゅうしょっここ)()にし、(みずか)商家(しょうか)賓客(ひんきゃく)となるとは」方源(ほうげん)(こころ)(うち)(かん)(がい)せずにはいられなかった。


前世(ぜんせ)今生(こんじょう)鮮烈(せんれつ)対比(たいひ)――これこそ再誕(さいたん)圧倒的(あっとうてき)利点(りてん)だ。


この再誕(さいたん)利点(りてん)春秋蝉(しゅんじゅうせみ)()る。(かれ)前世(ぜんせ)(すべ)てを()けた奮闘(ふんとう)結晶(けっしょう)である。


商燕飛(しょうえんひ)料理(りょうり)(くば)()えると、()どもたちに()(わた)した:「本日(ほんじつ)(ふたり)貴賓(きひん)(むか)えておる。お(まえ)たち(ひとり)(ひとり)(じゅん)挨拶(あいさつ)(さけ)(ささ)げよ。囚牛(きゅうぎゅう)長子(ちょうし)たる(もの)、まず(はん)()れ」


父上(ちちうえ)(くち)ずからの下命(かめい)商家(しょうか)若様(わかさま)たちは心中(しんちゅう)(うたが)いを(いだ)きつつも、(だれ)(おこた)りはせぬ。


商囚牛(しょうきゅうぎゅう)即座(そくざ)()()がり、(さかずき)(かか)げて(ひく)(ひび)(こえ)()った:「囚牛(きゅうぎゅう)貴賓(きひん)二方(ふたかた)献杯(けんぱい)す」


()()わるや、(くび)(あお)()らせ(さかずき)一気(いっき)()()した。


方源(ほうげん)陪杯(ばいはい)し、白凝冰(はくぎょうひょう)相変(あいか)わらず(みず)(すす)るだけだった。


若様(わかさま)たちの(なか)で、商囚牛(しょうきゅうぎゅう)最年長(さいねんちょう)三十(さんじゅう)(ちか)く、容貌(ようぼう)老成(ろうせい)して四十(よんじゅう)()(まが)うほどだ。


一方(いっぽう)その(ちち)商燕飛(しょうえんひ)は、二十代(にじゅうだい)若者(わかもの)のように()える。父子(ふし)(なら)べば(じつ)奇観(きかん)だ。


(うたげ)(まえ)に少々(しょうしょう)(はな)したが、初対面(しょたいめん)にして意気投合(いきとうごう)した。(おり)()是非(ぜひ)()闘蛊場(とうこじょう)へ。きっと面白(おもしろ)手合(てあ)わせが()られるぞ」商嘲風(しょうちょうふう)()()がった。


方源(ほうげん)口元(くちもと)(かす)かな()みを()かべた。初対面(しょたいめん)ながら、(かれ)商嘲風(しょうちょうふう)()()っている。


この(おとこ)闘争(とうそう)(この)み、勝負(しょうぶ)執着(しゅうちゃく)する。性格(せいかく)(すこ)陰鳩(いんきゅう)だ。前世(ぜんせ)では商家(しょうか)若頭領(わかとうりょう)一歩(いっぽ)手前(てまえ)まで(せま)り、商心慈(しょうしんじ)最大(さいだい)(てき)であった。


四兄(しけい)闘蛊場(とうこじょう)血生(ちなま)ぐさ()ぎる。麗人(れいじん)歌舞(かぶ)こそが(じょう)(たの)しむ(みち)商蒲牢(しょうほろう)反論(はんろん)し、(つづ)けて方白(ほうはく)献杯(けんぱい)(もも)(はな)のような()(かがや)かせて()った:「小生(しょうせい)、お二方様(ふたかたさま)風月(ふうげつ)(かた)()くさんと(ねが)う」


(おり)があれば、(かなら)(かなら)ず」方源(ほうげん)社交辞令(しゃこうじれい)()べ、()みを()かべて(さけ)(すす)った。


この家宴(かえん)は、(かれ)()(うつ)れば、一種(いっしゅ)名士宴(めいしえん)だ。


商家(しょうか)若様(わかさま)たちの(おお)くは、将来(しょうらい)南疆(なんきょう)で各々(おのおの)の物語(ものがたり)(つむ)ぐことになる。


商燕飛(しょうえんひ)子宝(こだから)(めぐ)まれ、彼等(かれら)(はげ)しい競争(きょうそう)()()いて(あたま)(ずみ)(あらわ)した。(ひと)(じゅう)龍鳳(りゅうほう)石中(せきちゅう)美玉(びぎょく)(しょう)すべき(もの)ばかりだ。


性格(せいかく)行動様式(こうどうようしき)多様(たよう)で、(いま)一堂(いちどう)(かい)した彼等(かれら)は、珠玉(しゅぎょく)(ごと)明暗(めいあん)さまざまな(かがや)きを(はな)ち、(たが)いに()()えている。


長子(ちょうし)商囚牛(しょうきゅうぎゅう)次子(じし)商睚眦(しょうがいし)四子(よんし)商嘲風(しょうちょうふう)八子(はっし)商蒲牢(しょうほろう)()うまでもない。


九子(きゅうし)商狻猊(しょうさんげい)獅子(しし)のような(くち)(ひろ)(はな)(なん)らかの蛊虫(こちゅう)使(つか)っているらしく、呼吸(こきゅう)する(たび)淡黄色(たんこうしょく)(けむり)二筋(ふたすじ)(はな)から()()し、身辺(しんぺん)(ただよ)わせている。


十子(じゅっし)商贔屓(しょうひき)小柄(こがら)でずんぐりした(からだ)つき、一見(いっけん)目立(めだ)たぬが、方源(ほうげん)()っている――(かれ)(からだ)には怪力(かいりき)(ひそ)んでおり、(ちから)(くら)べなら(みずか)らより数倍(すうばい)(うえ)だと。


十二子(じゅうにし)商狴犴(しょうひかん)後年(こうねん)鉄家(てつけ)縁組(えんぐみ)し、鉄血冷(てっけつれい)()南疆(なんきょう)公認(こうにん)神捕(しんぽ)となる。


十三子(じゅうさんし)商負屃(しょうふき)智謀(ちぼう)()け、正規軍(せいきぐん)義天山(ぎてんざん)包囲(ほうい)した(さい)幾度(いくど)奇策(きさく)(けん)じて魔道蛊师(まどうこし)(くる)しめた。


二十一子(にじゅういっし)商貔貅(しょうひきゅう)最年少(さいねんしょう)大器晩成(たいきばんせい)何年(なんねん)(のち)魔道(まどう)()(とう)じ、南疆(なんきょう)悪名高(あくみょうだか)魔頭(まとう)となる。


父上(ちちうえ)(おそ)くなりまして」(さかずき)挨拶(あいさつ)(つづ)(なか)(にわ)(もん)(ひら)かれ、一人(ひとり)少女(しょうじょ)()()んできた。


商螭吻(しょうりふん)(じょう)(れつ)十六番(じゅうろくばん)演武区(えんぶく)(つかさど)る。(かがや)(ひとみ)(もも)(はな)のような(ほほ)活発(かっぱつ)性分(しょうぶん)美少女(びしょうじょ)だ。


若様(わかさま)たち全員(ぜんいん)献杯(けんぱい)()わり、商燕飛(しょうえんひ)(みずか)(さかずき)()()り、方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)()いて()った:「お二方様(ふたかたさま)心慈(しんじ)(まも)(とお)していただき、感謝(かんしゃ)(もう)()げる。(ゆえ)()れは(あら)たな(むすめ)()た」


この言葉(ことば)場内(じょうない)唖然(あぜん)とした。









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