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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第六十二節:商家内城

方源(ほうげん)二百元石(にひゃくげんせき)支払(しはら)い、白凝冰(はくぎょうひょう)(とも)内城(ないじょう)へと(あし)()()れた。


山中(さんちゅう)(きず)かれているにも(かか)わらず、街路(がいろ)十台(じゅうだい)馬車(ばしゃ)並行(へいこう)できるほどの(ひろ)さだ。


人混(ひとご)みは外城(がいじょう)半分(はんぶん)以下(いか)激減(げきげん)している。


()わりに蛊师(こし)姿(すがた)随所(ずいしょ)()える。一転蛊师(いってんこし)(みち)ばたにあふれ、二転蛊师(にてんこし)()じり、(まれ)三転(さんてん)(つよ)きも散見(さんけん)された。


凡人(ぼんじん)(きわ)めて(すく)ない。(なん)しろ入場(にゅうじょう)一人(ひとり)百元石(ひゃくげんせき)だ。蛊师(こし)といえど従僕(じゅうぼく)同伴(どうはん)させる(きん)()しんだようだ。


内城(ないじょう)照明(しょうめい)火炭石(かたんせき)(おも)だ。


(なが)()(つづ)(けむり)(しょう)じない特性(とくせい)をもつ。方源(ほうげん)たちが百歩(ひゃっぽ)(ある)(ごと)に、壁面(へきめん)穿(うが)たれた(あな)()()()える火炭石(かたんせき)(かたまり)()にした。


微温(びおん)しか(はな)たぬ石炭(せきたん)だが、()()なく()(つづ)ける膨大(ぼうだい)(りょう)内城(ないじょう)空気(くうき)(あぶ)るように(あたた)め、乾燥(かんそう)した環境(かんきょう)(つく)()している。


外城(がいじょう)のように様々(さまざま)な建築物(けんちくぶつ)雑然(ざつぜん)(なら)状況(じょうきょう)とは(こと)なり、ここ内城(ないじょう)では耐熱(たいねつ)(せい)赤岩(あかいわ)(もち)いた統一(とういつ)された(かま)えの建物(たてもの)整然(せいぜん)(なら)んでいる。


大路(おおじ)から枝分(えだわ)かれした小路(こうじ)両側(りょうがわ)()びる。


同時(どうじ)に、街路(がいろ)には五百歩(ごひゃっぽ)(ごと)巨大(きょだい)石柱(せきちゅう)(そび)()つ。


柱面(ちゅうめん)には()(せん)(じょう)石階段(いしかいだん)()られ、手摺(てす)()きで上方(じょうほう)()びている。


この階段(かいだん)で人々(ひとびと)は上層(じょうそう)下層(かそう)街路(がいろ)移動(いどう)できる。


内城(ないじょう)常識的(じょうしきてき)城塞(じょうさい)ではなく、立体的(りったいてき)(かま)えを()している。(うえ)から(した)無数(むすう)街路(がいろ)家屋(かおく)縦横(じゅうおう)貫通(かんつう)し、巨大(きょだい)蟻塚(ありづか)のようだ。


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)はさらに(やま)奥深(おくふか)(すす)む。この階層(かいそう)(かれ)らの目的地(もくてきち)ではない。


ある地点(ちてん)()()かると、(あら)たな関門(かんもん)(あらわ)れた。


守備(しゅび)蛊师(こし)たちは(しゅう)()(さら)(たか)く、警戒態勢(けいかいたいせい)厳重(げんじゅう)(きわ)めている。


「お二人(ふたり)(さま)()まれ。通行令(つうこうれい)はお()ちか?」守衛(しゅえい)方源(ほうげん)たちを(さえぎ)った。


商家(しょうか)身分(みぶん)(おう)じて(こと)なる権限(けんげん)令牌(れいはい)発行(はっこう)している。


(はじ)めて(まい)りました」方源(ほうげん)(こた)える。


無論(むろん)令牌(れいはい)など()つはずがない。


「ならば、お一人様(ひとりさま)二百元石(にひゃくげんせき)(おさ)められよ」


方源(ほうげん)元石(げんせき)(はら)うと、守衛(しゅえい)(みち)()けた。


こうして二人(ふたり)第四内城階(だいよんないじょうかい)到達(とうたつ)した。


商家(しょうか)による数千年(せんねん)(わた)経営(けいえい)で、商量山(しょうりょうざん)内部(ないぶ)徹底的(てっていてき)改造(かいぞう)された。通路(つうろ)穿(うが)たれ、建築(けんちく)()()まれ、区域(くいき)ごとに配置(はいち)されている。


内城(ないじょう)巨大(きょだい)で、中心(ちゅうしん)から外側(そとがわ)()かい五層(ごそう)区分(くぶん)される。


第一内城(だいいちないじょう)中央内郭(ちゅうおうないかく)):商家政権(しょうかせいけん)中枢(ちゅうすう)にして軍事上(ぐんじじょう)要衝(ようしょう)


第二内城(だいにないじょう)家城(かじょう)):商家一族(しょうかいちぞく)専用(せんよう)居住区(きょじゅうく)


第三内城(だいさんないじょう)優雅(ゆうが)環境(かんきょう)清浄(せいじょう)空気(くうき)高級区(こうきゅうく)


第四内城(だいよんないじょう)中級区(ちゅうきゅうく)


第五内城(だいごないじょう)低級区(ていきゅうく)


その外側(そとがわ)外城(がいじょう)——(ひと)貨物(かもつ)(はげ)しく行交(ゆきか)物流(ぶつりゅう)拠点(きょてん)で、管理(かんり)比較的(ひかくてき)粗雑(そざつ)だ。


この構造(こうぞう)地上(ちじょう)のシロアリ(づか)(おも)わせる。


シロアリ(づか)(たか)さ4-10メートル、内部(ないぶ)には細密(さいみつ)通路(つうろ)縦横(じゅうおう)(はし)り、精巧極(せいこうきわ)まりない生活空間(せいかつくうかん)(ひろ)がっている。まさに商家城(しょうかじょう)縮図(しゅくず)(ごと)し。


第四内城(だいよんないじょう)(あし)()()れた二人(ふたり)は、湿(しめ)った空気(くうき)次第(しだい)()がる気温(きおん)(かん)じた。


第四内城(だいよんないじょう)第五内城(だいごないじょう)より一階級(いっかいきゅう)(うえ)入場税(にゅうじょうぜい)倍増(ばいぞう)しただけではない。


まず照明(しょうめい)——廉価(れんか)火炭石(かたんせき)()わり、一転草蛊(いってんそうこ)月光葛(げっこうかずら)」が壁面(へきめん)()()まれている。


深藍(ふかあい)根茎(こんけい)幅広(はばひろ)()をつけた(かずら)が、洞壁(どうへき)(おお)()くす。無数(むすう)()(はな)(あわ)青白(あおじろ)(ひかり)は、(とお)全体(ぜんたい)(やわ)らかく()らし(つら)なる。


大量(たいりょう)葛葉(かずらは)湿気(しっけ)()びさせ、地面(じめん)(ちか)くに(きり)(しょう)じさせる。月光(げっこう)(きり)屈折(くっせつ)し、(ひかり)(きり)()()める。


(ある)(もの)仙境(せんきょう)(ある)錯覚(さっかく)(いだ)かせる街並(まちな)みだ。


ここの建築物(けんちくぶつ)には、彫刻(ちょうこく)装飾(そうしょく)(ほどこ)され、人工(じんこう)芝生(しばふ)()かれ、花壇(かだん)配置(はいち)されている。所々(ところどころ)に築山(つきやま)東屋(あずまや)()える。


往来(おうらい)人影(ひとかげ)(さら)(すく)ない。


二転蛊师(にてんこし)主流(しゅりゅう)()める。一転蛊师(いってんこし)にとって、入場(にゅうじょう)(ぜい)二百元石(にひゃくげんせき)だけでも(おお)きな負担(ふたん)だからだ。


第五内城(だいごないじょう)喧噪(けんそう)とは対照的(たいしょうてき)に、ここは静寂(せいじゃく)(つつ)まれている。


二人(ふたり)はさらに奥深(おくふか)くへ(すす)み、城門前(じょうもんまえ)到着(とうちゃく)した。


通行令(つうこうれい)なしで第三内城(だいさんないじょう)入場(にゅうじょう)されるなら、お二人様(ふたりさま)六百元石(ろっぴゃくげんせき)頂戴(ちょうだい)します」守衛長(しゅえいちょう)たる三転蛊师(さんてんこし)宣告(せんこく)した。


方源(ほうげん)元石(げんせき)(はら)い、こうして第三区(だいさんく)到達(とうたつ)した。


ここは第四内城(だいよんないじょう)とは(まった)(こと)なる。


あらゆる建築(けんちく)星石(せいせき)(もち)いられている。


蛊师(こし)(あいだ)(ひろ)使(つか)われる煉蛊(れんこ)補助材(ほじょざい)であるこの(いし)は、暗闇(くらやみ)(きら)めく星々(ほしぼし)の(ひかり)(はな)つ。


第三内城全域(だいさんないじょうぜんいき)星石(せいせき)(つく)られる。建物(たてもの)のみならず、街路(がいろ)()かれた石板(せきばん)までもが星石製(せいせきせい)だ。


見渡(みわた)(かぎ)り、星々(ほしぼし)の(ひかり)(つら)なり、視界(しかい)()(わた)り、光霧(ひかりぎり)(さまた)げはない。


空気(くうき)清涼(せいりょう)そのもの。楼閣(ろうかく)(べに)(みどり)(かわら)(かがや)かせ、竹林(ちくりん)銘木(めいぼく)移植(いしょく)され、築山(つきやま)(きず)かれ、泉水(せんすい)()()まれて(みず)がさらさらと(なが)れる。往来(おうらい)人影(ひとかげ)まばらで、幽邃(ゆうすい)心地(ここち)よく、(ほし)宮殿(きゅうでん)(ごと)し。


(じつ)(かね)(ちから)(すご)いものだ…」白凝冰(はくぎょうひょう)眼前(がんぜん)施設(しせつ)(ぞう)()概算(がいさん)しただけで、眩暈(めまい)がするほどの金額(きんがく)だった。


商家(しょうか)南疆(なんきょう)(とみ)頂点(ちょうてん)()つ。(だれ)かが()ったように「商家(しょうか)()()ちた腿毛(たいもう)一本(いっぽん)が、他者(たしゃ)(こし)(ふと)さを(しの)ぐ」——誇張(こちょう)めいても()()もない(はなし)ではない。


商家(しょうか)(とみ)(やま)(ごと)く、商家城(しょうかじょう)そのものが立体的(りったいてき)(とみ)(やま)だ。その商隊(しょうたい)南疆(なんきょう)全土(ぜんど)(あみ)()()る。


商家(しょうか)総富(そうふ)幾何(いくばく)か、(そと)(もの)()れるはずもない。


だが方源(ほうげん)(すく)なくとも()っている——この第三内城(だいさんないじょう)(ぞう)()だけでも、古月山寨(こげつさんさい)十数個(じゅうすうこ)(とみ)(たば)ねた総量(そうりょう)匹敵(ひってき)すると。


この区域(くいき)(いた)っては、二転蛊师(にてんこし)姿(すがた)すらほとんど()かけない。


時折(ときおり)すれ(ちが)蛊师(こし)は、ほぼ全員(ぜんいん)三転(さんてん)(いき)(たっ)している。


ここが方源(ほうげん)目指(めざ)目的地(もくてきち)だ。


さらに奥深(おくふか)(すす)めば第二内城(だいにないじょう)(いた)るが、そこへ入場(にゅうじょう)するには金銭(きんせん)問題(もんだい)ではない。商家(しょうか)発行(はっこう)通行令(つうこうれい)必須(ひっす)で、なおかつ一定(いってい)以上の(かく)必要(ひつよう)となる。


幽玄(ゆうげん)商会(しょうかい)方源(ほうげん)看板(かんばん)一瞥(いちべつ)すると、(あし)()()れた。


蛊虫(こちゅう)(あきな)(みせ)である。


「お二人様(ふたりさま)上座(かみざ)へどうぞ」


応対(おうたい)少女(しょうじょ)がすぐに(ちか)づき、(ほそ)やかな(こえ)()った。


彼女(かのじょ)()からは蛊师(こし)気配(けはい)(ただよ)う——一転(いってん)(しゅう)()だ。


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)粗末(そまつ)麻服(あさふく)をまとい、一人(ひとり)(みにく)く、一人(ひとり)()ちぶれた風貌(ふうぼう)だが、この蛊师(こし)少女(しょうじょ)(うやうや)しい態度(たいど)(くず)さない。(すぐ)れた素養(そよう)(あら)われだ。


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)上座(かみざ)案内(あんない)された。


個室(こしつ)には紫檀(したん)(つくえ)椅子(いす)彫梁画棟(ちょうりょうがとう)装飾(そうしょく)白壁(しらかべ)()けられた龍飛鳳舞(りゅうひほうぶ)書画(しょが)——筆致(ひっち)剛毅(ごうき)力強(ちからづよ)い。


窓格子(まどごうし)()しに()える(にわ)には青葉(あおば)紅花(こうか)小鳥(ことり)(さえず)りが()こえる。


蛊师(こし)少女(しょうじょ)(こう)(たか)(ちゃ)二杯(にはい)()くと退出(たいしゅつ)した。


彼女(かのじょ)退出(たいしゅつ)する背中(せなか)見送(みおく)るように、()いたる蛊师(こし)入室(にゅうしつ)してきた。


「お二方様(ふたかたさま)弊店(へいてん)へは()い求め(もとめ)に?それとも()りに?」二転(にてん)(しゅう)()を持つ()いは()みを()かべ、拱手(きょうしゅ)して()う。


()いも()りも」方源(ほうげん)(さかずき)()りながら(こた)えた。


()いたる蛊师(こし)はハハッと(わら)い、二筋(ふたすじ)(ひかり)がその(からだ)から()()した。それぞれ方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)眼前(がんぜん)()かぶ。


書虫(しょちゅう)である。


一転蛊虫(いってんこちゅう)()ぎぬが、酒虫(しゅちゅう)匹敵(ひってき)する貴重品(きちょうひん)だ。


市場(しじょう)(あらわ)れれば(またた)く間に()()められ、値段(ねだん)は付け(つけ)られても市場(しじょう)出回(でまわ)らないこと(おお)し。


(かたち)(かいこ)(さなぎ)(ごと)く、(あたま)(むね)(はら)三節(さんせつ)()かれるが、全体(ぜんたい)紡錘(ぼうすい)のように(まる)みを()びて(いと)おしい。


全身(ぜんしん)白磁(はくじ)(ごと)(かがや)きを(はな)ち、表面(ひょうめん)釉薬(うわぐすり)()けたように(なめ)らかで光沢(こうたく)がある。


()()れば陶器(とうき)上品(じょうひん)肌触(はだざわ)りだ。


書虫(しょちゅう)貯蔵類(ちょぞうるい)蛊虫(こちゅう)で、兜率花(とそつか)類似(るいじ)する。


相違点(そういてん)は——


兜率花(とそつか)物体(ぶったい)貯蔵(ちょぞう)するのに(たい)し、書虫(しょちゅう)無形(むけい)知識(ちしき)情報(じょうほう)(たくわ)える。


自爆(じばく)しても無害(むがい)(しろ)(ひかり)がぱっと()るだけだ。


「お二方様(ふたかたさま)、ごゆっくりご(らん)ください」老蛊师(ろうこし)()う。


二匹(にひき)書虫(しょちゅう)(かれ)煉化(れんか)()みで、方源(ほうげん)たちに()()されたものだ。


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)雪銀(せつぎん)真元(しんげん)一筋(ひとすじ)ずつ書虫(しょちゅう)(そそ)いだ。


書虫(しょちゅう)(またた)く間に(しろ)(ひかり)()し、二人(ふたり)眉間(みけん)()()まれていった。


(にわか)に、膨大(ぼうだい)情報(じょうほう)脳裏(のうり)(なが)()む。


その内容(ないよう)は、何度(なんど)暗誦(あんしょう)したかの(ごと)(ふか)(のう)()()けられた。


白凝冰(はくぎょうひょう)(おも)わず(した)()らした。幽玄商会(ゆうげんしょうかい)(あつか)蛊虫(こちゅう)種類(しゅるい)無数(むすう)で、()(くら)むほどだった!


(なか)には書虫(しょちゅう)酒虫(しゅちゅう)のような(めずら)しい蛊虫(こちゅう)(すく)なくない。一転(いってん)から五転(ごてん)まで、幅広(はばひろ)階級(かいきゅう)網羅(もうら)している。


無論(むろん)六転(ろくてん)絶対(ぜったい)存在(そんざい)しない。


各種(かくしゅ)蛊虫(こちゅう)には詳細(しょうさい)説明(せつめい)用途(ようと)(しる)され、価格(かかく)明示(めいじ)されている。階級(かいきゅう)(たか)貴重(きちょう)蛊虫(こちゅう)には、(とく)通行令(つうこうれい)(かく)(こま)かく注記(ちゅうき)されている。


つまり、商家(しょうか)発行(はっこう)する通行令(つうこうれい)()蛊师(こし)でなければ、これらの蛊虫(こちゅう)購入(こうにゅう)する資格(しかく)がないのだ。


方源(ほうげん)大量(たいりょう)蛊虫(こちゅう)()(あつ)める必要(ひつよう)がある。(おお)まかに()(とお)した(あと)(かれ)精神(せいしん)(おさ)め、書虫(しょちゅう)()()して()いたる蛊师(こし)(かえ)した。


(いま)(かれ)所持(しょじ)する一万(いちまん)元石(げんせき)は、これらの蛊虫(こちゅう)()()めるには到底(とうてい)()りない。


問題(もんだい)(かね)だけではない——計画(けいかく)している蛊虫(こちゅう)何種(なんしゅ)かは、通行令(つうこうれい)(かく)障壁(しょうへき)となっているのだ。


「お客様(きゃくさま)、お()()した(しな)は?(りょう)(おお)くお(もと)めになれば、弊店(へいてん)としても相応(そうおう)値引(ねび)きを(いた)します」()いたる蛊师(こし)微笑(ほほえ)みながら()った。


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)雪銀(せつぎん)真元(しんげん)()て、(かれ)口調(くちょう)一層(いっそう)丁重(ていちょう)になっていた。


方源(ほうげん)()()って()った:「(あわ)てるな。()蛊虫(こちゅう)がある」


そう()って骨槍蛊(こつそうこ)召喚(しょうかん)した。


()いたる蛊师(こし)(おどろ)かない。幽玄商会(ゆうげんしょうかい)には蛊虫(こちゅう)()いに()(もの)(おお)ければ、()りに()(もの)(すく)なくないからだ。


(かれ)骨槍蛊(こつそうこ)(つま)()り、一目(ひとめ)()るや、(おも)わず(おどろ)きの(いろ)(にじ)ませた。



骨槍蛊(こつそうこ)など、(かれ)()たこともなかった。


無論(むろん)()るはずがない。


これは灰骨(はいこつ)才子(さいし)独自(どくじ)開発(かいはつ)した蛊虫(こちゅう)で、市場(しじょう)出回(でまわ)ったことは一度(いちど)もないのだから。


「お客様(きゃくさま)、ご教示(きょうじ)(ねが)えますか」()いたる蛊师(こし)(おごそ)かな面持(おもも)ちで拱手(きょうしゅ)した。


方源(ほうげん)(かる)(うなず)き、(ちゃ)一口(ひとくち)(ふく)んで()った:「(かま)わん。これは骨槍蛊(こつそうこ)(もう)す、一族(いちぞく)伝来(でんらい)()だ。()そう、(ため)してみよ」


()いたる蛊师(こし)即座(そくざ)試演(しえん)し、沈思(ちんし)した(あと)()った:「この()一転(いってん)()ぎず、育成(いくせい)()くないが、攻撃力(こうげきりょく)(なみ)ならず、珍奇(ちんき)特性(とくせい)()つ。この()でいこう」


そう()って(てのひら)()()し、指折(ゆびお)りで数字(すうじ)(しめ)した。





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