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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第五十四節:「口を封じた者だけが清い」

(そら)陰鬱(いんうつ)()()め、雨雲(あまぐも)(ひく)(せま)り、山雨(さんう)(きた)らんとする気配(けはい)だった。


商隊(しょうたい)山道(やまみち)(おも)(くる)しく(すす)んでいた。


隊列(たいれつ)にいた(おお)きな黒甲虫(くろこがねむし)(すべ)()()え、翼蛇(よくじゃ)二匹(にひき)(のこ)るも(おのおの)不具(ふぐ)()っていた。背嚢蛙(はいのうがえる)比較的(ひかくてき)(おお)(のこ)った。(からだ)(ちい)さく機敏(きびん)で、(けもの)襲撃(しゅうげき)()(やす)かったからだ。一方(いっぽう)駝鳥(だちょう)背嚢蛙(はいのうがえる)()体躯(たいく)ながら、(おどろ)くと(あたま)(つち)()める(くせ)があった。この現実逃避(げんじつとうひ)習性(しゅうせい)(わざわ)いし、(もっと)(おお)くが死傷(ししょう)した。


商心慈(しょうしんじ)(ひと)()みに(まぎ)れ、一列(いちれつ)(なら)十数匹(じゅうすうひき)背嚢蛙(はいのうがえる)複雑怪奇(ふくざつかいき)眼差(まなざ)しで()つめていた。


これらの背嚢蛙(はいのうがえる)背負(せお)貨物(かもつ)は、かつて張家(ちょうか)のものだった。(いま)隊列(たいれつ)の中で異質(いしつ)存在(そんざい)となっていたが、まさに張家(ちょうか)財産(ざいさん)そのものだった。


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)協議(きょうぎ)参加(さんか)しなかったが、商隊(しょうたい)首脳(しゅのう)たちは依然(いぜん)として大量(たいりょう)貨物(かもつ)()()て、彼女(かのじょ)()(わた)した。


「これが実力(じつりょく)所以(ゆえん)か……」商心慈(しょうしんじ)(こころ)(うち)嘆息(たんそく)した。


以前(いぜん)張柱(ちょうちゅう)存命(ぞんめい)(ころ)首脳(しゅのう)たちの態度(たいど)淡泊(たんぱく)だった。しかし(いま)(かれ)らは丁重(ていちょう)()()い、(はなは)だしきは()(へつら)様子(ようす)さえ()せている。


蛊师(こし)たちや下僕(げぼく)たちも同様(どうよう)だ。


(いま)(かれ)らが自分(じぶん)()ける視線(しせん)には、畏敬(いけい)畏怖(いふ)()められていた。


「この変転(へんてん)のすべては、(かれ)二人(ふたり)由来(ゆらい)する」商心慈(しょうしんじ)視線(しせん)(とお)くの方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)()けた。


その眼差(まなざ)しは複雑(ふくざつ)だった。


一方(いっぽう)で、方白(ほうはく)二人(ふたり)から安心感(あんしんかん)()ている。他方(たほう)心優(こころやさ)しい彼女(かのじょ)二人(ふたり)(ひと)平然(へいぜん)(ころ)冷酷(れいこく)さに(おそ)(ふる)えていた。


「ふふふ、どうやら我々(われわれ)はあの(むすめ)随分(ずいぶん)(こわ)がらせたようだな」白凝冰(はくぎょうひょう)方源(ほうげん)(なら)んで(ある)きながら、商心慈(しょうしんじ)視線(しせん)(かん)じて(ひく)(わら)った。


欧家(おうか)父子(ふし)(ころ)してから七八日(しちはちにち)()ぎた。


影響(えいきょう)商隊(しょうたい)全体(ぜんたい)(ひろ)がり、商心慈(しょうしんじ)小蝶(こちょう)例外(れいがい)ではなかった。


小蝶(こちょう)(いま)方白(ほうはく)二人(ふたり)(まえ)では(いき)(ひそ)めるようにしている。商心慈(しょうしんじ)視線(しせん)(およ)がせ、方源(ほうげん)()()わせようとしない。


この反応(はんのう)は、方源(ほうげん)想定内(そうていない)だった。


主従(しゅじゅう)二人(ふたり)張家寨(ちょうかさい)(そだ)ち、正道(せいどう)思想(しそう)()まってきた。方白(ほうはく)二人(ふたり)魔性(ましょう)(あら)わにした(とき)彼女(かのじょ)らが(たが)いの(へだ)たりを(かん)()るのは()けられなかった。(ふたり)魔道(まどう)(もの)()()れるには、まだ(こころ)道程(どうてい)必要(ひつよう)だ。


方源(ほうげん)はこれを(うれ)えなかった。


(そと)からの圧力(あつりょく)が、彼女(かのじょ)らに()()れと妥協(だきょう)()いる。(ひと)()(つづ)けねばならない。何度(なんど)かの獣群(けものむれ)襲撃(しゅうげき)(あと)(こころ)距離(きょり)次第(しだい)()えていく。


(いま)問題(もんだい)(かれ)だ」方源(ほうげん)視線(しせん)陳鑫(ちんきん)()けた。


この(わか)蛊师(こし)は、張柱(ちょうちゅう)(とも)()げた(おとこ)らしい。以前(いぜん)白羽飛象(はくうひぞう)()(つぶ)されて肉塊(にくかい)になったと(おも)っていたが、まさか()きていたと


蛊师(こし)は、たとえ修行(しゅぎょう)(たか)くなかろうと、一二(いちに)特異(とくい)蛊虫(こちゅう)()っていれば(あなど)れない。方源(ほうげん)地聴肉耳草(ちしょうにくじそう)(うしな)い、偵察(ていさつ)手段(しゅだん)(うしな)っていたため、(かれ)()()びられた。(かれ)がどこまで真実(しんじつ)()っているのかは不明(ふめい)だ。


だが、どれほど()っていようと、方源(ほうげん)には対抗(たいこう)手段(しゅだん)がある。


(かれ)慎重(しんちょう)性格(せいかく)で、何事(なにごと)()ちより(さき)()けを(かんが)える。当初(とうしょ)計画(けいかく)()てた(とき)(ひと)()つかる可能性(かのうせい)想定(そうてい)していた。


(ゆえ)張柱(ちょうちゅう)(ころ)した(あと)、わざと強大(きょうだい)実力(じつりょく)()せつけた。(たと)(だれ)かが()づいても、方白(ほうはく)二人(ふたり)凶暴(きょうぼう)さを()れば、(おお)くは(おそ)れをなして()して(はっ)せずにいるだろう。


欧家(おうか)父子(ふし)(みずか)銃口(じゅうこう)()()んだのだ。もし欧飞(おうひ)()なければ、方源(ほうげん)(みずか)機会(きかい)(うかが)って(なん)(はっ)しただろう。あるいは獣群(けものむれ)襲撃(しゅうげき)(さい)に、強大(きょうだい)()()せていただろう。


無論(むろん)、もし(あば)かれたとしても、方源(ほうげん)には数多(あまた)反撃(はんげき)手段(しゅだん)がある。商隊(しょうたい)首領(しゅりょう)賈龍(かりゅう)格好(かっこう)(ごま)だ。


(かれ)賈富(かふ)配下(はいか)であり、方源(ほうげん)古月山寨(こげつさんさい)時代(じだい)賈富(かふ)令牌(れいはい)入手(にゅうしゅ)している。令牌(れいはい)提示(ていじ)し、(すこ)工作(こうさく)すれば、賈龍(かりゅう)信頼(しんらい)()られる。


如何(いか)なる計画(けいかく)も、(たと)完璧(かんぺき)(おも)えても、実行(じっこう)すれば(かなら)(くる)いが(しょう)じる。


謀事在人成事在天(ぼうじざいじんせいじざいてん)——(ひと)(こと)(はか)り、(てん)()す。


方源(ほうげん)経験豊富(けいけんほうふ)老獪(ろうかい)だが、失敗(しっぱい)可能性(かのうせい)はある。しかし(ゆえ)にこそ人生(じんせい)(あざ)やかに(いろど)られるのだ。


方源(ほうげん)最初(さいしょ)想定(そうてい)するのは最悪(さいあく)結末(けつまつ)だ。


もし(うん)(きわ)めて(わる)く、張柱(ちょうちゅう)殺害(さつがい)目撃(もくげき)され(うご)かぬ証拠(しょうこ)(のこ)し、商心慈(しょうしんじ)真実(しんじつ)気付(きづ)いて「(おん)(あだ)(かえ)す」(かれ)(ふか)(にく)事態(じたい)になれば——


その(とき)はどうするか?


簡明(かんめい)だ。商心慈(しょうしんじ)直接(ちょくせつ)(ころ)せばよい。


彼女(かのじょ)(いま)もただの(ぼん)(じん)だ。(ころ)すなど造作(ぞうさ)もない。商家(しょうか)族長(ぞくちょう)彼女(かのじょ)(じつ)(むすめ)とは()らない。痕跡(こんせき)(のこ)さなければ、商家(しょうか)からの(あと)(なん)はない。


結果(けっか)(かえり)みれば、張柱(ちょうちゅう)()に、方源(ほうげん)(うん)最上(さいじょう)ではなかったが()()いた。だが最悪(さいあく)でもなく、(すく)なくとも商心慈(しょうしんじ)真実(しんじつ)(まった)()らずにいる。


方源(ほうげん)はこの(てん)確信(かくしん)していた。商心慈(しょうしんじ)(わか)く、(かれ)()には(こころ)(うち)(かく)れもなく(うつ)っていたからだ。


前方(ぜんぽう)鳄象(がぞう)()れを発見(はっけん)!」


鳄象(がぞう)()れが我々(われわれ)に()かって突進(とっしん)してくる!」


警戒(けいかい)せよ!警戒(けいかい)せよ!」


その(とき)前方(ぜんぽう)から偵察(ていさつ)蛊师(こし)()(もど)り、(あく)しき()らせを(つた)えた。


商隊(しょうたい)(かす)かに動揺(どうよう)したが、(ただ)ちに平静(へいせい)を取り(とりもど)した。


鳄象(がぞう)ごとき、(あわ)てるに()らず」


()(うす)だから、固守(こしゅ)愚策(ぐさく)だ」


(しか)り!(みな)()れ!雨林(うりん)(なか)()()め!」


蛊师(こし)たちが最善(さいぜん)指令(しれい)(くだ)すと、商隊(しょうたい)(もの)たちは緊張(きんちょう)(いと)()()まっていたので、(あわ)てて()()りに雨林(うりん)()()んだ。


匪猴山(ひこうざん)以前(いぜん)なら、貨物(かもつ)()しんで躊躇(ちゅうちょ)する(もの)もいただろう。だが(いま)(かれ)らは断固(だんこ)として()て、貨物(かもつ)(ひと)(もく)もくれず()(まど)うことに専念(せんねん)した。


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)商心慈(しょうしんじ)小蝶(こちょう)(まも)りつつ、雨林(うりん)へと()()けた。


鳄象群(がぞうぐん)到来(とうらい)は、方源(ほうげん)にとって当然(とうぜん)()()きだった。(みずか)らの仕組(しく)みだからだ。


ドッシン、ドッシン……


鳄象(がぞう)()れが()(ふる)わせて(せま)り、()もなく周囲(しゅうい)悲鳴(ひめい)()がり、木々(きぎ)が()(たお)される(おと)(ひび)いた。


方源(ほうげん)商心慈(しょうしんじ)らを()雨林(うりん)慎重(しんちょう)(すす)んだが、鳄象(がぞう)(かず)(おお)く、一頭(いっとう)鉢合(はちあ)わせた。


鳄象(がぞう)(からだ)(ちい)さく、牦牛(やくぎゅう)ほどの大き(おおき)さで、敏捷(びんしょう)さを()していた。


全身(ぜんしん)(わに)のような鱗状(うろこじょう)(こう)(おお)われ、防御(ぼうぎょ)(あつ)く、白羽飛象(はくうひぞう)(はる)かに(しの)ぐ。()(わに)のそれに()て、()()()っていた。


「きゃっ!」小山(こやま)(ごと)()()んでくる鳄象(がぞう)()て、小蝶(こちょう)悲鳴(ひめい)()げた。


商心慈(しょうしんじ)顔面(がんめん)蒼白(そうはく)になった。


心配(しんぱい)無用(むよう)方源(ほうげん)は淡々(たんたん)と()(はな)ち、鳄象(がぞう)()かって猛然(もうぜん)逆突撃(ぎゃくとつげき)した。


(ひと)(ぞう)道中(どうちゅう)激突(げきとつ)し、ドッシンという轟音(ごうおん)(ひび)いた。


方源(ほうげん)二歩(にほ)後退(こうたい)し、(しろ)(ひかり)虚甲(きょこう)三度(さんど)()らめいた。一方(いっぽう)鳄象(がぞう)頭蓋骨(ずがいこつ)(くだ)け、()しぶきが()()がりながら()(めん)(たお)れ、十歩(じゅっぽ)(あま)()()された。(おお)きな樹幹(じゅかん)激突(げきとつ)して、猛然(もうぜん)()まった。


「す、すごい……!」この光景(こうけい)()小蝶(こちょう)()(まる)くした。


これは普通(ふつう)鳄象(がぞう)で、百獣王(ひゃくじゅうおう)ですらなかった。方源(ほうげん)雪銀真元(せつぎんしんげん)()ち、双豚一鱷(そうとんいちわに)(ちから)(そな)えている。対処(たいしょ)(かる)()むのは当然(とうぜん)だ。


しかし商心慈(しょうしんじ)小蝶(こちょう)は、これほど激烈(げきれつ)光景(こうけい)()たことがなかった。


張柱(ちょうちゅう)には怪力(かいりき)がなく、治療(ちりょう)蛊师(こし)だったため、戦闘(せんとう)()回避(かいひ)補助(ほじょ)(おも)だった。


方源(ほうげん)硬打硬衝(こうだこうしょう)恣意的(してき)誇張(こちょう)された戦闘(せんとう)スタイルは、主従(しゅじゅう)二人(ふたり)(ふか)印象(いんしょう)(きざ)()けた。


(やく)(いっ)时辰(とき)()鳄象群(がぞうぐん)が徐々(じょじょ)に撤去(てっきょ)し、商隊(しょうたい)(もの)たちが雨林(うりん)から続々(ぞくぞく)と(あらわ)れた。


犠牲者(ぎせいしゃ)(かぞ)えると、蛊师(こし)数人(すうにん)下僕(げぼく)十数名(じゅうすうめい)のみで、損害(そんがい)軽微(けいび)だった。


貨物(かもつ)(ととの)(なお)し、商隊(しょうたい)(ふたた)進発(しんぱつ)した。


数日後(すうじつご)(かれ)らは象牙山(ぞうげさん)地帯(ちたい)(だっ)し、墓碑山(ぼひさん)()かった。


その()半月(はんつき)(あいだ)商隊(しょうたい)黒岩熊(こくがんゆう)鉄冠鹿群(てっかんろくぐん)などの襲撃(しゅうげき)相次(あいつ)いで見舞(みま)われた。


方白(ほうはく)二人(ふたり)(つね)(そば)(まも)(つづ)けたお(かげ)で、商心慈(しょうしんじ)小蝶(こちょう)無傷(むきず)のままであった。


日夜(にちや)(とも)()ごす(なか)で、主従(しゅじゅう)二人(ふたり)態度(たいど)変容(へんよう)していった。


商心慈(しょうしんじ)方源(ほうげん)(した)しみを(おぼ)え、談笑(だんしょう)する(さい)にも()()らすことはなくなった。そして小蝶(こちょう)完全(かんぜん)方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)崇拝者(すうはいしゃ)へと()わり()てていた。


(つよ)さを崇拝(すうはい)するのは、すべての生物(せいぶつ)共通(きょうつう)する本能(ほんのう)だ。(つよ)さこそが、()(のこ)確率(かくりつ)(たか)めるからだ。


()して方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)魔道(まどう)ながら、(すじ)(とお)っている。主従(しゅじゅう)二人(ふたり)から()れば、(かれ)らは(なに)(もと)めず、(けっ)して()()さず、(おん)(かえ)すだけだ。この行為(こうい)英雄的(えいゆうてき)気概(きがい)()ちている。正道(せいどう)(もの)でさえ、これができる者がどれほどいるだろうか?


たとえ方源(ほうげん)()()(みにく)くとも、主従(しゅじゅう)二人(ふたり)(こころ)(なか)では、偽善的(ぎぜんてき)正道(せいどう)(もの)たちよりずっと(この)ましい存在(そんざい)だった。


数日(すうじつ)()商隊(しょうたい)墓碑山(ぼひさん)地界(ちかい)(はい)った。


周囲(しゅうい)にゾンビが(あらわ)(はじ)めた。墓碑山(ぼひさん)は、かつて(べつ)()()ばれていた。百年余(ひゃくねんあま)(まえ)(やま)(うえ)には(おお)きな一族(いちぞく)()んでいた。


一人(ひとり)魔道蛊师(まどうこし)がすべてを()えた。


(かれ)はその一族(いちぞく)家僕(かぼく)で、新婚(しんこん)直後(ちょくご)(うつく)しい(つま)一族(いちぞく)蛊师(こし)(うば)()られ、(はずかし)められて()(いた)らしめられた。


(かれ)(にく)しみを(こころ)奥底(おくそこ)()め、(えん)あって魔頭(まとう)「ゾンビ(おう)」の継承者(けいしょうしゃ)となった。


臥薪嘗胆(がしんしょうたん)すること(ひゃく)(ねん)(ちか)く、五转(ごてん)実力(じつりょく)()(かれ)はゾンビ(ぐん)(ひき)いて一族(いちぞく)急襲(きゅうしゅう)し、全員(ぜんいん)虐殺(ぎゃくさつ)した。そして遺体(いたい)すらも見逃(みのが)さず、ゾンビへと()えた。


すべてを()えた(あと)(かれ)山寨(さんさい)廃墟(はいきょ)巨大(きょだい)墓碑(ぼひ)()てた。


墓碑(ぼひ)には、(つま)()(きざ)まれていた。


この事件(じけん)南疆(なんきょう)震撼(しんかん)させた。


以来(いらい)、この(やま)墓碑山(ぼひさん)と呼ばれるようになった。山中(さんちゅう)にはゾンビが彷徨(さまよ)い、(けもの)通行人(つうこうにん)(ころ)して()()い、屍毒(しどく)死体(したい)(あたら)しいゾンビへと()える。


(ゆえ)墓碑山(ぼひさん)のゾンビは()えることがない。


交易路(こうえきろ)安全(あんぜん)保障(ほしょう)するため、毎年(まいとし)各家族(かくかぞく)がゾンビ()(たい)組織(そしき)し、掃討(そうとう)実施(じっし)する。


しかし如何(いか)掃討(そうとう)しても、ゾンビは()きることなく()(つづ)ける。


ゾンビ()(たい)規模(きぼ)(かぎ)られており、南疆(なんきょう)山岳(さんがく)がちで道中(どうちゅう)(けわ)しく、遠征(えんせい)には莫大(ばくだい)費用(ひよう)()かる。投資(とうし)(たい)する見返(みかえ)りは(すく)なく、墓碑山(ぼひさん)全体(ぜんたい)徹底的(てっていてき)(さが)(まわ)るわけにもいかない。一匹(いっぴき)でも()がせば、(とき)()(ふたた)びゾンビの()れが形成(けいせい)される。幾度(いくど)かの大規模(だいきぼ)共同作戦(きょうどうさくせん)(あと)世間(せけん)熱意(ねつい)()()てた。


その(よる)商隊(しょうたい)墓碑山(ぼひさん)(ふもと)駐屯(ちゅうとん)した。


星空(ほしぞら)燦然(さんぜん)(かがや)(なか)方源(ほうげん)(くろ)(しず)墓碑山(ぼひさん)(かげ)(あお)()()思量(しりょう)(ひかり)(はし)った。


時機(じき)(じゅく)した。もはや(かれ)らに利用価値(りようかち)はない。厄介者(やっかいもの)始末(しまつ)する(とき)だ」


陳鑫(ちんきん)()ぬべきだ。しかし(かれ)一人(ひとり)だけを始末(しまつ)すれば、(かえ)って面倒(めんどう)()やすだろう。(かれ)(なに)()り、(だれ)()らしたのか。彼以外(かれいがい)目撃者(もくげきしゃ)はいないのか?方源(ほうげん)には一概(いちがい)()からない。


だが方源(ほうげん)()ろうとは(おも)わない。


なぜなら(かれ)計画(けいかく)では、陳鑫(ちんきん)も、(ほか)(もの)も、全員(ぜんいん)()ぬべきだからだ。


皆殺(みなごろ)しにするのが(もっと)(きよ)らかなのだ。






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