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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第三十四節:深い誤解

翌朝(よくあさ)今度(こんど)白凝冰(はくぎょうひょう)寝床(ねどこ)(よこ)たわり、身動(みうご)きも出来(でき)ぬほどの(いた)みに(さいな)まれた。


一方(いっぽう)方源(ほうげん)回復(かいふく)し、村東端(むらひがしはし)田畑(たはた)()きに()かった。


老婆(ろうば)部屋(へや)(はい)り、気遣(きづか)って(こえ)()けた。


白凝冰(はくぎょうひょう)は「なんでもない」と(かえ)し、昨日(きのう)(はたら)()ぎただけで一日休(いちにちやす)めば(なお)ると説明(せつめい)した。


老婆(ろうば)(ふく)みのある(わら)いを()かべた:「仕事(しごと)()ぎたって?この二晩(ふたばん)夜中(よなか)(さわ)がしい物音(ものおと)()こえてきたからな」


(なん)ですって?」白凝冰(はくぎょうひょう)一瞬(いっしゅん)理解(りかい)できなかった。


「お(じょう)さん、(かく)さなくてもいいんじゃよ。(ばあ)さん、とうに見抜(みぬ)いておるわ!」老婆(ろうば)(わら)いながら()う。


白凝冰(はくぎょうひょう)瞳孔(どうこう)収縮(しゅうしゅく)した──まさか正体(しょうたい)露見(ろけん)したのか?ありえない…?(こころ)殺意(さつい)(かも)しつつも、彼女(かのじょ)()(とど)まった。



彼女(かのじょ)()ややかに(ひゃく)()兄妹(けいまい)火中(かちゅう)()()むのを傍観(ぼうかん)できた。(てき)となる運命(さだめ)だったからだ。(ほこ)(たか)彼女(かのじょ)だが、方源(ほうげん)のように無軌道(むきどう)ではなく、(おん)ある(もの)へは(やいば)()けられない。


(いま)老婆(ろうば)もそうだったし、かつての白家(はっか)族長(ぞくちょう)同様(どうよう)だった。


老婆(ろうば)白凝冰(はくぎょうひょう)(おも)(わく)(まった)気付(きづ)かず、彼女(かのじょ)()()(かる)(たた)いた:「お(じょう)さん、(ばあ)さん、この数日(すうじつ)()づいたよ、(おとこ)()つかわしくない(こし)つきじゃ!草帽(くさびょう)(かぶ)り、(くち)(つつし)むのも道理(どうり)よ。(ばあ)さん()いても(おんな)(おんな)、あの(くさ)男共(おとこども)より(すぐ)れてる(ところ)がある──(こま)やかさってやつよ」


「は?」白凝冰(はくぎょうひょう)一瞬(いっしゅん)言葉(ことば)(うしな)った。


老婆(ろうば)親身(しんみ)に、理解(りかい)のある口調(くちょう)(つづ)けた:「(ばあ)さん、()かってるよ。(なん)(おんな)じゃもの、旅路(たびじ)ではそうやって変装(へんそう)せんとね。もしもの(こと)があったら大変(たいへん)じゃからな」


白凝冰(はくぎょうひょう)言葉(ことば)(うしな)った。


彼女(かのじょ)(もっと)(きら)うのは「(おんな)」という言葉(ことば)神経(しんけい)(いど)まれることだった。だが心優(こころやさ)しい老婆(ろうば)を前に、どうしようもない無力感(むりょくかん)(おぼ)えた。


老婆(ろうば)()(ほそ)めて(わら)い、突然(とつぜん)(こえ)(ひそ)めた:「二人(ふたり)はおしどり夫婦(ふうふ)じゃろ?この二晩(ふたばん)夜中(よなか)物音(ものおと)(ばあ)さんも()いたんじゃよ。あんなこと、加減(かげん)(はか)りなさいって言うておるんじゃ、年寄(としよ)りの小言(こごと)じゃがな」



この言葉(ことば)(まさ)青天(せいてん)霹靂(へきれき)


白凝冰(はくぎょうひょう)表情(ひょうじょう)瞬間(しゅんかん)(こお)りつき、(かみなり)()たれたような衝撃(しょうげき)()けた。


「ばあさん、(ちが)うんだ…」(なが)沈黙(ちんもく)(あと)彼女(かのじょ)はやっとの(おも)いで(しぼ)()すように()い、顔面(がんめん)筋肉(きんにく)(いし)のように硬直(こうちょく)していた。


「あらまあ、()れることなんてないわよ。(なん)でも(ばあ)さんに(はな)しておいで。この(とし)まで()きてきて、()たことないものなんてないからさ!」老婆(ろうば)(まばた)きし、()()けた(くち)(さら)して(わら)った。


そして彼女(かのじょ)視線(しせん)が、わざとらしくも寝床(ねどこ)(なが)れた。


白凝冰(はくぎょうひょう)視線(しせん)()い、瞬時(またた)くに(あな)があったら(はい)りたい心境(しんきょう)となった。


とはいえ、(たし)かにこの敷布団(しきぶとん)彼女(かのじょ)(やぶ)ったものだった…


その()老婆(ろうば)はさらなる言葉(ことば)()()けたが、白凝冰(はくぎょうひょう)(あたま)(なか)混乱(こんらん)渦巻(うずま)いて、一言(ひとこと)(こころ)()められなかった。


(ひる)方源(ほうげん)食事(しょくじ)(もど)ると、老婆(ろうば)()(ぐち)(かれ)()()め、親切(しんせつ)注意(ちゅうい)した:「(ぼっ)ちゃん、女房(にょうぼう)さんが(はな)してくれたよ。(わか)いもんは気性(きしょう)()いが、自分(じぶん)(からだ)女房(にょうぼう)(からだ)(たい)(せつ)にしなきゃな。(ばあ)さんの()うこと、(おぼ)えておけよ?」


「え?」方源(ほうげん)(くち)をぽかんと()けた。その(しゅん)(かん)理解(りかい)できなかった。


老婆(ろうば)舌打(したう)ちし、不満(ふまん)げでありながら(あき)めたように:「この(ぼっ)ちゃん、まあまあ()(やつ)だけど、まじめすぎるんだよ。そんなに真面目(まじめ)だと(そん)をするぜ!」


もし古月一族(こげついちぞく)鉄神捕(てつじんほ)(ひゃく)家寨(かさい)(もの)たちがこの言葉(ことば)()いたら、おそらく生き(いきかえ)ってまた失神(しっしん)しそうだ。


方源(ほうげん)呆然(ぼうぜん)とその()()っていたが、突如(とつじょ)()(またた)き、ようやく事態(じたい)()()んだ。


「ああ…そこのとこか、へへ…」(あたま)()きながら間抜(まぬ)けた(わら)いを()らし、(あわ)てて(うなず)いた。「ばあさん、ごもっともだど、おら()かったど」


食卓(しょくたく)(かれ)白凝冰(はくぎょうひょう)(かお)()わせた。


白凝冰(はくぎょうひょう)(つめ)たい視線(しせん)(ひと)(べつ)し、全身(ぜんしん)から寒気(さむけ)(はな)つようだった。


一方(いっぽう)方源(ほうげん)目尻(めじり)(かす)かに痙攣(けいれん)(つづ)けていた。


この一件(いっけん)方源(ほうげん)警鐘(けいしょう)()らした。


方源(ほうげん)(なん)(えん)じても完璧(かんぺき)なのは、経験(けいけん)(ゆた)かで視野(しや)(ひろ)いからだ。しかし白凝冰(はくぎょうひょう)にはそれがなく、偽装(ぎそう)(ほころ)びが(しょう)じている。


(さいわ)いその(ほころ)びは些細(ささい)なもの──この()では(ぼん)人の女性(じょせい)(たび)()(とき)危険回避(きけんかいひ)のため男装(だんそう)する習慣(しゅうかん)があるのだ。


この誤解(ごかい)(むね)(つか)えを(おぼ)えながらも、方源(ほうげん)(みと)めざるを()なかった──誤解(ごかい)こそが(かえ)って偽装(ぎそう)有効(ゆうこう)役割(やくわり)()たしていると。


白凝冰(はくぎょうひょう)心情(しんじょう)(またた)()最悪(さいあく)へと転落(てんらく)した。


当夜(とうや)彼女(かのじょ)(ふたた)方源(ほうげん)(なじ)り、陽蛊(ようこ)をいつ(わた)すのか()(ただ)した。


方源(ほうげん)明言(めいげん)せざるを得なかった:「三转境(さんてんきょう)(たっ)した瞬間(しゅんかん)(かなら)(わた)す」と。


白凝冰(はくぎょうひょう)()ややかに(はな)()らした。彼女(かのじょ)方源(ほうげん)()っていた。(かれ)誠実(せいじつ)さを(しん)じるくらいなら()んだ(ほう)がましだ!だが(いま)彼女(かのじょ)陽蛊(ようこ)強奪(ごうだつ)する術策(じゅっさく)(まった)くなかった。


商家城(しょうかじょう)()いたら(すく)なくとも毒誓蛊(どくせいこ)()わねば。三只手蛊(さんぴきてこ)強奪蛊(ごうだつこ)でも()い…」(おも)(いた)り、白凝冰(はくぎょうひょう)商家城(しょうかじょう)()かう()りを一層(いっそう)(つよ)めた。


協同修行(きょうどうしゅぎょう)以外(いがい)に、方源(ほうげん)修練(しゅうれん)メニューが(ひと)()えた。


それは鳄力蛊(がりょくこ)()かした(ちから)鍛錬(たんれん)だ。


鳄力蛊(がりょくこ)今日(きょう)まで育成(いくせい)できたのは、方源(ほうげん)予想(よそう)(すこ)()えている。


最大(さいだい)功労者(こうろうしゃ)(ひゃっ)()()すべきだろう。(ひゃっ)()から()膨大(ぼうだい)鰐肉(わににく)のお(かげ)で、方源(ほうげん)鳄力蛊(がりょくこ)今日(こんにち)まで(やしな)ってこれたのだ。


さもなければ、とっくに(しょく)(りょう)(なん)(いのち)()としていた。



鳄力蛊(がりょくこ)黒白豕蛊(こくびゃくしこ)同様(どうよう)永続的(えいぞくてき)蛊师(こし)(ちから)()()だ。


だが六转境(ろくてんきょう)以前(いぜん)蛊师(こし)肉体(にくたい)凡胎(ぼんたい)のまま。まるで(ちい)さな(わん)(みずうみ)(ぜん)(たい)宿(やど)せない(ごと)く、蛊师(こし)肉体(にくたい)には限界(げんかい)がある。


(ゆえ)に、方源(ほうげん)以前(いぜん)鳄力蛊(がりょくこ)使(つか)えなかった。(さいわ)白骨山(はっこつざん)鉄骨蛊(てっこつこ)玉骨蛊(ぎょっこつこ)()にし、両方共(りょうほうとも)消耗類(しょうもうるい)()で、各々(おのおの)に長所(ちょうしょ)があり、甲乙(こうおつ)()(がた)く、永続的(えいぞくてき)蛊师(こし)骨格(こっかく)強化(きょうか)することができる。


()選択(せんたく)蛊师(こし)未来(みらい)方向性(ほうこうせい)決定(けってい)する。


蛊师(こし)()(もち)いるには(おお)くの(かんが)えが(よう)る。併用(へいよう)不可(ふか)()もあれば、相乗効果(そうじょうこうか)(いち)()(いち)()より(おお)きくなる組合(くみあ)わせも存在(そんざい)する。


(たと)えば白凝冰(はくぎょうひょう)使用(しよう)した冰肌蛊(ひょうきこ)によって、全身(ぜんしん)(はだ)は「冰肌(ひょうき)」と()った。冰肌(ひょうき)発汗(はっかん)出血(しゅっけつ)抑制(よくせい)するため、彼女(かのじょ)今後(こんご)血汗蛊(けっかんこ)」のような()使(つか)えなくなった。


玉骨蛊(ぎょっこつこ)使用後(しようご)凡骨(ぼんこつ)玉骨(ぎょっこつ)へと変容(へんよう)した。冰肌(ひょうき)玉骨(ぎょっこつ)(たが)いに()(かがや)いていて、(きわ)めて(すぐ)れた組み合わせといえる。


だが各人(かくじん)必要(ひつよう)(こと)なり、冰肌玉骨(ひょうきぎょっこつ)白凝冰(はくぎょうひょう)(かな)っても、方源(ほうげん)には適合(てきごう)しない。


商家城(しょうかじょう)存在(そんざい)する伝説(でんせつ)()念頭(ねんとう)()けば、方源(ほうげん)計画(けいかく)(もっと)(のぞ)ましい組み(くみあ)わせ効果(こうか)は「鋼筋鉄骨(こうきんてっこつ)」である。


白骨山(はっこつざん)から鉄骨蛊(てっこつこ)獲得(かくとく)できたのは、(かれ)にとって(ねが)ったり(かな)ったりだった。


鉄骨蛊(てっこつこ)使用(しよう)後の(いま)方源(ほうげん)全身骨格(ぜんしんこっかく)鋼鉄(こうてつ)(ごと)硬質(こうしつ)()した。基礎体力(きそたいりょく)増強(ぞうきょう)で、既存(きぞん)二猪(にちょ)(ちから)(くわ)え、(さら)一鳄(いちが)(ちから)をも()()める(うつわ)となった。


(かれ)膂力(りょりょく)刻一刻(こくいっこく)強化(きょうか)されている。


七日間(なのかかん)(またた)く間に()()った。


当初(とうしょ)約束(やくそく)(したが)い、方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)老村長(ろうそんちょう)から紫楓葉(しふうよう)()んだ(ひと)(だい)荷車(にぐるま)を受け(うけと)った。


この(しな)価値(かち)(きわ)めて(ひく)く、荷車(にぐるま)一杯(いっぱい)でも元石(げんせき)二枚(にまい)にも()たない。方源(ほうげん)()にも(かい)さない。偽装(ぎそう)(にせ)通行証(つうこうしょう)として、商隊(しょうたい)への合流(ごうりゅう)のただの足掛(あしか)かりに()ぎないのだ。


商隊(しょうたい)到着(とうちゃく)老村長(ろうそんちょう)予想(よそう)より(さら)三日(みっか)(おく)れた。


(とお)()()(いた)って、ようやく商隊(しょうたい)(おそ)ればせながら(あらわ)れた。


平穏(へいおん)だった山村(さんそん)突如(とつじょ)活気(かっき)づいた。


商隊(しょうたい)規模(きぼ)膨大(ぼうだい)だ。


バス(きゅう)巨体(きょたい)(ほこ)黒甲虫(こっこうちゅう)貨物(かもつ)(ひと)背負(せお)い、()()うようにゆっくり(あゆ)みを(すす)める。


その(かたわ)らでは、色彩鮮(しきさいあざ)やかな蛇鳥鶏(じゃとりどり)荷車(にぐるま)()き、山地蜘蛛(さんちぐも)背中(せなか)には貨物箱(かもつばこ)(くく)()けられている。(つばさ)ある(へび)はくねりながら前進(ぜんしん)し、蟾蜍(ひきがえる)(おお)きな(つつ)みを(かつ)いでいる。


これら坐騎蛊(きょくこ)隊列(たいれつ)主体(しゅたい)()し、その外縁(がいえん)には(うし)(うま)ロバ(しゃ)()竹篭(たけかご)背負(せお)大勢(おおぜい)凡人(ぼんじん)(つづ)く。


今年(ことし)商隊(しょうたい)(つい)()たぞ!」


(へび)()(たび)に、心臓(しんぞう)()まりそうになる」


蛊師(こし)(さま)本当(ほんとう)(すご)い!あの凶悪(きょうあく)大蛇(だいじゃ)大人(おとな)しく(したが)わせるとは」


塩漬(しおづ)(にく)()れればいい。高値(たかね)(のぞ)まん。(くだ)けた元石(げんせき)(いく)つかあれば、それでありがたがるさ」


「そうだな、(おれ)たちには他所者(よそもの)ほどの(うん)はめぐってこん」


村長(そんちょう)(ひい)きし()ぎる!あの紫楓葉(しふうよう)荷車(にぐるま)(まる)ごと(わた)しやがった!」


村人(そんじん)村口(むらぐち)臨時(りんじ)露店(ろてん)(なら)べ、方源(ほうげん)たちも紫楓葉(しふうよう)荷車(にぐるま)()きずりながらその(なか)(まぎ)()んでいた。


ここの(もの)(なか)には地元(じもと)村人(そんじん)もいれば、他所(よそ)から()()け、(みずか)らの荷物(にもつ)(たずさ)えた(もの)もいる。


(ひと)(あつ)まる(ところ)利害(りがい)(あらそ)いあり――


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)(むら)東端(ひがしはし)七日間(なのかかん)(くわ)(ふる)ったとしても、紫楓葉(しふうよう)荷車(にぐるま)一台(いちだい)には周囲(しゅうい)村民(そんみん)(そね)みと(あか)()(あつ)めた。


方源(ほうげん)無論(むろん)、これらの言葉(ことば)(こころ)()めない。


(かれ)視線(しせん)(しず)かに往来(おうらい)する商隊(しょうたい)の面々(めんめん)を()っている。


この商隊(しょうたい)()(あつ)めの隊列(たいれつ)で、(おお)くの家族勢力(かぞくせいりょく)(つか)になったものだ。賈家商隊(かかしょうたい)のように賈家(かか)主体(しゅたい)とするものとは(こと)なる。公推(こうすい)首領(しゅりょう)(のぞ)けば、一団(いちだん)副頭(ふくがしら)たちが(れん)なっており、連合軍(れんごうぐん)さながらの様相(ようそう)だ。


これは方源(ほうげん)にとって好都合(こうつごう)だった。


商隊(しょうたい)構造(こうぞう)複雑(ふくざつ)であればあるほど、(もぐ)()(すき)()えるのだ。


「おい、その荷車(にぐるま)紫楓葉(しふうよう)(いく)らで()るんだ?」()もなく()()(こえ)()けてきた。


二個半(にこはん)元石(げんせき)だ」方源(ほうげん)(こた)えた。


二個半(にこはん)(かす)()りに()たのか!」来訪者(らいほうしゃ)()見開(みひら)いた。


()うか()わないかはお(まえ)勝手(かって)だ!」白凝冰(はくぎょうひょう)横合(よこあ)いから(くち)()した。


「ちっ!」相手(あいて)(いか)って(そで)(はら)って()っていった。


()荷物(にもつ)()ってしまえば、商隊(しょうたい)への()(めい)口実(こうじつ)(うしな)う。そのため、わざと高値(たかね)()()け、やがて三人(さんにん)()()をいかにも取り(とりみだ)してその()()らせたのだった。



()()れるまで、紫楓葉(しふうよう)荷車(にぐるま)一本(いっぽん)()れなかった。一方(いっぽう)(ほか)(もの)たちの薬草(やくそう)塩漬(しおづ)(にく)牛乳(ぎゅうにゅう)などは大半(たいはん)()(わた)った。


商隊(しょうたい)人数(にんずう)膨大(ぼうだい)なだけに、これらの補給品(ほきゅうひん)必要(ひつよう)だったのだ。


(おお)くの(もの)方白(ほうはく)二人(ふたり)嘲笑(あざわら)い、(なか)には露骨(ろこつ)(あざけ)(もの)もいた。()(しん)ある(もの)適切(てきせつ)値下(ねさ)げを(すす)めたが、二人(ふたり)一切(いっさい)()()れなかった。


(よる)(とばり)()りると、方源(ほうげん)意気消沈(いきしょうちん)した様子(ようす)(よそお)い、紫楓葉(しふうよう)荷車(にぐるま)()いて老村長(ろうそんちょう)(いえ)()かった。


老村長(ろうそんちょう)事情(じじょう)()嘆息(たんそく)した:「お(まえ)たちは…二個(にこ)元石(げんせき)()れれば上々(じょうじょう)、一個半(いっこはん)でも()しとせよと()ったのに。どうして(おれ)()うことを()かん?二個半(にこはん)とは(あき)れた()()けたものだ!」






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