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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第三十二節: 修行依存症!

方源(ほうげん)(おどろ)いて(ただ)ちに停止(ていし)した。


(かれ)酒虫(しゅちゅう)(もち)いたことはあれど、それは真元(しんげん)洗練(せんれん)品質(ひんしつ)一小境界(いっしょうきょうかい)向上(こうじょう)させるだけ。これほど格差(かくさ)(おお)きい雪銀真元(せつぎんしんげん)など使(つか)ったことがあるはずがない。


()むを()ず、方源(ほうげん)一回(いっかい)使用量(しようりょう)()らし、洗練(せんれん)強度(きょうど)緩和(かんわ)した。


真元(しんげん)品質(ひんしつ)(たか)すぎることも欠点(けってん)とはな」方源(ほうげん)(すこ)(こま)()てた様子(ようす)()った。


暗闇(くらやみ)(なか)白凝冰(はくぎょうひょう)はその言葉(ことば)()き、(おも)わず(しろ)()()いた。


(なん)たる奇縁(きえん)


(ほか)(もの)()れば、(いか)りに方源(ほうげん)一撃(いちげき)(たた)()ろうというところだ。


まさしく幸福(こうふく)(なや)みである。


二时辰(にじこん)経過(けいか)、ようやく六分(ろくぶ)雪銀真元(せつぎんしんげん)消耗(しょうもう)()くされた。


たった一度(いちど)修行(しゅぎょう)で、粗削(あらけず)りだった石膜(せきまく)(みが)きをかけた(かがや)きを()び、まるで荒玉(あらだま)研磨(けんま)()けて円潤(えんじゅん)質感(しつかん)(あらわ)(はじ)めたようだ。


(はや)く、(はや)く、(つぎ)一割(いちわり)を」方源(ほうげん)()かした。


かくして修行(しゅぎょう)()()れた一夜(いちや)()ぎた。


(にわ)(にわとり)(とき)()げ、(まど)(そら)薄明(うすあか)らみ(はじ)めた(ころ)方源(ほうげん)()見開(みひら)いた。


その(ひとみ)には神采(しんさい)(さん)(ぜん)(ひか)り、(さえぎ)()れぬ興奮(こうふん)があふれていた。


(てのひら)()(おさ)めると、(かれ)(こぶし)(にぎ)りしめた:「一転巅峰(いってんてっぽう)だ!」


この一夜(いちや)修行(しゅぎょう)で、一転高階(いってんこうかい)から一転巅峰(いってんてっぽう)昇格(しょうかく)したのだ。


(なん)たる速度(そくど)


方源(ほうげん)前世(ぜんせ)(ふく)修行歴(しゅぎょうれき)において、今夜(こんや)ほど爽快(そうかい)痛快(つうかい)経験(けいけん)(いま)だかつてなかった。


すでに()みつきも同然(どうぜん)だ。


比喩(ひゆ)をするなら――


かつて丙等(へいとう)資質(ししつ)だった(ころ)は、蜗牛(かたつむり)のような(あゆ)みでしかなかった。酒虫(しゅちゅう)(もち)いた(のち)歩行(ほこう)できる程度(ていど)甲等(こうとう)資質(ししつ)天元宝莲(てんげんほうれん)()てからは奔跑(ほんそう)(ごと)くだった。


「ちくしょ!この骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)使(つか)えば(つばさ)()やしたも同然(どうぜん)(そら)()べるわ!」


白凝冰(はくぎょうひょう)表情(ひょうじょう)心底(しんそこ)から(ふる)()がっていた。


彼女(かのじょ)(せつ)のように()んだ頭脳(ずのう)即座(そくざ)気付(きづ)いた──この()には(さら)巨大(きょだい)役割(やくわり)存在(そんざい)することを。


「この()手強(てごわ)さ、おそらく大境界(だいきょうかい)突破(とっぱ)をも可能(かのう)にするだろう!」


酒虫(しゅちゅう)向上(こうじょう)させるのは小境界(しょうきょうかい)のみ。大境界(だいきょうかい)突破(とっぱ)には蛊師(こし)(みずか)らの真元(しんげん)必要(ひつよう)ゆえ、資質(ししつ)重要視(じゅうようし)される。


だが骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)(ゆう)すれば、突破(とっぱ)(とき)他人(たにん)空窍(くうこう)()()けられる!


これほどの圧倒的(あっとうてき)優位(ゆうい)があろうか!


「この()さえあれば白骨山(はっこつざん)絶対(ぜったい)元取(もとど)れだ。天元宝莲(てんげんほうれん)犠牲(ぎせい)にしても(あたい)する」


その(とき)(あさ)(ひかり)農家(のうか)部屋(へや)()()み、白凝冰(はくぎょうひょう)(ふか)いため(いき)()らした:「天下(てんか)英才(えいさい)(なん)(おお)いことか!」


灰骨才子(はいこつさいし)四转蛊师(してんこし)()ぎないが、よくも骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)開発(かいはつ)したものだ。(まこと)異才(いさい)である!


称号(しょうごう)ある蛊师(こし)(みな)並外(なみはず)れた(ところ)()つ。比較(ひかく)すれば、方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)二人(ふたり)(いま)なお()もなき存在(そんざい)()ぎぬ。


……


太陽(たいよう)真上(まうえ)()りつける農地(のうち)で。


(ばあ)さん、ゆっくり(やす)んでて。おらが手伝(てつだ)うど」方源(ほうげん)老婆(ろうば)()から(くわ)(うば)()った。


老婆(ろうば)(わか)力強(ちからづよ)方源(ほうげん)(あらが)えず、道具(どうぐ)()られながらも(かえ)って(うれ)しそうに(くち)(ゆが)めた:「あらまあ、こんな若者(わかもの)どこにいるもんかねえ」


(はじ)めての双修(そうしゅう)から二日(ふつか)経過(けいか)


当初(とうしょ)一泊(いっぱく)予定(よてい)だったが、骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)効果(こうか)修業(しゅぎょう)爆速(ばくそく)(すす)快感(かいかん)(ひた)った方源(ほうげん)計画(けいかく)変更(へんこう)(すく)なくとも二転境(にてんきょう)突破(とっぱ)するまで滞在(たいざい)することに()めた。


あの(いし)()つかるまで二、三年(にさんねん)猶予(ゆうよ)がある。(いそ)必要(ひつよう)などなかった。


白凝冰(はくぎょうひょう)異議(いぎ)(とな)えなかった。二转境(にてんきょう)一转境(いってんきょう)()絶大(ぜつだい)だ。二転蛊师(にてんこし)となれば()後の旅路(たびじ)(はか)()れぬ(たす)けとなる。


かくして二人(ふたり)(むら)居座(いすわ)(つづ)けた。


老婆(ろうば)()らを()()てようとはしない。


(じつ)のところ、彼女(かのじょ)二人(ふたり)永遠(えいえん)()てくれたらと(ねが)っている。仕事(しごと)勤勉(きんべん)だし、一人(ひとり)口下手(くちべた)一人(ひとり)不器量(ぶきりょう)ながら、どちらもおとなしい()なのだから。


方源(ほうげん)白凝冰(はくぎょうひょう)昼間(ひるま)農作業(のうさぎょう)手伝(てつだ)う。一人(ひとり)二猪(にちょ)(ちから)を、一人(ひとり)一鳄(いちが)(ちから)()ち、凡人(ぼんじん)(なか)では(かみ)がかり的な怪力(かいりき)農作業(のうさぎょう)など朝飯前(あさめしまえ)だ。()して(ひと)()らしの老婆(ろうば)重労働(じゅうろうどう)がどれほどあるというのか?


毎日(まいにち)二、三刻(にさんこく)しか(ねむ)らずとも、二人(ふたり)(なお)元気(げんき)溌剌(はつらつ)


野宿(のじゅく)風餐露宿(ふうさんろしゅく)明日(あす)をも()れぬ()らしと(くら)べれば、(てん)楽園(らくえん)同然(どうぜん)だ。


方源(ほうげん)寸刻(すんこく)()しんで修業(しゅぎょう)没頭(ぼっとう)、まるで中毒(ちゅうどく)のように。


骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)による修業(しゅぎょう)速度(そくど)は「一目千里(いちもくせんり)」と(ひょう)しても()ぎない。


初夜(しょや)一転巅峰(いってんてっぽう)(たっ)し、以来(いらい)着実(ちゃくじつ)基盤(きばん)(かた)め、空窍(くうこう)四壁(しへき)()(とお)水晶(すいしょう)(ごと)(かがや)きへと変貌(へんぼう)した。この調子(ちょうし)なら、二転境(にてんきょう)突破(とっぱ)数日(すうじつ)のうちだろう。


修行(しゅぎょう)(かさ)ねるにつれ、骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)方源(ほうげん)(こころ)における地位(ちい)急騰(きゅうとう)し、血颅蛊(けつろこ)天元宝莲(てんげんほうれん)凌駕(りょうが)し、春秋蝉(しゅんじゅうせみ)()存在(そんざい)となった。


酒虫(しゅちゅう)()うに(およ)ばず、一小境界(いっしょうきょうかい)向上(こうじょう)しかもたらさず、骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)()ではない。血颅蛊(けつろこ)投資(とうし)膨大(ぼうだい)回収(かいしゅう)までに時間(じかん)()かりすぎる。天元宝莲(てんげんほうれん)有用(ゆうよう)だが、単独(たんどく)蛊师(こし)にしか恩恵(おんけい)(あた)えられない。


白凝冰(はくぎょうひょう)賛辞(さんじ)()りれば、この骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)こそ天下(てんか)勢力図(せいりょくず)()()える()である。


この評価(ひょうか)誇張(こちょう)など微塵(みじん)もなく、方源(ほうげん)(こころ)から同感(どうかん)した。


骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)階位(かいい)(ひく)く、一転(いってん)二転(にてん)蛊师(こし)でも使用(しよう)可能(かのう)だ。合炼条件(ごうれんじょうけん)(すく)なくないものの、要求水準(ようきゅうすいじゅん)(しん)(ひく)く、一族(いちぞく)財力(ざいりょく)蓄積(ちくせき)さえあれば()煉製(れんせい)困難(こんなん)ではない。


この()一匹狼(いっぴきおおかみ)には魅力(みりょく)(うす)いが、家族(かぞく)門派(もんぱ)にとっては神器(しんき)


これにより一族(いちぞく)長老(ちょうろう)後輩(こうはい)支援(しえん)すれば、蛊师育成(こしいくせい)時間(じかん)資金(しきん)何倍(なんばい)削減(さくげん)できる。


骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)がある時点(じてん)で、最早(もはや)蛊师(こし)育成(いくせい)ではなく蛊师(こし)量産(りょうさん)という意味(いみ)だ。


これこそが(てん)()(へだ)たりである。


この()がきっかけで、方源(ほうげん)昨日(きのう)ついに決意(けつい)()るがされ、転生(てんせい)以来(いらい)計画(けいかく)変更(へんこう)単独行動(たんどくこうどう)から勢力(せいりょく)樹立(じゅりつ)へと転換(てんかん)しようかという衝動(しょうどう)()られた。


組織体制(そしきたいせい)というものは所詮(しょせん)道具(どうぐ)()ぎず、利用(りよう)すればそれでよいのだ。


前世(ぜんせ)方源(ほうげん)血翼魔教(けつよくまきょう)(きず)いていたため、今世(こんせ)勢力(せいりょく)構築(こうちく)するのはお()のものだ。


しかし勢力(せいりょく)()てる最大(さいだい)目的(もくてき)はただ(ひと)つ——縄張(なわば)りを(うば)資源(しげん)占有(せんゆう)し、階層的(かいそうてき)管理(かんり)でもって他者(たしゃ)(ちから)集中(しゅうちゅう)させ、(みずか)らの修行(しゅぎょう)(はい)するためである。


蛊师(こし)修行(しゅぎょう)(なが)れに(さか)らう(ふね)(ごと)く、(さら)蓄積(ちくせき)過程(かてい)である。当然(とうぜん)資源(しげん)(よう)する。


(ゆえ)五转蛊师(ごてんこし)とそれ以下の(もの)は、組織(そしき)支援(しえん)があれば、(かなら)修行(しゅぎょう)容易(ようい)となる。(しか)るに六转(ろくてん)()えれば質的変化(しつてきへんか)()き、超凡成仙(ちょうぼんせいせん)天威(てんい)()(あつ)める段階(だんかい)(いた)れば、組織(そしき)無用(むよう)となる。


この要点(ようてん)()まえれば、方源(ほうげん)計画(けいかく)容易(ようい)理解(りかい)できよう。


前世(ぜんせ)資源(しげん)調達(ちょうたつ)のため血翼魔教(けつよくまきょう)(きず)いた方源(ほうげん)だが、転生(てんせい)した今世(こんせ)数多(あまた)密蔵(みつぞう)伝承(でんしょう)()る。これらを(ひと)()めすれば、六転境(ろくてんきょう)まで自由自在(じゆうじざい)かつ(すみ)やかに()(すす)めるのに、何故(なぜ)二度(にど)労力(ろうりょく)(ついや)勢力(せいりょく)()必要(ひつよう)があろう?


しかし骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)獲得(かくとく)で、()勢力(せいりょく)()てる場合(ばあい)以前(いぜん)想定(そうてい)より(はる)かに迅速(じんそく)かつ容易(ようい)となる。投入(とうにゅう)資源(しげん)(すく)なく、効果(こうか)格段(かくだん)(はや)く、蛊师量産(こしりょうさん)瞬時(またた)くに戦力(せんりょく)(かた)づくれる。


(しか)方源(ほうげん)熟考(じゅっこう)(かさ)ね、今朝(けさ)(いた)って勢力結成(せいりょくけっせい)への衝動(しょうどう)完全(かんぜん)()()せていた。


もし骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)勢力(せいりょく)()てようものなら、それは自殺行為(じさつこうい)(ほか)ならない。


こんな神器(じんぎ)露見(ろけん)すれば、大勢力(だいせいりょく)すべての標的(ひょうてき)にされるのは必定(ひつじょう)だ。


新規参入者(しんきさんにゅうしゃ)()うに(およ)ばず、一縷(いちる)基盤(きばん)(ゆう)する族長(ぞくちょう)ですら、この()大胆(だいたん)運用(うんよう)できまい。


周囲(しゅうい)(ねた)みを()うに()まっている!


南疆(なんきょう)第一位(だいいちい)武家(ぶけ)ですら、単独使用(たんどくしよう)はおそらく不可能(ふかのう)だ。


骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)大規模使用(だいきぼしよう)には、武家(ぶけ)飛家(ひか)鉄家(てっか)商家(しょうか)(ごと)超大勢力(ちょうだいせいりょく)合同联盟(ごうどうれんめい)(むす)び、天下(てんか)貪欲(どんよく)(ふせ)()るほどが必要(ひつよう)だと、方源(ほうげん)推測(すいそく)した。


「もし(わたし)勢力(せいりょく)(きず)こうものなら、萌芽(ほうが)段階(だんかい)包囲殲滅(ほういせんめつ)されよう。たとえ()()びても、苦心(くしん)して(きず)いた基盤(きばん)水泡(すいほう)()す。挙句(あげく)()てには喪家(そうか)(いぬ)()し、万人(ばんにん)()われる()となる」


方源(ほうげん)完全(かんぜん)冷静(れいせい)()(もど)し、この(みち)死路(しろ)であることを見極(みきわ)め、単独突破(たんどくとっぱ)という今世(こんせ)大戦略(だいせんりゃく)への決意(けつい)(ふたた)(かた)めた。


「しかし百生百華(ひゃっせいひゃっか)慧眼(けいがん)には感服(かんぷく)する。前世(ぜんせ)では骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)利用(りよう)正道双星(せいどうそうせい)へと成長(せいちょう)したが、ついにこの(ちから)百家(ひゃっか)勢力拡大(せいりょくかくだい)(もち)いなかった。それに(くわ)意図的(いとてき)誤導(ごどう)(かさ)ねたため、骨肉团圆蛊(こつにくだんえんこ)名声(めいせい)こそ(ひろ)まったものの、その真価(しんか)世間(せけん)過小評価(かしょうひょうか)させたのだ」


方源(ほうげん)(いま)()(かえ)れば、この正道双星(せいどうそうせい)知恵(ちえ)察知(さっち)した。白骨山(はっこつざん)での行動(こうどう)では、(かれ)天才(てんさい)兄妹(きょうだい)萌芽(ほうが)のうちに扼殺(やくさつ)しようと(くわだ)てており、それは(おお)きな収穫(しゅうかく)になるはずだった。しかし(ぎゃく)(かれ)らに機縁(きえん)(あた)える結果(けっか)となり、灰骨才子(はいこつさいし)伝承(でんしょう)(なに)かの異変(いへん)(ひら)かせる結果(けっか)となった。


(いま)(かれ)らは行方不明(ゆくえふめい)だが、方源(ほうげん)には予感(よかん)があった──いつか(かなら)ずこの正道双星(せいどうそうせい)再会(さいかい)すると。


(かんが)()むほど(あたま)(いた)む。方源(ほうげん)灼熱(しゃくねつ)()(もと)(くわ)()るいながら(くび)()り、拡散(かくさん)した思考(しこう)収束(しゅうそく)させた。


とどのつまり、これらは(すで)重要(じゅうよう)ではなく、(かんが)えても無駄(むだ)だったのだ。


()しいかな、才思蛊(さいしこ)彗心蛊(すいしんこ)玲瓏蛊(れいろうこ)思绪如电蛊(しょじょにょでんこ)など、思考(しこう)(たす)ける()(いま)()ていない。最悪(さいあく)でも书虫(しょちゅう)一匹(いっぴき)でもあれば間に()うのだが。商家城(しょうかじょう)購入(こうにゅう)するしかあるまい」


老婆(ろうば)農地(のうち)は元々(もともと)(せま)く、方源(ほうげん)(またた)く間に半分(はんぶん)(たがや)した。白凝冰(はくぎょうひょう)はその様子(ようす)面白(おもしろ)(おも)い、(みずか)(すす)んで仕事(しごと)()()けた。


彼女(かのじょ)はかつて青茅山(せいぼうざん)農夫(のうふ)耕作(こうさく)()たことがあった。しかし当時(とうじ)(いま)混沌(こんとん)とし人生(じんせい)(みち)見定(みさだ)めていなかった。(いま)(こと)なり、(みずか)(きょう)()()きつつも(こころ)(たし)かな(みち)(いだ)き、その(なか)妙味(みょうみ)(あじ)わおうとしていた。


(くれ)(こく)二人(ふたり)老婆(ろうば)(いえ)(まえ)夕餉(ゆうげ)()った。


「お二人(ふたり)きっと(はら)()ったでしょ、(なべ)には(いも)がまだたっぷりあるから腹一杯(はらいっぱい)()えよ!」老婆(ろうば)()(ほそ)めて茶碗(ちゃわん)二杯(にはい)山盛(やまも)りの(めし)()った。


この(めし)勿論(もちろん)飯袋草(はんたいそう)精米(せいまい)などではなく、雑穀(ざっこく)である。


だが方白(ほうはく)二人(ふたり)()(きら)いなど()(もの)ではない。


二人(ふたり)ゆっくり()えよ、(ばあ)さんお(まえ)たちにいい()らせを(おし)えてやるつもりじゃ」食卓(しょくたく)老婆(ろうば)(なに)やら()(ごと)をほのめかすように(わら)った。




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