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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔子出山
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第二十八節:無足鳥よ、羽ばたけ!天翔けるがいい!

()()けろ!


足下(あしもと)密道(みつどう)(まえ)(しょ)()(ゆう)(なが)さに(かん)じられる。しかしどんなに(なが)旅路(たびじ)にも終点(しゅうてん)はある。


(ひと)つの(ひかり)(ほう)(はく)視界(しかい)(あらわ)れ、次第(しだい)(ひろ)がっていく。


出口(でぐち)だ!」白凝冰(はくぎょうひょう)(おも)わず(さけ)んだ。


前世(ぜんせ)(うわさ)では、この密道(みつどう)白骨山(はっこつざん)断崖絶壁(だんがいぜっぺき)(つう)じている」


方源(ほうげん)(くち)()かず黙々(もくもく)と(はし)(つづ)け、(こころ)(なか)(かんが)えを(めぐ)らせている。


(うしな)った百生(ひゃくせい)百花(ひゃっか)兄妹(きょうまい)感謝(かんしゃ)すべきだ。()らの(じょう)(ほう)方源(ほうげん)をここへ(いざな)い、()らの犠牲(ぎせい)方源(ほうげん)骨肉团圆蛊(こつにくえんがんこ)()にさせたのだ。


突然(とつぜん)(うし)ろから緊迫(きんぱく)した足音(あしおと)(ひび)いてきた。


「ようやく()いついた!」


「あの(ぞく)どもを()つけた!」


()がすものか!」


百家(ひゃっか)蛊師(こし)たちは殺気立(さっきだ)って、追撃(ついげき)をかけてきた。


百家族長(ひゃっかぞくちょう)先頭(せんとう)()り、数名(すうめい)家老(かろう)がすぐ(うし)ろを()う。(せま)密道(みつどう)百家(ひゃっか)(もの)らを(なが)々(なが)と(れつ)()ばしていた。


直撞蛊(ちょくどうこ)


突然(とつぜん)一人(ひとり)家老(かろう)(きゅう)加速(かそく)し、砲弾(ほうだん)のように()()すと、方源(ほうげん)との距離(きょり)()めてきた。


白凝冰(はくぎょうひょう)!」方源(ほうげん)(さけ)ぶ。


白凝冰(はくぎょうひょう)()()いしばり、(てのひら)(うし)ろへ(ひと)(はら)いする。


血月蛊(けつげつこ)


(シュッ!)


(かろ)やかな(おと)(とも)()(やいば)飛翔(ひしょう)し、後方(こうほう)家老(かろう)直撃(ちょくげき)。その突進(とっしん)(はば)んだ。


しかし直後(ちょくご)密道(みつどう)(いろど)りの(ひかり)炸裂(さくれつ)し、無数(むすう)遠距離攻撃(えんきょりこうげき)(ほう)(はく)二人(ふたり)(はな)たれた。


白凝冰(はくぎょうひょう)()()れ!」


方源(ほうげん)(ふたた)(さけ)び、天蓬蛊(てんぽうこ)彼女(かのじょ)()(あた)える。


白凝冰(はくぎょうひょう)同時(どうじ)天蓬蛊(てんぽうこ)鉄刺荆棘蛊(てっしけいきょくこ)催動(さいどう)し、(さら)氷肌(ひき)防御(ぼうぎょ)(くわ)え、(みっ)つの防御(ぼうぎょ)同時(どうじ)駆使(くし)して攻撃(こうげき)(おお)(はん)()らった。


百家(ひゃっか)、お(まえ)たちは二人(ふたり)(しょう)(しゅ)行方(ゆくえ)()りたくないのか?」方源(ほうげん)(さけ)ぶ。


百家(ひゃっか)蛊師(こし)たちは百生(ひゃくせい)百花(ひゃっか)依然(いぜん)として(ほう)(はく)拘束(こうそく)されていると(おも)()んでいた。この言葉(ことば)()いて攻勢(こうせい)即座(そくざ)停滞(ていたい)した。


()え!()一族(いちぞく)(しょう)(しゅ)をどうした!?」


二人(ふたり)(なに)かあれば貴様(きさま)らは(みじ)めな末路(まつろ)辿(たど)るぞ!」


()()(かえ)せ!」


百家族長(ひゃっかぞくちょう)逆上(ぎゃくじょう)して(くる)ったように、()()ばすと(つめ)たい(ひかり)(たば)()()した。


寒魚蛊(かんぎょこ)


この()手裏剣(しゅりけん)ほどの(おお)きさで、(ちい)さな(さかな)のような(かたち)をしており、空中(くうちゅう)曲線(きょくせん)(えが)きながら追跡(ついせき)効果(こうか)発揮(はっき)する。


方源(ほうげん)はむっと(うめ)(ごえ)()げ、()けきれず寒魚蛊(かんぎょこ)()たれた。


(またた)()寒気(かんき)(かれ)全身(ぜんしん)(つつ)み、移動速度(いどうそくど)急激(きゅうげき)低下(ていか)した。


隠鱗蛊(いんりんこ)


方源(ほうげん)心念(しんねん)(うご)かすと、全身(ぜんしん)波光(はこう)蕩漾(とうよう)し、姿(すがた)(かく)そうとした。


(あま)い!」


一人(ひとり)家老(かろう)突然(とつぜん)右手(みぎて)()ばし、方源(ほうげん)(ねら)って(つよ)(にぎ)(つぶ)動作(どうさ)をした。


(プッ)


(かろ)やかな(おと)(とも)に、隠鱗蛊(いんりんこ)方源(ほうげん)空瞼(くうけん)(なか)にあっても突然(とつぜん)粉砕(ふんさい)した。


方源(ほうげん)(こころ)()()()め、()ぐに跳跳草(ちょうちょうそう)催動(さいどう)した。


(かれ)両足(りょうあし)(うら)に、(しび)れるような(いた)(かゆ)さが(はし)り、皮肉(ひにく)(なか)から無理矢理(むりやり)バネ(じょう)青草(あおくさ)(ふた)()()た。


方源(ほうげん)(くさ)弾力(だんりょく)利用(りよう)して()びはねながら前進(ぜんしん)し、速度(そくど)爆発的(ばくはつてき)増加(ぞうか)した。



(おれ)(さき)()く! ()ぶのを(わす)れるな!」


(かれ)はこの不可解(ふかかい)言葉(ことば)(のこ)して()えた。


(なに)だって?」


白凝冰(はくぎょうひょう)当然(とうぜん)疑問(ぎもん)(いだ)いたが、次の瞬間(しゅんかん)背中(せなか)風切音(かざきりおと)爆発的(ばくはつてき)増大(ぞうだい)した。


()(かえ)って()彼女(かのじょ)は、心臓(しんぞう)(わし)(つか)まれたかのような衝撃(しょうげき)()ける。


百家族長(ひゃっかぞくちょう)接近(せっきん)しており、両眼(りょうがん)(まっ)()()まり、まるで(いか)(くる)った雌獅子(めじし)のようだった。その気迫(きはく)(はげ)しさに、白凝冰(はくぎょうひょう)でさえ(こころ)(ふる)えた。


(なん)()っても相手(あいて)四轉(してん)蛊師(こし)である。


(ドカーン!)


百家族長(ひゃっかぞくちょう)直拳(ちょっけん)(はな)ち、その(おお)きな(ちから)天蓬蛊(てんぽうこ)(はく)(こう)虚甲(きょこう)粉砕(ふんさい)した。


白凝冰(はくぎょうひょう)(おお)きく()()き、鋸歯金蜈蚣(きょしきんごこう)召喚(しょうかん)する。


金蜈蚣(ごこう)(きん)(ひかり)()して百家族長(ひゃっかぞくちょう)(から)みついた。


この好機(こうき)(のが)さず、白凝冰(はくぎょうひょう)出口(でぐち)疾駆(しっく)する──


眼前(がんぜん)(ひろ)がったのは万丈(ばんじょう)断崖(だんがい)だった!


この一瞬(いっしゅん)にして、白凝冰(はくぎょうひょう)方源(ほうげん)(のこ)した言葉(ことば)意味(いみ)(さと)る:


まさに(がけ)から()()れというのか!


()げられないぞ!」


(うし)ろから白凝冰(はくぎょうひょう)怒号(どごう)(ひび)く。鋸歯金蜈蚣(きょしきんごこう)は、彼女(かのじょ)蛮力(ばんりき)(すう)(だん)()千切(ちぎ)られていた。


白凝冰(はくぎょうひょう)()一瞬(いっしゅん)逡巡(しゅんじゅん)(はし)る。


この(たか)さから()()りれば十死(じゅっし)零生(れいせい)だ。だが(いま)この危機的(ききてき)状況(じょうきょう)で、もはや(えら)余地(よち)などない。


彼女(かのじょ)()()いしばり、断固(だんこ)として断崖(だんがい)から()()りた!


(ほん)(とう)()んだ!」


(かなら)()ぬ!」


百家(ひゃっか)蛊師(こし)たちの何人(なんにん)かが驚叫(きょうきゅう)し、断崖絶壁(だんがいぜっぺき)(きわ)(あし)()めた。


百家族長(ひゃっかぞくちょう)(した)見下(みお)ろすと、白凝冰(はくぎょうひょう)墜落(ついらく)していく姿(すがた)()えた。彼女(かのじょ)(ひたい)青筋(あおすじ)()()がり、咆哮(ほうこう)した:


()きて(ひと)()()して(しかばね)()よ!(かなら)(やつ)らを()らえてみせる!」


(からだ)()(つづ)け、(みみ)(もと)風切音(かざきりおと)(とどろ)く。


白凝冰(はくぎょうひょう)(みずか)らが(がけ)から()()りる()()るとは(ゆめ)にも(おも)わなかった。


「これで()ぬのか?面白(おもしろ)かったが…不本意(ふほんい)だな…」


()気配(けはい)()(まえ)(せま)り、彼女(かのじょ)(こころ)(はげ)しく渦巻(うずま)いた。


陽蛊(ようこ)()にできずに(おんな)姿(すがた)()ぬとは悲劇(ひげき)だ。だが粉々(こなごな)に(つぶ)れれば、男女(だんじょ)区別(くべつ)もつくまい…」


白凝冰(はくぎょうひょう)(みずか)らが()間際(まぎわ)に、こんな奇怪(きかい)(おも)いが()かぶとは理解(りかい)できなかった。


まさにその(とき)耳元(みみもと)風音(かざおと)(きゅう)(はげ)しくなり、彼女(かのじょ)(だれ)よりも()()くした(こえ)(ひび)いた:


白凝冰(はくぎょうひょう)!」


白凝冰(はくぎょうひょう)()(かえ)って(よこ)()ると、そこに方源(ほうげん)がいた!


(いま)方源(ほうげん)墜落(ついらく)していたが、(ちが)うのは(かれ)足下(あしもと)白骨(はっこつ)大鳥(おおとり)がいることだった。


無足鳥(むそくちょう)


この(とり)には(にく)がなく、全身(ぜんしん)()(しろ)(ほね)出来(でき)ている。(たか)(あたま)(つる)(からだ)(つばめ)()()ち、両側(りょうがわ)二対(にたい)(つばさ)があるが(あし)一本(いっぽん)もない。


方源(ほうげん)全身(ぜんしん)()まみれで、(あき)らかに密道(みつどう)(おお)くの(きず)()ったようだった。



(おれ)()(つか)め!」


(かれ)(とり)背中(せなか)(しゃが)み、精一杯(せいいっぱい)()()ばした。


(パシッ!)


(かろ)やかな(おと)(とも)に、(ふた)つの()空中(くうちゅう)(つよ)(にぎ)()った。


方源(ほうげん)(ちから)()んで(ひと)()き、白凝冰(はくぎょうひょう)(とり)背中(せなか)()()げた。


しかしその(とき)()()した巨岩(きょがん)百丈(ひゃくじょう)(せま)っていた。無足鳥(むそくちょう)流星(りゅうせい)のように、その(いわ)墜落(ついらく)しそうだった。


(あぶ)ない!墜落(ついらく)するわ!」


白凝冰(はくぎょうひょう)(さけ)(こえ)()げると、心臓(しんぞう)喉元(のどもと)まで(おど)()がった。


巨岩(きょがん)彼女(かのじょ)視界(しかい)急拡大(きゅうかくだい)する。


方源(ほうげん)()凶光(きょうこう)(ほとばし)り、(すご)まじい形相(ぎょうそう)怒鳴(どな)った:


(おれ)魔道(まどう)がこんな白骨山(はっこつざん)(つい)えるものか!()こせ!」


起こせ!~


(さけ)(こえ)谷間(たにま)反響(はんきょう)する。


(バサバサバサ!)


(かれ)操作(そうさ)のもと、無足鳥(むそくちょう)(くる)ったように()ばたき、(ぜん)(りょく)()くして墜落(ついらく)速度(そくど)(ゆる)めた。


バキバキッという(おと)(ひび)き、(よっ)(まい)(ほね)(つばさ)(ひび)()れが(しょう)じた。


方源(ほうげん)空瞼(くうけん)(ない)真元(しんげん)急減(きゅうげん)したが、天元宝蓮(てんげんほうれん)(やわ)らかい(ひかり)(はな)ち、膨大(ぼうだい)天然真元(てんねんしんげん)噴出(ふんしゅつ)させる。方源(ほうげん)真元(しんげん)海面(かいめん)()一方(いっぽう)で、(ふたた)(たか)まり渦巻(うずま)いた。


岩山(いわやま)(ちか)くで悠然(ゆうぜん)(ある)いていた骨獣(ほねじゅう)()れが無足鳥(むそくちょう)気配(けはい)(かん)じ、一斉(いっせい)(あお)()ると、(おどろ)いて()()りに()()した。


一匹(いっぴき)灰骨駝鳥(はいこつらくだちょう)恐怖(きょうふ)(あま)り、(するど)(くちばし)()いた(あたま)白骨(はっこつ)(いわ)(いきお)()()()し、(しり)を高々(たかだか)と()()した。


駝鳥(だちょう)という動物(どうぶつ)天性(てんせい)で、恐怖時(きょうふじ)現実逃避(げんじつとうひ)しようとする(くせ)がある。


まさに激突(げきとつ)()一髪(いっぱつ)だった!


白凝冰(はくぎょうひょう)(いき)(わす)れ、方源(ほうげん)()()いて凝視(ぎょうし)する。


(すさ)まじい風圧(ふうあつ)(いわ)(うえ)白骨樹(はっこつじゅ)()(つぶ)した。ついに無足鳥(むそくちょう)駝鳥(だちょう)(しり)(かす)め、(なな)(うえ)逆噴射(ぎゃくふんしゃ)のように()()がった!


駝鳥(だちょう)尾羽(おばね)根元(ねもと)から(けず)()られ、丸見(まるみ)えの(しり)露呈(ろてい)させた。


「はははっ!」


白凝冰(はくぎょうひょう)鳥背(とりせ)(わら)(ころ)げる。


()間一髪(まいっぱつ)(のが)れ、緊張(きんちょう)()けると、彼女(かのじょ)心臓(しんぞう)喉元(のどもと)から胸中(きょうちゅう)()(もど)っていくのを(かん)じた。


素晴(すば)らしい、(じつ)素晴(すば)らしい。生死(せいし)(さかい)興奮(こうふん)こそが(もっと)(たましい)(ふる)わせる。こうした()(かた)こそ、彼女(かのじょ)(いっ)(しょう)(もと)めてきたものではないか?


無足鳥(むそくちょう)よ、蒼天(そうてん)(かけ)れ!」


彼女(かのじょ)(たか)らかに(うた)うように(さけ)んだ。


族長(ぞくちょう)(やつ)ら…まだ()きている!」


断崖(だんがい)百家(ひゃっか)蛊師(こし)たちは(すべ)(あお)ざめた顔色(かおいろ)だ。


()えない…あれは無足鳥(むそくちょう)一日(いちにち)万里(ばんり)()べる」


鉄刀苦(てっとうく)無念(むねん)そうに(いき)()いた。


飛行可能(ひこうかのう)()自体(じたい)(すく)なく、無足鳥(むそくちょう)()いつけるものはさらに(まれ)だ。五転(ごてん)以下(いか)では、無足鳥(むそくちょう)こそ最高峰(さいこうほう)飛行坐騎(ひこうざき)である。


嗚呼(ああ)天罰(てんばつ)ものよ!なぜあの極悪人(ごくあくにん)()かしておけるのか!」


何人(なんにん)かの年寄(としよ)りは怒号(どごう)し、(むね)(たた)大地(だいち)()(くる)った。


百家族長(ひゃっかぞくちょう)両眼(りょうがん)()(いろ)()まり、(こぶし)(にぎ)()めて(ほね)(きし)むほど、()がギリギリと(おと)()てていた。


白凝冰(はくぎょうひょう)哄笑(こうしょう)()きながら、()()りて追撃(ついげき)したい衝動(しょうどう)さえ(おぼ)えた!


百家(ひゃっか)にも飛行(ひこう)可能(かのう)()はいた。何人(なんにん)かの蛊師(こし)が各々(おのおの)の手段(しゅだん)(ほう)(はく)()ったが、その速度(そくど)()れば、()いつけるはずがないことは(でも)(あき)らかだった。


(つよ)(にが)気持(きも)ちが百家(ひゃっか)蛊師(こし)たちの胸中(きょうちゅう)()たした。


犯人(はんにん)被害者(ひがいしゃ)目前(もくぜん)で悠々(ゆうゆう)と()げるのを、()らは()(たば)ねて()ているしかなかったのだ。


(いな)! 絶対(ぜったい)()がすものか! (ゆる)さん!!」


一人(ひとり)老蛊師(ろうこし)怒号(どごう)()げるや、全身(ぜんしん)(きゅう)()()がる熱焔(ねつえん)(つつ)まれた!


百战温(ひゃくせんおん)!」


百家族長(ひゃっかぞくちょう)顔色(かおいろ)一変(いっぺん)する。


家老(かろう)(さま)!」


一同(いちどう)震撼(しんかん)する。


祖父様(そふさま)!」


百戦狩(ひゃくせんか)りが(なみだ)()れる。


族長(ぞくちょう)諸君(しょくん)! この悪党(あくとう)()がしてはならん!


百家(ひゃっか)威信(いしん)()()ち、(しょう)(しゅ)たちへの不倶戴天(ふぐたいてん)(うら)みも()せぬ!


(ろう)(はい)()りし(のち)は、(まご)面倒(めんどう)()てくれ…


若造(わかぞう)性分(しょうぶん)()(はい)同様(どうよう)(はげ)しさゆえ…」


ここまで()うと(かれ)(こえ)途絶(とだ)えた。


全身(ぜんしん)皮肉(ひにく)(ほね)(ほのお)へと変質(へんしつ)し、声帯(せいたい)当然(とうぜん)消滅(しょうめつ)したのだ。


両眼(りょうがん)すら紫黒(しこく)円瞳(えんどう)()す。


(かれ)人型(ひとがた)篝火(かがりび)となった!


業火(ごうか)(さか)んに()()がり、気温(きおん)急上昇(きゅうじょうしょう)する。


一同(いちどう)後退(こうたい)余儀(よぎ)なくされ、山頂(さんちょう)(かな)しみの(うた)(ひび)くかのようだった。


火人蛊(かじんこ)


四転(してん)蛊虫(こちゅう)で、使用(しよう)すると全身(ぜんしん)燃焼(ねんしょう)し、(ほのお)へと()わる。()()きるまで(つづ)く。この百戦温(ひゃくせんおん)家老(かろう)(みずか)らの(いのち)(ささ)げて、この強大(きょうだい)(ちから)()()れた。


「よし! (ほん)族長(ぞくちょう)はここで家老(かろう)戦功(せんこう)見届(みとど)ける!」


百家族長(ひゃっかぞくちょう)感極(かんきわ)まった表情(ひょうじょう)()かべた。


しかし百戦温(ひゃくせんおん)家老(かろう)にはもう()こえない。


(かれ)(みずか)らの(ちから)(まえ)(しょ)()(ゆう)(つよ)いと(かん)じ、(いのち)(いま)()(さか)り、頂点(ちょうてん)(たっ)し、(たぐ)(まれ)(かがや)きを(はな)っている。


紫黒(しこく)円瞳(えんどう)周囲(しゅうい)(もの)らを見渡(みわた)し、(まご)最期(さいご)一瞥(いちべつ)すると、(しか)して断固(だんこ)として一筋(ひとすじ)流焔(りゅうえん)()(てん)(のぼ)った。


流焔(りゅうえん)(もう)(そく)無足鳥(むそくちょう)(せま)る。


見事(みごと)だ!」


一同(いちどう)がこの光景(こうけい)()喝采(かっさい)(おく)る。


鋼鉄(こうてつ)(ごと)(つめ)たい表情(ひょうじょう)百家族長(ひゃっかぞくちょう)すらも、高鳴(たかな)(おも)いを()かべた。


強敵(きょうてき)だ!」


白凝冰(はくぎょうひょう)顔色(かおいろ)(けわ)しくする。


高空(こうくう)での戦闘(せんとう)経験(けいけん)(とぼ)しく、(ひと)間違(まちが)えば落下(らっか)して(こな)々(ごな)になる危険(きけん)がある。


(バオォ!)


火人(かじん)咆哮(ほうこう)し、紫黒(しこく)(ひとみ)殺意(さつい)()ちている。


(ほのお)閃光(せんこう)(とも)に、火人(かじん)速度(そくど)爆発(ばくはつ)的に上昇(じょうしょう)し、電光(でんこう)(ごと)方源(ほうげん)(おそ)()かる。


「しっかり(つか)まれ!」


方源(ほうげん)()えず状況(じょうきょう)注視(ちゅうし)しつつ、無足鳥(むそくちょう)(あやつ)って突然(とつぜん)()ばたかせる。


無足鳥(むそくちょう)加速(かそく)して距離(きょり)()り、火人(かじん)襲撃(しゅうげき)(かわ)した。


山崖(さんがい)(うえ)で、()やしむ(こえ)落胆(らくたん)溜息(ためいき)一斉(いっせい)()()がる。


しかし()もなく火人(かじん)(ふたた)(おそ)()かってきた。


無足鳥(むそくちょう)(よこ)()び、(あや)うくかわした瞬間(しゅんかん)白凝冰(はくぎょうひょう)()()とされそうになり、(あわ)てて(とり)背中(せなか)()()した(ほね)にしがみついた。


(バオォッ!)


火人(かじん)殺到(さっとう)する。


方源(ほうげん)(ひや)やかに(わら)い、無足鳥(むそくちょう)突然骨翼(とつぜんこつよく)(たた)み、地面(じめん)急降下(きゅうこうか)する。


火人(かじん)(うし)ろから猛追(もうつい)し、無足鳥(むそくちょう)より(はや)速度(そくど)距離(きょり)(ちぢ)めた。


無足鳥(むそくちょう)四枚(よんまい)(つばさ)突然(とつぜん)(ひろ)げ、急角度(きゅうかくど)逆噴射(ぎゃくふんしゃ)のように()()がった!


(ドカーン!)


火人(かじん)飛行(ひこう)(まった)(ほのお)噴射推進(ふんしゃすいしん)依存(いぞん)しており、(つばさ)がないため方向転換(ほうこうてんかん)()いつかず、(ただ)山石(さんせき)激突(げきとつ)した。


瞬時(しゅんじ)に、半径(はんけい)十畝(じゅっせ:約4000坪)の地域(ちいき)(ほのお)(ひろ)がり、域内(いきない)骨獣(こつじゅう)全滅(ぜんめつ)させ、数多(あまた)骨樹(こつじゅ)(たお)した。


()(うみ)(なか)から、(ひと)つの(ほのお)(ふたた)人型(ひとがた)凝集(ぎょうしゅう)し、()()つ。(ほう)(はく)二人(ふたり)執念深(しゅうねんぶか)()(つづ)ける。


しかし蛊虫(こちゅう)実力発揮(じつりょくはっき)使用者(しようしゃ)次第(しだい)だ。


蛊師(こし)修行(しゅうぎょう)には(よう)(よう)(れん)三大要素(さんだいようそ)があり、「(よう)」はその(ひと)つを()める。(だれ)でも適当(てきとう)()()()せば(すぐ)れた効果(こうか)発揮(はっき)できるわけではない。その(なか)には(ふか)門道(もんどう)学問(がくもん)がある。


火人蛊(かじんこ)相討(あいう)ちの手段(しゅだん)であり、百戦温(ひゃくせんおん)家老(かろう)当然(とうぜん)(はじ)めて使用(しよう)する。一方(いっぽう)方源(ほうげん)は、今世(こんせ)(はじ)めて無足鳥(むそくちょう)操縦(そうじゅう)しているが、前世(ぜんせ)では数多(あまた)飛行坐騎(ひこうざき)使(つか)()んでおり、使用(しよう)心得(こころえ)豊富(ほうふ)さは百戦温(ひゃくせんおん)()ではなかった。(からだ)()みついており、(たましい)(きざ)まれて本能(ほんのう)(ちか)いものとなっている。


断崖(だんがい)(ふち)百家(ひゃっか)(もの)らは空戦(くうせん)行方(ゆくえ)見守(みまも)(つづ)けていた。


期待(きたい)希望(きぼう)から、次第(しだい)(いか)りへと()わっていった。


(ぼん)()()(もの)なら(だれ)でも、無足鳥(むそくちょう)百戦温家老(ひゃくせんおんかろう)(もてあそ)ぶように翻弄(ほんろう)しているのが()()れた。


火人(かじん)怒号(どごう)は、(はじ)めは心魂(しんこん)(ふる)わせるほどの威勢(いせい)があったが、(いま)では虚勢(きょせい)にしか()えず、悲壮感(ひそうかん)無念(むねん)際立(きわだ)たせている。


「ちくしょう…!」


(だれ)かが(こぶし)(にぎ)()()()いしばった。


「どうしてこんなことに…?」


鉄刀苦(てっとうく)方源(ほうげん)技量(ぎりょう)(おどろ)きつつも、()(すべ)なく嘆息(たんそく)する。


方正(ほうせい)(かなら)(ころ)してやる!!」


百戦狩(ひゃくせんか)りが(さけ)び、憎悪(ぞうお)(たね)(こころ)奥底(おくそこ)(ふか)()()ろした。


百戦温家老(ひゃくせんおんかろう)犠牲(ぎせい)が、方源(ほうげん)翻弄(ほんろう)()い、冷笑話(れいしょうわ)痛烈(つうれつ)皮肉(ひにく)のように、百家(ひゃっか)(もの)らの顔面(がんめん)()耳光(びんせん)となった。


次第(しだい)に、衆人(しゅうじん)(いか)りは落胆(らくたん)から絶望(ぜつぼう)へと()わっていった。


「もう()えぬ…」


「このまま()(たば)ねて()ているだけなのか?」


古月方正(こげつほうせい)め…」


(だれ)もが口々(くちぐち)にその()(つぶや)き、歯軋(はぎし)りを()らうのだった。


無足鳥(むそくちょう)自由自在(じゆうじざい)飛翔(ひしょう)し、(ふたた)火人(かじん)(あや)うく()(ちが)う。


少年(しょうねん)(とり)(あやつ)腕前(うでまえ)一流(いちりゅう)だな。ははは!」


白凝冰(はくぎょうひょう)大笑(おおわら)いし、警戒心(けいかいしん)()いた。


しかし方源(ほうげん)表情(ひょうじょう)突然(とつぜん)強張(こわば)る:


警戒(けいかい)せよ!」


(ドカーン!)


(はげ)しい爆発(ばくはつ)突如(とつじょ)()こった。


百戦温家老(ひゃくせんおんかろう)()いつけないと(さと)り、断固(だんこ)として自爆(じばく)(えら)んだのだ。


爆炎(ばくえん)無足鳥(むそくちょう)全体(ぜんたい)(つつ)()んだ。


(さいわ)無足鳥(むそくちょう)全身(ぜんしん)白骨(はっこつ)で、(つばさ)(やいば)のように(うす)骨片(こっぺん)(しゅう)(せき)だ。


(ほのお)による損傷(そんしょう)はなかったが、本当(ほんとう)脅威(きょうい)爆発衝撃(ばくはつしょうげき)だった。


無足鳥(むそくちょう)(からだ)(ひび)()れが急増(きゅうぞう)し、爆風(ばくふう)平衡(へいこう)(うしな)い、(あたま)から地面(じめん)墜落(ついらく)(はじ)めた。


しかし墜落(ついらく)(つづ)けることしばらく(のち)方源(ほうげん)操縦(そうじゅう)(ふたた)平衡(へいこう)()(もど)し、(つばさ)(ふる)わせて遠方(えんぽう)()()っていった。


方源(ほうげん)!」


白凝冰(はくぎょうひょう)(おも)わず(さけ)んだ。


先程(さきほど)方源(ほうげん)天蓬蛊(てんぽうこ)彼女(かのじょ)()していたため、彼女(かのじょ)蛊虫(こちゅう)(まも)られていたが、方源(ほうげん)には防御(ぼうぎょ)手段(しゅだん)がなかった。


突発(とっぱつ)事態(じたい)で、方源(ほうげん)()催動(さいどう)する()がなかった。


無足鳥(むそくちょう)(ほのお)()けた(とき)方源(ほうげん)全身(ぜんしん)灼熱(しゃくねつ)(ほのお)(つつ)まれていた。


強風(きょうふう)(ほのお)(あお)り、右耳(みみみぎ)地聴肉耳草(ちちょうにくみみそう)()()げた。だが(かれ)表情(ひょうじょう)(はがね)のように冷徹(れいてつ)で、(とう)事者(じしゃ)とは(おも)えぬほどだ。


無足鳥(むそくちょう)完全(かんぜん)安定(あんてい)した(のち)方源(ほうげん)兜率花(とそつか)()()し、乳泉(にゅうせん)(みず)(あたま)から()びせた。


(ほのお)()えたが、全身(ぜんしん)には大規模(だいきぼ)熱傷(ねっしょう)(こん)(のこ)り、顔面(がんめん)完全(かんぜん)破壊(はかい)され、(みじ)めな様相(ようそう)だった。


白凝冰(はくぎょうひょう)(くち)(ひら)いたが、言葉(ことば)(またた)()()てこなかった。


(ぎゃく)方源(ほうげん)()(ただ)れた(くちびる)(ゆが)めて(わら)った:


無足鳥(むそくちょう)()きだ…理由(りゆう)()かるか?」


(かれ)(わら)(がお)(じつ)不気味(ぶきみ)だった。


「なぜだ?」


(あし)がないからだ…(つばさ)だけがある」


(ゆえ)()ぶしかない」


()()()(とき)、それは破滅(はめつ)意味(いみ)する」


(すべ)てを()けて()ぶか、()ぬか!


(あお)瞳孔(どうこう)拡大(かくだい)し、(かがや)(はじ)めた。()かい(かぜ)銀髪(ぎんぱつ)(みだ)(なか)白凝冰(はくぎょうひょう)口元(くちもと)(かす)かに()がる:


「ふふふ……さあ、一緒に羽ばたいて高く飛び立とうぜ!」


挿絵(By みてみん)


無足鳥(むそくちょう)(はる)(とお)くへ()()り、視界(しかい)(てん)となり、(つい)()えなくなった。


断崖(だんがい)(うえ)百家(ひゃっか)の人々(ひとびと)は「(こえ)もなく凝視(ぎょうし)」し、(だれ)言葉(ことば)(はっ)しない。


不気味(ぶきみ)静寂(せいじゃく)全員(ぜんいん)(つつ)んだ。


(てん)()(なん)(ひろ)(だい)なことか!


(そら)紺碧(こんぺき)()み、(ほね)(やま)(ゆき)のように(まっ)(しろ)(なな)めから()(よう)(こう)()びて。無足鳥(むそくちょう)(ほう)(はく)二人(ふたり)背中(せなか)が、(ふか)()らの(こころ)(きざ)()まれる。


(いか)りが(かも)され、(うら)みが芽生(めば)える…


(ぺっ)


百家族長(ひゃっかぞくちょう)突然(とつぜん)鮮血(せんけつ)()()し、仰向(あおむ)けに(たお)れこんだ。意識(いしき)(うしな)った。


族長(ぞくちょう)!」


族長様(ぞくちょうさま)!」


(いそ)げ!治療(ちりょう)蛊師(こし)()べ!族長(ぞくちょう)(すく)え!」


断崖(だんがい)戦慄(せんりつ)(あわ)てふためく(さけ)びに(つつ)まれた。






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