表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛊真人  作者: 魏臣栋
青茅山
21/539

第二十一節: どうして兄が一位になったのか?

夜明よあまえひがしそらしろはじめた。まち人気ひとけはなく、足音あしおとだけがひびいていた。


古月方正こげつ ほうせいつめたいあさ空気くうきにせず、あつおもいをむね学堂がくどう速足はやあしかっていた。


元石げんせき二個にこ使つかい、徹夜てつや月光蛊げっこうこ煉化れんかした。甲等こうとうわたしかなものなどいない!」ほおあからめながらあるく。


伯父夫婦おじふうふよろこ姿すがたおもし、むねあつくなった。「ぞくものあにも、今日きょうからわたしみとめるだろう!」


学堂がくどう門前もんぜん警備員けいびいんこえけられた。「おい、古月方源こげつ ほうげん、またたのか?」


あにが?」方正ほうせい一瞬いっしゅん呆然ぼうぜんとしたが、すぐにむねった。「わたし方正ほうせいだ。本命蛊ほんめいこ煉化れんかし、首位しゅい褒賞ほうしょうを受け(うけ)にた」


ひだり警備員けいびいん見張みはった:「家老様かろうさま間違まちがえた双子ふたごか!」


みぎ警備員けいびいんくびる:「残念ざんねんだが、昨夜さくや方源ほうげんすで受領じゅりょうした」


あにが…首位しゅい?!」方正ほうせいこえ裏返うらがえった。「丙等へいとうやつが?冗談じょうだんだろ!」


警備員けいびいん不機嫌ふきげんかえす:「家老様かろうさま公認こうにん事実じじつだ。がみもすぐる」


方正ほうせい石化せっかしたようにつくした。想定そうていしていたてき——古月漠北こげつ ばくほく古月赤城こげつ あかぎ——ではなく、まさかあにが…


「あの酒浸さけびたりの怠けなまけものが?沈翠しんすいかせ、わたしなぐり、元石げんせきうばったやつが?」太陽たいようのぼなか、自分のかげ見下みおろす。


がったいかりと屈辱感くつじょくかんこころけた。「努力どりょくむくわれないなんて…これがことわりか?」


小鳥ことりのさえずりがはるげるなかかれこぶしふるえていた。

……

ときぎ、太陽たいようたかのぼる。

学堂がくどう掲示板けいじばんあらたな順位表じゅんいひょうされた——最上位さいじょうい方源ほうげん次点じてん方正ほうせい


この情報じょうほうひろまるにつれ、自宅じたく煉化れんかしていた少年しょうねんたちは騒然そうぜんとなった。


「まさか!」

丙等へいとうの方が甲等こうとうつなんて!」

天地てんちがひっくりかえったか!?」


漠分家ばくぶんけ

みどりあふれるにわちゃすす古月漠塵こげつ ばくじん家老かろうかんう:「漠北ばくほくはまだ煉化れんかつづけていないのか?」


方源ほうげんしら以来いらい若様わかさま意欲いよくうしなっております」とかんこたえる。「丙等へいとうけたことがたまらぬようです」


「ふん!わけ無用むようだ」漠塵ばくじんつめたいこえげる。「蛊師こしみち艱難かんなん連続れんぞく!この程度ていど挫折ざせつくじけるようでは、赤分家あかぶんけとのきそいなどかなうまい!」


赤分家あかぶんけ

古月赤練こげつ せきれん家老かろうまご赤城あかぎける。「方源ほうげんなどうんかっただけだ。おまえかたき方正ほうせい漠北ばくほくだ」


赤城あかぎひざまずき「承知しょうちしました」と復活ふっかつした表情ひょうじょうこたえる。「いまから煉化れんか再開さいかいします!」


赤練せきれん満足まんぞくげにうなずき「三転蛊さんてんこ気配けはい月光蛊げっこうこしずめよう」と宣言せんげんした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ