表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛊真人  作者: 魏臣栋
青茅山
196/457

第百九十六節:またも重生

方源ほうげんただちに鋸歯金蜈蚣きょしきんごこう血月蛊けつげつこ駆動くどうし、こおりやぶようとする。


だが氷層ひょうそうきわめてあつく、寒気かんき濃厚のうこうちているため、一寸いっすん氷霜ひょうそうけずっても二寸にすん凝結ぎょうけつする。方源ほうげん窮地きゅうちめられ、脱出だっしゅう不能ふのうであった。


まさにそのとき氷河ひょうがしたから仄暗ほのぐらひかりた。


血光けっこう最初さいしょ一筋ひとすじだったが、もなく拡散かくさんし、次第しだいさかんにかがやき、かすみのように一面いちめんひろがった。


「ハッハッハッ!」長笑ちょうしょうこえとも血光けっこうてんき、古月一代こげついちだいこおりやぶた。無様ぶざまながらも猖獗しょうけつさをしてう:「この北冥冰魄体ほくめいひょうはくたい四轉してん修為しゅういっていれば、封殺ふうさつできたかもしれん。残念ざんねんなことよ、たかが三轉さんてん頂点ちょうてんで…」


そうえると、視線しせん氷河ひょうがなかめられた方源ほうげんけた。


北冥冰魄体ほくめいひょうはくたい貴様きさまころせぬなら、兄弟弟子きょうだいでしであるれがわって仕留しとめよう」


とおくのそらから、天鶴上人てんかくじょうにん悠然ゆうぜん飛来ひらいする。座下ざかにはあの鉄嘴飛鶴王てつくちひかくおう先程さきほど高天こうてんがり、鉄嘴飛鶴王てつくちひかくおうたすけて血河蟒けっかわうわばみてたあといまちにって到来とうらいしたのだ。


このとき青茅山せいぼうざんのこったのは、最早もはやこのつのもののみである。


白凝冰はくぎょうひょう氷山ひょうざんわってえ、意識いしきもほぼ消滅しょうめつした。氷河ひょうがなかめられた方源ほうげんは、まるで昆虫こんちゅう琥珀こはくなかふうめられたようだ。


一方いっぽう二人ふたり五轉蛊師ごてんこしてんじれば——古月一代こげついちだい資質ししつ向上こうじょうさせ、空窓くうそうたくわえられる真元しんげん増大ぞうだいしている。天鶴上人てんかくじょうにんもまた休息きゅうそくて、戦力せんりょく大半たいはん回復かいふくさせていた。


二人ふたり視線しせんが、氷河ひょうがなか方源ほうげん集中しゅうちゅうした。


古月一代こげついちだい方源ほうげんころし、そのしぼくそうとたくらむ。天鶴上人てんかくじょうにん古月一代こげついちだい阻止そしせんがため、方源ほうげんまもってみずからのしばおろかさはせず、むしろ先手せんてって方源ほうげんさきほうむろうとする。


両者りょうしゃ心性しんせいからえば、傍観者ぼうかんしゃ容認ようにんする道理どうりなどない。万一まんいち相討あいうちとなったとき第三者だいさんしゃ漁夫ぎょふさせることなど、絶対ぜったいにあってはならないからだ。


方源ほうげん長嘆ちょうたんする——二人ふたり視線しせん瞬間しゅんかん、もはや必定ひつじょうだとさとった。


いま雷翼蛊かみなりよくこ千里地狼蛛せんりちろうぐもうしなっており、たとっていても、二人ふたり五轉強者ごてんきょうしゃ追撃ついげきのがれられる保証ほしょうはない。


三轉さんてん頂点ちょうてんたるかれ修爲しゅういは、五轉ごてんくらべるべくもない。この状況じょうきょうで、かれ俎板まないたこいこうには二振ふたつ無双むそうやいばせまっているのだ!


たたかえばてず、げればはしれぬ。だが方源ほうげんには、なおひとつの秘術ひじゅつのこされていた——


それこそが、春秋蝉しゅんじゅうせみ


方源ほうげん心神しんしん空窓くうそうそそむ。空窓くうそうにはもはや光膜こうまくはなく、あら石窓せきそうだけが存在そんざいする。


雪銀色せつぎんいろ真元しんげんうみは、なお大半たいはん残存ざんぞんしていた。石窓せきそう真元しんげん回復かいふくする機能きのう喪失そうしつしているが、方源ほうげん天元宝蓮てんげんほうれんつために、かくも豊富ほうふ真元しんげんたもつことができていたのだ。


これらは重要じゅうようではない。方源ほうげん注意ちゅういすべけるのは、石窓せきそう最中央さいちゅうおうひそひとつの蛊虫こちゅうだ。


それはかれ本命蛊ほんめいこ六轉ろくてんたっする春秋蝉しゅんじゅうせみ


ただこのもっ光陰こういんかわ遡行そこうするのみ、奇跡きせき再現さいげんる!


不可能ふかのう手段しゅだんで、運命うんめい結果けっか簒改さんかいせんと!


だが――


この手段しゅだんもちいるは、きわめて危険きけんである。


第一だいいちに、光陰こういんかわおおいなるみち禁域きんいき


ぼんあしみ入れれば、てんのりおかすことにひとしく、かなら天罰てんばつ地災ちさいこうむる。


つぎに、春秋蝉しゅんじゅうせみいままっとうせず


あなだらけの難破船なんぱせんごとく、強引ごういん光陰こういんかわわたらんとすれば、半途はんと転覆てんぷく沈没ちんぼつしかねない。


最後さいごに、方源ほうげん三轉さんてん頂点ちょうてんぎず


六轉ろくてん春秋蝉しゅんじゅうせみ駆使くしするなど、乳児にゅうじ大鉈おおなたるうがごと


あつかそんねればやいば深手ふかで羽目はめになる。


「もし春秋蝉しゅんじゅうせみ使つかえば、自爆じばくまねくことになるだろう」


全て(すべて)の修為しゅういを、血肉骨けつにくこつ一切いっさいを、他の蛊虫こちゅうの全て(すべて)をほろぼし


ひとつの推進力すいしんりょくわらせ、春秋蝉しゅんじゅうせみすすめねばならぬ


前世ぜんせくらべても、この自爆じばくちからなど微々(びび)たるもの


「ああ、大方おおかたたんなる自殺じさつわるだろう」


されどいまこのときみち


このもちいるよりほかない!


方源ほうげんむをなかった。


さきに、かれ石窓蠱せきそうこ使つかたしても春秋蝉しゅんじゅうせみうごかしたくなかった、これほど危険きけんだったからだ。


成功せいこう可能性かのうせい十中じっちゅういちすらあやしい。


蛊師こし高轉こうてん蛊虫こちゅう駆動くどうするとき、反噬はんせい代償だいしょうはらうのはつねだ。古月青書こげつせいしょがそうであったように。いま方源ほうげんのぞむのは「春秋蝉しゅんじゅうせみ本命蛊ほんめいこである」という一事いちじのみだ。


小僧こぞういのちささげよ!御先祖様ごせんぞさまちからほうずるがいい!」


小僧こぞう、そは不運ふうんというものだ…卑劣ひれつ先祖せんぞったのがわざわいだ。わし貴様きさま解放かいほうしてくれよう!」


古月一代こげついちだい天鶴上人てんかくじょうにん同時どうじおそいかかる。


方源ほうげん絶壁ぜっぺききわめられ、ただおどらせるよりほかなかった!



春秋蝉しゅんじゅうせみきたれッ!」


かれ双眸そうぼう奇異きいひかりほとばし、さけごえともからだ青黄あおき二色にしょく爆閃ばくせんした。


「この気息きそくは?!」


「ありえぬ!まさか六轉蛊虫ろくてんこちゅうだ!?」


この瞬間しゅんかん二人ふたり五轉蛊师ごてんこし愕然がくぜんとした。だが直後ちょくご貪欲どんよく表情ひょうじょうおもてあふれた。


ころして六轉蛊ろくてんこうばえ!」


天降てんこう機縁きえんだ!小僧こぞう素直すなお献上けんじょうするならかしてやるぞ!」


突進とっしん速度そくど三割さんわりしとなる。


だがそのときこそ、ドカン!!!!!


方源ほうげん自爆じばく


なにっ──!?」消滅しょうめつ寸前すんぜん五轉蛊師ごてんこし二人ふたり悲鳴ひめいがかすかにこえたようながした。


伝説によれば、この世界には「光陰」という名の長い川が存在する!人はその川の中の魚のようなもので、流れは非常に急で、ほとんどの魚は流れに身を任せるほかない。ごくまれに、一匹か二匹の魚が水面から飛び跳ねて、川下の情景を見ることがあるが、それがすなわち未来の予知である。


この光陰の川がなければ、世界は完全に静止し、一枚の絵に成り果ててしまう。この川があるからこそ、すべてが変化し、世界が生き生きとし、衰退し、あるいは繁栄できるのだ。


光陰の長河(こういんちょうが)滔滔(とうとう)と流れる。一滴一滴の波しぶきが、一つの物語であり、かつて起きた一瞬の情景である。


急流(きゅうりゅう)のさなか、小さな蠱虫(こちゅう)が一匹、流れに逆らって(さかのぼ)ろうとしている。


その虫は両翅(りょうし)(ふる)って進むも歩みは困難を極める。荒れ狂う激しい奔流(ほんりゅう)は、波が打ち寄せるたびに、その虫を危うく飲み込みそうになる。


蠱虫は方源(ほうげん)の意識と記憶を背負い、体からは黄緑色(きみどりいろ)微光(びこう)()を描いて放たれている。その光は奔流の中であたかも風前(ふうぜん)(ともしび)のように揺らめいている。


ついに、ほんのわずかな距離を(さかのぼ)ったところで、黄緫色の微光はほとんど消えかかる。春秋蝉(しゅんじゅうせみ)が限界に達した瞬間、シュッと一筋の光跡(こうせき)に変化し、一つの波しぶきの中へと飛び込んだ。


方源は全身(からだ)を震わせ、両眼(りょうがん)の奥で一瞬(いっしゅん)黄緑(きみどり)がかった微光(びこう)が走った。


その光は瞬時(しゅんじ)に消えると同時(どうじ)に、彼はぶるっと寒気(さむけ)のような(ふる)えを(おぼ)えた。


意識(いしき)記憶(きおく)脳裏(のうり)()き、瞬時(しゅんじ)()()った。


成功(せいこう)だ!


胸中(きょうちゅう)狂喜(きょうき)奔流(ほんりゅう)渦巻(うずま)く──また(ふたた)()(かえ)ったのだ!


この事実(じじつ)(さと)るや、即座(そくざ)()(ひか)らせ周囲(しゅうい)見渡(みわた)し、自身(じしん)状況(じょうきょう)観察(かんさつ)した。


真元(しんげん)が刻々(こっこく)と消耗(しょうもう)していること、手首(てくび)胴体(どうたい)白眉(はくび)(から)()られていることに気付(きづ)く。


(さら)見定(みさだ)めて、ああ!


なるほど、この(とき)だったかと理解(りかい)した。


鉄血冷(てっけつれい)仕掛(しか)けが発動(はつどう)した。古月一代(こげついちだい)全身(ぜんしん)鉄鎖(てっさ)(しば)られ身動(みうご)きが()れず、(ひたい)には黄色(きいろ)()()られている。これぞ鎮魔鉄鎖蠱(ちんまてっさご)符底抽薪蠱(ふちちゅうしんご)だ。


一方(いっぽう)あの天鶴上人(てんかくしょうじん)地上(ちじょう)()()ち、(しろ)光輪(こうりん)(つつ)まれながら、揚眉吐気蠱(ようばいときご)全力(ぜんりょく)発動(はつどう)させ、古月一代(こげついちだい)空竅(くうこう)(ない)(すべ)ての真元(しんげん)消耗(しょうもう)させようと(こころ)みていた。


方源(ほうげん)()(ほそ)めた。現時点(げんじてん)では(みずか)らも白眉(はくび)(から)まれ身動(みうご)きが()れず、真元(しんげん)消耗(しょうもう)()いながら好機(こうき)()つしかない。


符底抽薪蠱(ふちちゅうしんご)作用(さよう)で、(ひと)つの()(ひかり)古月一代(こげついちだい)体内(たいない)から()()した。


(こぶし)よりも(おお)きく洗面器(せんめんき)ほどもあるその黄光(きこう)は、ゆらゆらと(ただよ)いながら地面(じめん)()ち、(ひかり)(かたまり)(なか)にある血颅蠱(けつろご)(あら)わした。



血颅蛊(けつろご)よ!数百年(すうひゃくねん)(とき)()て、ついにお(まえ)再会(さいかい)できた!」天鹤上人(てんかくしょうじん)(とお)くにそれを()つけるや、(よろこ)びの(なみだ)()かべ、激昂(げっこう)した表情(ひょうじょう)(さけ)んだ。


古月一代(こげついちだい)焦燥(しょうそう)(あま)(きば)をギリギリと()みしめたが、(なわ)五重(ごえ)(しば)られて身動(みうご)きできず、(くや)しさに身悶(みもだ)えていた。


()()表面(ひょうめん)から(さら)(ひと)つの光塊(こうかい)抽出(ちゅうしゅつ)され、地面(じめん)()ちた途端(とたん)白黒(しろくろ)()()じった太极(たいきょく)光球(こうきゅう)へと()した。


その光球(こうきゅう)(なか)では二匹(にひき)特異(とくい)蠱虫(こちゅう)(たが)いに(から)()い、()いかけ()っていた──これぞ阴阳转身蛊(いんようてんしんご)である。


方源(ほうげん)記憶(きおく)通り、天鹤上人(てんかくしょうじん)大声(おおごえ)(あざけ)った:「阴阳转身蛊(いんようてんしんご)!!親愛(しんあい)なる师兄(しけい)よ、()くもまあこんな良品(りょうひん)(さが)()したものだ。はっはっはっ!(ひと)転生(てんせい)しようだなんて?残念(ざんねん)だったな、俺様(おれさま)妨害(ぼうがい)()ってしまって!」


方源(ほうげん)(ふたた)古月一代(こげついちだい)()る。


()たして(かれ)地面(じめん)(すわ)り、(あせ)って(あし)をバタバタさせ、絶叫(ぜっきょう)()(かえ)しながら、(みだ)(くる)った(かみ)()(みだ)す──まさに完全(かんぜん)失態(しったい)ぶりだった。


「まだ()て。時機(じき)(せま)っている」方源(ほうげん)(ひとみ)(するど)(ひかり)(はし)りながらも、(うご)かずにいた。


第三(だいさん)黄光(きこう)抽出(ちゅうしゅつ)され地面(じめん)()ちると、それは半透明(はんとうめい)水球(すいきゅう)のような真紅(しんく)()()した。


方源(ほうげん)胸中(きょうちゅう)(ふる)えた:「血幕天華蠱(けつまくてんかご)!」


(まさ)にこの()状況(じょうきょう)一変(いっぺん)させ、古月一代(こげついちだい)窮地(きゅうち)から(すく)うことになるのだ。


血幕天華蠱(けつまくてんかご)古月一代(こげついちだい)開発(かいはつ)したもので、方源(ほうげん)以前(いぜん)()らなかったが、(いま)ではその特性(とくせい)明確(めいかく)理解(りかい)していた。


()たして直後(ちょくご)古月一代(こげついちだい)(さけ)んだ:「(はや)(はや)(だれ)()て、この蠱虫(こちゅう)()れ!」


数人(すうにん)蠱師(こし)はこれを()けて即座(そくざ)(まえ)(すす)み、()(たた)(つぶ)した。


ブーン!


かすかな共鳴音(きょうめいおん)(とも)に、血幕天華(けつまくてんか)が「(ふたた)び」天地(てんち)展開(てんかい)真紅(しんく)球状天蓋(きゅうじょうてんがい)内外(ないがい)遮断(しゃだん)した。


一部(いちぶ)半球(はんきゅう)(そと)(はば)まれる一方(いっぽう)()(もの)たちは内部(ないぶ)()()められる。


()天蓋(てんがい)白眉(はくび)()()り、方源(ほうげん)らは天鶴上人(てんかくしょうじん)との真元(しんげん)消耗戦(しょうもうせん)から解放(かいほう)(またた)くして拘束(こうそく)(だっ)自由(じゆう)()となる。


天鶴上人(てんかくしょうじん)障壁(しょうへき)(はば)まれよろめき()()がると、(ひや)やかな(わら)いを()らした。


問答(もんどう)()わした(のち)(かれ)血天蓋(ちてんがい)への攻撃(こうげき)(こころ)みるも効果(こうか)なく()()()う:「この()何者(なにもの)だ?」


古月一代(こげついちだい)得意満面(とくいまんめん)(こた)える:「()くぞ()うた。()独自(どくじ)合練(ごうれん)(しょう)()した血幕天華蠱(けつまくてんかご)よ。


水幕天華(すいまくてんか)四転(してん)ながら五転(ごてん)攻撃(こうげき)(ふせ)ぐが──」


()()五転(ごてん)高位(こうい)ゆえ防御力(ぼうぎょりょく)(はる)かに(すぐ)れる。


水幕天華(すいまくてんか)(あるじ)すら(かよ)わぬが、血幕天華(けつまくてんか)()がみ(みずか)ら『()れど(はい)らぬ』」


師弟(してい)よ、心行(こころゆ)くまで()ってみよ。(ちから)(かぎ)りをな。


()真元(しんげん)(かい)(ふく)した(あかつき)には、お(まえ)(くさ)った(くび)()りに(そと)()てやる。フゥハッ!」


天鶴上人(てんかくしょうじん)激怒(げきど)再攻撃(さいこうげき)(こころ)みるも、またも失敗(しっぱい)


冷静(れいせい)を取り(とりもど)すと、その()真元(しんげん)補充(ほじゅう)し、血天蓋(ちてんがい)時限(じげん)(むか)えるのを()選択(せんたく)をした。


蠱師(こし)たちは血天蓋(ちてんがい)泰山(たいざん)のごとく安定(あんてい)しているのを()狂喜(きょうき)し、(みずか)らの(いのち)(たす)かったと確信(かくしん)我先(われさき)古月一代(こげついちだい)()びへつらい(はじ)めた。ただ一人(ひとり)白凝冰(はくぎょうひょう)だけが(ひや)やかに(はな)(わら)った。


古月一代(こげついちだい)(なが)れに()大量(たいりょう)元石(げんせき)要求(ようきゅう)衆人(しゅうじん)我先(われさき)財布(さいふ)(ほど)き、(すす)んで()()した。


鉄鎖(てっさ)(しば)られ不自由(ふじゆう)ながらも、血濡(ちぬ)れの巨口(きょこう)元石(げんせき)()(くだ)き、真元(しんげん)驚異的(きょういてき)速度(そくど)補充(ほじゅう)していく。


天鶴上人(てんかくしょうじん)はそれを()怒鳴(どな)った:「馬鹿(ばか)どもめ!


(かれ)(うご)きを(かい)(ふく)した(とき)、お(まえ)たちの()(みずか)らの資質(ししつ)洗練(せんれん)昇華(しょうか)させるために、お(まえ)たちを(ころ)すというのに!


(みずか)らの(くび)()めておるのだぞ!」


衆人(しゅうじん)当然(とうぜん)()じようとしない。


「フン、こんな幼稚(ようち)離間策(りかんさく)(いま)使(つか)うとは、(ひと)(わら)いものにされるとも()らぬか!」


(いそ)(いそ)げ!老害(ろうがい)(わた)すなと()うなら、尚更(なおさら)元石(げんせき)(ささ)ぐのだ!」


(いっ)(さい)古月一代様(こげついちだいさま)にお(まか)せいたします!」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ