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蛊真人  作者: 魏臣栋
青茅山
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第百九十節:三战白凝冰

月霓裳(げつげいしょう)!」(やいば)気圧(きあつ)(せま)()(なか)方正(ほうせい)蛊虫(こちゅう)(くる)ったように()()咆哮(ほうこう)する。全身(ぜんしん)(つき)(あお)(きり)(ひかり)()()がり、(またた)()周囲(しゅうい)蛊師(こし)たちを(おお)った。


だが(たと)えそうしてもなお、者達(ものたち)(かお)(ひろ)がる絶望(ぜつぼう)(ぬぐ)えない。


抵抗(ていこう)無駄(むだ)だ」白凝冰(はくぎょうひょう)(あお)双眸(そうぼう)に、残酷(ざんこく)(つめ)たさの(ひかり)(はし)る。


その(とき)


(どん)


者達(ものたち)足下(あしもと)突如(とつじょ)()()がり、爆発(ばくはつ)めいた(いきお)いで土泥(どろ)飓射(ぐんしゃ)()()る。


蛊師(こし)たちは悲鳴(ひめい)()げ、(ころ)()った。


煙塵(えんじん)(なか)一匹(いっぴき)巨蜘蛛(おおぐも)者達(ものたち)眼前(がんぜん)(あらわ)れる。


五轉蛊虫(ごてんこちゅう)氣息(きそく)は人々(ひとびと)の心臓(しんぞう)(にぎ)(つぶ)さんばかりだ。


鋼鉄(こうてつ)(きた)()がったかと()える蜘蛛(くも)(うえ)で、一人(ひとり)少年(しょうねん)――黒衣(こくい)黒髪(くろかみ)昂然(こうぜん)()()えている。


「ようやく地表(ちひょう)だ!」方源(ほうげん)(こぶし)(にぎ)りしめ、()(そこ)(するど)(ひかり)(ほとば)しった!


「む?」すぐさま(かれ)空中(くうちゅう)自分(じぶん)めがけて()りかかる白凝冰(はくぎょうひょう)視野(しや)(とら)えた。


巨大(きょだい)氷刃(ひょうじん)(うな)りを()てて(せま)る。


方源(ほうげん)、ついに(きた)たか!」白凝冰(はくぎょうひょう)平然(へいぜん)として(つめ)たい(かお)一瞬(いっしゅん)()けると、(にわ)かに(いろ)めき、昂揚(こうよう)戦意(せんい)(あら)わにした。


方源(ほうげん)(ひや)ややかに(はな)()らす。(やいば)(とど)かぬ前に、氷気(ひょうき)(ふく)んだ刃風(はかぜ)(はだ)()し、黒髪(くろかみ)後方(こうほう)(ひるがえ)った。


(かれ)猛然(もうぜん)()()げた、「鋸歯金蜈(きょしきんう)!」


ガンッ!


氷刃(ひょうじん)鋸歯金蜈(きょしきんう)(はげ)しく衝突(しょうとつ)膠着(こうちゃく)状態(じょうたい)金蜈(きんう)鋸歯(きょし)(くる)ったように回転(かいてん)し、大量(たいりょう)氷屑(ひょうせつ)飛散(ひさん)


ガリガリッ。


氷刃(ひょうじん)表面(ひょうめん)(またた)くうちに()()()まれ、刃全体(はぜんたい)(ひろ)がった。


(くだ)け!」方源(ほうげん)断喝(だんかつ)二豚(にとん)(ちから)を持つ(かれ)は、完全(かんぜん)白凝冰(はくぎょうひょう)(ちから)圧倒(あっとう)した。


白凝冰(はくぎょうひょう)手放(てばな)しつつ飛退(ひたい)氷刃(ひょうじん)(くだ)()氷屑(ひょうせつ)四方八方(しほうはっぽう)飛散(ひさん)した。


千里地狼蛛せんりちろうぐもふたたくるち、猛然もうぜん六本ろっぽんあしひろげて白凝冰はくぎょうひょうかっておそいかかった。


蠱虫こちゅう知能ちのうひくいが、生来せいらい敏感びんかんさで、どの対象たいしょう脅威きょういであるか見分みわけることができる。白凝冰はくぎょうひょう気配けはいを、千里地狼蛛せんりちろうぐも最大さいだいてきとみなし、物狂ものぐるいでねらいをさだめた。


白凝冰はくぎょうひょう両手りょうてひるがえすと、一列いちれつの氷のこおりのやはなった。氷のこおりのや千里地狼蛛せんりちろうぐもからだくと、粉々(こなごな)にくだった。千里地狼蛛せんりちろうぐもはますます狂暴きょうぼうになり、咆哮ほうこうひとげて、方源ほうげんせたまま猛然もうぜんびかかった。


ビュッ!ビュッ!ビュッ!


三対さんつい漆黒しっこく螺旋鋼足らせんこうそくが、連弩れんどのようないきおいで、白凝冰はくぎょうひょうせた体躯たいく目掛めがけてさってきた。


危機ききかんると、白凝冰はくぎょうひょう空窓くうそうから突然とつぜん一筋ひとすじ雪光せっこうした。雪光せっこう爆発的ばくはつてきし、白相仙蛇蠱はくそうせんじゃこ姿すがたあらわれて半空中はんくうちゅうかんだ。



白凝冰はくぎょうひょう大声おおごえ高笑たかわらいしながら、ひるがえして白相仙蛇はくそうせんじゃ背中せなかまたがり、方源ほうげん見下みおろしてった:「面白おもしろい!じつ面白おもしろい!方源ほうげん、おまえ本当ほんとうおれ失望しつぼうさせなかったな!!」


「お、お兄様あにさま…… 」方正ほうせい地面じめんからがり、んできた氷刃こおりやいばかおきずっていた。よごれたかお方源ほうげんながめ、複雑極ふくざつきわまりない表情ひょうじょうかべている。


相手あいて五転ごてんっているだと?」白家はくけ族長ぞくちょうほそめ、緊迫きんぱくした面持おももちになった。


方源ほうげんあらわれたな!… 五転ごてん、あれは千里地狼蛛せんりちろうぐもでは?」古月博こげつはくすべての注意ちゅういもそちらへせられた。


戦場せんじょう二人ふたり年若としわか少年しょうねんとおくから対峙たいじしている。


一人ひとり白銀はくぎんほう銀髪ぎんぱつあおひとみ──白相仙蛇はくそうせんじゃ騎乗きじょう氷刃こおりやいばにした姿すがたは、こおり仙人せんにん塵界ちんかいつようだ。


もう一人ひとり漆黒しっこくほう黒髪くろかみ黒瞳くろひとみ──千里地狼蛛せんりちろうぐも背中せなかち、には鋸歯金蜈きょしきんごにぎりしめてひくうなっている。その姿すがた魔人まじん顕現けんげんしたかのようだった。


二人ふたり対峙たいじ数知かずしれぬ視線しせん釘付くぎづけにしていた。


白凝冰はくぎょうひょう狂熱きょうねつ表情ひょうじょう氷刃こおりやいばかかげ、さけんだ:「この一戦いっせんこそ生涯しょうがい最高さいこう勝負しょうぶだ!い、方源ほうげんてるまでたたかおうぜ!」


「フン。」方源ほうげん白凝冰はくぎょうひょうにらみつけつつ、周囲しゅういうかがった。


ここは三族大比武さんぞくだいぶい戦場せんじょうだ!


千里地狼蛛せんりちろうぐもがまさかここに自分じぶんれてくるとは……。


白凝冰はくぎょうひょうと延々(えんえん)たたかつづけ、時間じかんついやしたくはなかった。鉄血冷てっけつれい古月一代こげついちだい、どちらがっても自分じぶんってくる。だが白凝冰はくぎょうひょう撃退げきたいしなければ脱出だっしゅつ不可能ふかのうだ。


たたかうしかない!


ドカン!


白相仙蛇はくそうせんじゃ千里地狼蛛せんりちろうぐも激突げきとつ白蛇しろへびからみつき、黒蜘蛛くろぐもしにくる。二匹にひきはげしくもつれった。


二匹ふたりうえで、二人ふたりかげ縦横無尽じゅうおうむじんい、氷刃こおりやいば空中くうちゅう幾筋いくすじもの光跡こうせきえがき、鋸歯金蜈きょしきんごうなりをとどろかせながら、収縮しゅうしゅく したり伸長しんちょう したりしていた。


山岩さんがんくだり、雷鳴らいめいごと爆音ばくおんなくひびいた。


氷錐ひょうすい方源ほうげん直撃ちょくげきするも、天蓬蠱てんぼうこしろひかり虚甲きょこうはばまれた。血刃けつじん白凝冰はくぎょうひょう命中めいちゅう巨大きょだい裂傷れっしょうしょうじさせるが、またたしもこうむって傷口きずぐちくした。そのしも血肉ちにくへとじ、白凝冰はくぎょうひょうもと姿すがたもどる。


熊家くだけ族長ぞくちょうがその光景こうけい見開みひらいた:「ながれの北冥冰魄体ほくめいひょうはくたいだな!」


十絶体じゅうぜつたい伝説でんせつ天賦てんぷ。まさか生涯しょうがいでそのおがめるとはおもわなかった。


白家はくけ族長ぞくちょういやわらいをかべてう:「フゥフゥフ、方源ほうげん白凝冰はくぎょうひょう拮抗きっこうしようだなんて。敗北はいぼく必至ひっしだ!」


「それは未必みひつよ――」わき鉄若男てつじゃくなんくちゆがめた。


十絶体じゅうぜつたい間違まちがいなく十絶体じゅうぜつたいだ。この激闘げきとう丙等へいとう資質ししつなら、とっくに真元しんげんちからっている!方源ほうげん、おまえ本当ほんとう古月陰荒体こげついんこうたいなのだな!」古月博こげつはくにぎこぶしかため、万感ばんかんの思いでふるえていた。


方正ほうせいかすかにくちけ、たましいけたような表情ひょうじょうつぶやいた:「これが兄様あにさまほん実力じつりょくか…まさか十絶体じゅうぜつたいだとは。ずっとかく)していたんだな…」


眼前がんぜん事実じじつしめすように、かれっていたほこりなどるにらないものだった。


方源ほうげん白凝冰はくぎょうひょう激突げきとつするたびに、かれ心臓しんぞうつよ痙攣けいれんした。


みずからがありのようにちいさくかんじられ、あに圧倒的あっとうてきかげふたたおおくされるようだった。


「この戦闘せんとうなんだ! しんじられん…たった二人ふたり三転さんてん蛊師こしあらそいだとは」


うたがうぜ? 方源ほうげん凶暴きょうぼうなまでに奮闘ふんとうし、白凝冰はくぎょうひょう互角ごかくわたっている!?」


生存せいぞんしていた若手わかて蛊師こしたちはべて呆然ぼうぜん見守みまもっていた。


戦場せんじょう形勢けいせい突如とつじょ変転へんてんする。


白相仙蛇はくそうせんじゃ千里地狼蛛せんりちろうぐも共倒ともだおれになるまで激突げきとつ白蛇しろへび白凝冰はくぎょうひょう煉化れんかされていたわけではなく、ただ北冥冰魄体ほくめいひょうはくたい気配けはいかれただけだった。


白相仙蛇はくそうせんじゃくちけてしろきりし、戦場せんじょうおおくすと、ふるわせて白凝冰はくぎょうひょうとした。そしてきをえてろうとした。


「この大仙たいせんめ……!」白家はくけ族長ぞくちょうはこの光景こうけい唖然あぜん戦場せんじょうからげようとする白蛇しろへびながめ、しばらくこえなかった。


このきり迷津めいしんきりと呼ばれるもので、視界しかいさえぎり、かげむようにひろがる。方源ほうげん白霧はくむつつまれ、目のまえしろかすみおおわれる。


しかしかれあわてない。視覚しかくさまたげられても、味覚みかく聴覚ちょうかく嗅覚きゅうかく触覚しょっかくという他の四感よんかんのこっているからだ。


地聴肉耳草ちきょうにくじそう発動はつどう


方源ほうげん耳介じかいにく触手しょくしゅうごいた。直後ちょくご周囲しゅういおと捕捉ほそくし、半径三百歩はんけいさんびゃっぽ状況じょうきょう見極みきわめた。


電眼蠱でんがんこ


白凝冰はくぎょうひょう両目りょうめ電光でんこうはしった。だが電眼蠱でんがんこ三転さんてんぎず、潜伏せんぷく看破かんぱ幻像げんぞう破砕はさい可能かのうでも、五転ごてん仙蛇せんじゃきりなかでは完全かんぜんおさまれていた。


「ちくしょう!」かれ激怒げきどのろいをいた。


氷錐蠱ひょうすいこ


数十本すうじゅっぽん氷柱ひょうちゅう無差別むさべつ四方しほうはなたれた。


方源ほうげんみみかすかにうごかすと、氷柱ひょうちゅう空気くうきおとけ、即座そくざ回転かいてんして千里地狼蛛せんりちろうぐも裏腹うらはらうつった。



ドッドッドッ!


氷錐ひょうすい千里地狼蛛せんりちろうぐも甲殻こうかくたり、はげしくいかった蜘蛛くも氷錐ひょうすい飛来ひらい方向ほうこう突進とっしんする。


ってられん」方源ほうげん背中せなかから宙返ちゅうがえりでつと、決然けつぜんとして千里地狼蛛せんりちろうぐも放棄ほうき地聴肉耳草ちきょうにくじそう駆使くし戦場外せんじょうがい脱出だっしゅつはかった。


この千里地狼蛛せんりちろうぐも血狂蠱けっきょうこ汚染おせんけており、もなく水溜みずたまりへとけてえる運命うんめいだ。てるのが賢明けんめいだった。


白凝冰はくぎょうひょう爆発ばくはつ直前ちょくぜん時限爆弾じげんばくだん同然どうぜん殺害さつがいすれば即時そくじ自爆じばくまねくため、到底とうてい近付ちかづけなかった。


戦況せんきょう見守みまも蛊師こしたちの眼前がんぜんで、巨大きょだい霧塊むかいから突然とつぜん小塊しょうかい分離ぶんりし、東南とうなん戦場せんじょう亀裂きれつ飛翔ひしょうしてっていった。


その霧塊むかいなかにまさに方源ほうげん姿すがたがあった。


迷津霧めいしんきりかげのようにまとう。駆散くさんされないかぎり、消散しょうさんするまで方源ほうげん視界しかいさえぎつづけた。


方源ほうげん両眼りょうめ依然いぜんとしてしろ混沌こんとん。だが地聴肉耳草ちきょうにくじそう保持ほじしているため、おと手掛てがかりに方角ほうがく識別しきべつした。


秋風あきかぜが木々(きぎ)をらすおと山間さんかんかわのせせらぎ、とりごえ猛獣もうじゅう息遣いきづかい——すべてがおととして感知かんちされる。唯一ゆいいついわいし無音むおんなので、からだがぶつかるおとえなかった。


氷刃ひょうじんあらし!」背後はいご突然とつぜん白凝冰はくぎょうひょう炸裂さくれつする怒号どごうひびく。


ヴュウウウウ……


風音かざおととどろき、極寒ごっかん四方よもほとばしった。気温きおん急激きゅうげき低下ていかし、白濁はくだく吹雪ふぶき瞬時またた形成けいせい前回ぜんかいばい規模きぼへと急拡大きゅうかくだいした。


千里地狼蛛せんりちろうぐもさえも一時いちじ的にはらわれる結果けっかとなった。


きりなか方源ほうげんがいるはずだ!絶対ぜったい阻止そししろ!!」かたわらで鉄若男てつじゃくなんさけぶ。


方源ほうげんよ、ってはならん!古月山寨こげつさんさいはおまえ家族かぞくなのだぞ!」古月博こげつはくひとみ血走ちばしらせ立ちがろうとするも、ほかふたり族長ぞくちょうはばまれる。


「なんだ?古月こげつ族長ぞくちょうよ、盟約めいやく破棄はきしてみずか戦場せんじょうりるつもりか?」熊家くだけ族長ぞくちょう冷然れいぜん腕組うでぐみした。


「ふん、今回こんかい勝負しょうぶ古月一族こげついちぞく敗北はいぼくみとめよう。これ以上いじょう邪魔じゃまするものいのちはないと覚悟かくごしろ!」古月博こげつはく遠退とおの方源ほうげん姿すがた焦燥感しょうそうかん爆発ばくはつしそうだった。


「おまえいまおれおどしてるのか?古月博こげつはくめ、おまえなんかこわくないぞ」白家はくけ族長ぞくちょうけわしい表情ひょうじょうでそううと、わきひかえる蛊師こし目配めくばせした。


蛊師こし合図あいずり、即座そくざ配下はいかもの手配てはいし、方源ほうげん追跡ついせきにかかろうとする。


がすわけにはいかない。すぐもどる」鉄若男てつじゃくなんはこの好機こうきのがさず、背後はいごから漆黒しっこく鉄翼てつよくやしてちゅうがり、方源ほうげんおうとした。


だがその瞬間しゅんかんみどり影塊えいかいかれる!


五転ごてん


山丘巨傀蛊さんきゅうきょかいこ


この青銅せいどう仮面かめんのような姿すがたで、ふるめかしい風貌ふうぼうくちみっつのあないている。血塗ちまみれの仮面かめんは、りつく鉄若男てつじゃくなんかえりみることなく、ひとりでに少女しょうじょ顔面がんめんかぶさってきた。


父上ちちうえ!」血痕けっこんにした鉄若男てつじゃくなん無意識むいしきさけんだ。


その刹那せつな巨大きょだいてつうで飛来ひらいし、鉄若男てつじゃくなんつかむと、一瞬いっしゅん停滞ていたいもなく、遠方えんぽう飛去ひきょして行った。


この突発とっぱつ事態じたいに、周囲しゅういもの全員ぜんいん見張みはった。


「どうやら鉄血冷てっけつれいは……あやういな。」


「ふふ、千年近く(せんねんちかく)もわなかったが、師兄しけいよ、まさかそんなおどろきをおれさずけてくれるとはな」


百丈ひゃくじょうもの高空こうくうで、一人ひとり老蛊師ろうこし冷徹れいてつ眼差まなざしで下界げかい俯瞰ふかんしていた。



白髪しらがおい蛊師こしまゆまでも真白まっしろ巨大きょだいつるわり、てのひら至親血虫蛊ししんけっちゅうこせている。


この水晶すいしょうのようにとおり、あか瑪瑙めのうごとし。せみ形状けいじょうで、いまかすかに発光はっこうしながら古月山寨こげつさんさい方向ほうこうしめしている。


師兄しけいよ、こんなところまでんでも、かならつけしてやる。むかしまえうばったおれ機縁きえん今度こんどじゅうばいひゃくばいにしてかえしてやる!」


白眉はくび老人ろうじん歯軋はぎしりしながらそううと、ふかおもうらみにゆがんだ表情ひょうじょうかべた。

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