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蛊真人  作者: 魏臣栋
青茅山
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第百七十二節:方源をおいて他にいない!

酒席しゅせきうえに、一瞬いっしゅんにして物音ものおと一つしなくなった。


全員ぜんいん呆気あっけられ、呆然ぼうぜん方源ほうげん見詰みつめた。


彼らは方源がこんなふうこたえるとはおもっておらず、直接認ちょくせつみとめ、しかもここまで率直そっちょくだとは。


「まだわかすぎる、こんな言葉ことばくちにするとはな」


「ふん、これをった以上いじょう政治せいじ的生命せいめいきることを意味いみする」


今後こんご方源ほうげんなどるにらぬ…」


家老かろうたちの胸中きょうちゅうでは思考しこう渦巻うずまいていた。


狼禍ろうかはここまでて、大局たいきょくすでさだまった。これから数ヶすうかげつ猩狼おおかみれが出没しゅつぼつするだけであり、狡電狈こうでんはいによるない召還しょうかん蛊師こしたちの掃討そうとうで、年末ねんまつまでに電狼でんろうはほぼせるだろう。


だがあらそいはけっしてむことをらない。



ひと場所ばしょにはかなら利益りえき存在そんざいする。利益りえき存在そんざいする場所ばしょではかならあらそいがきる。


狼禍ろうかもとでは、それはひとおおかみとのあらそいだった。


いま狼禍ろうか最艱難期さいかんなんきえ、一族いちぞくかん内輪うちわもめが水面すいめんかびがり、おも矛盾むじゅんへと転化てんかした。


狼禍ろうか山寨さんさいおそい、おおくの蛊師こしいのちとし、旧来きゅうらい勢力せいりょく崩壊ほうかいした。


それらの勢力せいりょく従前じゅうぜん支配しはいしていた利益りえき本来ほんらいあるじうしない、再分配さいぶんぱい分割ぶんかつ必然ひつぜんとなった。


古月一族こげついちぞく上層部じょうそうぶにおいては、従来じゅうらい数多あまた家老かろう山寨全体さんさいぜんたい利益りえきというおおきなもちっていた。


ところがいま方源ほうげん十人じゅうにんたない家老かろうしかのこっていないのに、そのもち依然いぜんそこに存在そんざいする。


この巨大きょだいもち分割ぶんかつするには、当然とうぜんして力量りきりょうくらわねばならない。


まつりごとうえでのあらそいは、狼禍ろうかのようなかたな閃光せんこうあめ戦場せんじょうこそないが、謀略ぼうりゃくわなといった陰陰湿湿いんいんしつしつとした危険きけんちており、同様どうようふかけわしいものだ。



元来がんらい方源ほうげん唯一ゆいいつ新規家老しんきかろうとして、いきおいがきわめてつよく、一世いっせ風靡ふうびしていた。


しかしいまかれみずか政治生命せいじせいめいほうむったことをみとめたことで、他の家老ほかのかろうとの利益りえきもちあらそいから事実上撤退じじつじょうてったいしたことになる。


瞬時またたくに、方源ほうげんに対する家老かろうたちの脅威度きょういど何倍なんばい低下ていかした。


方源ほうげんけられる数多あまた視線しせんなかふくまれていた圧力あつりょくあきらかに緩和かんわされつつあった。


そのとき族長ぞくちょう古月博こげつはくかる嘆息たんそくした:「方源ほうげんよ、きみみとめた以上いじょう族長ぞくちょうとしてこの戦線離脱せんせんりだつ処置しょちせざるをない。先祖代々(せんぞだいだい)よりもうつたえる家法かほうによれば、戦線せんせんから脱走だっそうした者は家老職かろうしょく剥奪はくだつされる。ただし最終決定さいしゅうけっていわたし他数名たすうめい家老かろう合議ごうぎうえ状況じょうきょう酌量しゃくりょうしてくだす。いずれにせよ結果けっかはご了承りょうしょういただきたい」


周囲しゅういもの顔色かおいろは様々(さまざま)であった。


方源ほうげんかるうなずいた。くちひらかず、運命うんめいしたが姿勢しせいせた。


古月薬姫こげつやくひみずか片腕かたうでち、いのちながらえた。


この凄烈せいれつ決断けつだんりょくは、方源ほうげんにも同様どうようそなわっている。


ただかれてたものはさらに多く、家老かろう地位ちいまでもったのだ。


いまかれ最大さいだい厄介事やっかいごとは、突如とつじょあらわれた鉄家父娘てっかふじょう存在そんざいだ。


もしまつりごとうずまれ、政治的圧迫せいじてきあっぱくければ、状況じょうきょうかなら一層いっそう危険きけんとなる。


てるゆえる(※)。取捨選択しゅしゃせんたくあいだに、人生じんせいそんする。


家老かろうという身分みぶんは、元々(もともと)さらなる修行しゅぎょうのために利用りようしてきたにぎない。


とわいのちもと魔道まどうんだわれにとっては、いのちさえてられるのに、


一体いったいなにてられようか? 家老かろうくらいなど…フン」


方源ほうげん胸中きょうちゅう懊悩おうのう後悔こうかい微温びおんすらなかった。


これが最善さいぜん選択せんたくだ。


しかも、懲罰ちょうばつるだろうが、


そのきびしさはかなら軽微けいびなものにとどまる。


なんっても現在げんざい家老かろう欠乏けつぼう状態じょうたいだ。


かれ三転蛊師さんてんこしである以上いじょう、その戦力せんりょくかなら重視じゅうしされねばならない。


族長ぞくちょう一方いっぽう処罰しょばつしつつ、他方たほうでは方源ほうげんちからりて山寨さんさい大局たいきょく安定あんていさせようとするため、


かれなだめる必要ひつようもあるのだ。


他の家老ほかのかろうたちにいたっては、方源ほうげんすでにこのかぎとなる政治的駆せいじてきかけきから退しりぞいており、


最早もはや脅威きょういとならない。ましてや方源ほうげん根絶こんぜつやしにしようなどとはあるまい。


まんいっ方源ほうげん反撃はんげきされでもすれば、みずかわざわいをまね結果けっかになるのではないか?


家制度いえせいど存在そんざいするとはえ、

制度せいどとはなにか?

フッ、制度せいどなど全て(すべて)上位者じょういしゃ利益りえきまも道具どうぐぎない。

一方いっぽうでそれは下層かそう利益りえき支配しはい分割ぶんかつし、

他方たほうでは上位者同士じょういしゃどうしたがいを調整ちょうせいするゲームのルールでしかないのだ」


方源ほうげん心中しんちゅう冷笑れいしょうした。


これらの本質ほんしつについて、かれ灯火ともしびかりでらすように見通みとおし、


きわめて透徹とうてつした理解りかいっていた。


いま最も重要もっともじゅうようなのは、なんっても鉄家父娘てっかふじょう問題もんだいだ。


まったく厄介やっかいなことに、予想以上よそういじょうはや到来とうらいした。


狼禍ろうかさえいま終息しゅうそくせぬなかかれらが到着とうちゃくしたなんて。


ふん、だがこうしたいは、


鉄血冷てっけつれいあくにくあだ性情せいじょうと、かえりみない行動様式こうどうようしきするものだ」


このことをおもかべるだけで、方源ほうげんこころにはおも圧力あつりょくしょうじる。


鉄血冷てっけつれいきずっているとはいえ、


その戦力せんりょく方源ほうげん太刀打たちうちできる代物しろものではない。


おとろえた駱駝らくだでさえうまより大きい──それが道理どうりというものだ。


おれ山寨さんさいはなれる必要ひつようがありつつ、鉄家父娘てっかふじょう追跡ついせき回避かいひせねばならない。どうすればこの局面きょくめん打破だはできる?」


方源ほうげん苦悩くのうした。


鉄家父娘てっかふじょうは、


けっして賈富かふごとだまとおせる相手あいてではない。


くわえて、かれ方源ほうげん実力じつりょくは微々(びび)たるもので、


たとせん妙計みょうけいっていようと、


それを実行じっこうするちからがなければ、どうしようもないというのが現実げんじつだ。


三転さんてん五転ごてんでは、


この実力差じつりょくさ天地てんちほどのひらきがある。


諸君しょくんもうげたいことがある」


そのとき沈黙ちんもくつらぬいていた古月赤練こげつせきれん突如とつじょくちひらいた。


顔面がんめん蒼白そうはくで、重傷じゅうしょうからだきずりながら来席らいせきしたかれは、


さけまず、ただちゃすすっていたのだが──


しかしそのつぎはなった言葉ことばは、


もの度肝どぎも発言はつげんだった:


ひとつ、告白こくはくせねばならぬ事実じじつがござる。


方源様ほうげんさま戦場せんじょうおよ御出ごしゅつでになれなかったのは、


この老朽ろうきゅう仕業しわざでござる!」


なんですって!?」


瞬時またたくに、他の家老ほかのかろうたちはみなかすかに驚愕きょうがくいろせた。



「おお、そのはなしとは如何いかに?」古月博こげつはくう。


方源ほうげんもまた一目ひとめげかけたが、おどろきは奥底おくそこふうんだ。


(この古月赤練こげつせきれんがなぜ自分じぶんかばうのか?)


たしかに以前いぜん、方源はかれよわみをにぎってはいたが、


今回こんかい狼禍ろうか赤脈せきみゃく後継者こうけいしゃ古月赤城こげつせきじょう戦場せんじょう落命らくめいした。


赤脈せきみゃく最善さいぜん保護ほごくしたとはいえ、


戦場せんじょうこそは予測よそく不能ふのう事態じたい最多さいた場所ばしょだ。


して狼禍ろうかもとでは自衛じえいすらあやうく、


おのれすらまもりきれない状況じょうきょうで、


他人たにん面倒めんどうなどておれるはずがない。


ひとねばともしびゆ──


方源がにぎっていたよわみも効力こうりょくうしなったはずだ。


(だがなぜ古月赤練は自発的じはつてきすすて、いつわりの庇護ひごあたえるのか?)


古月赤練こげつせきれんつづけて嘆息たんそくした:


かくさずもうせば、


わが孫娘まごむすめ古月漠顔こげつばくげんふか方源家老ほうげんかろう恋慕れんぼしておりましてな。


先般せんぱん彼女かのじょみずか老朽ろうきゅう懇願こんがんし、


地面じめんひざまずいてきじゃくり、


方源様ほうげんさま戦場せんじょう戦死せんしする姿すがたたくないと。


老朽ろうきゅうにはこの孫娘まごむすめただ一人ひとり


私情しじょうながれてしまい方源ほうげん屋敷内やしきない強引ごういんき、


ねむぐすりねむらせたのです。


雷冠頭狼らいかんとうろう追撃ついげきおりいたり、はじめてほどいてやった次第しだい


さればよろずあやまちは全て(すべて)老朽ろうきゅうにあり。


方源様ほうげんさまにはなんかかわりもござらぬ」


なんだと?」


「おお、真実しんじつか?」


家老かろうたちは一様いちよう疑念ぎねん表情ひょうじょうかべた。


古月赤練こげつせきれんぶんあまりにも突拍子とっぴょうしもなく、


いた瞬間しゅんかんから信用度しんようどなど皆無かいむだった。


わかもの恋慕れんぼじょうは、ごく自然しぜんなこと」


古月博こげつはくはうなずき、ふかふくみをめて方源ほうげんつめ、


かれかおから端倪たんげい見出みいだそうとした。


だが方源ほうげんすでまつげせ、顔色かおいろ平然へいぜんとしており、


よろこびもいかりもうかがえなかった。


族長ぞくちょうすこちない様子ようすだった。


他の家老かろうたちも目配めくばせしい、


当座とうざあいだ


古月赤練こげつせきれんがなぜ方源ほうげんをそこまで庇護ひごするのか理解りかいできずにいた。


かれがわざわざいつわりの証言しょうげんをし、


方源ほうげん弁護べんごするのは、


みずからの名誉めいよ犠牲ぎせいにし、


政治生命せいじせいめいみずか行為こういほかならない!


古月赤練こげつせきれんつづけてべた:


方源家老ほうげんかろうは、


老朽ろうきゅう名誉めいよまもるため、みずか罵名ばめいこうむることあまんじておられた。


だが老朽ろうきゅうすで一度いちどあやまちをおかしている、


どうしてふたたあやまつことができようか?


真実しんじつはまさしくこのとおり、


いかなる処罰しょばつも、どうか族長閣下ぞくちょうかっか明示めいじたまわりたい。


老朽ろうきゅうつみみとけいふくす。


もし家老職かろうしょく剥奪はくだつせられようとも、甘受かんじゅする所存しょぞんでござる」



族長ぞくちょうあわててり:


赤練家老せきれんかろう苦労功績くろうこうせきはかれぬ。


この行動こうどう理解りかいできよう、


ひと木石ぼくせきにあらざれば、いずくんぞじょうなからんや?


いま一族いちぞく百事再建ひゃくじさいけんとき


貴公きこうごと枢要すうよう臣下しんかこそ必要ひつようなれ。


ただこれは畢竟ひっきょう私情しじょうゆえ、


如何いか処罰しょばつすべきかはなお協議きょうぎようす。


本日ほんじつ賓客ひんきゃく御来駕ごらいがあること。


まずはなしき、


さあ、鉄兄てつけい


拙者せっしゃすべての家老かろうとも貴兄きけい一献いっこんを。


こえけるや、古月博こげつはくがる。


のこりの家老かろうたちもつづいて起立きりつし、


さかずきかかげた。


「皆々みなみなさま厚情こうじょういたる。


今後こんご御厄介ごやっかいをおかけすることもあらんが、


どうかご寛容かんようたまわりたい」


鉄血冷てっけつれいえらぶらず、同様どうようがり、


一杯いっぱいした。


……


赤脈大院せきみゃくだいいんうちには、


くさ芳香ほうこうただよい、


築山つきやま清泉せいせんからは水音みずおとが潺々(せんせん)とながれる。


夜空よぞらに、明月めいげつぼんごとたかかっている。


酒宴しゅえんはとっくにえていた。


方源ほうげん院中いんちゅう納涼亭のうりょうてい端座たんざし、


耳辺じへんひび清泉せいせんおとりながら、


平然へいぜん手中しゅちゅう茶碗ちゃわんいた。


かれかいには、


古月赤練こげつせきれんすわっている。


宴散後えんさんごかれみずか方源ほうげんをここへまねき、だんわしたのだ。


「さあ、もう一杯いっぱい


この竹葉青水茶ちくようせいすいちゃこそ、


まさ酒酔さけよいくにし」


古月赤練こげつせきれん微笑ほほえみ、


みずか方源ほうげんのため茶碗ちゃわんした。


方源ほうげん表情ひょうじょうえず、


ふたたがれたちゃて、


ただひとことべた:「たしかにいをますちゃだ」


そうえると、視線しせん亭外ていがいうつした。


月明つきあかりは蒼白そうはくに、


きよらかなひかり一面いちめんそそぐ。


月光げっこうらされた庭園ていえん静寂せいじゃく優雅ゆうがながらも、


かぜれるかげまだらにらめき、


赤脈大院せきみゃくだいいん全盛期ぜんせいきから衰退期すいたいきかう


零落れいらく気配けはいかすかにれた。


酒宴中しゅえんちゅうに、


方源ほうげんすで古月赤練こげつせきれん真意しんい看破かんぱしていた。


いまこの情景じょうけいるにおよんで、


心中しんちゅう確信かくしんさらつよまった。


赤脈せきみゃく人材じんざいがいない!)


古月赤城こげつせきじょうをもって、


赤脈せきみゃくすべてが後継者こうけいしゃうしなった。


たしかに赤城せきじょうには実姉じっし漠顔ばくがん存在そんざいするが、


一族いちぞく体制たいせいとして、先祖せんぞよりつたわるおきて


歴然れきぜんとして男子だんしおもんじ女子じょしかろんじ、


家業かぎょうもまた男子だんしにのみつたえ、女子じょしにはつたえてはいけない。


仮令たとい将来しょうらい古月漠顔こげつばくがん三転さんてんたっし、


家老かろう昇進しょうしんしたとしても、


彼女かのじょ家業かぎょう赤脈せきみゃく正統せいとう代表だいひょうせず、


ただ彼女個人かのじょこじんぞくするだけである。


将来しょうらいとつぐことになれば、


その家業かぎょうおっと名義めいぎへと移行いこうする。


ひとつのいえにおける政治的勢力せいじてきせいりょくが、


後継者こうけいしゃ喪失そうしつしたならば、


すなわ将来性しょうらいせいはなく、


追従ついじゅうするものなどあらわれないのだ。


赤脈せきみゃくすで苦境くきょうおちいり、


崩壊ほうかい寸前すんぜん危機きき直面ちょくめんしている。


しかしてん機微きびつね一筋ひとすじ活路かつろのこす。


赤脈せきみゃく絶体絶命ぜったいぜつめいではなく、


なお一筋ひとすじのぞみがのこされていた。


このかすかなのぞみは古月漠顔こげつばくがんかっている。


彼女かのじょおんなながら、


とつぐことによって解決策かいけつさくまれる。


もしこの婿むこ赤脈せきみゃくかどぐならば、


身分上みぶんじょう道理どうりとおり、


赤脉せきみゃく命脈めいみゃくがせることが可能かのうなのだ!


方源ほうげんくちひら気配けはいのない様子ようすうかがい、


古月赤練こげつせきれん心中しんちゅうで「狡賢こうかしこ小僧こぞうめ」とののしるも、


ついにまずくちらざるをなかった:


方源家老ほうげんかろうには、わが赤脉せきみゃくたいしていかほどのご見解けんかいをお持ち(もち)でござるか?」


彼のにはくちにできない事情じじょうがあった。


重傷じゅうしょうって以来いらい


彼の実力じつりょく二転にてんきょうまでち込み、


ふたた三転さんてん回帰かいきする可能性かのうせい微塵みじんもない。


今現在いまげんざい蛊虫こちゅうちから気配けはい偽装ぎそうしているだけであり、


かみかくしてもかくれず、


露見ろけんするかならおとずれる。


唯一ゆいいつ後継者こうけいしゃすでき、


みずからも二転にてんちたとなれば家老職かろうしょく喪失そうしつする。


古月赤練こげつせきれんいま


場面ばめんさえられる外部がいぶ協力者きょうりょくしゃ喫緊きっきん必要ひつようとしていたのだ。


昔日せきじつ


かれ権勢けんせいきわめ、


赤脉せきみゃく莫大ばくだい利益りえきかたまり手中しゅちゅうおさめていた。


いま一族いちぞく勢力図せいりょくずえられるなか


よりおおくの利益りえきを求めずとも、


現在げんざい手中しゅちゅうにあるぶんまもとおせれば、それこそが最大さいだい勝利しょうりだ。


かれ右思左考うしさこうしたすえ


最適さいてき人選じんせん方源ほうげんをおいてほかにはないとさとった!


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