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蛊真人  作者: 魏臣栋
青茅山
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第百六十九節:道を探す

白凝冰はくぎょうひょう全身ぜんしんきずだらけで、いきらし、無様ぶざま姿すがただった。


方源ほうげんけつけたとき二人ふたり呆気あっけられた。


運命うんめいというものは、じつ不可思議ふかしぎだ。つい先程さきほどまで生死せいし仇敵きゅうてき同士どうしだった二人ふたりが、相手あいてほうむろうとしていたのに、いまこの瞬間しゅんかんでは、ともまなければ逃亡とうぼうすらかなわない。


白凝冰はくぎょうひょう協力きょうりょくするのか?


方源ほうげんひとみかすかにひかる。こころ思量しりょう渦巻うずまく。「かれたしかに狂気きょうきちているし、みずからの運命うんめいにもづいてはいるが、びたいとおもっていないわけではない。」


生存本能せいぞんほんのうとは生命せいめい根源こんげんてき衝動しょうどうであり、もっと基礎きそてき欲求よっきゅうである。


じつのところ、白凝冰はくぎょうひょう一方いっぽう強烈きょうれつびたい欲求よっきゅういだきながら、他方たほう変革へんかく不能ふのう破滅はめつ運命うんめい直面ちょくめんしているからこそ、あのような性分しょうぶん形成けいせいされたのだ。


この世界(せかい)には永遠(えいえん)(てき)など存在(そんざい)しない。白凝冰(はくぎょうひょう)()()基盤(きばん)十分(じゅうぶん)にある。だが、どう(くち)()れば(かれ)説得(せっとく)できるか?


「はっはっは、ほうげん、まさかお(まえ)とはな!」白凝冰(はくぎょうひょう)(さき)(くち)(ひら)き、高笑(たかわら)いしながら強硬(きょうこう)()(はな)った。「なら(おれ)(とも)()ぬがいい。お(まえ)という道連(みちづ)れがいるなら、この人生(じんせい)()わりも()くない」


面白(おもしろ)いか?」方源(ほうげん)心中(しんちゅう)思案(しあん)(まと)まり、(ほほ)()みを()かべて白凝冰(はくぎょうひょう)(ゆる)やかに(ある)()した。


周囲(しゅうい)から雷電狼(らいでんろう)(おそ)いかかる。ほうげんは()()り、鋸歯金蜈(きょしきんご)(かぜ)()って()り、二匹(にひき)三匹(さんびき)雷電狼(らいでんろう)即座(そくざ)(たた)(つぶ)し、(はじ)()ばした。


戦闘(せんとう)(つづ)ける(うち)に、鋸歯金蜈(きょしきんご)二列(にれつ)鋸歯(きょし)大半(たいはん)損耗(そんもう)し、切断(せつだん)攪拌(かくはん)能力(のうりょく)大幅(おおはば)減退(げんたい)していた。もはや打撃(だげき)(たた)(つぶ)すことしかできない。


「この(おおかみ)たちに(かこ)まれた(なか)で、我々(われわれ)が命懸(いのちか)けの死闘(しとう)()(ひろ)げるほうが、よほど面白(おもしろ)くはないか?」方源(ほうげん)(おもむ)ろに白凝冰(はくぎょうひょう)(せま)りながら、口元(くちもと)冷徹(れいてつ)()みを()かべた。


白凝冰(はくぎょうひょう)(まぶた)がピクッと(ふる)えた。方源(ほうげん)自分(じぶん)より強硬(きょうこう)()るとは予想(よそう)していなかった。


しかし、これこそが(かれ)本心(ほんしん)(かな)うものだった。もし方源(ほうげん)態度(たいど)軟化(なんか)させ、生存(せいぞん)ばかりを(もと)めて協力(きょうりょく)逃生(とうせい)哀願(あいがん)してきたら、むしろ(かれ)見下(みくだ)し、(おさ)えきれない屈辱感(くつじょくかん)()られて殺意(さつい)(いだ)いただろう。


この()には、こういう人間(にんげん)存在(そんざい)する。ひたすら善意(ぜんい)(そそ)げば、(よわ)()えて軽視(けいし)される。(ぎゃく)強硬姿勢(きょうこうしせい)()せれば、かえって尊敬(そんけい)()()るのだ。


「本気で死にたいのか?ならば叶えてやる!」白凝冰(はくぎょうひょう)細目(ほそめ)になり、危険(きけん)気配(けはい)(ただよ)わせた。


方源(ほうげん)は朗々(ろうろう)と(わら)い、(あし)(ゆる)めて悠然(ゆうぜん)たる感慨(かんがい)()めて()った。「人生(じんせい)百年(ひゃくねん)()えど忽焉(こつえん)として()()る。夢幻泡影(むげんほうよう)(ごと)し。人は何故(なぜ)生きるのか?畢竟(ひっきょう)一度(いちど)(たび)()ぎぬ。ただ精彩(せいさい)目撃(もくげき)せんがためだ。(われ)()にたくはないが、()(おそ)れはしない。(すで)(みち)(あゆ)む。()りぬべき(とき)ならば()いなし」


これは方源(ほうげん)心底(しんそこ)からの言葉(ことば)であった。


(いにしえ)より()なぬ(ひと)あらめや。


(たと)九転蛊師(きゅうてんこし)たるとも、人祖(じんそ)たるとも、長生(ちょうせい)あれど永生(えいせい)ならず。(つい)には滅亡(めつぼう)(まぬが)れぬ。


()ぬるは(すなわ)()ぬるなり。(なん)(おお)したることか?仮令(たとい)次の瞬間(しゅんかん)狼潮(ろうちょう)(たお)れようとも、後悔(こうかい)などあろうはずがない。


何故(なにゆえ)なら、(すで)(おのれ)目標(もくひょう)のために奮闘(ふんとう)し、尽力(じんりょく)し、()のままに()きてきたからだ!


生死(せいし)放下(ほうか)して(はじ)めて、人生(じんせい)広大(こうだい)となり、(しん)優雅(ゆうが)たるを(きわ)める。



白凝冰(はくぎょうひょう)はこの言葉(ことば)()き、身体(からだ)激震(げきしん)した!


(かれ)が口々(くちぐち)に「()(おそ)れない」と豪語(ごうご)しながらも、(じつ)(しん)達観(たっかん)ではなく、生死(せいし)見透(みとお)せず、執着(しゅうちゃく)から解放(かいほう)されていなかったのだ。


(ひと)恐怖(きょうふ)()られた瞬間(しゅんかん)奴隷(どれい)()す。


(おも)えば白凝冰(はくぎょうひょう)など、生死(せいし)の前に(ひざまず)一介(いっかい)囚人(しゅうじん)()ぎぬ。


だがこれも無理(むり)はない。(かれ)(いま)(わか)すぎる。多くの真実(しんじつ)は、幾多(いくた)経験(けいけん)()(はじ)めて看破(かんぱ)できるものだ。


しかしながら、方源(ほうげん)(しめ)した言葉(ことば)は、長年(ながねん)この葛藤(かっとう)(しば)られていた(かれ)啓示(けいじ)(まど)(ひら)いた。


あかしとなろう……その途上とじょうに……して後悔こうかいせず?」白凝冰はくぎょうひょうつぶやき、突然とつぜんう:「みち! みちとはなにか?」


方源ほうげんややかにわらい、なおもせまる:「ひとそれぞれにみちがある。おれみちはおまえかた必要ひつようはない。おまえみちなど、おれるわけがない」


このでは、おおくのものまれてからぬまでみちたない。またあるものみちあるきながら、暗中模索あんちゅうもさくのうちにこころ聖地せいちへとすすんでいく。


白凝冰はくぎょうひょうあまのようなあお双眸そうぼうが、突如とつじょきらめく光彩こうさい爆発ばくはつさせた。


みち…その通りだ! おれみちさがそう!」


この瞬間しゅんかんかれこころがったはげしい高揚感こうようかんは、他人たにん理解りかいできるものではない。


あたかも、女性じょせいもとめてくるしみながらつづけてもられなかったおとこが、突如とつじょただしい方法ほうほう見出みいだしたかのように。また宝物たからものさがものが、最後さいご関門かんもんなが間阻あいだはばまれていたのに、ついに突破とっぱする手立てだてをつけたかのように。さらには何年なんねんなやつづけて進展しんてんのなかった難問なんもん解決策かいけつさくを、突如発見とつじょはっけんしたかのようでもあった。


白凝冰はくぎょうひょうにはみちがなく、きる意味いみ見出みいだせなかった。ゆえまよっていたのだ。


方源ほうげんかれまよいを直接解ちょくせいかいくことはできないが、婉曲えんきょくしめすことで一筋ひとすじ希望きぼうあたえた。目前もくぜんにしたこころなぐさめ――あるつづけるみちさえあれば、たとんでも後悔こうかいせず、そのものもおそろしくなくなるのだと。


「ついにみちつけるところだ!」白凝冰はくぎょうひょうこぶしかたにぎりしめ、表情ひょうじょう非常ひじょう高揚こうようした。


方源ほうげん見据みすえてふかみのある口調くちょうう:「きみおれちがいがようやくわかった。きみすでみちあるんでいるが、おれ彷徨さまよっていた」


「くっくっく」突然とつぜんわらしたかれは、興奮こうふんのあまり凶暴きょうぼう形相ぎょうそうになっていた。「方源ほうげんたたかいたけりゃ最後さいごまでう!だがいまはダメだ。協力きょうりょくしろ。おれ電眼蠱でんがんこ[※1] をっているが、視界しかいさえぎられて30さんじゅっぽ[※2] しか見通みとおせない。ここを脱出だっしゅつしたら、あらためてめて大勝負だいしょうぶをしよう。むかしかたきむなんて、ますます刺激的しげきてき面白おもしろいとおもわないか?」


「ほう、どうやっておまえしんじれば?」


しんじろとはってない。しんじてもいいし、うたがってもいい。背中せなかあずけてもいいが、いつでもおれおそってくらってもかまわない。フフ、すべてはそのとききみ気持きも次第しだいさ!」白凝冰はくぎょうひょうわらいながらかたをすくめ、いさぎよい飄逸ひょういつさをはなった。



けむりたぎり、周囲しゅういおおかみれがさけんでいる。


方源ほうげんかすかにせ、白凝冰はくぎょうひょう提案ていあんかんがえているようだった。


じつえばひと説得せっとくするのはむずかしいが、同時どうじ簡単かんたんでもある。肝心かんじん相手あいてこころ奥底おくそこ正確せいかくくことだ。


「よかろう」方源ほうげん鋸歯金蜈きょしきんご[※1]の暗金あんきん甲羅こうらでながらかおを上げた、「だがな、おれおそわれる覚悟かくごはしとけよ!」


「はははっ」白凝冰はくぎょうひょうくちゆがめて不気味ぶきみわらいをかべた。突風とっぷうけるなかふかめる黒煙こくえんれたうでそでかぜあおられてひらひらとれていた。


にごったけむりなか方向ほうこう判断はんだんするのはきわめて困難こんなんだ。視界しかいせまければせまいほど、方向感覚ほうこうかんかく容易よういうしなう。


しかし白凝冰はくぎょうひょう電眼蠱でんがんこち、探索範囲たんさくはんいは50歩(ごじゅっぽ・約38.1m)にたっしていたが、いま濃煙のうえんはばまれて30歩(さんじゅっぽ・約22.9m)まで縮小しゅくしょうしている。それでも方源ほうげん肉眼にくがんよりはるかにまさっていた。


ただし白凝冰はくぎょうひょう電眼蠱でんがんこゆうしながら、大局的たいきょくてき認識にんしきけていた。


目前もくぜん光景こうけいしか把握はあくできないため、突撃とつげきした挙句あげくかえって狼群おおかみむれ包囲網ほういもうんでしまうことすらあった。


一方いっぽう方源ほうげん地聴肉耳草ちちょうにくじそう[※1]をゆうする。


濃煙のうえん視野しやよわめるが、おと伝播でんぱ遮断しゃだんすることはできない。


周囲しゅういおとちており、地聴肉耳草ちちょうにくじそうなら200歩(にひゃっぽ・約152.4m)さきまで探知たんち可能かのうだ。しかし方源ほうげんながされるままだった。視界しかいいちじるしくせまいため、かたわらの一本いっぽん一塊ひときれ岩石がんせきしか識別しきべつできず、参照物さんしょうぶつ対比たいひができず方向ほうこう見失みうしなっていた。


協力きょうりょく


白凝冰はくぎょうひょう電眼蠱でんがんこと、方源ほうげん地聴肉耳草ちちょうにくじそうわさる。


二匹にひき蠱虫こちゅう相互補完そうごほかんした結果けっか戦況せんきょう即座そくざ緩和かんわした。


「こちらがみなみだ。この方向ほうこうは、おまえたち古月山寨こげつさんさい[※1]に直結ちょっけつしている」青白あおじろ電光でんこう白凝冰はくぎょうひょうひとみはしり、即座そくざげた。


無理むりだ。そちらは狼群おおかみむれ多過おおすぎる。迂回うかいせねば」方源ほうげん右耳みぎみみにある肉耳草にくじそう触手しょくしゅかぜれる。


「へへ……それでは南東なんとうかって迂回うかいするのはどうだ?」白凝冰はくぎょうひょうしたくちびるめた。


方源ほうげんはしゃがみみ、肉耳草にくじそう湿しめった土壌どじょうめてれた。


そのあいだせま電狼でんろうは、白凝冰はくぎょうひょうによって次々(つぎつぎ)に処理しょりされていった。


方源ほうげんはしばらくんだあと背筋せすじばしてがった:「南東なんとう突破口とっぱこうがある。だがいそがないと、すぐふさがってしまう!」


「なら突撃とつげきだな」白凝冰はくぎょうひょうはそういながらも、いてうごこうとしない。


依然いぜんとして方源ほうげん警戒心けいかいしんいだいており、前線ぜんせんたたかうことで背中せなかさらすことをおそれていたのだ。


方源ほうげんややかにわらった――かれ同様どうよう白凝冰はくぎょうひょう警戒けいかいしていた。


結局けっきょく二人ふたり五歩ごほ間隔かんかくたもち、横並よこならびで突撃とつげきしていった。




電狼でんろうがウゥーンと吠え、二人ふたり包囲殲滅ほういせんめつせんとした。


しかし電眼蠱でんがんこ地聴肉耳草ちちょうにくじそう連携れんけいにより、方源ほうげん白凝冰はくぎょうひょうきょいてじつけ、なく移動いどうし、好機こうきとらえて猛然もうぜん突破とっぱした。情報優位じょうほうゆういがこのとき鮮烈せんれつ発揮はっきされた。


白凝冰はくぎょうひょう方源ほうげん単独たんどくたたかえば、悲惨ひさん窮迫きゅうはくした状況じょうきょうおちいっていただろう。ところがいま協力きょうりょくすればこそ、ぎゃく主導権しゅどうけんにぎり、悠然ゆうぜんとしている余裕よゆうすらせた。


しばらく突撃とつげきしたあと眼前がんぜん突然とつぜんひらけ、まばゆい陽光ようこう二人ふたり同時どうじらしておもわずほそめた。


脱出だっしゅつだ!」白凝冰はくぎょうひょうてんあおいでたからかにわらった。




方源ほうげんが振り返ると、背後には濃厚のうこうくろけむりが、まるで巨大きょだい鍋底なべぞこさかさまにかぶせたかのように広大こうだい山林さんりんおおっていた。


黒煙こくえんなかから、なくはげしい爆発音ばくはつおん怒号どごうひびいてくる。あきらかに二人ふたり族長ぞくちょう狡電狈こうでんはい交戦こうせんちゅうだった。


「おまえ協力きょうりょくするのもわるくないな」白凝冰はくぎょうひょうかすかにからだななめにけて微笑ほほえんだ。


同感どうかんだ」方源ほうげん口元くちもとにもみがかんだ。


そしてつぎ瞬間しゅんかん二人ふたりひとみするど殺気さっきひらめいた。


氷刃蠱ひょうじんこ


鋸歯金蜈きょしきんご


細長ほそながこおりやいば空中くうちゅう冷気れいき軌跡きせきえがく。


ふとっこい金色こんじき蜈蚣むかで風切音かざきりおとはっして横薙よこなぎたたきつけた。


バンッ!


両者りょうしゃ激突げきとつし、氷刃ひょうじん金蜈きんご背中せなか傷痕きずあときざんだかと思うと、次の瞬間しゅんかんくだった。


方源ほうげん白凝冰はくぎょうひょうは各々(おのおの)後方こうほう跳躍ちょうやく双方そうほうひとみ濃厚のうこう殺意さつい渦巻うずまいた。


つか協力きょうりょくなど、敵対心てきたいしんえられるはずもない。


黒髪くろかみひるがえ方源ほうげん白衣はくいなびかせる白凝冰はくぎょうひょう――たがいに似通にかよ部分ぶぶんおおすぎるがゆえに、両者りょうしゃ宿命しゅくめい仇同士あだどうしとなっていた。


くろひとみあお双眸そうぼう凝視ぎょうしい、空間くうかん火花ひばならさんばかりの気迫きはくはなつ。


しかし双方そうほう殺意さついは、徐々(じょじょ)にうすらいでいった。



「ふん…にかけたものにわざわざくださなくても、てんがそのいのちすさ。いま一番いちばん大事だいじなのは白凝冰はくぎょうひょうじゃない。天元宝蓮てんげんほうれん[※1]だ!狡電狈こうでんはい古月山寨こげつさんさいおそえば、最悪さいあく事態じたいになる。いまこそ決断けつだんしてうごかねば…」方源ほうげんまぶたせておもめぐらせた。


一方いっぽう白凝冰はくぎょうひょう双眸そうぼうは徐々(じょじょ)にかがやきをし、くちの中でつぶやく:「みち後悔こうかいせず…そうだ、人祖じんそ[※2]とてまぬがれない。まれればかならぬ、それならば轟々(ごうごう)ときて、をもおそれまい」


そのおもいがあたまをよぎると、ひとみ突如とつじょ強烈きょうれつ光芒こうぼうはなった。


「はははっ!おれもついにみちつけたぞ――この驚異きょういだれよりも見届みとどけることだ!方源ほうげん決戦けっせんはまた後日ごじつな。そのときはおまえが、おれ人生じんせい最高さいこうかがやきをえてくれればな!」


そうえると、かれ数度すうどにわたり後退こうたいして距離きょりり、けてってった。


無様ぶざまきずだらけ、かおすすれ、片腕かたうでうしなっていたが、その背筋せすじかたなのようにぐだった。もはやまよいなど微塵みじんもない。


ついにかれみずからのみちつかったのだ。


えれば――


まことおのれった!

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