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蛊真人  作者: 魏臣栋
青茅山
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第百六十一節:搾取されることさえ甘んじる

方源ほうげんさかずきくと、着席ちゃくせきした。


一同いちどうがようやくすわなおした。列席者れっせきしゃ同期全員どうきぜんいんではない。例えば漠北ばくほく赤城あかしろなど有力ゆうりょく後盾こうだんを持つものふくまれない。


「そろそろ時間じかんだ。るとしよう。結構けっこううたげだった」方源ほうげん退席たいせき意思いししめした。


古月定宗こげつていしゅうはこの称賛しょうさん有頂天うちょうてんになり、きゅういでがり懐中かいちゅうから金袋かねぶくろを取りとりだした。


ふくろ中身なかみ無論むろん元石げんせきたされている。


こしわらいながらった:「本日ほんじつ貴重きちょうなご教示きょうじたまわり、小生しょうせい頑迷がんめいあたまわたり、おおいにところがございました。些少さしょうではございますが、下僕げぼく感謝かんしゃしるしとさせてください」


かれうことはすべうそである。宴席えんせき開始かいし以来いらい終始しゅうしへつらってばかりで、なに修行しゅぎょう相談そうだんもしていない。


しかし一同いちどう本当ほんとうにあったことのようにおおきなこえはやて、方源ほうげん家老かろう受納じゅのうすすめた。


方源ほうげん辞退じたいせず、うすわらいながら自然しぜん金袋かねぶくろを受け(うけ)った。


つづいて二人目ふたりめ三人目さんにんめと次々(つぎつぎ)に贈物おくりものってすすてきた。これも元石げんせき、あれも元石げんせき


承知しょうちした」


方源ほうげんほそ微笑ほほえみながら、一人ひとり一人ひとりからった。


数十袋すうじゅうふくろ元石げんせき到底とうていてるりょうではない。古月定宗こげつていしゅうはそれをるや、即座そくざかせて下人げにん数名すうめいせ、方源ほうげん背後はいごささたせた。


わずかな時間じかんで、方源ほうげんあつめた元石げんせき約一万個やくいちまんこ


わりに、方源ほうげん悠然ゆうぜんと立ちがり、ふたたさかずきかかげた:「邂逅かいこうそれ自体じたいえん。この同窓どうそうじょうたがいに銘記めいきし、一献いっこんあたいする」


「は!」


家老様かろうさまのお言葉ことばきわまりません!」


簡潔かんけつにして究極きゅうきょく名言めいげん。我々(われわれ)のこころうち見事みごとにおあらわしです!」



一同いちどうは続々(ぞくぞく)と立ちがり、感嘆かんたんこえげつつさかずきかかげた。


かれらは後楯こうだてなきもの、あるいはあさ基盤きばんものばかり。方源ほうげん家老かろう昇格しょうかくに、復讐ふくしゅうおそれると同時どうじに、この権力けんりょくへの接近せっきん渇望かつぼうしている。


方源ほうげんあわみをかべ、かすかにげてさかずきった。


そのとき夜空よぞら陰雲いんうんり、しゃごと月光げっこう中庭なかにわおおう。清冷せいれい空気くうきじる血気けっきが、残酷ざんこく現実げんじつ露呈ろていさせていた。


一方いっぽう宴席えんせき広間ひろまは——


上品じょうひん優雅ゆうがほどこし、燦然さんぜんたる灯火とうかかがやく。酒色財気しゅしょくざいき充満じゅうまんし、各人かくじんかおには虚ろ(うつろ)なみがいていた。さながらあたたかなる人間天堂じんかいてんどうごとく。


「これこそ組織体制そしきたいせい魅力みりょくよ」


方源ほうげんひとみつめたいひかりまたたき、杯内はいない玉液ぎょくえきらめく思考しこう拡散かくさんしていく。



かつて同級生どうきゅうせいから掠奪りゃくだつしたさいわず数個すうこ元石げんせき衆怒しゅうどったものだ。


いまかれくちにすらさないのに、連中れんちゅうはしょんぼりとび、我先われさき元石げんせきとどける——一袋ひとふくろ百個ひゃっこ単位たんい


前後ぜんごは、表向おもてむきは方源ほうげん家老かろうという身分みぶんにあるようだが、


本質ほんしつあきらかだ:


むかし組織そしき外側そとがわにいたのが、いま権力けんりょく高層こうそう位置いちする。


体制下たいせいかでは——


成員せいいんよろこんで隷属れいぞくし、搾取さくしゅされる。方源ほうげん暗示あんじするまでもなく、すすんで賄賂わいろとどけ、人脈じんみゃくし、女色じょしょくんでくる。


この世界せかいがそうであるなら、


地球上ちきゅうじょうでは尚更なおさらそうだ。


「このものどもはなんと滑稽こっけいなことか。ぬすまれ、うばわれてわずかばかりの損害そんがいこうむれば、激烈げきれつ反抗はんこうし、不満ふまんわめらす。


しかるに権力層けんりょくそうへの賄賂わいろには——贈物おくりもの肉体にくたい貞操ていそうさえもよろこんです。それどころか不足ふそくなげ始末しまつ今夜こんやあつまった元石げんせきも、所詮しょせん組織そしきという権力けんりょくりただけだ」


方源ほうげんこころ冷笑れいしょうし、古月青書こげつせいしょ漠顔ばくがん赤山せきざんらをおもかべずにはいられなかった。


古月青書こげつせいしょごと俊英しゅんえい乙等おつとう素質そしつち、修行しゅぎょう天賦てんぷえば方源ほうげんよりはるかにすぐれている!


だがかれらは進歩しんぽおそく、なが二転にてん境界きょうかい停滞ていたいした。


努力どりょく不足ぶそくなのか?


ふふ。


つめたいわらこえ二度にどこぼれた。


これこそ体制たいせいによる搾取さくしゅ抑圧よくあつだ。


しかしながらこのしゅ収奪しゅうだつ圧迫あっぱくは、往々(おうおう)にして不可視ふかしである。常人じょうじんでは到底とうてい見抜みぬけない!


目前もくぜんたとえば方源ほうげん眼前がんぜん――これらのものとどけた元石げんせきは、もし自身じしん修行しゅぎょうもちいたなら絶対ぜったい推進力すいしんりょくとなったはずだ。


だからこそ賄賂わいろがあるかぎり、それは搾取さくしゅなのだ!


無数むすう下層かそう我先われさき上層じょうそう賄賂わいろおく行為こういは、すなわ権力層けんりょくそうへの資金調達しきんちょうたつであり、その威光いこうさら増幅ぞうふくする。


金銭きんせん以外いがいに、時間じかんてき搾取さくしゅ存在そんざいする。


古月青書こげつせいしょごと俊英しゅんえい無論むろん他者たしゃ賄賂わいろおく必要ひつようなどないが、かれらの時間じかん侵食しんしょくされる。日々(ひび)「これやれ」「あれやれ」とはしらせ、奔走ほんそうさせることを「上層じょうそう期待きたい寵愛ちょうあい!」と美辞麗句びじれいく装飾そうしょくする。


もしその時間じかん修行しゅぎょうてていれば、古月青書こげつせいしょはとっくに二転にてん頂点ちょうてん突破とっぱ三転さんてん到達とうたつしていただろう。木魅蛊こだまこ駆使くしすれば、白凝冰はくぎょうひょうころせたかもしれない!


巧妙こうみょうなのは、家老かろう連中れんちゅう内心ないしん古月青書こげつせいしょごと後進こうしんすみやかに三転さんてんすることをのぞんでいないてんだ。


使い勝手つかいがって手駒てごま三転さんてんし、自身じしん対等たいとう立場たちばになれば、指図さしずできなくなるではないか?


だれおのれ権利けんり分割ぶんかつされることをのぞむだろう?


だから意識的いしきてき足止あしどめし抑圧よくあつしつつ、これまた麗々(れいれい)しく言上げんじょうする――「この若者わかもの有望ゆうぼうだが、みがいてこそたまとなるのだ…」


ふっ。



「これこそが体制の中の真実だ。この点を見抜けなければ、どれだけ英雄豪傑であれ、どれだけ天賦の才に恵まれていようとも、かせをはめられた竜虎りゅうこにすぎず、ただの奴隷にすぎない。古月青書や古月赤鐘といった類の人物は、どれほど才知能力に優れていても、どうなるというのか?」


(かんが)えはおおかったが、思考しこう電光でんこうのごとく、外界がいかいでは一瞬いっしゅん恍惚こうこつあいだにすぎなかった。


みなさん、このさかずきたしてしてくれ。」方源ほうげん酒杯さかずきくちびるにもってゆき、くびあおげてした。


みなあわててし、半滴はんてきたりとものこすことなえてしなかった。


辞去じきょする。」方源ほうげんこぶしむねにかかげて一礼いちれいし、あるした。うしろにいる使用人しようにんたちは各々(おのおの)元石げんせきささげ、その一歩いっぽ一歩いっぽについていった。


みなあわてて見送みおくろうとした。


んでいてくれ、おくるにはおよばない。」方源ほうげんはそうったが、みな恐縮きょうしゅくしてえてせず、続々(ぞくぞく)とせきはなれ、お世辞せじやおべっかが次々(つぎつぎ)とこった。


方源ほうげんはまたった:「わしは清浄せいじょうこの人間にんげんじゃ。」


みなはその表情ひょうじょうて、ようやくあきらめ、客間きゃくまなかとどまった。


方源ほうげん背中せなか次第しだいとおざかっていくのをて、溜息ためいきをつくものもいれば、沈黙ちんもくするものもおり、ある者はまた嘆息たんそくしてった:「方源ほうげん家老かろう本当ほんとう奇人きじんだ、見事みごとな生きいきざまだよ…」


かれらはみななかかわずであり、きりなかつきているにすぎなかった。ただ方源ほうげんの生きいきざま立派りっぱだとかんじているだけで、体制たいせいというこのそう見透みとおすことはまだできないのだ。


じつのところ、体制たいせいくわわるだけで、搾取さくしゅされ、利益りえき犠牲ぎせいにされる。


たとえ族長ぞくちょうでさえ、犠牲ぎせいはらっており、家族かぞく管理かんりのために膨大ぼうだい時間じかん労力ろうりょくささげているのだ。


ただ、末端まったん構成員こうせいいんほど、搾取さくしゅ状況じょうきょうがより深刻しんこくになる。高層こうそうけばくほど、享受きょうじゅする利益りえきはより大きくなる。


方源ほうげん最初さいしょころ元石げんせきうば対立たいりつを起こし、独特どくとく孤高ここうみちつらぬいた。じつおとうとさえもゆるさなかった。これこそが、このそう搾取さくしゅけるためであり、そのため十分じゅうぶん時間じかん労力ろうりょくて、三転さんてんへとのぼることができた。家老かろうとなったこの結果けっかは、数多あまたの人々(ひとびと)に驚異きょういねんきんなかった。


いまかれ豹変ひょうへんし、家老かろうとなり、温厚おんこう優雅ゆうがとなり、高位こうい権力けんりょくもあり、家老かろうとしていくつもの福利ふくり享受きょうじゅし、人々(ひとびと)にかぎりなく羨望せんぼうさせている。


この体制たいせいから離脱りだつすることと加入かにゅうすること、たりはいったりするこのあいだに、深遠しんえん知恵ちえちている。


しかしたしてどれほどのひとが、これを明察めいさつできるだろうか?


方源ほうげん搾取さくしゅされることがった。しかし利益りえき享受きょうじゅした。これが凡人ぼんじんかられば、それは自由自在じゆうじざいなふるまいなのである。


……


「よし、そこのものはつくえうえいてけばよい」方源ほうげん配慮はいりょしてった。


何人なんにんかの使用人しようにんたちはかすかな異論いろんはさまず、だまって品物しなものくと、方源ほうげんかってこしって退しりぞいた。


この住居じゅうきょは、もはや方源ほうげん当時とうじりていた部屋へやではない。


方源ほうげん家老かろう昇進しょうしんして以来いらい一族いちぞくかれ真新まあたらしい竹楼ちくろうてた。


竹楼ちくろうには専用せんよう書斎しょさいや、修行しゅぎょうのための閉関へいかんよう密室みっしつもうけられていた。しかし使用人しようにんはおらず、方源ほうげん自身じしんつける必要ひつようがあった。


兜率花とそつかよ」


方源ほうげんこころねんじると、白銀はくぎんいろ真元しんげんそそがれた。したこけ寄生きせいする兜率花とそつかゆうが、ぜんとして活気かっきびた。


かれくちひらくと、あかひかり一瞬いっしゅんきらめき、提灯ちょうちんのようにゆっくり回転かいてんする兜率花とそつか空中くうちゅうただよい、かれ眼前がんぜんあらわれた。




方源ほうげん兜率花とそつか駆動くどうすると、たちまちあか光芒こうぼう飛躍ひやく的に伸長しんちょうし、周囲しゅうい一面いちめん紅霞こうかあふれるほどらしした。


一塊ひときれまた一塊ひときれ元石げんせきが、この赤光あかびかりおおわれ照射しょうしゃされると、無形むけい牽引けんいんけて、次々(つぎつぎ)とふくろからし、兜率花とそつか吸収きゅうしゅされていった。


しばらくすると赤光あかびかりせた。方源ほうげんかるくちひらくと、兜率花とそつかふたたかれ口内こうないもどり、舌苔ぜったいうえちて、あかともしびのような精霊せいれいへとわった。


「この兜率花とそつか三转さんてん蛊虫こちゅうで、元石げんせき無論もちろんほかもの収納しゅうのうできる。保存類ほぞんるい三转蛊虫さんてんこちゅうにおいて屈指くっし存在そんざいで、最大さいだい三万枚さんまんまい元石げんせきたくわえられる。だがほか物品ぶっぴんおさめることをかんがえれば、実際じっさいには一万五千枚いちまんごせんまい上限じょうげんだ」


方源ほうげんはじめてこの蛊虫こちゅう使つかうにもかかわらず、前世ぜんせ豊富ほうふ経験けいけん駆使くしして、即座そくざにその限界げんかい推測すいそくした。


元石げんせき蛊師こし修行しゅぎょうにおいて最も基礎的きそてき資源しげんであり、それ以上いじょう重要じゅうようなものは存在そんざいしない。


元石げんせきりなければ、蛊師こし推進力すいしんりょく深刻しんこくくことになる。


かつ元石げんせき真元しんげん迅速じんそく回復かいふくでき、戦闘せんとうにおいてもきわめておおきなたすけとなる。


特に単独たんどく野外やがい行動こうどうする蛊師こしにとって、元石げんせき最低限さいていげん生存保障せいぞんほしょうである。一般いっぱん蛊師こしすくなくとも一万枚いちまんまい元石げんせきってはじめて、一定期間いっていきかん基本補給きほんほきゅう確保かくほできる。しかも一定期間いっていきかんごとに、及時きゅうじ補充ほじゅうする必要ひつようがある。



一万五千枚(いちまんごせんまい)元石(げんせき)備蓄(びちく)は、方源(ほうげん)にとってやや(すく)ない数量(すうりょう)だが、それでも受容可能(じゅようかのう)範疇(はんちゅう)にとどまる。


先程(さきほど)赤練(せきれん)から三千枚(さんぜんまい)元石(げんせき)(かり)今回(こんかい)(かく)(くわ)えれば、当分(とうぶん)元石不足(げんせきぶそく)(なや)むことはない。現在(げんざい)戦力構成(せんりょくこうせい)六要素(ろくようそ)()かれる:攻防(こうぼう)血月天蓬(けつげつてんぽう)機動(きどう)補助(ほじょ)雷翼(らいよく)()貯蔵(ちょぞう)兜率花(とそつか)偵察(ていさつ)地聴肉耳草(ちょうにくみそう)治療(ちりょう)だけが欠落(けつらく)している」方源(ほうげん)黙考(もっこう)した。


以前(いぜん)九枚葉(きゅうまいよう)生気草(せいきそう)()っていたが、兜率花(とそつか)との交換(こうかん)上納(じょうのう)した。


しかしこの二轉(にてん)治療(ちりょう)()たる九枚葉(きゅうまいよう)生気草(せいきそう)は、()手元(てもと)(のこ)していたとしても、その治癒能力(ちゆのうりょく)方源(ほうげん)にとって満足(まんぞく)できるものではなかった。


三転(さんてん)治療(ちりょう)()において、いくつか理想(りそう)的なものがある。例えば生々不息(せいせいふそく)()持続的(じぞくてき)治療(ちりょう)可能(かのう)で、真元(しんげん)消費量(しょうひりょう)(すく)ない。この(てん)においては、資質(ししつ)()くない(わたし)のような蛊師(こし)最適(さいてき)だ。また不死草(ふしそう)一縷(いちる)生気(せいき)(たも)ち、一息(ひといき)をつなぐことができ、(いのち)(たも)上等(じょうとう)()()える。最も理想(りそう)的なのは自力更生(じりきこうせい)()だ。この蛊虫(こちゅう)特異(とくい)蛊師(こし)自身(じしん)(ちから)依存(いぞん)する。蛊師(こし)(ちから)(つよ)ければ(つよ)いほど、新陳代謝(しんちんたいしゃ)亢進(こうしん)させ、それによって(きず)治癒(ちゆ)するのだ」


しかしこれらの三種(さんしゅ)蛊虫(こちゅう)を、方源(ほうげん)容易(たやす)()つけられるはずがない。


古月(こげつ)一族(いちぞく)(がわ)では、地下(ちか)虫洞(ちゅうどう)さえも(かれ)探索(たんさく)()くしたが、発見(はっけん)できなかった。


物資(ぶっし)リストにも、このような珍貴(ちんき)蛊虫(こちゅう)外部流出(がいぶりゅうしゅつ)するはずがない。


わずかな可能性(かのうせい)があるとしたら、やはり花酒行者(かしゅぎょうじゃ)遺蔵(いぞう)であった。


しかしこの可能性(かのうせい)すらも(きわ)めて(かす)かで、方源(ほうげん)はほとんど期待(きたい)していなかった。花酒行者(かしゅぎょうじゃ)遺蔵(いぞう)は、すでに終局(しゅうきょく)(ちか)いと(かん)じている。どうして最後(さいご)最後(さいご)に、方源(ほうげん)必要(ひつよう)とする()()てくるだろうか?


もし本当(ほんとう)にそうなら、それはあまりにも理想的(りそうてき)完璧(かんぺき)すぎる。


だが方源(ほうげん)()っていた――この()残酷(ざんこく)欠落(けつらく)()ちているのだ。()期待(きたい)()せることこそ、(あま)い考え(かんがえ)というものだ!


「そうは()っても、やはりこの遺蔵(いぞう)徹底的(てっていてき)探査(たんさく)すべきだ。(すくな)くともあの鋸歯金蜈(きょしきんご)は、手中(しゅちゅう)(おさ)めるべきだろう」方源(ほうげん)心中(しんちゅう)計画(けいかく)(さだ)まった。







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